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【発明の名称】 車椅子の着脱式アームレスト
【発明者】 【氏名】松尾 浩司

【氏名】早川 英樹

【要約】 【課題】軽量に構成し得る車椅子の着脱式アームレストを提供する。

【解決手段】車椅子10にアームレスト70が着脱可能に構成されている。アームレスト70は、スカートガード80が樹脂をブロー成形してなるため、軽量であり、介護者が容易に着脱することができる。また、スカートガード80が樹脂からなるため、例え、身体に触れることがあっても安全である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車椅子本体に着脱自在に構成された側板と、前記側板に固定されるアームレストクッションとからなる車椅子の着脱式アームレストにおいて、前記側板が樹脂をブロー成形してなることを特徴とする車椅子の着脱式アームレスト。
【請求項2】 前記側板に、アームレストクッションを支持するパイプを摺動可能に保持するパイプを配設したことを特徴とする請求項1の車椅子の着脱式アームレスト。
【請求項3】 前記側板に、車椅子を操作する操作器からの配線を通すための通孔を配設したことを特徴とする請求項1又は2の車椅子の着脱式アームレスト。
【請求項4】 前記側板に、通孔を設け、該側板の側縁と該通孔とにより把持部を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の車椅子の着脱式アームレスト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車椅子本体に着脱自在に構成された側板と、該側板に固定されるアームレストクッションとからなる車椅子の着脱式アームレストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】車椅子には、使用者が自ら乗り降りすることを前提に設計されたタイプと、介護者を介して乗り降りさせるように設計されたタイプとがある。ここで、介護者を介するように設計された車椅子では、一般的に、介護者が使用者を抱きかかえた状態で、側方から乗り降りさせれるようにアームレストを着脱し得るように構成されている。
【0003】この従来技術にかかる着脱式アームレストについて、図5を参照して説明する。アームレスト170は、アームレストクッション172と、アームレストクッション172を支持するスライドパイプ174と、アームレストパイプ176と、該アームレストパイプ176の下端に嵌められる樹脂製カラー178と、スカートの巻き込みを防止するためのスカートガード180とからなる。ここで、アームレストパイプ176は、図示形状の鉄パイプを7本溶接することでなる。アームレストパイプ176の下端の樹脂製カラー178は、アームレスト170を固定する車椅子側の本体フレームの図示しないパイプへ、当該アームレストパイプ176の下端の抜き差しを容易にし、塗装はがれを防止するためのものである。アームレストパイプ176に、スカートガード180は、4本のネジ182により固定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技術の着脱式アームレストは、アームレストパイプ176が鉄パイプにより構成されているため重く、取り外し、取り付けが容易でなかった。さらに、金属が剥き出しになっているため、取り外した際に、身体に触れることがないように細心の注意が要求された。
【0005】さらに、アームレストパイプ176は、鉄パイプを7本溶接してなるため、部品点数、及び、溶接箇所が多く、また、吹き付けにより塗装を行っているため、製造コストが嵩んでいた。特に、アームレストパイプ176とスカートガード180とが別々の部品として構成され、アームレストパイプ176へのスカートガード180の固定を4本のネジで行っているため、取り付けに時間がかかっていた。
【0006】本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、軽量に構成し得る車椅子の着脱式アームレストを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するため、車椅子本体に着脱自在に構成された側板と、前記側板に固定されるアームレストクッションとからなる車椅子の着脱式アームレストにおいて、前記側板が樹脂をブロー成形してなることを技術的特徴とする。
【0008】本発明では、側板が樹脂をブロー成形してなるため、軽量であり、介護者がアームレストを容易に着脱することができる。また、側板が樹脂からなるため、例え、身体に触れることがあっても安全である。
【0009】また、請求項2では、側板に、アームレストクッションを支持するパイプを摺動可能に保持するパイプを配設してある。配設したパイプにて強度を得ることができるので、側板を構成する樹脂を薄くすることが可能となり、アームレストを軽量に構成することができる。このため、介護者がアームレストを容易に着脱することができる。
【0010】請求項3では、側板に、車椅子を操作する操作器からの配線を通すための通孔を配設してあるため、配線を側板に通すことで、操作器を取り付けたアームレストを着脱した際に、配線を引っ掛ける危険性を低減させれる。
【0011】請求項4では、側板の側縁と通孔とにより側板を把持可能にしてあるため、介護者がアームレストを容易に着脱することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の実施形態に係る着脱式アームレストを用いる車椅子10の構成について図2、図3、図4を参照して説明する。ここで、図2は、車椅子の側面図であり、図3は背面図であり、図4はシートを外した上面図である。図2に示すように、車椅子10は、本体フレーム20を備え、本体フレーム20の前部下方には、キャスターホーク22を介して前輪24が取り付けられている。また、本体フレーム20の中央部下方には、図4に示すコードリール32、コントローラ・充電器34、バッテリ36を収容するケース30が配設されている。さらに、本体フレーム20の後部下方には、ダンパー42を介して支持された後輪44が配設されている。左右の後輪44(図中一方のみ示す)は、1対のモータ46(図中一方のみ示す)の駆動力がギヤーボックス48を介してそれぞれ減速伝達される。図3に示すように、本体フレーム20の後部下方には、リヤカバー56が配設されている。
【0013】本体フレーム20の前方には、フットレスト50を支持するためのレッグパイプ52が取り付けられ、後方には、車椅子を持ち上げるための持ち上げ取っ手54が配設されている。
【0014】本体フレーム20の上方には、シート62を支持するシートフレーム60が固定されている。シートフレーム60の後方には、バックレスト64が取り付けられている。バックレスト64の中央部には、バックパイプ66が取り付けられている。シートフレーム60の側方には、アームレスト70を着脱自在に支持するための1対の支持パイプ68A、68Bが取り付けられている。該アームレスト70の上方には、アームレストクッション72が取り付けられ、右側のアームレストクッション72(図3参照)の前方には、操作ボックス90が配設されている。
【0015】本実施形態の車椅子の着脱式アームレスト70の構成について、図1を参照して説明する。アームレスト70は、スカートガード(側板)80と、アームレストクッション72と、アームレストクッション72を支持するスライドパイプ74A、74Bとから主としてなる。アームレストクッション72は、レザー72aで覆われたクッションが樹脂製の枠板72bに支持されてなる。該枠板72bの下部を支持するスライドパイプ74A、74Bの側部には、複数個の通孔74aが形成されている。
【0016】スカートガード(側板)80は、2枚の樹脂フィルムをブロー成形することで中空に形成されている。スカートガード80には、上部に開口したボス部80a、80b、80cが形成され、当該ボス部80a、80b、80cに対応させて下部に開口したボス部80a’、80b’、80c’が形成されている。
【0017】該ボス部80c’は、シートフレーム60の側方に固定された支持パイプ68Bに嵌入可能に構成されている。一方、スカートガード80の図中左側(前方側)の下部には、先端に絞り形成され、開口されたボス部80dが形成されている。該ボス部80dには、開口から突出するようにバネ88で付勢されたストッパーボタン88が配設され、シートフレーム60の側方に固定された支持パイプ68Aに嵌入可能に構成されている。該ストッパーボタン86は、支持パイプ68Aに形成された通孔68aを挿通し、外部へ突出する。すなわち、該ストッパーボタン86により、支持パイプ68A、68Bにアームレスト70が固定され、また、該ストッパーボタン86を押すことで、アームレスト70が支持パイプ68A、68Bから外れるように構成されている。
【0018】一方、該スカートガード80の側部には、通孔80eが形成されており、該通孔80eとスカートガード80の側縁と該通孔とにより把持部80fを形成している。このため、介護者がアームレスト70を外して、容易に取り扱うことができる。
【0019】スカートガード80の上下のボス部80a、80a’には、スライドパイプ74Aを摺動可能に保持するためのガードパイプ76Aが収容される。ガードパイプ76Aは、当該ガードパイプ76Aの上端・下端に設けられた通孔と、ボス部80a、80a’に形成された通孔とにネジ82を挿通することで固定される。同様に、スカートガード80の上下のボス部80c、80c’には、スライドパイプ74Bを摺動可能に保持するためのガードパイプ76Bが収容される。ガードパイプ76Bは、上端に設けられた通孔と、ボス部80aに形成された通孔とにネジ82を挿通し、下端に設けられた通孔と、ボス部80a’に形成された通孔とにピン84を挿通することで固定される。
【0020】本実施形態では、アームレストのスカートガード80に、スライドパイプ74A、74Bを摺動可能に保持するガードパイプ76A、76Bを配設してある。配設したガードパイプ76A、76Bにて強度を得ることができるので、スカートガード80を構成する樹脂を薄くすること可能となり、アームレスト70を軽量に構成することができる。このため、介護者がアームレスト70を容易に着脱することができる。
【0021】上述したアームレストクッション72の高さは、アームレストクッション72を支持するスライドパイプ74A、74Bの通孔74aを選択することで調整を行う。即ち、所望の高さに対応する通孔74aに、ボス部80a、80cの通孔を挿通するネジ82を嵌入することで、アームレストクッション72の高さ調整及び固定を行う。
【0022】ボス部80b、80b’の開口には、操作ボックス90からのハーネス92が挿通される。該ハーネス92の先端にはコネクタ94が取り付けられ、該コネクタ94が図4に示すコントローラ・充電器34へ電気接続される。操作ボックス90は、図3に示すように右側のアームレスト70に、支持ロッド96を介して取り付けられる。
【0023】本実施形態では、スカートガード80に、車椅子を操作する操作ボックス90からのハーネス92を通すための開口を備えるボス部80b、80b’を配設してある。中空のスカートガード80内を通すことで、操作ボックス90を取り付けた右側のアームレスト70を着脱した際に、ハーネス92を引っ掛ける危険性を低減させ、また、見栄えを良くすることができる。
【0024】操作者は、操作ボックス90の操作レバー90aを操作することで車椅子10を操作できる。操作レバー90aを、前方へ倒すことで、右後輪44を駆動するモータ46と、左後輪44を駆動するモータとが回転し、車椅子を前進させる。また、操作レバー90aを、右前方へ倒すことで、右後輪44を駆動するモータ46よりも左後輪44を駆動するモータが多く回転し、車椅子を右折させる。
【0025】ここので、車椅子への操作者を乗せる際、或いは、降ろす際には、図1を参照して上述したストッパーボタン86を押圧し、右側、又は、左側のアームレスト70を外し、操作者を抱き抱えて乗せ、或いは、降ろす。その後、アームレスト70を車椅子に取り付ける。
【0026】ここで、本実施形態のアームレスト70は、スカートガード80が樹脂をブロー成形してなるため、軽量であり、介護者が容易に着脱し、把持部80fを持つて、取り扱うことができる。また、スカートガード80が樹脂からなるため、例え、身体に触れることがあっても安全である。
【0027】更に、本実施形態の車椅子の着脱式アームレストは、スカートガード80がブロー成形からなる一体品であるため、図5を参照して上述した従来技術のアームレストパイプ176と比べて、部品点数、加工箇所が少なくなり、廉価に構成できる。また、従来技術のアームレストパイプ176とスカートガード180とを一体にでき、更に、従来必要であった金属パイプへの塗装が不要となる。また、ブロー成形からなるため、スカートガード80を所望の形状にでき、特に、上記把持部80fを握りやすい形状、寸法に成形することが可能となる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、側板(スカートガード)が樹脂をブロー成形してなるため、軽量であり、介護者がアームレストを容易に着脱することができる。また、側板が樹脂からなるため、例え、身体に触れることがあっても安全である。
【出願人】 【識別番号】390005751
【氏名又は名称】株式会社今仙技術研究所
【出願日】 平成12年3月9日(2000.3.9)
【代理人】 【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人 (外1名)
【公開番号】 特開2001−252310(P2001−252310A)
【公開日】 平成13年9月18日(2001.9.18)
【出願番号】 特願2000−65202(P2000−65202)