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【発明の名称】 電動車両の駆動ユニット
【発明者】 【氏名】菅野 信之

【要約】 【課題】軽量コンパクトで特に電源オフ時の車両移動が容易な電動車両の駆動ユニットを提供する。

【解決手段】モータ出力軸57aと一体に回転するサンギヤ58aと、該サンギヤ58aに噛合する遊星ギヤ58bと、該遊星ギヤ58bに噛合するリングギヤ58cとを有し、モータ57の回転により遊星ギヤ58bを支持するアームプレート58dが所定の減速比で回転するように構成された遊星ギヤ機構58を備えた電動車両の駆動ユニット54において、上記リングギヤ58cをハウジング63に対して相対回転可能に支持すると共に、該リングギヤ58cの相対回転を阻止し又は許容する切替機構65を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 モータ出力軸と一体に回転するサンギヤと、該サンギヤに噛合する遊星ギヤと、該遊星ギヤに噛合するリングギヤとを有し、モータの回転により遊星ギヤを支持するアームプレートが所定の減速比で回転するように構成された遊星ギヤ機構を備えた電動車両の駆動ユニットにおいて、上記リングギヤをハウジングに対して相対回転可能に支持すると共に、該リングギヤの相対回転を阻止し又は許容する切替機構を設けたことを特徴とする電動車両の駆動ユニット。
【請求項2】 請求項1において、上記アームプレートの軸芯に出力軸を接続し、該出力軸に形成された出力ギヤでホイールの内周に固着されたホイールギヤを回転駆動するように構成するとともに、上記モータ軸及び出力軸を同軸配置したことを特徴とする電動車両の駆動ユニット。
【請求項3】 請求項1において、上記遊星ギヤ機構が左,右の車輪のそれぞれに配設されており、車体フレームに装着された1つの操作機構と、該1つの操作機構による動作を上記左,右の遊星ギヤ機構の両方の切替機構に同時に伝達する伝達系とを備え、上記操作機構の操作に応じて上記左,右の切替機構がリングギヤの相対回転を阻止し又は許容することを特徴とする電動車両の駆動ユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータにより走行するようにした電動車両、例えば介助型電動車椅子の駆動ユニットに関し、詳細には電動モータの電源オフ状態での車両取り回しを軽くできるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車椅子に電動モータを搭載して、車椅子乗員によるジョイスティック操作によって走行する自走式の車椅子や、乗員によりハンドルリムに加えられる人力を検出して該人力を電動モータにより補助する電動補助式の車椅子が開発されている。
【0003】また従来から、介助用として左右のバックパイプ上部にそれぞれハンドルグリップが設けられた介助型の車椅子がある。この介助型の車椅子に電動モータを搭載し、介助用のハンドルに加えられる力を検出し、該検出値に応じて人力を補助する電動車両も提案されている(特開平6−304207号公報)。
【0004】ところで上記電動補助式の車椅子の場合、電動モータの回転を適宜減速して後輪を回転駆動することとなるが、そのための減速機構として、例えば遊星ギヤ機構が採用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記遊星ギヤ機構を備えた場合、電動モータの電源をオフして人力で車椅子を移動させる場合、駆動モータや減速機構等が抵抗となり、軽く移動することはできない。この場合の取り回し性を改善するために、遊星ギヤ機構と後輪との間に何らかのクラッチ機構を設けるのが一般的であるしかし上記クラッチ機構を設けた場合、構造の複雑化,駆動ユニットの大型化を招き、またコスト増大の問題が生じる。
【0006】特に今後、高齢者が高齢者を介護する時代が予想され、そこで使用される車椅子も介護する側にとって優れた機能を有するものが求められている。つまり、軽量コンパクトで取り扱いが容易であり、かつコスト面においても低価格な電動車椅子が求められている。
【0007】本発明は上記従来の状況に鑑みてなされたものであり、軽量コンパクトで特に電源オフ時の車両移動が容易な電動車両の駆動ユニットを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、モータ出力軸と一体に回転するサンギヤと、該サンギヤに噛合する遊星ギヤと、該遊星ギヤに噛合するリングギヤとを有し、モータの回転により遊星ギヤを支持するアームプレートが所定の減速比で回転するように構成された遊星ギヤ機構を備えた電動車両の駆動ユニットにおいて、上記リングギヤをハウジングに対して相対回転可能に支持すると共に、該リングギヤの相対回転を阻止し又は許容する切替機構を設けたことを特徴としている。
【0009】請求項2の発明は、請求項1において、上記アームプレートの軸芯に出力軸を接続し、該出力軸に形成された出力ギヤでホイールの内周に固着されたホイールギヤを回転駆動するように構成するとともに、上記モータ軸及び出力軸を同軸配置したことを特徴としている。
【0010】請求項3の発明は、請求項1において、上記遊星ギヤ機構が左,右の車輪のそれぞれに配設されており、車体フレームに装着された1つの操作機構と、該操作機構による動作を上記左,右の遊星ギヤ機構の両方の切替機構に同時に伝達する伝達系とを備え、上記操作機構の操作に応じて上記左,右の切替機構がリングギヤの相対回転を阻止し又は許容することを特徴としている。
【0011】
【発明の作用効果】請求項1の発明によれば、切替機構により上記リングギヤをハウジングに対して相対回転不能にすると、電動モータの回転が、サンギヤ,遊星ギヤ,及びリングギヤによって設定された減速比でもって減速されてアームプレートから出力され、該出力により車輪が駆動される。
【0012】一方、切替機構によりリングギヤをハウジングに対して回転可能に切り替えると、遊星ギヤ機構はオフ状態のクラッチとして機能する。
【0013】即ち、上記リングギヤを回転可能とした状態で車両を人力で移動させると、車輪の回転によりアームプレートが回転する。このときサンギヤはモータの磁気の負荷により回転抵抗が大きいため、遊星ギヤはアームプレートの回転に伴ってサンギヤに噛合した状態で自転しながらサンギヤ上を回転し、車輪の回転はリングギヤに伝達されることとなる。しかしリングギヤは回転自在となっているので、結局車輪とモータ軸とが切り離された状態となり、いわゆるオフ状態のクラッチとして機能する。
【0014】このように本発明では、専用のクラッチ機構が不要であり、構造の簡素化,部品点数の削減,駆動ユニットの軽量コンパクト化を図ることができる。
【0015】請求項2の発明によれば、モータ軸と出力軸とを同軸をなすように配置したので、軸,軸受等の部品点数を削減でき、軸剛性を高めることができる。また遊星ギヤをモータと出力軸を支持する軸受で支持でき、軸方向寸法を小さく構成できる。
【0016】請求項3の発明によれば、1つの操作機構の操作に応じて左,右の切替機構が左,右のリングギヤの相対回転を阻止又は許容するので、左,右輪に遊星ギヤ機構を備えている場合でも、簡単な操作でクラッチオフ状態にでき、車両を押して移動する場合の操作が楽である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1〜図26は本発明の一実施形態を説明するための図である。図において、1は本実施形態の介助型電動車椅子であり、該車椅子1のフレーム2は、左,右サイドフレーム3,3を連結フレーム4で折り畳み可能に連結した概略構造を有し、上記左,右サイドフレーム3,3の後部間には門形状のバーハンドル5が架け渡してかつ着脱可能に装着され、該左,右サイドフレーム3,3の各前部にはフートレスト6がフートブラケット12ごと着脱可能に装着されている。
【0018】上記左,右サイドフレーム3,3は、左,右対称形をなしており、側面視L字形状のシートパイプ7の略水平に延びる横辺部7aの後端に上下方向に延びるバックパイプ8を接続し、上記横辺部7aの前端から下方に屈曲して延びる縦辺部7bの下端部と上記バックパイプ8の下部とを斜め後上方に傾斜して延び、横断面縦長の長円状をなす補強パイプ9で接続した概略構造を有する。上記横辺部7aと縦辺部7bと間の屈曲部は円弧状になっており、該車椅子を折り畳んだ際に把持し易くなっている。
【0019】上記横辺部7aの上面にはブラケット7c,7cが間隔を開けて固定され、該ブラケット7c,7cの上面にはシートアンカ10が搭載されており、シート布11の着座部11aの左,右縁が左,右のシートアンカ10,10間に架け渡されて支持されている。このシート布11の背もたれ部11bの上部左,右縁部は上記バックパイプ8の上部8a,8a間に架け渡されて支持されている。
【0020】上記シートアンカ10は上記横辺部7aに上下に重なるように配置されている。また上記左,右フレーム3,3同士は上記連結フレーム4により折り畳み可能に連結されている。具体的には、上記左,右の補強パイプ9の内側面にはブラケット9a,9aに挿入された支持ボルトにより上記連結フレーム4の支持パイプ4a,4aが回転可能に支持されている。該各支持パイプ4a,4aには前後2組の連結リンク4b,4bの下端が固着されている。該連結リンク4b,4bの上端部は向かい側の上記シートアンカ10,10に固着されており、さらに前後それぞれの組の連結リンク4b,4b同士は中央ピン4cで回動可能に連結されている。
【0021】また上記連結リンク4bの中央ピン4cより上側部分と上記シートパイプ7の横辺部7aに固定されたブラケット7dとは中間リンク4dにより回動可能に連結されている。これによりこの車椅子1を車幅方向に折り畳み可能となっており、また上記中間リンク4dが該車椅子を使用時の状態に保持するようになっている。
【0022】さらにまた上記前側の連結リンク4b,4b用の中央ピン4cには支持リング69が取り付けられている。この支持リングは組紐のような紐体をリング状にしたものであり、後述するように取り外されたバーハンドル5を折り畳まれた車椅子内に収容する際に該バーハンドル5の脚部20を支持するためのものである。
【0023】上述のように本実施形態では、シートパイプ7の縦辺部7bの下部とバックパイプ8の下部8bとを横断面縦長楕円状で後方斜め上方に延びる補強パイプ9で接続したので、該シートパイプ7,バックパイプ8及び補強パイプ9により車両側方から見て大略三角形状の部材構成となる点、及び横断面縦長の補強パイプ9単体の曲げ荷重に対する断面係数が大きい点から、重量増加をそれほど招くことなくフレーム剛性を高めることができる。
【0024】また横断面縦長であって車両側方から見た時他の部材より幅寸法が大きく、かつ後方斜め上方に延びる形状に設定された補強パイプ9によりシートパイプ7の前部とバックパイプ8とを連結したので、該補強パイプ9がデザイン上のアクセントとなり、意匠効果が高まる。
【0025】また左,右のシートパイプ7の縦辺部7bには支持ブロック13を介して該縦辺部7bの外側に略平行に位置するようにキャスタ取り付けパイプ14が配置固定されている。そしてこのキャスタ取り付けパイプ14の下端部により二股状のキャスタブラケット16が該キャスタ取り付けパイプ14の軸回りに回動可能に支持されており、該キャスタブラケット16によりキャスタ(前輪)15が軸支されている。
【0026】上記支持ブロック13は上記キャスタ取り付けパイプ14が貫通固定された外側ブロック13aと上記縦辺部7bが挟持固定された2分割式の内側ブロック13b,13cとからなる。この内側ブロック13b,13cは縦辺部7bを貫通するボルト13dにより締め付け固定されている。またこの内側ブロック13b,13cに上記外側ブロック13aがボルト13eにより締め付け固定されている。
【0027】そして上記キャスタ取り付けパイプ14によりフートレスト6がフートブラケット12を介して支持されている。このフートレスト6は、U字状のパイプ6a上に樹脂製のフートプレート6bを固定したものであり、該フートプレート6bの基部6cの支持孔6dに挿通された支持パイプ12aにより該プレート6bが水平をなす使用時位置と垂直をなす起立時位置との間で回動可能に支持されている。なお、フートレスト6を使用時位置に回動させるとストッパ6eが上記支持パイプ12aを支持するメインパイプ12bの下端部に当接して該フートレスト6を使用時位置に保持する。
【0028】また、上記支持孔6dの中央部上面には板ばね17がばね挿入孔6fから挿入されて配設されている。この板ばね17は上記支持パイプ12aの上面とに当接して該支持パイプ12aを下方に押圧付勢している。これにより上記支持パイプ12aは常時上記支持孔6dの下面に圧接しており、フートレスト6のガタツキが防止されている。
【0029】上記フートブラケット12は、上記キャスタ取り付けパイプ14の上端部に向けて後方斜め上方に傾斜して延びる上記メインパイプ12bが同軸をなすようにボルト12hにより結合された傾斜部材12cと該傾斜部材12cの下部が貫通固定された下辺部材12dとからなる大略L字状をなしている。また上記メインパイプ12bの上端部にはクサビ12iが形成されており、該クサビ12iにより上記ボルト12hで締め付けた際の結合強度が高められる。なお、上記下辺部材12dは車両側方から見たとき、上述の補強パイプ9をそのまま延長した如き外観を呈するように形状及び配置位置が設定されており、これにより外観の向上が図られている。
【0030】上記傾斜部材12cの上端部に設けられた樹脂製の回動ピン12eが上記キャスタ取り付けパイプ14に挿入されて回転軸となっており、また下辺部材12dの後端に形成された当接凹部12fが上記キャスタ取り付けパイプ14の前面に摺接可能となって下部支持点となっている。このようにしてフートブラケット12とフートレスト6が共にフレームに対し着脱可能となっている。
【0031】また上記下辺部材12d貫通孔12gにはロックレバー18が回動可能に配設されており、該ロックレバー18の先端の係止爪18aはフートレスト6を使用時位置に回動させたとき係止ロッド14aに係止することにより該フートレスト6を使用時位置にロック可能となっている。上記係止ロッド14aは上記キャスタ取り付けパイプ14と平行に配設され、その上端部は水平方向に折り曲げられてキャスタ取り付けパイプ14に貫通され、ナット締め固定されている。また下端部はキャスタ取り付けパイプ14の下端部に溶接固定されたブラケット14bにナット締め固定されている。
【0032】また上記ロックレバー18は付勢ばね19aにより押圧ピン19bを介してロック方向に付勢されている。上記ロックレバー18を手で外側に回転させるとロックが外れフットレスト6がフートブラケット12ごと外方に回動可能となり、かつ上方に取り外すことができる。
【0033】上記バーハンドル5は丸パイプからなる左,右の脚部20,20と、該両脚部の上端同士を接続する操作部21とからなる門形状をなしており、この操作部21は左右端部から車幅方向中央に向かって斜め上方に延び全体としてハの字状をなしている。また上記バーハンドル5は高さ調整可能でかつフレーム2から着脱可能となっている。上記左,右の脚部20の下端部は左,右のサイドフレーム3,3に装着されたテレスコピック式伸縮機構22の内筒23の上端部に着脱可能となっている。この伸縮機構22は、上記サイドフレーム3に固定された外筒24内に内筒23を伸縮可能に挿入し、かつ所定伸縮長さに固定可能に構成された直線状のものである。
【0034】上記外筒24の下端はシートパイプ7の横辺部7aの後端付近にブラケット24aを介して固定され、上部はバックパイプ8の途中部分にロック機構25を介して固定されており、側方から見て該シートパイプ7,バックパイプ8及び外筒24により該外筒24を斜辺とする直角三角形が形成されている。このようにして外筒24が車体フレームの補強部材として機能している。上記ロック機構25は、上記外筒24に嵌合されかつバックパイプ8にボルト28で固定されたロックブロック26に、ロックレバー27が回動ピン27aにより回動可能に装着された構造となっている。上記ロックレバー27の回動ピン27aの周囲にはカム27bが形成されており、該カム27bと上記内筒23との間にはホルダ27cが介在されている。また、内筒23の外周下部には係止溝23aが所定のピッチごとに凹設されており、該係止溝23aにはボール26aがばね26dにより付勢されて係止可能となっており、これにより伸縮機構22のガタが無くされているとともに伸縮操作時の節度感が確保されている。
【0035】上記伸縮機構22を所要の長さに伸縮させ、上記ロックレバー27を図17に実線で示す位置に回動させると上記カム27bがホルダ27cを押圧し、これにより内筒23即ちバーハンドル5が所望高さ位置に固定される。なお上記ロックレバー27を図17に実線で示す位置から二点鎖線で示す位置に反時計回りに90度回動させると上記ロックが解除され、内筒23の高さ位置が調整可能となる。
【0036】また上記バーハンドル5の脚部20の下端部と上記伸縮機構22の内筒23の上端部との間には着脱機構29が設けられている。この着脱機構29は、以下の構造になっている。内筒23の上端開口に溶接等で固着されたボス部材23bにジョイントロッド23cが螺挿されナット23dでロックされている。また上記脚部20の下端部にはハンドルカバー30が固着され、該ハンドルカバー30にはロックレバー31が回動ピン31a回りに回動可能に装着されている。
【0037】上記ロックレバー31の回動ピン回りにはカム31bが形成されており、該カム31bは上記ジョイントロッド23cを直接圧接可能となっている。また上記ジョイントロッド23cの外周面には係止溝23dが凹設されており、該係止溝23dには上記ハンドルカバー30内に配置されたボール30aがばね30bにより付勢されて係止可能となっており、これにより着脱操作時のガタが吸収されるとともに節度感が確保されている。
【0038】上記ロックレバー31を図18に実線で示す位置に回動させると上記カム31bがジョイントロッド23cに圧接し、バーハンドル5がフレーム2に装着される。また上記ロックレバー31を図18に実線で示す位置から二点鎖線で示す位置に時計回りに90度回動させると上記ロックが解除され、バーハンドル5が取り外し可能となる。
【0039】上記バーハンドル5の操作部21は、1本の内部パイプ32と1組の外部部材33とを相対変位可能に組み合わせ、この相対変位を電気信号変換器により電気信号に変換して検出するように構成されている。上記内部パイプ32は1本の金属パイプを中央が高くなるアーチ状に、つまりその左,右部分が左,右端部から車幅方向中央に向かって斜め上方に延び全体としてハの字状をなすように僅かに屈曲させたものであり、その左,右端部に上記左,右の脚部20,20の上端がハンドルブラケット20aを介してボルト20bにより締め付け固定されている。
【0040】また上記外部部材33は、上記内部パイプ32の車幅方向中央部分を隙間を開けて囲むハンドルカバー34と、該ハンドルカバー34の左,右両端に設けられた軸受部材(ガイド)35aに支持され、上記内部パイプ32の左,右部分を隙間を開けて囲む左,右パイプ35,35とを備えている。
【0041】上記軸受部材35aは前後方向に長い長円状のガイド孔35bを有し、該ガイド孔35b内に上記内部パイプ32が挿通されている。これにより、外部部材33は上記ガイド孔35bの長軸方向(前後方向)には移動可能であるが、上記ガイド孔35bの短軸方向の移動は規制されている。
【0042】上記左,右パイプ35,35にはゴム筒等からなるグリップ36,36が装着されており、該グリップ36,36は上述のハの字状をなしている。これにより介助者が該バーンハンドル5を操作するために手を延ばしてグリップ36,36を把持したときの手のひらの傾斜角度がグリップ36の傾斜角度によく一致し、操作し易いようになっている。また上記左,右パイプ35,35の車幅方向外端部から上記内部パイプ32と脚部20との接続部分を囲むようにジャバラカバー37が装着されている。
【0043】上記ハンドルカバー34は上部カバー34aと下部カバー34bとの上下二分割構造となっており、該上部,下部カバー34a,34bは、締め付けボルト32bで締めあげることにより一体的に結合されており、また左,右パイプ35,35の中央側端部にボルト32aで固定されている。
【0044】上部カバー34a内には前後方向に延びる2本のガイドパイプ38,38が車幅方向中心線を対称軸とする位置に所要の間隔を開けて配置されている。この両ガイドパイプ38,38は、上部カバー34aの外部から螺挿されたボルト38a,38aにより該上部カバー34aに固定されている。
【0045】そして上記両ガイドパイプ38,38によりガイドプレート39のガイド筒部39a,39aが前後方向に相対移動(摺動)可能に支持されている。また上記ガイド筒部39aと上部カバー34aの後側壁34eの内面との間には付勢ばね40が介在されている。ここで上記筒部39aの内径と上記ガイドパイプ38との間に比較的大きな隙間が設けられている。
【0046】そして上記ガイドプレート39には上記内部パイプ32を跨ぐように固定フランジ部39bが形成されており、該ガイドプレート39は上記固定フランジ部39b及び内部パイプ32を貫通するように挿入されたボルト38b,ナット38cにより該内部パイプ32に固定されている。
【0047】このようにして上記外部部材33は内部パイプ32により軸直角方向(前後方向)にのみ相対移動可能に支持され、かつ上記付勢ばね40により後側に位置するように付勢されている。このとき上部カバー34aの前側壁34f内面が上記ガイド筒部39aの前端面に当接して該外部部材33の後端位置が規制されている。さらに上記軸受部材35aの長円状のガイド孔35bによって内部パイプ32が支持されており、このガイド孔35bにより外部部材33の相対移動が前後方向に規制されている。また上述のように、ガイドパイプ38と筒部39aとの隙間が比較的大きく設定されていることから、例えば右側のグリップ36のみを押した場合には、外部部材33は左側の軸受部材35aを支点にして右側ほど前方に傾斜状態に揺動する。
【0048】そして上記上部カバー34aの天壁内面には、下方に突設されたボス部34cを介してセンサ等の電気部品を支持する基板41がボルト締め固定されており、該基板41の下面に直動型ポテンショメータからなるセンサ42が取り付けられている。そしてこのセンサ42に対向するように検出ニードル43aが配置されている。この検出ニードル43aは上記ガイドプレート39のセンサフランジ部39cに螺挿された調整ボルト43の先端部に形成されたものであり、該調整ボルト43のねじ込み量を調整することによりセンサ42の初期検出値を調整可能になっている。なお、44は上記上部カバー34aに形成された上記調整ボルト43のねじ込み量調整孔34dを開閉するグロメットである。
【0049】上記外部部材33の左,右グリップ36,36を押すとセンサ42が前方に相対移動して検出値が変化し、これに応じた補助力が発生する。このとき、例えば右グリップ36のみを押した場合には、外部部材33は斜めに傾斜して揺動し、上記センサ42の移動量、すなわち相対変位量は上記左,右グリップ36,36の両方を押した時より小さくなる。その結果、旋回操作時には補助力が直進時より小さくなり、操作性が向上する。
【0050】また上記上部カバー34aには電源スイッチ70a,後進スイッチ70b,速度調整器70c,及び後述するクラッチ機能の切り替えを行う切替スイッチ70dが配設され,さらに電源表示器71a,充電要否表示器71bが配設されている。これらの各電気部品は上記基板41の上面に集中配置されている。
【0051】また上記下部カバー34bの下側壁にはレバーホルダ34gが一体形成されており、該レバーホルダ34gによりブレーキレバー44が支持ボルト44aにより回動可能に支持されている。上記ブレーキレバー44に接続されたブレーキケーブル45は上記ハンドルカバー34内の上記各電気部品に接続された給電用,信号取り出し用等のワイヤハーネス46と纏められて右側の脚部20に沿うように配策され、後述する左,右の駆動ユニット54に接続されている。従って上記ブレーキレバー44を操作すると左,右後輪が同時に制動される。なお上記ワイヤハーネス46は、上記バーハンドル5の内部を通るように配索しても良い。
【0052】このように本実施形態では、バーハンドル5を車体の左右のサイドフレーム3の後部(後フレーム)から上方に延びて門形状をなすものとし、さらに高さ調整可能としたので、介助する人に合わせてバーハンドル5の高さを調整しこの状態で門形状の操作部(上辺部)21を把持して車椅子1を押すことにより取り回しが容易となり、車椅子1の操作性を向上できる。
【0053】また、バーハンドル5を着脱可能としたので、バーハンドル5を門形状にしながら支障無く車椅子1全体を折り畳みできる。またハンドル収容部を車体に設けたので、折り畳み時に取り外したバーハンドル5をすっきり収容可能できかつバーハンドル5が行方不明になることがない。
【0054】車椅子折り畳み時の操作を図24〜26に基づいて説明する。車椅子1を折り畳む場合には、まず着脱機構29のロックハンドル31を図18に示す位置から時計回りに90度回動させる。するとカム31bによるロックが解除され、この状態で脚部20を上方に引き抜いてバーハンドル5を取り外す。またフートレスト6を上方に回動させるとともに、連結リンク4b,4bを支持パイプ4aを中心に上方に回動させる。これにより左右のモータ57が当接する位置まで車椅子1が折り畳まれる。そして上記取り外したバーハンドル5を、折り畳まれた車椅子1内に、一方の脚部20が前側に位置し、他方の脚部20が後側に位置するように収容する。このとき、前側の脚部20については、その下端部を、上記支持リング69で吊り下げるように支持し、後側の脚部20については上記折り畳まれたシート布11の背もたれ部11b内に挿入し支持する。
【0055】またバーハンドル5にブレーキレバー44を装着したので、バーハンドル5を取り外した場合でも該バーハンドル5はブレーキケーブル45により車体に繋がっており、従ってバーハンドル5を取り外した際にバーハンドル5が行方不明になるといったことはない。
【0056】上記フレーム2の左,右側部にはアームレスト47が配設されている。このアームレスト47は僅かに斜め前方に起立する脚部47aと、該脚部47aの上端から略水平に後方に延びるアーム部47bと、該アーム部47b上に配置されたカバー47cとを有する。
【0057】上記アーム部47bの後端部には下方に凸の円弧状をなす支持ブラケット47dが接続固定されており、該支持ブラケット47dの後端部が上記伸縮機構22のロックブロック26により回動可能にかつ車幅方向に所定ストロークだけ移動可能に支持されている。
【0058】詳細には、ロックブロック26の軸受孔26bに支持軸48が回転方向及び軸方向に摺動可能に挿入され、該支持軸48の外方突出部に上記支持ブラケット47dがナット48aにより締め付け固定されている。また支持軸48の車幅方向内側部分はロックブロック26に形成された収容孔26c内に位置している。そして該支持軸48の内側端部にはストッパリング48bが勘合装着され、また2つの係止溝48c,48dが上記ストロークに対応した間隔を開けて凹設されている。この係止溝48c,48dにはばねで内方に付勢されたボール48eが選択的に係止可能となっている。
【0059】上記アームレスト47は車幅方向外側に引っ張ると外側に移動し、上記ストッパリング48bが上記収容孔26cの底面に当接するとともに、係止溝48cにボール48eがばねの付勢力により節度感をもって係止する。アームレスト47は車幅方向内側に押し込むと内側に移動し、係止溝48dにボール48eが節度感をもって係止する。このとき支持軸48がロックブロック26の内側に突出することはない。
【0060】また上記脚部47aの下端部は上記シートパイプ7の横辺部7aに係脱可能に支持されている。詳細には、上記横辺部7aには丸棒状の支持ピン7eが車幅方向に突出するように固定されており、該支持ピン7eに上記脚部47aの下端に固着された円筒状の係止パイプ47eが係脱可能となっている。この係止パイプ47eの下側面でかつ車幅方向内側には切欠47fが形成されている。
【0061】上記アームレスト47全体を上述のストロークだけ車幅方向外側に引き出すと上記係止パイプ47eと上記支持ピン7eとの係止が切欠47f分だけ外れ、これにより該アームレスト47を上記支持軸48回りに回動させることができる。
【0062】このように、アームレスト47のアーム部47bの後端の支持ブラケット47dをバックパイプ8上のロックブロック26の軸回りに回動自在にかつ車幅方向に移動可能に支持し、脚部47aの下端をシートパイプ7により着脱可能に支持したので、乗降時にはアームレスト47を支持ブラケット47dを中心に上方に回動させることにより、シート側方が開放され、乗降時の障害物が無くなり、乗降性を向上できる。
【0063】この場合に、アームレスト47全体を車幅方向外側に移動させた後に回動させるようにしたので、通常使用時のアームレストの幅方向位置を過大にすることなく回動時のアームレストの車体フレームとの干渉を防止でき。
【0064】また円筒状の係止パイプ47eに切欠47fを形成したので、アームレスト47を元の状態に戻す場合、まず該切欠47f部分が上記支持ピン7eに当接し、この状態でアームレスト全体を車幅方向内側に押し込むだけでよく、操作が容易である。
【0065】このように本実施形態では,バーハンドルを門形状にするとともに、内部パイプ(固定部)32と、該パイプ32に対して相対変位可能な外部部材(可動部)33とからなる二重構造とし、上記固定部と可動部との間の相対変位を検出するセンサ(変位検出手段)42を配置したので、簡単な構造で操作力を確実に検出できる。
【0066】また外部部材33を内部パイプ32の上辺部に沿うように形成したので、門形状のバーハンドル5の外部部材33のどこを押しても相対変位の検出が可能であり、例えば片手でも簡単に操作することができる。
【0067】さらにまた外部部材33の相対変位量を検出する方式であり、該外部部材33の初期位置への付勢力の設定如何によっては極軽い操作力でもって該外部部材33を相対変位させるように構成することが可能であり、従って介助者の意志通りの補助力を発生させることが可能であり、操作性を大きく向上できる。
【0068】また、センサ42を中央部に配置するとともに、上記外部部材33を前後方向に移動させる軸受部材25aを上記センサ42の左右に設けたので、例えば旋回時において外部部材33の左右何れかの端を押した時の相対変位検出量は外部部材33の中央部を押した時の相対変位量より小さくなり、従って旋回時には補助力が小さくなり、旋回操作が容易となる。
【0069】また、車幅方向中央部にセンサ42を配置するとともに外部部材33の左右にグリップ(把持部)36を設けたので、直進時には左右のグリップ36,36を概ね同じ力で押すことにより上述の中央部を押した場合の相対変位量が得られ、所要の補助力が確実に得られ、操作性が良好である。
【0070】また、左右のグリップ36,36を左右端部から車幅方向中央に向かって斜め上方に延び全体としてハの字状をなすように形成したので、このグリップ36,36の傾斜角度が両手を延ばして該グリップ36,36を把持しようとする手のひらの傾斜角度によく一致し、操作性がより一層向上する。
【0071】また、バーハンドル5を押すことによって得られる相対変位量により駆動モータ57を前進方向に制御し、後進スイッチ(第1操作子)70bをオンしたとき駆動モータ57を後進方向に制御するようにしたので、操作性が良好である。即ち、例えば上述のウイリー操作をしたような場合に後退方向に相対変位を検出するといったことがなく、後退する意志がないにもかかわらずモータが逆方向に作動してしまうといった問題を回避できる。また後進時には後進スイッチ70bを操作するだけで済むので、操作が容易である。
【0072】さらにまた、後進用スイッチ70b,電源スイッチ70a,速度調整機器70c等の操作子と、電源表示71a,充電要否表示71b等を行う表示器とを上記バーハンドル5の外部部材33の車幅方向中央部に集中配置したので、操作子の操作性及び表示器の視認性を向上できる。また電気部品を中央部に集中配置したので、組立性を向上できる。
【0073】上記左,右サイドフレーム3のバックパイプ8の下部8bにブラケット8cを介して後輪49が装着されている。この後輪49は、筒状のハブ部50aとリング状のリム部50cとを円盤状のディスク部50bで一体的に結合してなるアルミニウム合金一体鋳造製のホイルー50と、上記リム部50cに装着されたタイヤ51とを備えている。そして上記ハブ部50aが軸受52,52を介して車軸53で軸支され、該車軸53は上記ブラケット8cにナット53aで締め付け固定されている。
【0074】また上記ホイール50の車幅方向内側には駆動ユニット54,及びコントロールユニット55を取り付けるためのユニットケース56が配置されている。このユニットケース56のボス部56a部分が上記ホイール50のハブ部50aと上記ブラケット8cとの間に車軸に一体形成された車軸ボス部56bを介して挟持固定されている。なお、62は上記コントロールユニット55の配置室56cを着脱可能に覆うカバーである。
【0075】ここで上記コントロールユニット55は、上述のバーハンドル5において検出された可動部と固定部との相対変位量に応じた補助力が得られるように上記駆動モータ57を制御する補助力制御手段として、また上記後進用スイッチ70bがオンされたと上記駆動モータ57を後進方向に制御する手段として機能する。
【0076】また上記ユニットケース56の外周部のホイール50側端部には傘部56dが筒状に形成されており、該傘部56d内に上記ディスク部50bの内面に筒状に形成された挿入部50dが挿入され、さらに該挿入部50dの基部の外周面には凹溝50eが環状に凹設されている。これにより雨水等の内部侵入を防止するラビリンス構造が構成されている。
【0077】上記駆動ユニット54は、電動モータ57の出力軸57aに遊星ギヤ機構58を連結し、該遊星ギヤ機構58に連結された出力軸59の出力ギヤ59aを上記ディスク部50bの内端面に固定され内周歯を有するリング状のホイールギヤ60に噛合させた構造となっている。なお、上記出力軸59の両端部は軸受61a,61bを介して上記ユニットケース56により軸支されている。また上記モータ57の出力軸側端部にはモータ支持ケース63が勘合装着されており、該モータ支持ケース63が上記ユニットケース56にボルト締め固定されている。
【0078】上記遊星ギヤ機構58は、上記ユニットケース56と上記モータ支持ケース63とで形成されたギヤ室64内に配置され、上記モータ出力軸57aと嵌合したサンギヤ58aと、該サンギヤ58aに噛合しかつ該サンギヤ58aの周囲を回転可能に配置された3個の遊星ギヤ58bと、該遊星ギヤ58bに噛合する内周歯を有するリングギヤ58cとを備えている。
【0079】上記遊星ギヤ58bは、モータ軸線の回りに回転可能にかつ上記出力軸59側に配置された円盤状のアームプレート58dとモータ側に配置されたリング状のアームプレート58eとにより回転自在に支持されている。またアームプレート58dの軸芯に上記出力軸59がスプライン勘合している。このようにして遊星ギヤ機構58と出力軸59は同一直線上に配置されており、またアームプレート58dの回転が出力軸59からホイール50に伝達される。
【0080】上記リングギヤ58cは、上記ユニットケース56とモータ支持ケース63の両方に渡るように配置されている。そしてこのリングギヤ58cは上記両ケース56,63により回転可能に支持されており、かつ該リングギヤ58cの回転を阻止する切替機構65が設けられている。
【0081】上記切替機構65は、上記リングギヤ58cの外周面に一定間隔を開けて係止凹部58fを複数凹設し、上記モータ支持ケース63にピン66を上記係止凹部58fに係脱できるよう進退可能に配置し、該ピン66をばね67で係止方向に付勢し、さらに該ピン66をワイヤケーブル68で係止解除方向に移動可能に構成されている。
【0082】なお、上記ワイヤケーブル68は上記ハンドルカバー34に設けられた切替スイッチ70dに接続されており、該切替70dを通常位置に回動させると上記ピン66が係止凹部58fに係止し、モータ回転が所定の減速比で減速されてホイール50に伝達される。一方、切替スイッチ70dを押し歩き時位置に回動させると上記ピン66の係止凹部58fとの係止が解除され、後輪49とモータ57とが切り離され、電源をオフして車椅子を押して移動させる場合の取り扱いが容易となる。
【0083】この点をさらに詳述する。切替機構65により上記リングギヤ58cをハウジングに対して相対回転不能にすると、電動モータ57の回転が、サンギヤ57a,遊星ギヤ58b,及びリングギヤ58cによって設定された減速比でもって減速されてアームプレート58dから出力され、該出力により後輪49が駆動される。
【0084】一方、切替機構65によりリングギヤ58cをハウジングに対して回転可能に切り替えると、遊星ギヤ機構58はオフ状態のクラッチとして機能する。即ち、上記リングギヤ58cを回転可能とした状態で車両を人力で移動させると、後輪49の回転によりアームプレート58dが回転する。このときサンギヤ58aはモータ57の磁気の負荷により回転しないため、遊星ギヤ56bはアームプレート58dの回転に伴ってサンギヤ58aに噛合した状態で自転しながらサンギヤ58a上を回転し、後輪49のの回転はリングギヤ58cに伝達されることとなる。しかしリングギヤ58cは回転自在となっているので、リングギヤ58cが回転するのみで結局後輪49とモータ57とが切り離された状態となり、いわゆるオフ状態のクラッチとして機能する。
【0085】このように本実施形態では専用のクラッチ機構が不要であり、構造の簡素化,部品点数の削減,駆動ユニット54の軽量コンパクト化を図ることができる。
【0086】またモータ軸57aと出力軸59とを同軸をなすように配置したので、軸,軸受等の部品点数を削減でき、軸剛性を高めることができる。また遊星ギヤ58bをモータ57と出力軸59を支持する軸受で支持でき、軸方向寸法を小さく構成できる。
【0087】図27〜図30は請求項3の発明の一実施形態を説明するための図であり、本実施形態は上記切替機構65を切替え操作するための機構の例である。
【0088】上記切替機構65を切替え操作するための機構は、左側のバックパイプ8のシートパイプ7接続部部分に車両後方から装着された1つの操作機構81と、該操作機構81の動作を上記左,右の切替機構65,65の両方に同時に伝達する左,右のワイヤケーブル82a,82bからなる伝達系82によって構成されている。
【0089】上記操作機構81は、上記バックパイプ8に固定されたブラケット83と、該ブラケット83によって上下方向に摺動自在に支持された操作ロッド84と、該操作ロッド84にピン85で回動可能に連結された操作レバー86とを備えている。
【0090】上記ブラケット83は横断面U字状の把持部83aと、前方に向けて開口する箱状の収容部83bとを一体形成したものである。該ブラケット83は、上記把持部83aを上記バックパイプ8に後方から前方に向けて嵌合させ、ボルト87aを軸直角方向に挿入し、ナット87bを螺着することによりバックパイプ8に締め付け固定されている。なお、本実施形態では、上記ボルト87aにはシートベルト固定用ボルトが兼用されている。
【0091】上記操作ロッド84は上記収容部83bの天壁内面に厚肉に形成されたボス部83cにより上下摺動自在に支持されている。また該操作ロッド84の下端部には連結プレート88が接続固定されており、該連結プレート88と上記ボス部83cとの間には付勢ばね89が介在されている。これにより上記操作ロッド84は下方に付勢されており、その結果、レバー86の位置により操作ロッド84は図28に実線で示す走行時位置又は二点鎖線で示す手動時位置に保持される。
【0092】上記連結プレート88には、上述の左,右のワイヤケーブル82a,82bのインナケーブル82cが接続されており、それぞれのアウタケーブル82dは長さ調節金具82eにより上記収容部83bの底壁にナットにより締め付け固定されており、アウタケーブル82dの実質的長さが調節可能になっている。
【0093】上記操作レバー86は収容部83bの天壁に形成された2つのリブ83d,83dに挟まれるように配置されており、また走行時当接面86a,手動時当接面86bが略直角をなすように形成されている。そのため操作レバー86は上記連結ピン85回りに回動可能になっており、かつ何れかの当接面86a,86bが収容部83bの天壁上面に当接した状態に保持される。
【0094】そして上記手動時当接面86bから連結ピン85までの寸法h2が走行時当接面86aから連結ピン85までの寸法h1より大きく設定されており、操作レバー86を回動させることにより上記寸法h2とh1との差の分だけ操作ロッド84が昇降し、この昇降量がワイヤケーブル82a,82bにより切替機構65,65に伝達される。
【0095】通常の走行時には、操作レバー86を図28の走行時位置に回動させる。すると収容部83bの天壁面から連結ピン85までの寸法はh1と小さくなり、これにより操作ロッド84が下降し、該下降動作が連結プレート88からワイヤケーブル82a,82bを介して切替機構65,65に伝達され、該機構において上述のようにピン66が係止凹部58fに係止し、モータ回転が所定の減速比で減速されて後輪49に伝達される。
【0096】一方、車椅子1を押して移動させる場合には、上記操作レバー86を手動時位置に回動させる。すると収容部83bの天壁面から連結ピン85までの寸法はh2と大きくなり、これにより操作ロッド84が上昇し、該上昇動作が連結プレート88からワイヤケーブル82a,82bを介して切替機構65,65に伝達され、該機構において上述のようにピン66の係止凹部58fとの係止が解除され、後輪49とモータ57とが切り離され、電源をオフして車椅子を押して移動させる場合の取り扱いが容易となる。
【0097】このように本実施形態では、1つの操作レバー86を回動操作することにより左,右の切替機構65を同時に切り替え操作でき、構造が簡単で配置スペースが小さくて済むとともに、切替操作が非常に簡単容易である。
【出願人】 【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
【出願日】 平成12年7月19日(2000.7.19)
【代理人】 【識別番号】100087619
【弁理士】
【氏名又は名称】下市 努
【公開番号】 特開2001−314453(P2001−314453A)
【公開日】 平成13年11月13日(2001.11.13)
【出願番号】 特願2000−219538(P2000−219538)