| 【発明の名称】 |
車いす用チェアーユニット |
| 【発明者】 |
【氏名】渡辺 誠
【氏名】玉澤 佳純
【氏名】吉川 典之
【氏名】古川 久四
【氏名】ペンティ ヒバリネン
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| 【要約】 |
【課題】健常者チェアーと兼用できて車いす専用スペースを必要とせず、十分な安全を確保しつつ車いすに車いす使用者を乗せたまま術者がホームポジションを取ることができる車いす用チェアーユニットを提供する。
【解決手段】チェアーユニットとして、着脱可能な車いすホルダー1と、着脱可能な健常者用いす2と、これらを着脱すべき本体3とを設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 着脱可能な健常者用いすと、着脱可能な車いすホルダーと、前記健常者用いすおよび前記車いすホルダーを着脱すべき本体とを備えた車いす用チェアーユニット。 【請求項2】 前記健常者用いす、および前記車いすホルダーには同一形状の連結部材が備えられており、前記本体には、前記連結部材を連結すべき被連結部材を備えたリフターが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項3】 前記連結部材および被連結部材は、嵌合する凸部および凹部、または凹部および凸部により形成されていることを特徴とする請求項2に記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項4】 前記連結部材および被連結部材には抜け防止機構が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項5】 前記抜け防止機構による抜け防止が機能している間は前記リフターの所定高さからの下降動作が禁止されることを特徴とする請求項4に記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項6】 前記車いすホルダーは、前記連結部材に、水平な軸の周りにチルト可能に取付けられたアームと、前記アームを前記水平な軸の周りにチルトさせるチルト機構と、前記アームに取り付けられた車いす保持部とを備えており、前記車いす保持部は、前記車いすをフレーム部にて保持することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項7】 前記アームは、前記車いす保持部に車いすを装着したときに、前記車いすと位置的な干渉が起こらぬように前記車いすを迂回して、前記車いす保持部を保持するように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項8】 前記車いすホルダーには、背もたれが取付けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項9】 前記背もたれは、チルト可能に取付けられていることを特徴とする請求項8に記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項10】 前記車いす保持部は前記車いすの左右フレーム間の距離に応じて伸縮自在であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項11】 前記健常者用いすにはいすのチルト機構が備えられており、前記車いすホルダーのチルト機構と前記健常者用いすのチルト機構とは、共通の制御機構にて制御されていることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項12】 前記車いすホルダーには、前記車いすのフレームの浮き上がりを感知するセンサが設けられており、前記浮き上がり感知センサが前記浮き上がりを感知した場合には、前記リフターの下降動作および前記チルト機構によるチルトダウン動作が禁止されることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項13】 前記車いすホルダー下面にはセンサが設けられており、前記センサが所定値以上の圧力を感知した場合には、前記リフターの下降動作および前記チルト機構のチルトダウン動作が禁止されることを特徴とする請求項6〜12のいずれかに記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項14】 車いすホルダーと、前記車いすホルダーを水平な軸の周りにチルトさせるチルト機構とを備え、前記車いすホルダーは、車いすをフレーム部にて保持することを特徴とする車いす用チェアーユニット。 【請求項15】 車いすホルダーを取り付けたリフターを備えた車いす用チェアーユニットであって、前記車いすホルダーは、水平な軸の周りにチルト可能に取付けられたアームと、前記アームを前記水平な軸の周りにチルトさせるチルト機構と、前記アームに取り付けられた車いす保持部と、を備えており、前記車いす保持部は、車いすをフレーム部にて保持することを特徴とする車いす用チェアーユニット。 【請求項16】 前記アームは前記車いす保持部に車いすを装着したときに、前記車いすと位置的な干渉が起こらぬように前記車いすを迂回して、前記車いす保持部を保持するように設けられていることを特徴とする請求項15に記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項17】 前記車いすホルダーには、背もたれが取付けられていることを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項18】 前記背もたれは、チルト可能に取付けられていることを特徴とする請求項17に記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項19】 前記車いす保持部は前記車いすの左右フレーム間の距離に応じて伸縮自在であることを特徴とする請求項15〜18のいずれかに記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項20】 前記車いすホルダーには、前記車いすのフレームの浮き上がりを感知するセンサが設けられており、前記センサが前記浮き上がりを感知した場合には、前記リフターの下降動作および前記チルト機構によるチルトダウン動作が禁止されることを特徴とする請求項15〜19のいずれかに記載の車いす用チェアーユニット。 【請求項21】 前記車いすホルダー下面にはセンサが設けられており、前記センサが所定値以上の圧力を感知した場合には、前記リフターの下降動作および前記チルト機構によるチルトダウン動作が禁止されることを特徴とする請求項15〜20のいずれかに記載の車いす用チェアーユニット。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車いす使用者を車いすに載せたまま歯科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科等の治療を行えるチェアーユニットに関する。 【0002】 【従来の技術】社会の高齢化に伴い、車いすを常用する人の数が増加している。これらの人が医療機関において医師の治療を受ける場合に、車いすから治療台への移動が必要となることがある。しかし、車いす使用者の中にはその障害、症状の程度により自力では車いすから治療台への移動ができない場合があり、その際には医師や、看護婦等の補助スタッフの大きな負担となっていた。また、車いすから治療台への移動中に事故が起きることも考えられる。 【0003】これらの問題を解決するため、診療所内に車いす専用スペースを設け、ここに車いす用電動リフト等を設置して治療を行っている場合があった。前記車いす用電動リフトは、車いすの車輪を専用台に載置してストッパーにて固定しており、車いすを最大約30度チルトさせることができる。また、チルトした際の車いす使用者の頭部を支えるため、車いすの後方から前方に向けて張り出すようにヘッドレストが設けられている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に市中のクリニック等の医療施設において上記のように専用スペースを設けることは、使用頻度が比較的低いこともあり、困難である場合がある。 【0005】また、車いすを30度チルトさせた程度では、術者は立位の診療を余儀なくされ、通常の診療姿勢、いわゆるホームポジションをとることができない。さらに、前記した車いすの後方から前方に向けて張り出すように設けられたヘッドレストも、術者がホームポジションを取るのに邪魔な存在である。 【0006】そこで、本発明は、歯科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科等において、健常者の治療に用いられるものと兼用できて、車いす専用スペースを必要とせず、十分な安全を確保しつつ車いすに車いす使用者を乗せたまま術者がホームポジションを取ることができる車いす用チェアーユニットを提供することを目的とする。 【0007】あわせて本発明は、車いす専用スペースが確保できる場合には、十分な安全を確保しつつ車いすに車いす使用者を乗せたまま術者がホームポジションを取ることができる車いす専用のチェアーユニットを提供することをも目的とする。 【0008】また、本発明はその性質上、上記の医療用チェアーユニットに適用できる他、理容、美容用のチェアーユニット、さらには、交通機関の座席に対しても適用が可能である。 【0009】 【課題を解決するための手段】以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。 【0010】請求項1の発明は、着脱可能な健常者用いす(2)と、着脱可能な車いすホルダー(1)と、健常者用いすおよび前記車いすホルダーを着脱すべき本体(3)とを備えた車いす用チェアーユニットにより前記課題を解決する。 【0011】この発明によれば、健常者用いすと車いすホルダーはそれぞれ本体に着脱可能に設けられているので、健常者の治療には健常者用いすを、車いす使用者には車いすホルダーを本体に装着することにより、一つのチェアーユニット本体で健常者と車いす使用者の両者の治療等を行うことができる。したがって、健常者専用ユニットと、車いす用専用ユニットとを別々に備える場合と比較して、診療所内スペース等の有効利用を図ることができる。 【0012】請求項2の発明は、請求項1に記載の車いす用チェアーユニットにおいて、健常者用いすおよび車いすホルダーには同一形状の連結部材(11、12)が備えられており、本体には連結部材を連結すべき被連結部材(14)を備えたリフター(15)が備えられていることを特徴とする。 【0013】この発明によれば、健常者用いすと車いすホルダーの連結部材は同一形状であるので、同一手順にて本体の被連結部材に連結を行うことができる。また、被連結部材はリフターに備えられているので、リフターを上下動させることにより連結を行うことができる。 【0014】請求項3の発明は、請求項2に記載の車いす用チェアーユニットにおいて、連結部材および被連結部材は嵌合する凸部および凹部(13)、または凹部および凸部により形成されていることを特徴とする。 【0015】この発明によれば、連結部材および被連結部材は嵌合する凸部または凹部なので、簡易な構成により堅固な連結を実現することができる。 【0016】請求項4の発明は、請求項2または3に記載の車いす用チェアーユニットにおいて、連結部材および被連結部材には抜け防止機構(20)が設けられていることを特徴とする。 【0017】この発明によれば、連結部材に設けられた抜け防止機構により、連結部の抜け落ちによる不測の事故を防止することができる。 【0018】請求項5の発明は、請求項4に記載の車いす用チェアーユニットにおいて、抜け防止機構による抜け防止が機能している間はリフターの所定高さからの下降動作が禁止されることを特徴とする。 【0019】この発明によれば、抜け防止機構が働いている間はリフターは所定高さから下方には下降しないので、リフターが下降する際に車いすホルダーや健常者用いすが床面との間に物を挟み込むことが回避される。 【0020】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の車いす用チェアーユニットにおいて、車いすホルダーは、連結部材に水平な軸(62)の周りにチルト可能に取付けられたアーム(60)と、アームを水平な軸の周りにチルトさせるチルト機構(100)と、アームに取り付けられた車いす保持部(70)とを備えており、車いす保持部は車いすをフレーム部(121)にて保持することを特徴とする。 【0021】この発明によれば、車いすはフレーム部にて車いすホルダーに保持されるので、ホイール(122)を保持する場合より安定して車いすを保持できる。したがってチルト角度を大きくとることができ、術者のホームポジションにて治療等を行うことができる。 【0022】請求項7の発明は、請求項6に記載の車いす用チェアーユニットにおいて、アームは車いす保持部に車いすを装着したときに、車いすと位置的な干渉が起こらぬように車いすを迂回して車いす保持部を保持するように設けられていることを特徴とする。 【0023】この発明によれば、アームの存在を意識することなく車いすを車いすホルダーに装着することができる。 【0024】請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の車いす用チェアーユニットにおいて、車いすホルダーには背もたれ(80)が取付けられていることを特徴とする。 【0025】この発明によれば、車いすホルダー上の車いすをチルトさせたとき、車いす使用者の体を確実に後方から保持することができる。 【0026】請求項9の発明は、請求項8に記載の車いす用チェアーユニットにおいて、背もたれはチルト可能に取付けられていることを特徴とする。 【0027】この発明によれば、車いす使用者の姿勢にあわせて背もたれの角度を調節することができる。 【0028】請求項10の発明は、請求項6〜9のいずれかに記載の車いす用チェアーユニットにおいて、車いす保持部は車いすの左右フレーム間の距離に応じて伸縮自在であることを特徴とする。 【0029】この発明によれば、左右フレームの幅は伸縮自在なので、車いすの大きさの大小に自由に対応して車いすを載置することができる。 【0030】請求項11の発明は、請求項6〜10のいずれかに記載の車いす用チェアーユニットにおいて、健常者用いすにはいすのチルト機構が備えられており、車いすホルダーのチルト機構と健常者用いすのチルト機構とは共通の制御機構(141)にて制御されていることを特徴とする。 【0031】この発明によれば、車いすホルダーのチルト機構と健常者用いすのチルト機構とは共通の制御機構により制御されるので、操作パネル(17)や制御盤(16)の簡素化をはかることができる。また、同一操作パネル上の同一スイッチにて操作できるよう構成できるので、操作を覚えやすく、操作ミスを低減することができる。 【0032】請求項12の発明は、請求項6〜11のいずれかに記載の車いす用チェアーユニットにおいて、車いすホルダーには、車いすのフレームの浮き上がりを感知する浮き上がり感知センサ(74)が設けられており、浮き上がり感知センサが浮き上がりを感知した場合には、リフターの下降動作およびチルト機構によるチルトダウン動作が禁止されることを特徴とする。 【0033】この発明によれば、車いすのフレームが浮き上がるとリフターの下降動作およびチルト機構によるチルトダウン動作が禁止されるので、車いすが車いすホルダーの前方に飛び出すのを防止することができる。 【0034】請求項13の発明は、請求項6〜12のいずれかに記載の車いす用チェアーユニットにおいて、車いすホルダー下面にはセンサ(90)が設けられており、センサが所定値以上の圧力を感知した場合には、リフターの下降動作およびチルト機構のチルトダウン動作が禁止されることを特徴とする。 【0035】この発明によれば、車いすホルダーと床面との間に足や物を挟む事故を回避することができる。 【0036】請求項14の発明は、車いすホルダーと、車いすホルダーを水平な軸の周りにチルトさせるチルト機構とを備え、車いすホルダーは車いすをフレーム部にて保持することを特徴とする車いす用チェアーユニットにより前記課題を解決する。 【0037】この発明によれば、車いすはそのフレーム部にて車いすホルダーに保持されるので、チルト機構によるチルトの角度を大きくとることができる。 【0038】請求項15の発明は、車いすホルダー(5)を取り付けたリフター(7)を備えた車いす用チェアーユニットであって、車いすホルダーは、水平な軸の周りにチルト可能に取付けられたアームと、アームを水平な軸の周りにチルトさせるチルト機構と、アームに取り付けられた車いす保持部とを備えており、車いす保持部は、車いすをフレーム部にて保持することを特徴とする車いす用チェアーユニット(4)により前記課題を解決する。 【0039】この発明によれば、車いすは車いすホルダーに堅固に保持されるので、チルト角度を大きくとることができる車いす専用チェアーユニットを提供することができる。 【0040】請求項16の発明は、請求項15に記載の車いす用チェアーユニットにおいて、アームは車いす保持部に車いすを装着したときに車いすと位置的な干渉が起こらぬように車いすを迂回して車いす保持部を保持するように設けられていることをを特徴とする。 【0041】この発明によれば、アームの存在を意識することなく車いすを車いすホルダーに装着することができる車いす専用チェアーユニットを提供することができる。 【0042】請求項17の発明は、請求項14〜16のいずれかに記載の車いす用チェアーユニットにおいて、車いすホルダーには背もたれが取付けられていることを特徴とする。 【0043】この発明によれば、車いすホルダー上の車いすをチルトさせたとき、車いす使用者の体を後方から確実に保持することができる車いす専用チェアーユニットを提供することができる。 【0044】請求項18の発明は、請求項17に記載の車いす用チェアーユニットにおいて、背もたれはチルト可能に取付けられていることを特徴とする。 【0045】この発明によれば、車いす使用者の姿勢にあわせて背もたれの角度を調節することができる車いす専用チェアーユニットを提供することができる。 【0046】請求項19の発明は、請求項15〜18のいずれかに記載の車いす用チェアーユニットにおいて、車いす保持部は車いすの左右フレーム間の距離に応じて伸縮自在であることを特徴とする。 【0047】この発明によれば、左右フレームの幅は伸縮自在なので、大きさの大小に自由に対応して車いすを載置することができる車いす専用チェアーユニットを提供することができる。 【0048】請求項20の発明は、請求項15〜19のいずれかに記載の車いす用チェアーユニットにおいて、車いすホルダーには車いすのフレームの浮き上がりを感知するセンサが設けられており、センサが浮き上がりを感知した場合にはリフターの下降動作および前記チルト機構によるチルトダウン動作が禁止されることを特徴とする。 【0049】この発明によれば、車いすのフレームが浮き上がるとリフターの下降動作およびチルト機構によるチルトダウン動作が禁止されるので、車いすが車いすホルダーの前方に飛び出すことを防止しうる車いす専用チェアーユニットを提供することができる。 【0050】請求項21の発明は、請求項15〜20のいずれかに記載の車いす用チェアーユニットにおいて、車いすホルダー下面にはセンサが設けられており、センサが所定値以上の圧力を感知した場合には、リフターの下降動作およびチルト機構によるチルトダウン動作が禁止されることを特徴とする。 【0051】この発明によれば、車いすホルダーと床面との間に足や物を挟む事故を回避しうる車いす専用チェアーユニットを提供することができる。 【0052】 【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す実施形態に基づき、医療機関における車いすを使用する患者の治療行為を想定しつつ説明する。本発明にかかる第一実施形態の車いす用チェアーユニットは、図1に示すように、車いすホルダー1と、健常者用いす2と、本体3の3つの主要部分により構成されている。車いすホルダー1と健常者用いす2には、同一形状の連結部材11、12が備えられている。一方、本体3には垂直なガイドにそって上下動するリフター15、チェアーユニット全体の動作制御を司る制御盤16、術者等の操作意志を入力する操作パネル17等が備えられている。リフター15には、リフトモーター18、位置センサ19(図9参照)などと共に、連結部材11、12と嵌合する形状に形成された被連結部材14が設けられている。車いすホルダー1または健常者用いす2を本体3に隣接する所定位置に配置し、リフター15を上昇させることによって、被連結部材14は連結部材11、12に嵌合し、車いすホルダー1と本体3、または健常者用いす2と本体3は一体となる。さらにリフター15を所定高さまで上昇させて、車いす使用者の治療を行う。一方、車いす使用者の治療が終了したら、一体となった車いすホルダー1と本体3、または健常者用いす2と本体3は、リフター15により所定の高さまで下降させる。そして、車いすホルダー1または健常者用いす2の下方に専用の台車を配置した後、さらにリフター15を下降させることにより、両者を分離することができる。 【0053】車いすホルダー1は車いす使用者を車いすに乗せたままホルダーに載置して、上昇、チルト動作にて所定のポジションまで姿勢変更させて、治療を行うものである。一方健常者用いす2は、健常者を座らせて上昇、チルト動作にて所定のポジションまで姿勢変更させて、治療を行うものである。したがって、健常者用いす2を本体3に連結して一体としたものは、基本的には通常の健常者用チェアーユニットと同様のものである。 【0054】通常時は、健常者用いす2を本体3に装着して一体とし健常者の治療に使用する。一方、車いすの使用者が治療に訪れた場合には、健常者用いす2にかえて車いすホルダー1を本体3に装着したうえで、車いすホルダー1上に車いすを載置して車いす使用者の治療を行う。このようにすることにより一つのチェアーユニット本体3で、健常者と車いす使用者の両者の治療を行うことができる。 【0055】次に、車いすホルダー1の連結部材11と本体3の被連結部材14の構成を図2を参照しつつ説明する。健常者用いす2の連結部材12も基本的に車いすホルダー1の連結部材11と同一構造であるので、ここでは車いすホルダー1の連結部材11に代表させて説明する。連結部材11は、車いすホルダー1の台41の下面に溶接あるいはボルト締めなどにより堅固に取り付けられている。連結部材11は截頭円錐形を倒置した形状をしており、円錐底面が台41の下面に取り付けられている。連結部材11の截頭円錐頂部近くの外周に沿っては、一条の溝21が形成されている。 【0056】一方本体3のリフター15に取り付けられている被連結部材14には、連結部材11の円錐形状に嵌合する形状にて凹部13が形成されている。さらに被連結部材14には抜け防止機構20が設けられている。これについては後に詳述する。連結部材11の上下方向の長さは、被連結部材の凹部13の長さに等しいか、あるいはわずかに長く形成されている。このように連結部材11と被連結部材14とを構成することにより、両者を嵌合させたときに、本体3と車いすホルダー1とは堅固に連結され、一体となる。 【0057】なお、上記の実施の形態においては、連結部材11を凸部、被連結部材14を凹部としたが、逆に連結部材11を凹部、被連結部材14を凸部として構成しても良い。 【0058】図3には、抜け防止機構20の詳細が示されている。被連結部材14の外部から、凹部13の連結部材11の溝21に対応する位置に向けて、水平な孔23が設けられている。孔23には孔23の内径よりわずかに小さな外径を有する丸棒22が水平方向に摺動可能に挿入されている。丸棒22の全長は孔23より大きく設けられており、丸棒22の先端28は溝21の凹部に達することができる。丸棒22の他端側には丸棒22を蓋うように円筒部材24が被連結部材14に取り付けられている。また、丸棒22は、孔23および円筒部材24の内部でその軸心のまわりに回転自在となっている。丸棒22の同方向他端部にはつまみ27が取り付けられており、つまみ27を回動することにより丸棒22をその軸心のまわりに回転させることができる。丸棒22のつまみ27の近傍にはストッパー25が取り付けられている。丸棒22は円筒部材24に設けられた不図示のばねにより付勢されてその先端28が、連結部材11の溝21の溝に嵌入可能となっている。これにより連結部材11と被連結部材14からなる連結機構10の抜け防止がはかられ、連結部材11が被連結部材14の凹部13から抜けることが防止される。この際には丸棒22に設けられたストッパー25とつまみ27の凹部26が嵌合している。つまみ27を回転させて、ストッパー25につまみ27の平坦部29を乗り上げることにより、丸棒22が図3の右側の方向に引き寄せられて、丸棒22の先端28の溝21への嵌入が解け連結部材11と被連結部材14との抜け防止が解除される。なお、被連結部材14には抜け防止機構20の丸棒22が連結部材11の溝21に挿入されているか否かを感知するセンサ30が設けられている。これについては後に詳述する。 【0059】次に図4から図6を参照しつつ車いすホルダー1について説明する。車いすホルダー1の基部は、図4に示されるように、連結部材11と、連結部材11を取り付ける取り付け部40と、取り付け部40に軸62のまわりに回転可能に取り付けられたアーム60と、アーム60に固定され車いすを載置して保持する車いすフレーム保持部70とを備えている。 【0060】取り付け部40は、台41と台41の下面に連結部材11と隣接して取り付けられたL字パイプ50と、L字パイプ50の他端側に取り付けられたフランジ53とを備えている。台41には後述するチルト機構100を取り付けるため、複数の孔42、42、・・・が設けられている。 【0061】アーム60は、両端が上下方向に変位されたU字パイプ64を備えている。U字パイプ64の取り付け部40側の一端にはフランジ61が備えられている。フランジ61とL字パイプ50先端のフランジ53とで蝶番機構55を形成しており、蝶番機構55の軸62は略水平となるように配置されている。U字パイプ64は、軸62を中心として、L字パイプ50に対して回転自在に取り付けられている。U字パイプ64のフランジ61の近傍上面には後述するスクリューナット111の取り付け台63が設けられている。取り付け台63にはスクリューナット111を取り付けるため孔99が設けられている。また、U字パイプ64には、後述するセンサ類のケーブルをパイプの内部に導くため適宜孔104が設けられている。 【0062】U字パイプ64の湾曲部下面には、センサ90が帯状に取り付けられている。センサ90は所定の圧力がかかると導通するように設けられており、本発明にかかる車いす用チェアーユニットの安全制御に供されている。これについては後に詳述する。 【0063】U字パイプ64の他の先端部65は車いすフレーム保持部70に取り付けられている。車いすフレーム保持部70は、2本の平行なフレームホルダー71a、71bと、これらに直交して取り付けられる2本の伸縮ステムを備えている。伸縮ステムは外筒75、76と、これらに内接する内筒77、78とを備えている。内筒77、78は、外筒75、76の内部に軸心方向に摺動可能に取り付けられている。内筒77、78と外筒75、76の各一端はそれぞれフレームホルダー71a、71bに取り付けられている。したがって、フレームホルダー71a、71bは、その平行関係を保持したまま、それらの間隔を伸縮することができる。 【0064】U字パイプ64は、その先端部65が外筒75に直接溶接等で取り付けられている。また、U字パイプ64は支持点66において、U字パイプ支持材79を介して他の一方の外筒76にも固定されている。 【0065】フレームホルダー71a、71bは、L字型鋼で形成されており、その一端にはストッパー72a、72bがフレームホルダー71a、71bに直交する方向に向けて取り付けられている。フレームホルダー71a、71bとストッパー72a、72bとの間には強度保持のため補強部材73a、73bが渡されている。 【0066】図5(a)は、背もたれ80を取り付けた車いすホルダー1の基部を示している。車いすは、図で右側を前、左側を後ろの姿勢にて車いすホルダーに載置保持される。したがって以降の説明においてはこの車いすの姿勢を基準に、図5(a)の右側を前方、左側を後方と呼ぶこととする。背もたれ80の取り付け部材81a、81bは、フレームホルダー71a、71b上に車いすのフレームが載置される際の車いす使用者の姿勢を考慮して、U字パイプ64上に配置し、取り付けられる。2つの取り付け部材81、81bの間には軸82が略水平に取り付けられている。背もたれ80の支柱85は、軸82のまわりに回転自在に取り付けられている。U字パイプ64の取り付け部材81a、81baの後方上面には、調整ハンドル取り付け台83が取り付けられている。調整ハンドル取り付け台83の頭部にはスクリューナット89が形成されている。このスクリューナット89には背もたれ角度調整ハンドル84のボルト部84aが螺合している。ボルト部84aの先端は支柱85に当接している。したがって調整ハンドル84を回動させて背もたれ80のチルト角度を調整することができる。支柱85には、腰当て86、背当て87、ヘッドレスト88などが適宜取り付けられる。このように背もたれ80は後方への張り出しなく構成されているので、治療の際に医師がホームポジションをとる妨げとはならない。 【0067】図5(b)は、背もたれ80がU字パイプ64上にチルト可能に取り付けられた、他の実施形態を示している。この実施形態においてはチルト機構としてテレスコーピック機構91が採用されている。テレスコーピック機構91の一端は取り付け具93を介して支柱85に水平な軸のまわりに回転自在に取り付けられている。テレスコーピック機構91の他端側も取りつけ具92を介してU字パイプ64に水平な軸のまわりに回転自在に取り付けられている。テレスコーピック機構91そのものは、外筒94と外筒94に内接摺動する内筒95と、内筒95の摺動を固定するストッパ96とを備えている。 【0068】ストッパ96のつまみ97、98をつまむとストッパ96の固定が解けて内筒95は外筒94内を軸心方向に摺動自由となる。そこで支柱85を好みの角度にチルトさせてストッパ96のつまみ97、98を放すと、内筒95、外筒94の位置関係はそこで固定されて背もたれ80のチルト角度が保たれる。 【0069】図6は、車いすホルダー1の基部に取り付けられたチルト機構100を示す。チルト機構100は、台41に取り付けられた取り付け金具103と、取り付け金具103に回転自在に取り付けられモーター107を備えた本体106と、モーター107により回転駆動されるスクリュー108と、スクリュー108と螺合するスクリューナット111とを供えている。取り付け金具103には複数の孔104が設けられていて、台41にボルト締にて固定されている。取り付け金具103の上部には水平な軸105が設けられている。軸105には本体106が軸105のまわりに回転自在に取り付けられている。本体106の下部にはモーター107が備えられている。本体106の後方にはスクリュー108が、さらに後方に伸長するように取り付けられている。モーター107の駆動力は、不図示の動力変換機構によりスクリュー108に伝達されるように構成されている。スクリュー108の先端部はスクリューナット111に螺合している。スクリューナット111は、前記したスクリューナット取り付け台63に、水平な軸110のまわりに回転自在に取り付けられている。 【0070】2つの軸105、110の間の距離は、スクリュー108が回転することにより伸縮する。一方、これらの軸を支えるL字パイプ50とU字パイプ64は蝶番機構55により連結されており、L字パイプ50は不動である。したがってスクリュー108が回転すると、U字パイプ64は、蝶番機構55の軸62の周りに回転、すなわちチルトする。これによってU字パイプ64の先端に取り付けられた車いすフレーム保持部70もチルトし、それに載置された車いすのチルト動作が可能となる。本発明の車いすホルダー1に載置された車いすは、車いすフレーム保持部70が確実に車いすのフレームを支えるので最大45度チルトさせることができる。 【0071】台41の前方端部には、ワイヤープレート102が台41に鉛直に取り付けられている。ワイヤープレート102には、電源供給や、センサ類の信号の送受信を司る集合ケーブル101が取り付けられている。集合ケーブル101の一端側先端部にはソケット101aが設けられており、ソケット101aは、本体3の差し込み(不図示)に着脱可能となっている。本体3の差し込みからは、電源や制御盤16へ所定の配線がなされている。集合ケーブル101の他端側配線はワイヤープレート102にて車いすホルダー1のそれぞれの供給先/送受信先に分岐している。電源ケーブル、および制御信号を授受するケーブルの一部はチルト機構100のモーター107に導かれている。一方浮き上がり感知センサ74およびセンサ90からの信号を本体3の制御盤16に送信するケーブル類は、前記した孔104に挿入されてU字パイプ64の内部を通り、所定位置に配置された各センサまで導かれている。 【0072】図7は、車いすフレーム保持部70に車いす120を載置した状態を示す。一般に、車いす120には、ホイール122の軸125と補助輪124の軸126の間の高さに、両側面に配置されている2つのホイール122、122の内側に前後方向に水平平行な2本の下部フレーム121が設けられている。本実施形態の車いすホルダー1においては、この下部フレーム121を車いすフレーム保持部70のホルダー71a、71b上に載置して車いす120全体を支える構造となっている。2本の下部フレーム121、121の幅は、車いすの大きさによって異なるが、前記したようにホルダー71a、71bの幅は伸縮ステム75、77、76、78により調整可能なので、フレーム121、121の幅にあわせて伸縮ステム75、77、76、78の長さを調節することにより、安定して車いす120を保持することができる。また、ホイール122をささえるのではなくフレーム121を直接支えるので、より安定して車いす120を保持することができる。車いす120を車いすホルダー1に載置した後リフター15にて車いすホルダー1をわずかに上昇させ、チルト機構100を作動させて車いす120の前方(図7で右側)を上昇させるようにすればさらに安定して保持することが可能である。 【0073】一方、この姿勢にてリフター15を下降させると、ホイール122の下端123が床面に着地した際にフレーム121の後端(図7で左側)が、車いすフレーム保持部70から浮き上がる。さらに下降を進行させると車いす120が車いすフレーム保持部70の前方(図7の右方向)に押し出される恐れがある。これを防止するため、車いすフレーム保持部70の後部には、浮き上がり感知センサ74が設けられている。浮き上がり感知センサ74が浮き上がりを感知した場合には、それ以上のリフター15の下降、及びチルト機構100によるチルトダウンは禁止される。これについては後に詳述する。 【0074】図8は、車いすホルダー1を本体3に着装する際に使用する台車の一例を示している。台車130は、略D字形の枠部材135と、下方に向けて枠部材135に取り付けられた4つのキャスター131、132、133、134と、上方に向けて枠部材135に取り付けられた3つの載置台136、137、138とを備えている。重量のあるチルト機構100を支える載置台138は、補強部材139、139により強度が高められている。載置台136、137、138上のA、B、Cの各点には図6のA、B、Cの各点に対応する車いすホルダー1の部位が載置される。車いすホルダー1を使用しない時は、車いすホルダー1をこの台車130上に載置して所定の場所に格納しておく。 【0075】以上では主に車いすホルダー1について説明したが、健常者用いす2について、図1を参照しつつ以下に簡単に説明する。健常者用いす2は、連結部材12と、連結部材12に固定して取り付けられたいす本体150と、チルト機構が備えられている。チルト機構は通常のチェアーユニットと同様にいす本体150の下部に設けられたチルト機構ボックス151に内蔵されており、その構造も通常のチェアーユニットのものと同一である。チルト機構ボックス151には電源や信号の授受を司る集合ケーブルが導かれており、集合ケーブルの他端側には車いすホルダーと同一形状のソケットが設けられていて、本体3の差込口に装着できるようになっている。 【0076】前記したように、本発明にかかる車いす用チェアーユニットは通常、健常者用いす2が本体3に装着されて使用に供されているが、車いす使用者が来院した場合には下記手順で車いす120が本体3へ着脱される。 【0077】1.健常者用いす2を本体3から取り外す。 【0078】2.車いすホルダー1を本体3に取り付ける。 【0079】3.車いす120を車いすホルダー1に載置する。 【0080】4.車いす使用者を診療姿勢まで導くため、車いすホルダー1をリフトアップし、車いすフレーム保持部70をチルトダウンする。 【0081】5.車いす使用者を治療する。 【0082】6.車いすフレーム保持部70をチルトアップし、車いすホルダー1を床面までリフトダウンする。 【0083】7.車いす120を車いすホルダー1から下ろす。 【0084】8.車いすホルダー1を本体3から取り外す。 【0085】9.健常者用いす2を本体3に装着する。 【0086】車いすホルダー1および健常者用いす2を本体3に着脱する際は、集合ケーブル101のソケット101aの本体3差込部への着脱も同時に行う。また車いすホルダー1および健常者用いす2を本体3へ装着した後は、直ちに抜け防止機構20を働かせて、車いすホルダー1および健常者用いす2の本体3からの不測の脱落を防止する。その後にリフター15による上昇およびチルト機構100等によるチルトダウン動作を行うようにする。さらに、車いすホルダー1および健常者用いす2を本体3から取り外す場合には、車いすホルダー1および健常者用いす2を所定高さまで下降させて、本体3の側部近傍に配置した台車130等の上に載置させる。その後抜け防止機構20のロックを解いてさらにリフター15を下降させ、被連結部材14を完全に連結部材11、12の下方まで移動させる。 【0087】図9は、本実施形態にかかる車いす用チェアーユニットの制御系の構成を示すブロック図である。本体3に設けられた制御盤16には、車いす用チェアーユニットの各部の動作制御を実行するCPU145と、CPU145に対するメモリ146とが設けられている。CPU145はマイクロプロセッサユニットおよびその動作に必要な各種の周辺回路を組み合わせて構成されている。メモリ146は、例えばリフター15の昇降動作の制御に必要なプログラムや、各種のデータを記憶するROMと、CPU145の作業領域として機能するRAMとを組み合わせて構成される。そして、CPU145がメモリ146に記憶されたプログラムと組み合わされることにより、本発明の制御装置に設けられる各種の手段として機能する。なお、メモリ146には、リフター15の下降規制位置を特定する情報が記憶される。その情報は、抜け防止機構センサ30の出力信号に対応付けられる。 【0088】CPU145には、入力信号として、リフター位置センサ19、抜け防止機構センサ30、フレーム浮き上がり感知センサ74、U字パイプ下面に設けられたセンサ90および操作パネル17の出力信号が導かれる。 【0089】CPU145は上述した各種の入力要素からの信号に基づいてモーター制御回路141に対する動作指令を制御する。モーター制御回路141はCPU145から与えられた動作指令に応じてリフトモーター18および車いすホルダーチルトモーター107、健常者用いすチルトモーター140に対する動作信号を制御する。このCPU145からの動作信号に応じて各モーターの回転動作が制御される。 【0090】ここに、車いすホルダー1と健常者用いす2とはそれぞれ本体3に着装される際に、集合ケーブル101先端の同一形状のソケット101aが本体3の差込に挿入されて図9に示すような回路構成をとる。したがって、車いすホルダー1のチルトモーター107と健常者用いす2のチルトモーター140とは同一の制御機構により制御される。 【0091】次にCPU145による車いす用チェアーユニットの安全制御を説明する。本実施の形態においては、安全に関して3つの制御がかけられている。 【0092】図10は、CPU145による車いす用チェアーユニットに関する第1の安全制御手順を示すフローチャートである。この処理においては、まず抜け防止機構20がONされているどうかが抜け防止機構センサ30からの出力信号に基づいて判断される(ステップ1)。ONであれば次にリフター15が所定高さ以下にあるか否かがリフター位置センサ19からの出力信号に基づいて判断される(ステップ2)。ステップ2においてリフターが所定高さ以下にあると判断された場合リフターの下降動作は禁止される(ステップ3)。ステップ1または2において否定的な判断が下された場合は、ステップ1へと処理が戻される。 【0093】この安全制御は、車いすホルダー1または健常者用いす2を本体3から脱着する際に、これらをリフター15にて台車130等に載置できる高さまで下降させた時点で、抜け防止機構20のロックを解除しない限りリフター15のそれ以下への下降を規制すものである。これによって連結機構10を連結させたままリフター15の下降を過度に行い、台車130を押しつぶしてしまうようなリスクが回避される。 【0094】図11は、CPU145による車いす用チェアーユニットに関する第2の安全制御手順を示すフローチャートである。この処理においては、まず車いすホルダー1が本体3に着装されているかどうかが判断される(ステップ4)。これはフレーム浮き上がり感知センサ74またはセンサ90のいずれかから出力信号が発信され得るかどうかをCPU145が判断するようにしても良く、このようにすれば、特にあらたなセンサを設けなくても良い。ステップ4において肯定的判断がなされた場合には、続いてフレーム浮き上がりの有無が、フレーム浮き上がり感知センサ74からの出力信号に基づいて判断される(ステップ5)。フレームが浮き上がっていると判断された場合には、リフター15の下降動作は禁止され(ステップ6)、さらに車いすホルダー1のチルトダウンも規制される(ステップ7)。CPU145は、モーター制御回路141に向けて各モーター18、140、107をそのように制御するよう命令信号を送信する。ステップ4および5において否定的な判断が下された場合は、ステップ4へと処理が戻される。 【0095】この安全制御を図7を参照して説明する。車いす120を車いすホルダー1に載置した際に、通常は車いす120の前方(図7において右側)が高くなる様車いすホルダー1をチルトする。車いす120をしっかりと車いすホルダー1に保持して、ホームポジションにて治療しやすい姿勢に車いす使用者を導くためである。しかして治療終了後、車いす120を車いすホルダー1から解き放つため、リフター15を下降させるとまず床面に接するのはホイール122の下端123である。さらにリフター15を下降させると車いすの下部フレーム121の後端(図7の左側)が、車いすフレーム保持部70のホルダー71から浮き上がる。ここからさらに下降を続けると車いす120は車いすホルダー1から前方に飛び出す恐れがある。そこで、下部フレーム121の浮き上がる部分に接するホルダー71に受けきあがり感知センサ74を設けて、かかる浮き上がりをたたちに感知し、リフター15の下降を禁止して車いす120の前方への飛び出しを未然に防止する。あわせて、チルトダウンを禁止して、車いす120の後方への転倒も防止する。 【0096】図12は、CPU145による車いす用チェアーユニットに関する第3の安全制御手順を示すフローチャートである。この処理においても、まず車いすホルダー1が本体3に着装されているかどうかが判断される(ステップ8)。ステップ8において肯定的判断がなされた場合にはU字パイプ64下面に設けられたセンサ90からの出力信号に基づいて、U字パイプ64底面に所定以上の圧力がかかっているかどうかが判断される(ステップ9)。所定以上の圧力がかかっていると判断された場合には、リフター15の下降は禁止され(ステップ10)、さらに車いすホルダー1のチルトダウン動作も禁止される(ステップ11)。ステップ8および9にて否定的な判断がなされた場合にはステップ8に処理が戻される。この安全制御によって、例えばU字パイプ64と床面との間に足を挟んでしまうような事故を未然に防止することができる。 【0097】以上3つの安全制御は独立平行に実行され、いずれかの制御にて、リフターの下降または車いすホルダーのチルトダウン禁止の判断がなされた場合、それが他の制御により否定されることはない。 【0098】図13は、本発明の第二の実施形態である車いす専用チェアーユニット4を示している。本実施の形態においては、車いすホルダー5は本体6に直接取り付けられている。この場合には、車いすホルダー5のU字パイプ9の先端部にフランジ8を取り付け、フランジ8をリフター7に直接取り付けている。また電源コードや、センサ類の信号の送受信に使用されるケーブル類も、本体6と直接結線されている。車いすホルダー5における、アーム60、車いすフレーム保持部70、背もたれ80、チルト機構100等については、第一の実施の形態における構成と同一である。安全制御に関しては上記の3つの内、第2および第3の安全制御の適用が可能である。 【0099】さらに、車いすホルダーの本体への取り付け部にチルト機構を配置し、リフトを省略して、簡易な車いす専用チェアーユニットを構成することも可能である。 【0100】また、以上の説明は歯科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科等の医療機関にて使用される車いす用チェアーユニットを想定してのものであったが、本発明はこれ以外の用途、例えば理容用や美容用のチェアーユニットにも同様にして適用が可能である。さらに、鉄道、航空機、バス等の公共交通機関の座席に本発明を適用して、車いすの使用者を乗り換えの際の煩わしさから解放し、車いすのままリクライニングが可能な快適な旅行を享受してもらうこともできる。この場合には、操作パネル17は、車いす使用者によっても操作可能となるよう構成することが望ましい。 【0101】 【発明の効果】以上に説明したように、着脱可能な健常者用いすと、着脱可能な車いすホルダーと、健常者用いすおよび前記車いすホルダーを着脱すべき本体とを備えた車いす用チェアーユニットによれば、健常者用いすと車いすホルダーはそれぞれ本体に着脱可能に設けられているので、健常者の治療には健常者用いすを、車いす使用者には車いすホルダーを本体に装着することにより、一つのチェアーユニット本体で健常者と車いす使用者の両者の治療を行うことができる。したがって、健常者専用ユニットと、車いす用専用ユニットとを別々に備える場合と比較して、診療所内スペースの有効利用を図ることができる。 【0102】健常者用いすおよび車いすホルダーには同一形状の連結部材を備え、本体には連結部材を連結すべき被連結部材を備えたリフターを備えれば、健常者用いすと車いすホルダーの連結部材は同一形状であるので、同一手順にて本体の被連結部材に連結を行うことができる。また、被連結部材はリフターに備えられているので、リフターを上下動させることにより連結を行うことができる。 【0103】また、連結部材および被連結部材を嵌合する凸部および凹部、または凹部および凸部により形成することにより、簡易な構成で堅固な連結を実現することができる。 【0104】さらに、連結部材および被連結部材に抜け防止機構を設けることにより、連結部の抜け落ちによる不測の事故を防止することができる。 【0105】抜け防止機構による抜け防止が機能している間はリフターの所定高さからの下降動作を禁止することにより、リフターが下降する際に車いすホルダーや健常者用いすが床面との間に物を挟み込むことが回避される。 【0106】また、車いすホルダーは、連結部材に水平な軸の周りにチルト可能に取付けられたアームと、アームを水平な軸の周りにチルトさせるチルト機構と、アームに取り付けられた車いす保持部とを備えており、車いす保持部は車いすをフレーム部にて保持することにより、ホイールを保持する場合より安定して車いすを保持できる。したがってチルト角度を大きくとることができ、術者のホームポジションにて治療を行うことができる。 【0107】また、アームを、車いす保持部に車いすを装着したときに、車いすと位置的な干渉が起こらぬように車いすを迂回して車いす保持部を保持するように設けることにより、アームの存在を意識することなく車いすを車いすホルダーに装着することができる。そして、車いすホルダーに背もたれを取付けることにより、車いすホルダー上の車いすをチルトさせたとき、車いす使用者の体を確実に後方から保持することができる。 【0108】さらに、背もたれをチルト可能に取付けることにより、車いす使用者の姿勢にあわせて背もたれの角度を調節することができる。 【0109】また、車いす保持部は車いすの左右フレーム間の距離に応じて伸縮自在であるので、車いすの大きさの大小に自由に対応して車いすを載置することができる。 【0110】また、健常者用いすにはいすのチルト機構が備えられており、車いすホルダーのチルト機構と健常者用いすのチルト機構とは共通の制御機構にて制御されているので、操作パネルや制御盤の簡素化をはかることができる。また、同一操作パネル上の同一スイッチにて操作できるよう構成できるので、操作を覚えやすく、操作ミスを低減することができる。 【0111】また、車いすホルダーには、車いすのフレームの浮き上がりを感知する浮き上がり感知センサが設けられており、浮き上がり感知センサが浮き上がりを感知した場合には、リフターの下降動作およびチルト機構によるチルトダウン動作が禁止されるので、車いすが車いすホルダーの前方に飛び出すのを防止することができる。 【0112】また、車いすホルダー下面にはセンサが設けられており、センサが所定値以上の圧力を感知した場合には、リフターの下降動作およびチルト機構のチルトダウン動作が禁止されるので、車いすホルダーと床面との間に足や物を挟む事故を回避することができる。 【0113】一方、車いすホルダーと、車いすホルダーを水平な軸の周りにチルトさせるチルト機構とを備え、車いすホルダーは車いすをフレーム部にて保持することを特徴とする車いす用チェアーユニットによれば、車いすはそのフレーム部にて車いすホルダーに保持されるので、チルト機構によるチルトの角度を大きくとることができる。 【0114】また、車いすホルダーを取り付けたリフターを備えた車いす用チェアーユニットであって、車いすホルダーは、水平な軸の周りにチルト可能に取付けられたアームと、アームを水平な軸の周りにチルトさせるチルト機構と、アームに取り付けられた車いす保持部とを備えており、車いす保持部は、車いすをフレーム部にて保持することを特徴とする車いす用チェアーユニットによれば、車いすは車いすホルダーに堅固に保持されるので、チルト角度を大きくとることができる車いす専用チェアーユニットを提供することができる。 【0115】さらに、アームは車いす保持部に車いすを装着したときに車いすと位置的な干渉が起こらぬように車いすを迂回して車いす保持部を保持するように設けられているので、アームの存在を意識することなく車いすを車いすホルダーに装着することができる車いす専用チェアーユニットを提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500204027 【氏名又は名称】渡辺 誠 【識別番号】000181217 【氏名又は名称】株式会社ジーシー
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| 【出願日】 |
平成12年5月2日(2000.5.2) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−314461(P2001−314461A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月13日(2001.11.13) |
| 【出願番号】 |
特願2000−133839(P2000−133839) |
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