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【発明の名称】 車椅子
【発明者】 【氏名】田中 守

【氏名】長嶋 保

【氏名】松原 利和

【氏名】三浦 伊知朗

【要約】 【課題】下り坂および上り坂の坂道を走行するときにも座席を常に水平に保つことができ、常に安全に走行でき、脱輪しても座席に乗ったまま脱出でき、段差を安全に乗り越えることができる車椅子を提供する。

【解決手段】ベースフレーム10、座席52、前輪11および後輪13を備えた車椅子であって、この車椅子に、座席52を水平に維持するレベリング装置20が取り付けられ、このレベリング装置20が、座席52に取り付けられ、座席52の水平度を検出する傾斜センサ23と、ベースフレーム10と座席52との間に取り付けられ、傾斜センサ23の信号に応じて座席52が水平になるように伸縮しうるレベリングシリンダ21とから構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ベースフレーム、座席、前輪および後輪を備えた車椅子であって、該車椅子に、前記座席を水平に維持するレベリング装置が取り付けられ、該レベリング装置が、前記座席に取り付けられ、該座席の水平度を検出する傾斜センサと、前記ベースフレームと前記座席との間に取り付けられ、前記傾斜センサの信号に応じて前記座席が水平になるように伸縮しうるレベリングシリンダとからなることを特徴とする車椅子。
【請求項2】ベースフレーム、座席、前輪および後輪を備えた車椅子において、前記前輪と後輪との間に設けられた補助輪と、該補助輪を駆動させる駆動源とからなることを特徴とする車椅子。
【請求項3】前記補助輪が、上下昇降自在に設けられ、上昇時には、前記前輪および後輪より高い位置に収納され、下降時には、前記前輪および後輪より低い位置に移動しうることを特徴とする請求項2記載の車椅子。
【請求項4】前記一対の補助輪がいずれも、正面視で一対の前輪間よりも内側に設けられたことを特徴とする請求項3記載の車椅子。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】車椅子は、座位の患者の輸送や障害者の装具として用いられる車つきの椅子である。車椅子は、座席が固定されたフレームと、このフレームの前後に取り付けられた、一対の前輪および一対の後輪とから基本構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の車椅子には、以下の(i) 〜(iii) に示す問題点がある。
(i) 従来の車椅子で坂道を走行する場合、座席がフレームに固定されているので、上り坂では座席が斜め前上方へ傾いて、乗っている人が後ろに倒れそうになることがある。また、下り坂ではフレームとともに座席が斜め前下方へ傾くので、乗っている人が座席からズリ落ちそうになったりする。つまり、従来の車椅子で上り坂や下り坂の坂道を走行する際には、乗っている人が不安定になり、安全性に欠けている。
(ii)従来の車椅子では、前輪や後輪の車輪がぬかるみや窪地で完全に脱輪してしまうと、座席から降りずに、座席に乗ったまま脱出することは不可能である。かと云って、車椅子に乗っている人は足が不自由な人がほとんどであるから、座席から一旦降りて車椅子全体を持ち上げ、車輪を脱出させ、座席に再び乗るという一連の作業は、健常者が考えている以上に困難を極めるのである。脱輪しても座席に乗ったまま脱出可能な車椅子が多くの人達に望まれている。
(iii) 従来の車椅子で段差を越えようとした場合には、以下のような不具合がある。すなわち、前輪を電動もしくは手動で回転させても、前輪がスリップしてしまい、大きな段差を越えることができない。たとえ、段差を越えたとしても、車椅子は非常に不安定となり、倒れてしまう危険がある。
【0004】本発明はかかる事情に鑑み、下り坂および上り坂の坂道を走行するときにも座席を常に水平に保つことができ、常に安全に走行でき、脱輪しても座席に乗ったまま脱出でき、段差を安全に乗り越えることができる車椅子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の車椅子は、ベースフレーム、座席、前輪および後輪を備えた車椅子であって、該車椅子に、前記座席を水平に維持するレベリング装置が取り付けられ、該レベリング装置が、前記座席に取り付けられ、該座席の水平度を検出する傾斜センサと、前記ベースフレームと前記座席との間に取り付けられ、前記傾斜センサの信号に応じて前記座席が水平になるように伸縮しうるレベリングシリンダとからなることを特徴とする。請求項2の車椅子は、ベースフレーム、座席、前輪および後輪を備えた車椅子において、前記前輪と後輪との間に設けられた補助輪と、該補助輪を駆動させる駆動源とからなることを特徴とする。請求項3の車椅子は、請求項2記載の発明において、前記補助輪が、上下昇降自在に設けられ、上昇時には、前記前輪および後輪より高い位置に収納され、下降時には、前記前輪および後輪より低い位置に移動しうることを特徴とする請求項4の車椅子は、請求項3記載の発明において、前記一対の補助輪がいずれも、正面視で一対の前輪間よりも内側に設けられたことを特徴とする。
【0006】請求項1の発明によれば、傾斜センサによって検出された座席の水平度に応じて、前記座席が水平になるようにレベリングシリンダが伸縮するから、座席を常に水平に維持することができる。レベリング装置によって、座席を常に水平に維持することができるから、段差や下り坂および上り坂の坂道でフレームが傾いたとしても座席を常に水平に維持することができる。よって、乗っている人が前傾したり、後傾したりするのを防止でき、常に安全に走行させることができる。請求項2の発明によれば、前輪や後輪がぬかるみや窪地で脱輪しても、補助輪を駆動させることによって、前輪や後輪を簡単に脱出させることができる。請求項3の発明によれば、通常走行時には補助輪を上昇させて前輪と後輪で走行することができ、脱輪したときや段差を越えたり降りたりするときには、補助輪を下降させて駆動させることができる。請求項4の発明によれば、補助輪が、一対の前輪間よりも内側に設けられているので、前輪や後輪が脱輪しても補助輪は脱輪しないから、この補助輪を下降させて駆動させることによって簡単に脱出することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。図1は本実施形態の車椅子の側面断面図である。図2は本実施形態の車椅子の平面図である。図3は本実施形態の車椅子の背面図である。図4は本実施形態の車椅子の正面図である。図1〜4に示すように、本実施形態の車椅子は、ベースフレーム10、レベリング装置20、昇降機構30、駆動装置40および椅子50から構成されたものである。
【0008】まず、ベースフレーム10を説明する。符号1は、互いに平行で水平に設けられた左右一対の側フレームを示している。各側フレーム1の下方には、側フレーム2がそれぞれ設けられている。上下一対の側フレーム1、2は、その前部を軸受部3によって連結され、後部をブラケット4によって連結されており、三角フレームを構成している。この三角フレームは左右それぞれに設けられており、左右一対の三角フレームの間には、水平なビーム5、6、7および8が各両端を取り付けられており、一対の三角フレーム間を連結している。ビーム8には、支持金具を介して、油圧駆動ユニット14が取り付けられている。駆動ユニット14には、左右一対の駆動ユニット43、43が取り付けられている。この駆動ユニット43には、油圧タンク等が内蔵されている。
【0009】前記各軸受部3には、前輪11が回転自在に左右それぞれに取り付けられている。この前輪11は、電動モータMによって駆動するようになっている。この電動モータMは、後述するコントローラ56を操作することによって正逆回転するようになっている。また、各ブラケット4には、ステー12を介して後輪13が回転自在に左右それぞれ取り付けられている。なお、前記前輪11は、電動で駆動するものだけでなく、手動のものであってもよい。
【0010】つぎに、椅子50を説明する。椅子50は、公知のものであり、椅子フレーム51、座席52、足置き53、肘置き54および補助用取手55等を備えている。椅子50の前面にコントローラ56が取り付けられているが、詳細は後述する。
【0011】つぎに、レベリング装置20を説明する。前記各軸受部3には、レベリングシリンダ21が、そのチューブを取り付けられ、ピストンを上向きに配設されている。他方、前記側フレーム1の後部上面には、軸支持具22が取り付けられている。前記レベリングシリンダ21のロッドの上端は、椅子50の前部にピン等で枢着されており、椅子50の後部は前記軸支持具22にピン等で揺動自在に取り付けられている。レベリングシリンダ21を伸縮させることによって、椅子50の座席52を、ベースフレーム10に対して前後斜めに傾けることができる。逆に云えば、レベリングシリンダ21の伸縮を制御することによって、ベースフレーム10が前後斜めに傾いても、椅子50の座席52を水平に維持することができるのである。
【0012】前記椅子50の椅子フレーム51には、椅子50の水平度を検出するための傾斜センサ23が取り付けられている。また、ベースフレーム10の中央部には、レベリングシリンダ21の伸縮を制御するための伸縮制御装置24が取り付けられている。この伸縮制御装置24には、前記傾斜センサ23の検出信号が送られるようになっている。伸縮制御装置24では、傾斜センサ23の検出信号に応じて、座席52が水平になるようにレベリングシリンダ21の伸縮を制御しているのである。レベリングシリンダ21は、主室および副室を備えており、主室に送油されるとレベリングシリンダ21は収縮し、副室に送油されるとレベリングシリンダ21は伸長するようになっている。
【0013】つぎに、レベリングシリンダ21の油圧回路を説明する。図5はレベリングシリンダ21の油圧回路図である。同図において、符号61はモータを示している。このモータ61は前記伸縮制御装置24からの制御信号によって、正逆回転するようになっている。このモータ61には、油圧ポンプ62が連結されている。この油圧ポンプ62は、収縮用出口と伸長用出口を備えており、これら収縮用出口および伸長用出口は、それぞれ収縮用配管62A および伸長用配管62B の一端に連結されている。前記モータ61が正転すると収縮用配管62A 側の圧力が高くなり、モータ61が逆転すると伸長用配管62B 側の圧力が高くなるのである。
【0014】油圧ポンプ62の収縮用配管62A とレベリングシリンダ21の主室側との間には、配管によって油圧経路が形成されている。この油圧経絡には、レベリングシリンダ21の主室側から油圧ポンプ62へ逆流するのを防止する向きに、逆止弁65A が設けられている。
【0015】この逆止弁65A と油圧ポンプ62との間の配管と、油圧タンクTとの間には、リリーフ弁64A が設けられている。このリリーフ弁64A は、油圧ポンプ62側の配管が一定以上の高圧になるのを防止するためのものである。
【0016】前記逆止弁65A とレベリングシリンダ21の主室側との間には、逆止弁66A およびチョーク67B が並列に設けられている。逆止弁66A は、レベリングシリンダ21の主室側から油圧ポンプ62へ逆流するのを防止する向きに、配設されている。
【0017】逆止弁65A の出口側の配管と油圧タンクTとの間には、パイロット操作逆止弁68B が設けられている。パイロット操作逆止弁68B は、レベリングシリンダ21の主室側から油圧タンクT側へ逆流するのを防止する向きに、配設されている。パイロット操作逆止弁68B のパイロットには、逆止弁65B と油圧ポンプ62との間の配管の圧力が作用するようになっている。
【0018】一方、油圧ポンプ62の伸長用配管62B とレベリングシリンダ21の副室側との間には、配管によって油圧経路が形成されている。この油圧経絡には、レベリングシリンダ21の副室側から油圧ポンプ62へ逆流するのを防止する向きに、逆止弁65B が設けられている。
【0019】逆止弁65B と油圧ポンプ62との間の配管と、油圧タンクTとの間には、リリーフ弁64B が設けられている。このリリーフ弁64B は、油圧ポンプ62側の配管が一定以上の高圧になるのを防止するためのものである。
【0020】前記逆止弁65B とレベリングシリンダ21の副室側との間には、逆止弁66B およびチョーク67A が並列に設けられている。逆止弁66B は、レベリングシリンダ21の副室側から油圧ポンプ62へ逆流するのを防止する向きに、配設されている。
【0021】逆止弁65B の出口側の配管と油圧タンクTとの間には、パイロット操作逆止弁68A が設けられている。パイロット操作逆止弁68A は、レベリングシリンダ21の副室側から油圧タンクTの側へ逆流するのを防止する向きに、配設されている。パイロット操作逆止弁68A のパイロットには、逆止弁65A と油圧ポンプ62との間の配管の圧力がパイロット圧として作用するようになっている。
【0022】符号63は方向制御弁である。この方向制御弁63は、1つの入口と2つの出口を備えており、前記1つの入口は油圧タンクTに接続されており、前記2つの出口は収縮用配管62A または伸長用配管62B にそれぞれ接続されている。この方向制御弁63は、収縮用ブロック63A 、伸長用ブロック63B および中立用ブロック63N を備えており、いずれかの位置をとりうる制御弁である。収縮用ブロック63A の位置の場合には、油圧タンクTと伸長用配管62B とが接続される。伸長用ブロック63B の位置の場合には、油圧タンクTと収縮用配管62A とが接続される。中立用ブロック63N の場合には、油圧タンクTには、いずれの収縮用配管62Aおよび伸長用配管62B も接続されない。
【0023】前記モータ61によって油圧ポンプ62を正転させると、収縮用配管62A の圧力が高まる。方向制御弁63は収縮用ブロック63A 側のパイロット圧によって、収縮用ブロック63A の位置に移動する。油圧タンクTと伸長用配管62B とが接続されるので、油圧ポンプ62の伸長用出口は負圧となり、油圧タンクTから油が吸引される。そして、油圧ポンプ62の収縮出口が高圧となるので逆止弁65A は開弁し、逆止弁66A が開弁するから、油がレベリングシリンダ21の主室に入って、レベリングシリンダ21は収縮するのである。レベリングシリンダ21の収縮によって、その副室側が高圧となるが、チョーク67A によって、レベリングシリンダ21が急激に収縮するのを防止することができる。他方、パイロット操作逆止弁68Aにはパイロット圧が作用しており、パイロット操作逆止弁68A は開弁しているから、圧力を油圧タンクTに逃がすことができる。
【0024】逆に、モータ61によって油圧ポンプ62を逆転させると、伸長用配管62B の圧力が高まる。方向制御弁63は、伸長用ブロック63B 側のパイロット圧によって、伸長用ブロック63B の位置に移動する。油圧タンクTと収縮用配管62A とが接続されるので、油圧ポンプ62の収縮用出口は負圧となり、油圧タンクTから油が吸引される。そして、油圧ポンプ62の伸長出口が高圧となるので逆止弁65B は開弁し、逆止弁66B が開弁するから、油がレベリングシリンダ21の副室に入って、レベリングシリンダ21が伸長するのである。レベリングシリンダ21の伸長によって、その主室側が高圧となるが、チョーク67B によってレベリングシリンダ21が急激に伸長するのを防止することができる。他方、パイロット操作逆止弁68B にはパイロット圧が作用しており、パイロット操作逆止弁68B は開弁しているから、圧力を油圧タンクTに逃がすことができる。
【0025】つぎに、昇降機構30を説明する。図1に示すように、前記椅子50の前部にコントローラ56が切換え自在に取り付けられている。このコントローラ56は、後述する補助輪41を昇降させるためのものである。前記ビーム8の中間部には、昇降シリンダ31がそのチューブの先端をピン等で枢着されている。この昇降シリンダ31のロッドの先端は、支持棒33の中間部に枢着されている。前記コントローラ56を手動で動かすことにより、昇降シリンダ31を伸縮できるようになっている。前記支持棒33の両端は、それぞれ左右一対のリンク32,32の一端に枢着されている。各リンク32の他端は前記軸受部3にピンで枢着されている。各リンク32には、左右一対の補助輪41,41が回転自在に取り付けられている。
【0026】つぎに、昇降シリンダ31の油圧回路を説明する。図6は昇降シリンダ31の油圧回路図である。同図において、符号71はモータを示している。このモータ71は椅子50のコントローラ56を手動で切換えることによって、正逆回転するようになっている。このモータ71には、油圧ポンプ72が連結されている。この油圧ポンプ72は、収縮用出口と伸長用出口を備えており、これら収縮用出口および伸長用出口は、それぞれ収縮用配管72A および伸長用配管72B の一端に連結されている。前記モータ71が正転すると収縮用配管72A 側の圧力が高くなり、モータ71が逆転すると伸長用配管72B 側の圧力が高くなるのである。
【0027】油圧ポンプ72の収縮用配管72A と昇降シリンダ31の主室側との間には、配管によって油圧経路が形成されている。この油圧経絡には、昇降シリンダ31の主室側から油圧ポンプ72へ逆流するのを防止する向きに、逆止弁75A が設けられている。
【0028】この逆止弁75A と油圧ポンプ72との間の配管と、油圧タンクTとの間には、リリーフ弁74A が設けられている。このリリーフ弁74A は、収縮用配管72A 等の配管が一定以上の高圧になるのを防止するためのものである。
【0029】前記逆止弁75A と昇降シリンダ31の主室側との間には、逆止弁76A およびチョーク77B が並列に設けられている。逆止弁76A は、昇降シリンダ31の主室側から油圧ポンプ72へ逆流するのを防止する向きに、配設されている。
【0030】逆止弁75A の出口側の配管と油圧タンクTとの間には、パイロット操作逆止弁78B が設けられている。パイロット操作逆止弁78B は、昇降シリンダ31の主室側から油圧タンクT側へ逆流するのを防止する向きに、配設されている。パイロット操作逆止弁78B のパイロットには、逆止弁75B と油圧ポンプ72との間の配管の圧力が作用するようになっている。
【0031】一方、油圧ポンプ72の伸長用配管72B と昇降シリンダ31の副室側との間には、配管によって油圧経路が形成されている。この油圧経絡には、昇降シリンダ31の副室側から油圧ポンプ72へ逆流するのを防止する向きに、逆止弁75B が設けられている。
【0032】逆止弁75B と油圧ポンプ72との間の配管と、油圧タンクTとの間には、リリーフ弁74B が設けられている。このリリーフ弁74B は、伸長用配管72B 等の配管が一定以上の高圧になるのを防止するためのものである。
【0033】この逆止弁75B と昇降シリンダ31の副室側との間には、逆止弁76B およびチョーク77A が並列に設けられている。逆止弁76B は、昇降シリンダ31の副室側から油圧ポンプ72へ逆流するのを防止する向きに、配設されている。
【0034】逆止弁75B の出口側の配管と油圧タンクTとの間には、パイロット操作逆止弁78A が設けられている。パイロット操作逆止弁78A は、昇降シリンダ31の副室側から油圧タンクTの側へ逆流するのを防止する向きに、配設されている。パイロット操作逆止弁78A のパイロットには、逆止弁75A と油圧ポンプ72との間の配管の圧力がパイロット圧として作用するようになっている。
【0035】符号73は方向制御弁である。この方向制御弁73は、1つの入口と2つの出口を備えており、前記1つの入口は油圧タンクTに接続されており、前記2つの出口は収縮用配管72A または伸長用配管72B にそれぞれ接続されている。この方向制御弁73は、収縮用ブロック73A 、伸長用ブロック73B および中立用ブロック73N を備えており、いずれかの位置をとりうる制御弁である。収縮用ブロック73A の位置の場合には、油圧タンクTと伸長用配管72B とが接続される。伸長用ブロック73B の位置の場合には、油圧タンクTと収縮用配管72A とが接続される。中立用ブロック73N の場合には、油圧タンクTには、いずれの収縮用配管72Aおよび伸長用配管72B も接続されない。
【0036】前記モータ71によって油圧ポンプ72を正転させると、収縮用配管72A の圧力が高まる。方向制御弁73は収縮用ブロック73A 側のパイロット圧によって、収縮用ブロック73A の位置に移動する。油圧タンクTと伸長用配管72B とが接続されるので、油圧ポンプ72の伸長用出口は負圧となり、油圧タンクTから油が吸引される。そして、油圧ポンプ72の収縮出口が高圧となるので逆止弁75A は開弁し、逆止弁76A が開弁するから、油が昇降シリンダ31の主室に入って、昇降シリンダ31は収縮するのである。昇降シリンダ31の収縮によって、その副室側が高圧となるが、チョーク77A によって、昇降シリンダ31が急激に収縮するのを防止することができる。他方、パイロット操作逆止弁78A にはパイロット圧が作用しておりパイロット操作逆止弁78A は開弁しているから、圧力を油圧タンクTに逃がすことができる。
【0037】逆に、モータ71によって油圧ポンプ72を逆転させると、伸長用配管72B の圧力が高まる。方向制御弁73は、伸長用ブロック73B 側のパイロット圧によって伸長用ブロック73B の位置に移動する。油圧タンクTと収縮用配管72A とが接続されるので、油圧ポンプ72の収縮用出口は負圧となり、油圧タンクTから油が吸引される。そして、油圧ポンプ72の伸長出口が高圧となるので逆止弁75B は開弁し、逆止弁76B が開弁するから、油が昇降シリンダ31の副室に入って、昇降シリンダ31が伸長するのである。昇降シリンダ31の伸長によって、その主室側が高圧となるが、チョーク77B によって昇降シリンダ31が急激に伸長するのを防止することができる。他方、パイロット操作逆止弁78B にはパイロット圧が作用しており、パイロット操作逆止弁78B は開弁しているから、圧力を油圧タンクTに逃がすことができる。符号79は、オーバーロードリリーフ弁であり、過負荷状態を防止し、補助輪41等の押し下げ過ぎなどを防止するための弁である。
【0038】つぎに、駆動装置40を説明する。図1に示すように、補助輪41の駆動源は、駆動モータ42であり、この駆動モータ42は、リンク32に取り付けられている。他方、前記椅子50には、手動のコントローラ56が取り付けられている。このコントローラ56を操作することによって、電気モータMで前輪11を正転もしくは逆転させるとともに、駆動モータ42で正転もしくは逆転、補助輪41を正転もしくは逆転させることができるようになっている。なお、駆動輪41の上昇時すなわち収納時には、コントローラ56を操作しても駆動輪41が駆動しないようにしておくと、電力の節約となり好適である。なお、転倒防止に補助輪41を用いる場合には、必ずしも補助輪41の駆動は必要でなく、かつ降下も必要としない。
【0039】つぎに、本実施形態の車椅子の作用効果を説明する。本実施形態の車椅子によれば、ベースフレーム10が傾いたとしても、下り坂や上り坂で、レベリング装置20によって、座席52を常に水平に維持しながら、走行させることができる。よって、乗っている人が前傾したり後傾したりするのを防止でき、常に安全に走行させることができるという効果を奏する。
【0040】図7〜9は、本実施形態の車椅子の上り段差での動作説明図である。図7(U-I) に示すように、電動モータMによって前輪11を駆動させれば、本実施形態の車椅子を前進させることができる。傾斜センサ23によって椅子50の傾斜度が常時検出されており、レベリング装置20によって座席52は水平に保たれている。昇降シリンダ31は、収縮しており、補助輪41は上昇している。駆動モータ42は停止したままであり、補助輪41は停止している。
【0041】図7(U-II)に示すように、一段高くなった段差がある場合には、昇降シリンダ31を伸長させて、左右一対の補助輪41,41を降下させ低い方の道路に接地させる。なお、段差が高い場合には、昇降シリンダ31をさらに伸長させて駆動輪41でふんばることも可能である。
【0042】図8(U-III) に示すように、コントローラ56を駆動方向に動かすと、駆動モータ42によって、補助輪41は回転するので、前輪11は段差を乗り越えることができる。
【0043】図8(U-IV)に示すように、本実施形態の車椅子を前進させると、補助輪41は段差に接触する。ここで、昇降シリンダ31を収縮させて、補助輪41を上昇させる。
【0044】図9(U-V) に示すように、補助輪41が上昇した状態で、本実施形態の車椅子を前進させる。ベースフレーム10が傾いたまま前進しても、レベリング装置20によって座席52を水平に維持することができる。
【0045】図9(U-VI)に示すように、ベースフレーム10が水平になるまで昇降シリンダ31を伸長させて、補助輪41を段差の上面に接地させると、後輪13は道路から浮く。このときも、レベリング装置20によって、椅子50の座席52を常に水平に維持させることができる。
【0046】上記のごとく、本実施形態の車椅子によれば、座席52を常に水平に維持したまま、一段高い段差を越えることができるので、非常に安全であるという効果を奏する。
【0047】つぎに、本実施形態の車椅子による下り段差での動作を説明する。図10〜12は本実施形態の車椅子の下り段差での動作説明図である。図10(D-I) に示すように、一段低くなった段差があるときには、まず、昇降シリンダ31を伸長させて道路に補助輪41を接地させる。補助輪41を道路に接地させたまま、駆動モータ42によって補助輪41を駆動させる。
【0048】図10(D-II)に示すように、本実施形態の車椅子をゆっくり前進させると前輪11はゆっくりと段差を下る。このため、前輪11が急激に段差を落ちることがなく、また、レベリング装置20によって、座席52は常に水平に維持されているから、安全である。
【0049】図11(D-III) に示すように、昇降シリンダ31を収縮させて補助輪41を上昇させる。そして、本実施形態の車椅子を前進させる。
【0050】図11(D-IV) に示すように、ベースフレーム10が水平になるまで駆動モータ42を伸長させて、補助輪41を降下させて道路に接地させる。そして、本実施形態の車椅子を前進させる。
【0051】図12(D-V) に示すように、昇降シリンダ31を収縮させて補助輪41を上昇させると、ベースフレーム10は傾くけれども、レベリング装置20によって座席52を常に水平に維持させることができる。
【0052】上記のごとく、本実施形態の車椅子によれば、座席52を常に水平に維持したまま、一段低い段差を下りることができるので、非常に安全であるという効果を奏する。
【0053】図示しないが、前輪11や後輪13がぬかるみや窪地で脱輪した場合には、座席52に乗ったまま、椅子50の操作だけで、補助輪41を降下させて補助輪41を駆動させることができるから、座席52から降りることなく、ぬかるみや窪地から前輪11や後輪13を簡単に脱出させることができるから。
【0054】上記のごとく、本実施形態の車椅子によれば、座席52を常に水平に保つことができ、下り坂および上り坂の坂道を走行するときにも常に安全に走行でき、脱輪しても座席に乗ったまま脱出でき、段差を安全に乗り越えることができる、という効果を奏する。
【0055】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、傾斜センサによって検出された座席の水平度に応じて、前記座席が水平になるようにレベリングシリンダが伸縮するから、座席を常に水平に維持することができる。レベリング装置によって、座席を常に水平に維持することができるから、段差や下り坂および上り坂の坂道でフレームが傾いたとしても座席を常に水平に維持することができる。よって、乗っている人が前傾したり、後傾したりするのを防止でき、常に安全に走行させることができる。請求項2の発明によれば、前輪や後輪がぬかるみや窪地で脱輪しても、補助輪を駆動させることによって、前輪や後輪を簡単に脱出させることができる。請求項3の発明によれば、通常走行時には補助輪を上昇させて前輪と後輪で走行することができ、脱輪したときや段差を越えたり降りたりするときには、補助輪を下降させて駆動させることができる。請求項4の発明によれば、補助輪が、一対の前輪間よりも内側に設けられているので、前輪や後輪が脱輪しても補助輪は脱輪しないから、この補助輪を下降させて駆動させることによって簡単に脱出することができる。
【出願人】 【識別番号】300035744
【氏名又は名称】三村鉄工株式会社
【識別番号】300035733
【氏名又は名称】株式会社香川産業頭脳化センター
【出願日】 平成12年5月25日(2000.5.25)
【代理人】 【識別番号】100089222
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 康伸
【公開番号】 特開2001−327545(P2001−327545A)
【公開日】 平成13年11月27日(2001.11.27)
【出願番号】 特願2000−154319(P2000−154319)