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【発明の名称】 電動四輪車の車体構造
【発明者】 【氏名】林 邦宏

【要約】 【課題】乗員の乗り降りが楽にできるようになり、かつ、着座状態での足着き性が良好な電動四輪車に車体構造を提供する。

【解決手段】前輪10,10付近のフロントフェンダー20,20の側縁部が前輪側車体最大幅Tfに部分になり、また、後輪12,12付近リアフェンダー28,28の側縁部が後輪側車体最大幅Trになっており、車体中央部幅Tcは、これらの前輪側車体最大幅Tfおよび後輪側車体最大幅Trのいずれよりも幅が狭くなっている(Tc<Tf,Tc<Tr)、前記左右一対の前輪10,10同士の幅と左右一対の後輪12,12同士の幅を異なるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前輪および後輪が共に左右一対であって、車体に設けられ単座シートに乗員が一人で着席して運転する電動四輪車において、車体のフロントボディの左右方向側部には前輪を覆うフロントフェンダーが、車体のリアボディの左右方向側部には後輪を覆うリアフェンダーがそれぞれ設けられ、フロントフェンダー側縁部の前輪側車体最大幅およびリアフェンダー側縁部の後輪側車体最大幅のいずれよりも車体中央部幅が狭く、かつ、前記左右一対の前輪同士の幅と左右一対の後輪同士の幅を異なるようにしたことを特徴とする電動四輪車の車体構造。
【請求項2】 電動四輪車のフロントボディおよび左右前輪のほぼ中央部の上方に位置して前輪操舵用のハンドルが設けられており、ハンドル幅は左右一対の前輪同士の幅よりも狭く、該ハンドル幅がシートの幅と略一致していることを特徴とする請求項1に記載の電動四輪車の車体構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ティラーハンドルタイプの車両構造の電動車椅子などの電動四輪車の車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】足腰の弱った人が移動するときには電動車椅子が利用され、またゴルフ場内での人の移動にはゴルフキャリーが利用されており、一般にこれらの車両はバッテリーを電源とする電動車両である。この種の電動車両の例を図5(斜視図)および図6(平面図)に示す。
【0003】図5の車両は、前後輪a,bが二輪づつあり前二輪aをティラーハンドルcで操舵する構造になっていて、車体の後半部のシート(座席)d下にはバッテリーeが搭載される。このバッテリーeを電源に後輪bは図示しないモータで駆動される。また、車体の前半部は、搭乗した乗員が足を乗せる平坦なフロアgになっている。なお、前輪aの上方を覆うフェンダーhは前記フロアgの前部に位置し、このフェンダーhに乗員が一時、足を乗せる場合がある。
【0004】ここで、前記のような電動四輪車では、前輪aと後輪bのトレッドが同じかそれに近いものが多い。したがって、図6に示す車両のように前輪aと後輪bのトレッドt1,t2がほぼ同じであって、車両側面のボディラインは直線的なものがあり、特にフロアgの側縁部は直線になっていた。また、車両によっては平面視で台形のボディラインのものもあるが、これでもフロアgの側縁部は直線に沿ったものになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電動四輪車においてトレッドが狭い場合、フロアの幅も狭くなり、この種のものでは乗員の乗り降りに支承は生じないが、車両の安定性を増すためにトレッドの幅を広げるとフロアgが広がるので、乗員が乗車・下車しようとする際にシートと足との距離が長くなる。したがって、足着き性が悪くなるので足に力を入れにくく乗員の乗り降りがしにくく不便になるという問題点が生じる。また、前輪a上方のフェンダーhは、乗員が足を乗せる場合があるので、剛性を高めてその曲がりなどを防止の要請がある。
【0006】本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたものであって、乗員の乗り降りが楽にできるようになり、かつ、着座状態での足着き性が良好な電動四輪車の車体構造を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するため次の構成を有する。請求項1の発明は、前輪および後輪が共に左右一対であって、車体に設けられ単座シートに乗員が一人で着席して運転する電動四輪車において、車体のフロントボディの左右方向側部には前輪を覆うフロントフェンダーが、車体のリアボディの左右方向側部には後輪を覆うリアフェンダーがそれぞれ設けられ、フロントフェンダー側縁部の前輪側車体最大幅およびリアフェンダー側縁部の後輪側車体最大幅のいずれよりも車体中央部幅が狭く、かつ、前記左右一対の前輪同士の幅と左右一対の後輪同士の幅を異なるようにしたことを特徴とする電動四輪車の車体構造である。
【0008】請求項2の発明は、電動四輪車のフロントボディおよび左右前輪のほぼ中央部の上方に位置して前輪操舵用のハンドルが設けられており、ハンドル幅は左右一対の前輪同士の幅よりも狭く、車体中央部の最も狭い部分の幅がシートの幅とほぼ一致し、該ハンドル幅がシートの幅と略一致していることを特徴とする請求項1に記載の電動四輪車の車体構造である。
【0009】請求項1の発明においては、前輪側車体最大幅および後輪側車体最大幅よりも車体中央部幅が狭いので、車体側面には、平面視で凹部があり、乗員が乗り降りするに際して、地面に着く足の位置をシートに近づけることができる。つまり、足着き性が良くなるので乗車するときに足を地面に着いたままで腰掛け易く、下車するときには足着きが良くなる。
【0010】請求項2の発明においては、車体中央部の最も幅の狭い部分の幅は、シートの幅とほぼ一致するので、乗車した状態で足を揃えると丁度フロアに足が載せることができる。すなわち、これ以上シート幅を狭くすると足をフロア上で安定させにくく、一方、これより広いと足つき性が悪くなるので、前記幅の狭い部分の幅はシート幅とほぼ一致するのが好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の1実施形態に係る電動四輪車の車体構造の全体説明図(前面部の籠は省略している)、図2は側面図、図3は平面図、図4は電動四輪車の他の実施形態の側面図である。
【0012】図1〜図3に示すように、実施の形態の電動四輪車は、前輪10,10および後輪12,12が共に二輪であって、車体は主に前部のフロントボディAと後部のリアボディBとからなる。リアボディBには、乗員が一人で単座シート14に着席して運転するものである。
【0013】また、電動四輪車の車体前部には、左右の前輪10,10のほぼ中央部の上方位置に前輪10,10操舵用のハンドル(ティラーハンドルタイプ)16が設けられており、このハンドル16の下方のフロントボディAには、フロントレッグシールド18が立設している。また、前記フロントボディAの車体左右方向側部には、前記前輪10,10を覆って上方に突出するほぼ弧状にフロントフェンダー20,20がそれぞれ設けられており、前記フロントレッグシールド18の下部は左右のフロントフェンダー20,20の間に位置する。フロントレッグシールド18のフロントフェンダー20,20に隣接する下部左右には前方かつ内側に向けて抉り込み(18a)が形成されていて、フロントフェンダー20上部が広く解放されるようになっている。
【0014】フロントボディAにおいてフロントレッグシールド18の後面側から後方の車体中央部には足載せ部である平坦なフロア22が形成されており、このフロア22はフロントフェンダー20,20の間の位置に前方に向けて抉り込んで(符号22aで示す)広く形成されている。なお、フロア22の側縁部はフロントフェンダー20、20から後方につらなって山脈上に上方に突出している部分22bが形成されている。この突出部分22bにより乗員はフロア22上から足が外方にずれてしまうのを抑止できる。リアボディBはフロア22から後方に位置して、全体がほぼ矩形であり、前部にバッテリーをモータ駆動部24を収納するケース構造体26になっている。ケース構造体26の前部には着脱可能にバッテリー収納部のカバー体26aが設けられ、かつ、該構造体26の後部の車体左右方向側部には、後輪12,12を覆うリアフェンダー28が突出しかつ滑らかに連続して設けられる。前記ケース構造体26上部には、乗員が腰を掛ける前記シート14が固定あるいは回動可能に取り付けられている。
【0015】前記電動四輪車のフロントボディAおよびリアボディB内には車体への応力を支持するフレームが設けられる。このフレームにおいては、図2、図3の破線に示すように、車体前部に幅狭のUの字形状部のフロントフレーム32が、また、中央部には幅広のUの字形状のメインフレーム34が設けられている。それらフレーム32および34は互いに溶接で固定される。さらに、メインフレーム34の後部には後方に向けてリアフレーム36が延びる。
【0016】フロントフレーム32は、フロントボディA前部、前輪10,10、フロントステアリングなどを支持している。そして、フロントフェンダー20の裏面部には、そのフロントフェンダー20への荷重を支持するフェンダー支持フレーム38が配設されている。該支持フレーム38は、フロントフレーム32とメインフレーム34とに溶接固定される。すなわち、図2、図3に示すように、前記支持フレーム38は、前部38a、中央部38bおよび後部38cからなる。そして、その支持フレーム38の前端部38a1がフロントフレーム32の側面部に溶接固定されて前部38aが上方に延びかつ前記フェンダー20と接する位置からフロントフェンダー20の下面部に沿って後方に延びる。さらに中央部38bで左右方向外側に向けて曲がって前記フェンダー20の外側端部に至り、後部38cはその外側端部付近からやや内側に向けて曲がって、後端部38c1がメインフレーム34の肩部34aに溶接固定される。
【0017】ここで、図2に示すように、前記フェンダー支持フレーム38は側面視で全体が下開きのCの字形状を呈しており、その上部が側面視で前記フェンダー20の裏面に沿っている。また、前記支持フレームの前部38aの上部途中には、フロントサスペンションのクッションユニットの支持部40が形成される。また、前記支持フレーム中央部38bから後部38cにかけては平面視でLの字形状を呈して曲がり、前記フェンダー20上面の足乗せ面部20fに広く対応する形状に形成されている。
【0018】また、メインフレーム34は、ハンドル16の下方部であって、フロア22下面部において車体幅にほぼ沿って左右に広がり、後端部にはさらにリアフレーム36が固定されて後方に延びる。メイフレーム34のUの字形状で挟まれる部分であってフロア22の下方に位置する部分には、底板34bが溶接固定される。
【0019】前記のように前輪10,10のフロントフェンダー20表面部に足乗せ面部20f部を設け、フロントフェンダー10の足乗せ面部20fに対応する裏面部に荷重支持用のフェンダー支持フレーム38を設けたので、前記フロントフェンダー20の支持剛性が上がる。したがって、乗員が足を乗せて体重をかけてもフロントフェンダー20は剛性感よく支持するので、乗車している乗員は安心感を持ちかつ不意の荷重が前記フェンダー20に加わっても変形などしなくなる。
【0020】また、図3で平面視するように車体ほぼ中央部であってフロントボディAの後部のフロア22がある。そして、フロントボディAにおいてフロア22を有する車体中央部は、側縁部が車体前後に比較して抉り込まれるように凹んでいる(凹部42が形成される)。
【0021】すなわち、前輪10,10付近のフロントフェンダー20,20の側縁部が前輪側車体最大幅Tfに部分になり、また、後輪12,12付近リアフェンダー28,28の側縁部が後輪側車体最大幅Trになっており、車体中央部幅Tcは、これらの前輪側車体最大幅Tfおよび後輪側車体最大幅Trのいずれよりも幅が狭くなっている(Tc<Tf,Tc<Tr)。
【0022】したがって、前輪側車体最大幅Tfおよび後輪側車体最大幅Trよりも車体中央部幅Tcが狭いので、車体側面には、平面視で凹部42があり、乗員が乗り降りするに際して、地面に着く足の位置をシート14に近づけることができる。つまり、乗車するときに足を地面に着いたままで腰掛け易く、下車するときには足着き性が良くなる。また、前輪側車体最大幅Tfが後輪側車体最大幅Trよりも狭くなっている(Tf<Tr)ので、バッテリーやモータなどの搭載される車体後部のリアボディBを車体前部のフロントボディAよりも大きくできる。
【0023】さらに、車体中央部の最も幅の狭い部分の幅Tcは、前記シート14の幅Tsとほぼ一致する(Ts≒Tc)。したがって、乗員が電動四輪車に乗車した状態で足を揃えると丁度フロア22に足が載せることができる。すなわち、これ以上シート14幅を狭くすると足をフロア22に置きにくくまたこれより広いと足つき性が悪くなるので、前記幅の狭い部分の幅Tcはシート幅Tsとほぼ一致するのが好適である。
【0024】なお、本発明の電動四輪車の他の実施形態を図4に示す。図1〜図3と同様部分には同一符号を付している。図4の電動四輪車は、前記図1〜図3に示しものと同様の電動四輪車に、さらにゴルフバッグなどの荷物を積載するゴルフキャリアー44を車体後部に後方に突出して設けたものである。このゴルフキャリアー44は下部板部44aと上部包持部44bとがパイプからなるフレーム体44cからなるものである。このキャリアー44の車体への取付け構造においては、リアフレーム36を延長して左右のバックステー46を繋いで下部取付けフレーム48を取り付ける。リアフレーム36上部に側面視三角形形状のキャリアーサポート50を固定する。このサポート50から上部に向けてリアボディBのカバーを突き抜けてパイプ状のサポート52が立設する。前記キャリアー44はその下部がバックステー48に締着され、また、その上部から出る上部取付けフレーム44dが前記サポート52の上部に嵌入して、車体にキャリアー44が取り付けられる。
【0025】
【発明の効果】以上説明した通り請求項1の発明においては、前輪側車体最大幅および後輪側車体最大幅よりも車体中央部幅が狭いので、車体側面には、平面視で凹部があり、乗員が乗り降りするに際して、地面に着く足の位置をシートに近づけることができる。つまり、乗車するときに足を地面に着いたままで腰掛け易く、下車するときには足着き性が良くなる。
【0026】請求項2の発明においては、車体中央部の最も幅の狭い部分の幅は、シートの幅とほぼ一致するので、乗車した状態で足を揃えると丁度フロアに足が載せることができる。すなわち、これ以上シート幅を狭くすると足がフロアから出易くまたこれより広いと足つき性が悪くなるので、前記幅の狭い部分の幅はシート幅とほぼ一致するのが好適である。
【出願人】 【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
【出願日】 平成8年5月28日(1996.5.28)
【代理人】 【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介 (外2名)
【公開番号】 特開2001−314454(P2001−314454A)
【公開日】 平成13年11月13日(2001.11.13)
【出願番号】 特願2001−91068(P2001−91068)