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【発明の名称】 車椅子積み下ろし用リフト
【発明者】 【氏名】野口 昭男
【課題】人が乗ったままの車椅子をワンボックスカーに載せるに際し、車体とと直交する方向からリフトに載せる。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動車(9)の床面(91)に設置され車椅子を自動車内に積み込むためのリフトであって、自動車床面(91)に固定される取付ベース(1)に起伏可能に枢支され起伏用駆動装置(3)に連繋された平行リンク(2)の自由端に、平行リンク(2)が床面(91)に対して略平行状態では該リンクに略直交し、平行リンク(2)が床面(91)に対して略垂直状態では該リンクと略平行となる支持杆(4)を枢支連結し、支持杆(4)の先端に車椅子載せ台(5)の側縁側を支持杆(4)の先端側の軸心に対して直交する面内で回転可能に連結して片持ち支持して構成され、平行リンク(2)を車外へ倒して載せ台(5)を下降させた状態で、自動車(9)の前後方向とは直交する方向から侵入させて載せ台(5)へ車椅子を載せ、平行リンク(2)を起立させ、載せ台(5)を略90゜反転させて車椅子を自動車(9)内に案内できることを特徴とする車椅子積み下ろし用リフト。
【請求項2】 載せ台(5)は、支持杆(4)に連結された主杆(52)に、該主杆(52)に直交し、且つ載せ台(5)を車内の積込み側へ回転した際に車からはみ出る方向に載せ板(53)突設して形成され、該載せ板(53)は、主杆(52)に対して上向きに折り畳み可能に取り付けられている請求項1に記載の車椅子積み下ろし用リフト。
【請求項3】 載せ台(5)は、支持杆(4)に連結された主杆(52)に、該主杆(52)に直交し、且つ載せ台(5)を車内の積込み側へ回転した際に車内に侵入する方向に載せ板(53)を突設して構成されている請求項1に記載の車椅子積み下ろし用リフト。
【請求項4】 載せ板(53)は、車椅子の車輪が載る一対の平行板(50)(50)である請求項1乃至3の何れかに記載の車椅子積み下ろし用リフト。
【請求項5】 請求項1乃至4の何れかの車椅子積み下ろし用リフトを、人が乗ったままの車椅子を収容可能な屋根付きスペースのドア近傍の床面(91)に取り付けた車椅子搭載用自動車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する分野】本発明は、人が乗ったままの車椅子を自動車に積み下ろしするためのリフト及び該リフトを具えた自動車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の斯種リフトは、ワンボックスカー(以下、自動車と呼ぶ)のバックドア近傍の床面に一対の持ち上げアームを突設し、アームの先端間に載せ台を設けている。アームを車外下方に突き出して載せ台を路上に下降させた状態で、人の乗った車椅子を載せ台に載せ、アームを上昇させて載せ台を自動車床面の高さまで持ち上げる。この状態で車椅子を車内に侵入させ、次いで、載せ台を車内へ畳み込む。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のリフトは、下降位置の載せ台に対して車椅子は後方から乗り込む様になっているため、載せ台の後方に車椅子が回り込み可能なスペースが必要であり、他の駐車車両等によって該スペースが確保できない場合、載せ台への乗り込みが出来ない問題がある。又、載せ台を一対のアームで両持ち支持しているため、構成部品が多くコスト高であり、又、車内に畳み込んでも嵩張る。
【0004】本発明は、載せ台を支持杆で片持ち支持すると共に、載せ台を支持杆に回転可能とすることにより、上記問題を解決できるリフト及びリフトを具えた自動車を明らかにするものである。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明のリフトは、自動車床面(91)に固定される取付ベース(1)に起伏可能に枢支され起伏用駆動装置(3)に連繋された平行リンク(2)の自由端に、平行リンク(2)が床面(91)に対して略平行状態では該リンクに略直交し、平行リンク(2)が床面(91)に対して略垂直状態では該リンクと略平行となる支持杆(4)を枢支連結し、支持杆(4)の先端に車椅子載せ台(5)の側縁側を支持杆(4)の先端側の軸心に対して直交する面内で回転可能に連結して構成される。
【0006】本発明のリフト付き自動車は、人が乗ったままの車椅子を収容可能な屋根付き車内のドア近傍の床面(91)に上記リフトを取り付けている。
【0007】
【作用及び効果】車椅子の積込みは、平行リンク(2)を車外へ倒して載せ台(5)を下降させた状態で、自動車(9)の前後方向とは直交する方向から侵入させて載せ台(5)へ車椅子を載せる。次に平行リンク(2)を起立させ、載せ台(5)を自動車床面(91)より少し高く持ち上げ、その状態で車内側へ略90゜反転させることにより、車椅子を自動車(9)内に案内できる。
【0008】上記の如く、本発明のリフトは、自動車(9)の前後方向とは直交する方向から車椅子が直進して載せ台(5)へ乗り込むことができるため、従来のリフトの様に、リフトの後方に車椅子が回りこむことのできるスペースを確保する必要はない。又、支持杆(4)による片持ち支持構造であるから構成が簡素化され、コストを抑えることができると共に、嵩張らずに車内に収容できる。
【0009】
【発明の実施の形態】第1実施例のリフトの構成(図1乃至図11)図1、図2は、自動車(9)の後部に取り付けたリフトの動作を示している。以下の説明で前とは自動車の前進方向、後とは後退方向である。又、右、左は、自動車の前進方向に対して右或いは左のことである。図1に示す如く、リフトは、自動車床面(91)に固定される取付ベース(1)と、該取付ベース(1)に起伏可能に枢支された平行リンク(2)と、平行リンク(2)の自由端に枢支連結され平行リンク(2)の傾きに無関係に下向き姿勢を保持する支持杆(4)と、支持杆(4)の下端に該支持杆(4)に対して回動可能に取り付けられた載せ台(5)とによって構成される。図1、図3、図4に示す如く、取付ベース(1)は、自動車(ワンボックスカー)(9)の後部空間の後部右側位置に固定される。
【0010】平行リンク(2)は、前側の第1リンク(21)と後側の第2リンク(22)とからなり、第1リンク(21)の起伏支点(23)は、第2リンクの起伏支点(24)よりも高い位置にあり、両リンク(21)(22)の長さは略同じである。
【0011】平行リンク(2)に起伏駆動装置(3)が連繋される。実施例の起伏駆動装置(3)は、両リンク(21)(22)に配備された電動式油圧シリンダ装置(30)であり、シリンダ(31)が取付ベース(1)に枢支連結され、ピストンロッド(32)が第1リンク(21)に枢支連結されている。上記電動式油圧シリンダ装置(30)は、電動機、油圧制御部、シリンダ部を一体化したユニット(実施例では、カバヤ工業株式会社製のミニモーションパッケージを使用)である。
【0012】平行リンク(2)の自由端に支持杆(4)が枢支連結される。支持杆(4)は、両リンク(21)(22)に対する基端(41)が略逆L字状に湾曲しており、平行リンク(2)の傾きに無関係に下向き姿勢を保持し、平行リンク(2)が床面(91)に対して略平行状態では該リンクに略直交し、平行リンク(2)が床面(91)に対して略垂直状態では該リンクと略平行となる。又、平行リンク(2)の両リンク(21)(22)と支持杆(4)は、自動車(9)の前後方向に向く同一面内に位置している。
【0013】載せ台(5)は、支持杆(4)の下端に回転可能に設けた筒体(51)に該筒体(51)に直交して主杆(52)を後方に突設し、図4に示す如く、該主杆(52)の右側に載せ板(53)を突設して構成される。載せ板(53)は、支持杆(4)の基端と先端に上向きに折り畳み可能に枢支された一対の平行板(50)(50)によって形成され、各平行板(50)(50)はステー(56)(56)によって連結され一体に上下に回動する。各平行板(50)(50)の先端及び、主杆(52)上の平行板(50)(50)との対向位置に侵入案内板(54)(54)、(55)(55)が夫々上下方向に回動可能に枢支連結されている。平行板(50)及び侵入案内板(54)(55)は、夫々車椅子の車輪が載るの少しに余裕があり、夫々両側縁に脱輪防止用のガイド壁(57)(57)を上向きに屈曲形成している。
【0014】支持杆(4)の先端部には、載せ台(5)をその平行板(50)(50)が自動車(9)の進行方向に平行となる位置と、進行方向に対して直交する2位置でロック可能なむロック機構(6)が設けられている。ロック機構(6)は、図9、図10に示す如く、支持杆(4)に回転可能に嵌まった筒体(51)に設けたロックピン(62)を、支持杆(4)の孔(63)に嵌めてロックするものである。
【0015】ロックピン(62)は、筒体(51)の周面に突設した筒状ケース(61)を貫通して配備され、ケース(61)内に収容したバネ(64)によって内向きに付勢される。ロックピン(62)のケース(62)からの突出端に持ち手(65)が突設される。支持杆(4)には、前記載せ台(5)の2位置に対応してロックピン(62)の先端が嵌まる2つの孔(63)が開設されている。ロックピン(62)をバネ(64)に抗して引っ張れば載せ台(5)の支持杆(4)に対する回転ロックは解除され、載せ台(5)を支持杆(4)を中心に回転させることができる。
【0016】図11に示す如く、載せ台(5)の平行板(50)(50)側の侵入案内板(54)(54)に、該案内板(54)の先端が斜め上向く位置でロックする起立保持機構(8)が設けられる。起立保持機構(8)は、載せ台(5)上に設けた支軸(81)を、侵入案内板(54)の基端の支え板(82)に開設した長孔(83)に嵌め、侵入案内板(54)を引っ張り気味に支軸(81)を中心に上向きに回転させ、長孔(83)の余裕分だけ侵入案内板(54)を下げると、支え板(82)に突設した凸部(82a)が載せ板(53)の溝部(84)の縁部(85)に引っ掛かって侵入案内板(54)の斜め上向き姿勢が保持される。侵入案内板(54)を上向きに引っ張って凸部(82a)と縁部(85)の引っ掛かりを外せば、侵入案内板(54)を元位置に倒すことができる。2つの侵入案内板(54)(54)は連結杆(86)によって連結され一体に動く。
【0017】図6、図7、図8に示す如く、載せ台(5)の主杆(52)側の侵入案内板(55)に持上げ機構(7)が連繋される。持上げ機構(7)は、ハンドル(74)の操作で侵入案内板(55)を回動させ、前記ロック機構(6)と同様のロック機構(77)で侵入案内板(55)の持ち上げ姿勢を保持するものである。
【0018】主杆(52)の先端の端板(52a)に枢軸(71)を中心に回動する揺動板(72)を設け、該揺動板(72)に侵入案内板(55)の基端を固定すると共にハンドル(74)を上向きに突設している。揺動板(72)の他端には、前記ロック機構(6)と同様のロック機構(77)が設けられ、常時バネ付勢されたロックピン(76)を持ち手(75)を引っ張って主杆(52)の穴(52b)から外してロックを解除する。該穴(52b)は、侵入案内板(55)の先端が基端よりも少し高くなった姿勢で、ロックピン(76)が嵌まる位置にある。両侵入案内板(55)(55)は連結杆(58)にて連結され、一体に動く。図5に示す如く、侵入案内板(55)は、平行板(50)と平行となる状態に折り畳み可能である。
【0019】車椅子の積込み(図1、図3、図4)人が載った車椅子を自動車(9)に積み込むには、リフトの平行リンク(2)を車外へ略水平に倒し、載せ台(5)を平行板(50)(50)が左右に向くようにして地面に下ろす。侵入案内板(54)(54)、(55)(55)は倒して先端を接地させておく。図4に於いて、自動車(9)が道路の左側に停車している場合、矢印Aに示す如く、左側から車椅子を侵入案内板(55)(55)から平行板(50)(50)に載せる。自動車(9)が道路の右側に停車して場合は上記とは逆に、矢印Bの方向から侵入案内板(54)(54)から平行板(50)(50)に載せる。侵入案内板(54)(54)、(55)(55)を前記した手順で持ち上げてロックする。これによって、車椅子が載せ台(5)から脱輪することはない。
【0020】図3に示す如く、駆動装置(3)によって平行リンク(2)を徐々に起こし、第一段階として、載せ台(5)を自動車(9)の床面(91)高さまで持ち上げる。図4の2点鎖線で示す如く、載せ台(5)の回転方向のロックを解除して、支持杆(4)を中心に載せ台(5)を時計回りに90゜回転させて侵入案内板(55)(55)の一部を車内に侵入させ、ロック機構(6)により載せ台(5)の回転をロックする。
【0021】次に、該侵入案内板(55)(55)のロックを解除して床面(91)へ倒す。車椅子を侵入案内板(55)(55)から車内へ前進させる。侵入案内板(55)(55)は、ロックを解除して平行板(50)側に折り畳んでおく。
【0022】第二段階として、図5に示す如く、駆動装置(3)によって平行リンク(2)をほぼ真上を向くまで起立させ、載せ台(5)を自動車床面(91)よりも高く持ち上げながら該載せ台(5)の主杆(52)を完全に車内へ引き込む。
【0023】第三段階として、平行板(50)(50)を上向きに折り畳んで、リフトを完全に車内に納める。
【0024】車椅子の降ろし動作上記積込み動作とは逆に、平行板(50)(50)を車外へ倒してから、平行リンク(2)を少し後方へ倒す。侵入案内板(55)(55)を自動車床面(91)へ倒し、車内の車椅子を侵入案内板(55)(55)から平行板(50)(50)に載せる。持上げ機構(7)によって侵入案内板(55)(55)を持ち上げてロックする。載せ台(5)の回転のロックを解除して、支持杆(4)中心に反時計方向へ90゜回転させる。平行リンク(2)を水平姿勢になるまで倒して、載せ台(5)を路面に接地させる。左右の侵入案内板(54)(55)の内、車椅子が移動する側の侵入案内板を倒して、載せ台(5)から車椅子を移動させる。
【0025】実施例の効果上記の如く、本発明のリフトは、自動車(9)の前後方向とは直交する方向から車椅子が直進して載せ台(5)へ乗り込むことができるため、従来のリフトの様に、リフトの後方に車椅子が回りこむことのできるスペースを確保する必要はない。リフトは車内の後部開口の幅方向に沿って収容できるため、車内の有効スペースを殆ど狭めることがない。又、支持杆(4)による片持ち支持構造であるから構成が簡素化され、コストを抑えることができる。
【0026】第2実施例(図12乃至図16)第2実施例のリフトは、基本的には上記第1実施例と同様にして、図12Aに示す如く、路面に降ろした載せ台(5)に車椅子を載せ、図12Bの如く、載せ台(5)を持ち上げ、図12図Cの如く、載せ台(5)を90゜回転させて車内に案内するのであるが、載せ台(5)を90゜回転させた状態で折り畳み操作をすることなくリフト全体が車内に納まることを特徴とする。
【0027】図13、図14に示す如く、リフトは、前記同様にして取付ベース(1)上に設けられ、一対のリンク(21)(22)からなり駆動装置(3)によって傾動する平行リンク(2)と該平行リンク(2)の自由端に枢支連結された支持杆(4)と該支持杆(4)の先端に支持杆(4)に対して回転可能に取り付けられた載せ台(5)とによって構成される。
【0028】図14、図15に示す如く、載せ台(5)は支持杆(4)に回転可能に支持された主杆(52)に対して車椅子を載せる一対の平行板(50)(50)が左側に向けて突設され、主杆(52)に対して起伏しない。平行板(50)(50)に対しては、左右何れの方向からも車椅子の乗り込みが可能である。
【0029】自動車(9)の前後方向と直交する方向から車椅子を載せ台(5)に載せ、平行リンク(2)をほぼ真上に起立させた状態で、載せ板(53)は自動車床面(91)に近接し、且つ自動車床面(91)より少し高く上昇する。載せ台(5)を90゜反転させると載せ板(53)の殆どの部分は車内へ侵入する。平行リンク(2)が真上を越えて少し前傾するまで反対側へ倒すと、にフトは完全に車内へ収まり、載せ台(5)は自動車床面(91)に接地する。載せ台(5)から車椅子を降ろす作業は不要である。
【0030】尚、本発明に於ける平行リンク(2)とは、リンク(21)(22)が完全に平行であることに限定されるず、支持杆(4)をほぼ垂下姿勢を保って移動させることができれば可い等、本発明は、上記実施例に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載の範囲で種々の変形が可能である。
【出願人】 【識別番号】591099773
【氏名又は名称】株式会社大阪タイユー
【出願日】 平成12年3月23日(2000.3.23)
【代理人】 【識別番号】100066728
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 敏之 (外2名)
【公開番号】 特開2001−258942(P2001−258942A)
【公開日】 平成13年9月25日(2001.9.25)
【出願番号】 特願2000−81353(P2000−81353)