| 【発明の名称】 |
車椅子用後退防止装置つきドラムブレーキ |
| 【発明者】 |
【氏名】武田 祐治
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| 【要約】 |
【課題】自走式車椅子で坂道を上るときに、後退して滑り落ちる危険を防止し、さらに、坂道を下りるときには、加速されて速さを増す危険を防ぐ装置を開発することである。
【解決手段】後退防止のラチェット用ドラム6とブレーキ用ドラム7を一体化した円筒を車軸に取り付け、ラチェット用ドラム6にカム型つめ8をつけて後退の回転を止め、さらに、ブレーキ用ドラム7にブレーキバンド17をつけて下り坂での制動を行う。これらの操作は、車椅子の肘掛けに取り付けた共通の操作ハンドル14で駆動ワイヤーを用いて行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車椅子の車軸にラチェットをつけた車椅子用後退防止装置つきドラムブレーキ【請求項2】 車椅子の車軸にラチェット用とブレーキ用を兼ねたドラムを取り付けた車椅子用後退防止装置つきドラムブレーキ【請求項3】 請求項2に記載の車軸に取り付けたドラムに、カム型ラチェットとドラムブレーキをつけた車椅子用後退防止装置つきドラムブレーキ |
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、介護用の車椅子の上り坂での後退防止装置、及び、ブレーキの機構に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の自走式の車椅子には、後退防止装置がついていないために、手漕ぎの自走運転で坂道を上がる際に、手をゆるめると滑り落ちる危険があった。また、坂道を下りる際にも、自然に加速され速さを増して危険であった。従来型の車椅子では、これらを防止するために車のタイヤに金属片を押しつけるタイプのハンドブレーキだけが頼りで、介助者がいない場合には、利用者が坂道を上り下りするときの不安と緊張度が大きかった。 【0003】 【発明が解決しようとしている課題】上記のように、自走式車椅子で坂道を運転する際に、滑り落ちる危険と、下りる際の加速による危険を防止して、安心して運転できるようにすることが、課題である。 【0004】 【課題を解決するための手段】 【0005】これらの課題を解決するには、自走式の車椅子に、利用者が手軽に操作できる後退防止とドラムブレーキを合わせもつ装置を車軸部分に取り付けることである。 【0006】このため、車輪とともに回転する円筒形の後退防止装置用とブレーキ用の二つのドラムを一体化したものを、左右それぞれの車軸部分に取り付け、一つのドラムには後退防止ためのカム型のラチェットをつける。以後、このドラムをラチェット用ドラムと称する。カム型ラチェットは、前進回転では抵抗なく、つめ車型ラチェットのような騒音もなくスムーズに回転するが、後退の逆回転ではカムがドラムにくさびのようにくい込んで回転を止める。また、平地で小回りする際に多少の自走後退が必要なので、このときには、カム型ラチェットを解放できるようにして、その操作を駆動ワイヤーを用いて、利用者が手元のハンドルで簡単に操作できるようにする。 【0007】さらに、下り坂では加速されて危険なので、この加速防止のために残りのドラムには、ブレーキバンドを巻きつけ、引き締めて制動するタイプのドラムブレーキにする。以後、このドラムをブレーキ用ドラムと称する。ブレーキ操作は、駆動ワイヤーを用いて、カム型ラチェットを操作するハンドルと共通のハンドルで操作できるようにする。 【0008】上記のように構成した車椅子用後退防止及びドラムブレーキ装置は、上り坂道の前進には支障がなく後退だけを防ぎ、さらに、下り坂道での加速を防止する働きがあり、利用者が安心して運転できる。 【0009】 【発明の実施の形態】実施例について図面を参照して説明する。図1、及び、図2のように左右の車軸2の部分に、この車軸2を通した基盤5を、骨材の車椅子パイプ4に固定して取り付ける。車輪3と共に回転する二個の円筒を一体としたドラム(ラチェット用ドラム6とブレーキ用ドラム7)を、左右それぞれの車軸2に取り付ける。 【0010】後退防止装置は、図2のように、後退防止ためのカム型つめ8を、ラチェット用ドラム6に接触して動くように、カム型つめ8のラチェット軸9を通して、基盤5に軸を固定して取り付ける。このカム型つめ8は肉厚で図4に示したような不等辺三角形の角を丸くした形で、ラチェット軸9を中心にして、カム型つめ8の長く伸びて丸めた角までの半径R2が、ラチェット用ドラム6に接触する部分までの半径R1より長くなっている。カム型つめ8は小さく弱いばね10で引かれてドラム面に軽く接触させてある。図1、図5のように、車椅子1の前進に伴って、ドラムが図中の矢印の向きに回転し、この前進する順方向の回転では、カム型つめ8はドラム面をなめらかに、音もなく抵抗のない状態で滑る。しかし、車椅子1が坂道を上る際に、利用者が不用意に漕ぐ手をゆるめるて車椅子1が後退し、車輪3と共にドラムが逆回転をはじめると、カム型つめ8はドラム面にくさびのようにくい込んで、車輪の回転を停止させる。 【0011】この後退防止装置は左右の車軸2に取り付けてあるので、坂道の途中で、利用者が漕ぎ手を離しても車椅子1は停止したままなので、安全を保守できる。坂道の途中から再び走り出すときには、順方向の回転なので、カム型つめ8はラチェット用ドラム6の面を滑るのでくさびの働きはせず、何の操作もなしに車椅子1をそのまま前進させることが可能である。平地でも前進するだけなら、何の操作も必要としない。なお、カム型つめ8がラチェット用ドラム6の面にくさびとしてくい込んだときには、大きな力が掛かるので、ラチェット軸9はこの力に耐える丈夫ものにし、カム型つめ8の材質もドラムの材質と同じ硬度で、厚みがあり破損しない強いものにする必要がある。 【0012】平地で小回りするときには、多少の後退が必要になるので、後退を可能にするために、カム型つめ8をドラム面から浮かすように離さねばならない。このため、図6に示すようにカム型つめ8に駆動ワイヤー11をつけ、この端を車椅子1の肘掛けの角に取り付けた図1、図7、図8に示す操作盤12の操作ハンドル14の端につないでおく、操作ハンドル14の取っ手を真ん中のCの位置からAの位置に引き上げて、操作ハンドル14を留め金具13に入れて止めると、駆動ワイヤー11に引かれてカム型つめ8がドラム面から浮かすように離れて、後退防止装置が解除され、後退、前進ともに可能になる。 【0013】ドラムブレーキ装置は、ラチェット用ドラム6と一体になったブレーキ用ドラム7にブレーキバンド17を巻き付け、このブレーキバンド17の一端を基盤5に固定し、他端をL字形てこ18の端につける。L字形てこ18の軸を基盤5に取り付ける。L字形てこ18の他端に駆動ワイヤー11を取り付け、この端を車椅子1の肘掛けの角に取り付けた操作盤12の操作ハンドル14につなぐ。操作ハンドル14の取っ手を真ん中の位置CからBの位置に引き下げると、ワイヤーによって駆動されてブレーキバンド17が締まり制動がかかる。 【0014】駆動ワイヤー11は、自転車等のブレーキワイヤーとして用いられているものと同じで、堅めのワイヤーチューブ15の中にワイヤー16が入っている。ワイヤー16の両端には、ワイヤーを留めたワイヤーボタン19がついており、ワイヤーの接続はこのワイヤーボタン19で行う。駆動ワイヤー11が曲がった状態のままワイヤーチューブ15の中をワイヤー16が移動して、動きと力を伝達することができる。 【0015】図7、図8、図9のように、操作盤12の操作ハンドル14は、左右の車軸につけた後退防止解除とブレーキの両方を操作するため、駆動ワイヤー11が後退防止解除とブレーキ用の各二本、計四本接続してある。操作ハンドル14の取っ手を真ん中の位置CからAの位置に引き上げると、カム型つめ8を駆動するラチェットワイヤー16aが引っ張られて後退防止装置が解除される。このとき、ラチェットワイヤー16aが引き出され、反対側のブレーキワイヤー16b緩むので、図7、図8のように、この緩んだ長さの分だけ、駆動ワイヤー11を操作盤12の外に押し出さねばならない。このため、図9に示すように、操作盤12に後退防止装置用とブレーキ用のそれぞれに二枚ずつ固定板20aと20bが、移動する駆動ワイヤー11の長さに相当する間隔だけ離して取り付けてあり、その固定板20aと20bのそれぞれに駆動ワイヤー11とワイヤー16がらくに通れる孔があけてある。固定板20aと20bの間には、二本の駆動ワイヤー11を取り付け固定板の孔より大きい可動板21があり、操作ハンドル14を操作すことによって固定板間を動き、駆動ワイヤー11の余分な長さだけ移動させる。 【0016】後退防止装置を解除する場合、操作ハンドル14の取っ手をCの位置からAの位置に引き上げる。このとき操作ハンドル14に取り付けられたラチェット用ワイヤー16aが引っ張られて可動板21が固定板間を下方に移動し、可動板21が内側の固定板20bで止められて、駆動ワイヤー11のワイヤーチューブ15中からラチェット用ワイヤー16aだけが引き出されて動きを伝え、基盤5のカム型つめ8を引き上げてラチェット用ドラム6の面から離れて、後退防止装置を解除する。このとき、ブレーキ用の駆動ワイヤー11が押し出されるので、このワイヤーがついた下方の可動板21′が動き、駆動ワイヤー11の余分な長さだけを下外側の固定板20a′から外部に押し出す。 【0017】ドラムブレーキを掛けるには、操作ハンドル14の取っ手を位置CからBの方に引き下げる。このとき、操作ハンドル14に取り付けられたブレーキワイヤー16bが引っ張られて、ブレーキ用の駆動ワイヤー11についた可動板21′が固定板間を移動し、可動板21′が内側の固定板20b′で止められて、駆動ワイヤー11の中からブレーキワイヤー16b′だけが引き出されて動きを伝え、基盤5のL字形てこ18を引っぱってブレーキバンド17を引き締めて制動を掛ける。このとき、後退防止解除用の駆動ワイヤー11が押し出されるので、このワイヤーがついた上方の可動板21が動き、駆動ワイヤー11の余分な長さだけを上外側の固定板20aから外部に押し出す。 【0018】車椅子1の肘掛けの角に取り付ける操作ハンドル14のついた操作盤12は、利用者の左右のきき手に応じて、左右どちらにも取り付けられるようにする。 【0019】 【発明の効果】本発明は、上記のように構成されているので、次のような効果を奏する。 【0020】自走式の車椅子で坂道を上るとき、常に、後退して滑り落ちるような危険にあったが、本発明の後退防止のためのカム型ラチェットを装置することで、利用者が安全に運転できる。 【0021】平地での小回り運転で後退が必要なときには、後退防止のカム型ラチェットを操作ハンドルで簡単に解除できる。 【0022】このカム型ラチェットは、つめ車式ラチェットと違って、まったく騒音を出さず、切り替えなしで後退だけを完全に止め、前進にはまったく抵抗をしめさずなめらかに回転するという利点がある。このため、坂の途中で一端停止のときにも、また、停止してから前進運転を始めるときにも、切り替え操作がいらない。ハンドル操作は、上述のように、この後退防止装置を解除するときに行う。 【0023】自走式の車椅子で坂道を下るとき、車椅子が自然に加速されるので、たえず漕ぎ手で支えるようにしないと、速度が増して危険であった。上記の後退防止の解除と同じ操作ハンドルによって、操作することのできる本案のドラムブレーキを装置することで、利用者が適当な強さで、簡単にドラムブレーキが掛けられるため、坂道を安全に運転できる。 【0024】後退防止装置とドラムブレーキは、高い機能を持っているにもかかわらず、両方を一体化したドラムを用いているので、コンパクトで構造を簡素にできる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】300005275 【氏名又は名称】武田 祐治
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| 【出願日】 |
平成12年5月18日(2000.5.18) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−327543(P2001−327543A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月27日(2001.11.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−187007(P2000−187007) |
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