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【発明の名称】 使い捨てシーツおよび使い捨てシーツセット
【発明者】 【氏名】横沢 勇一

【要約】 【課題】その上に人を寝かせたまま取り除くことが可能な使い捨てシーツを提供する。

【解決手段】使い捨てシーツ1では、長方形のシーツ2に対し、シーツ2を2つに切り離し可能とする切り込み3がシーツ2の長手方向に沿って設けられ、切り込み3を封止するためのテープ4が、切り込み3を覆うように粘着剤によってシーツ2上に貼着されている。これにより、シーツ2上に寝ている人を右側部分2Rに移動させてテープ4を剥がした後、左側部分2Lを手で引っ張ることにより左側部分2Lを取り除き、次に、左側部分2Lを取り除いたところにその人を移動させて右側部分2Rを手で引けば、人を寝かせたまま使い捨てシーツ1を取り除くことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】長方形のシーツに対し、該シーツを2つに切り離し可能とする切り込みがシーツの長手方向に沿って設けられ、上記切り込みを封止するためのテープが、上記切り込みを覆うように粘着剤によって上記シーツ上に貼着されていることを特徴とする使い捨てシーツ。
【請求項2】2枚の長方形のシーツ部材が、その長辺が互いに接し合うように並べられ、テープが、各シーツ部材における接し合う部分を覆うように粘着剤によって各シーツ部材上に貼着されていることを特徴とする使い捨てシーツ。
【請求項3】抗菌・防臭剤と高分子吸水剤とをさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の使い捨てシーツ。
【請求項4】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使い捨てシーツが複数枚重ねられてなることを特徴とする使い捨てシーツセット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使い捨てシーツおよび使い捨てシーツセットに関するものであり、特に、寝たきり患者用のベッドに用いるのに好適な使い捨てシーツおよび使い捨てシーツセットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、寝たきり患者用のベッドに敷くシーツとして、シーツを洗濯する手間を省くために、使い捨てシーツが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の使い捨てシーツでは、紙や不織布等の安価な素材を用いることによって使い捨てが可能となっており、シーツを洗濯する手間は省けるものの、シーツを交換する手間を省くことはできない。上記従来の使い捨てシーツでは、シーツの取り替え時に、寝たきり患者をベッドから移動させる必要があった。それゆえ、従来の使い捨てシーツの交換は、一般に複数の介護者を必要とし、1人の介護者で行うことが非常に困難であるという問題点を有している。そのため、使い捨てシーツが汚れてすぐに交換しなければならないような場合でも、介護者が1人しかいないために、使い捨てシーツを交換できないことがあった。
【0004】そこで、1人の介護者で取り替えることができる使い捨てシーツが要望されている。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、その上に人を寝かせたまま取り除くことが可能な使い捨てシーツ、および、寝たきり患者のベッドに用いた場合に1人の介護者で使い捨てシーツを取り替えることが可能な使い捨てシーツセットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の使い捨てシーツは、上記の課題を解決するために、長方形のシーツに対し、該シーツを2つに切り離し可能とする切り込みがシーツの長手方向に沿って設けられ、上記切り込みを封止するためのテープが、上記切り込みを覆うように粘着剤によって上記シーツ上に貼着されていることを特徴としている。
【0007】上記構成によれば、その上に人を寝かせたまま移動させるだけでシーツを取り除くことができる。すなわち、例えば、まず、使い捨てシーツ上に寝ている人をシーツの右側に移動させ、テープを剥がした後、シーツの左側を手で引っ張れば、シーツが切り込みで切り離されて、シーツの左側を取り除くことができる。次に、使い捨てシーツ上に寝ている人をシーツの左側を取り除いたところに移動させ、シーツの右側を手で引けば、シーツの右側を取り除くことができる。
【0008】それゆえ、上記構成では、予め使い捨てシーツの下に別のシーツを敷いておけば、その上に人を寝かせたままで交換が可能となるので、寝たきり患者(以下、単に患者と称する)のベッドに用いると、患者をベッドから移動させる必要がなくなり、一人の介護者でシーツを交換することが可能となる。
【0009】また、上記構成によれば、切り込みがテープで封止されているので、使用時に、シーツ上に寝ている人(例えば、患者)の尿や汗等が切り込みを通って下に敷いたシーツ、例えば、他の使い捨てシーツに滲みることを防止できる。
【0010】なお、本明細書において、「シーツを2つに切り離し可能とする切り込み」とは、人の手で引っ張ることによりシーツがその切り込みに沿って2つに切り離されるような切り込みを指すものとする。また、「切り込み」とは、スリット、すなわち細長い形状の隙間のみを指すものではなく、ミシン目、すなわち点線状に連らねられた孔をも含むものとする。
【0011】本発明の請求項2記載の使い捨てシーツは、上記の課題を解決するために、2枚の長方形のシーツ部材が、その長辺が互いに接し合うように並べられ、テープが、各シーツ部材における接し合う部分を覆うように粘着剤によって各シーツ部材上に貼着されていることを特徴としている。
【0012】上記構成によれば、その上に人を寝かせたまま移動させるだけでシーツ部材を取り除くことができる。すなわち、例えば、まず、2枚のシーツ部材に跨がって寝ている人を右側のシーツ部材上に移動させ、テープを剥がせば、左側のシーツ部材を手で引いて取り除くことができる。次に、使い捨てシーツ上に寝ている人を左側のシーツ部材を取り除いたところに移動させれば、右側のシーツ部材を手で引いて取り除くことができる。
【0013】それゆえ、上記構成では、予め使い捨てシーツの下に別のシーツを敷いておけば、人を寝かせたままで交換が可能となるので、寝たきり患者のベッドに用いると、患者をベッドから移動させる必要がなくなり、一人の介護者でシーツを交換することが可能となる。
【0014】また、上記構成によれば、各シーツ部材の接し合う部分がテープで覆われているので、使用時に、シーツ上に寝ている人(例えば、患者)の尿や汗等がシーツ部材とシーツ部材との間隙を通って下に敷いたシーツ、例えば、他の使い捨てシーツに滲みることが防止できる。
【0015】本発明の請求項3記載の使い捨てシーツは、上記の課題を解決するために、請求項1または2に記載の使い捨てシーツにおいて、抗菌・防臭剤と高分子吸水剤とをさらに含むことを特徴としている。
【0016】上記構成によれば、抗菌・防臭剤によって抗菌および防臭を行うことができる。また、高分子吸水剤によって尿や汗等をより確実に確実に吸収することができ、尿や汗等が使い捨てシーツを透過して下へ滲みだすことをより確実に防止できる。これらによって、清潔な環境を維持することが可能となる。
【0017】なお、本明細書において、「抗菌・防臭剤」とは、抗菌機能と防臭機能とを兼ね備える添加剤を指すものとする。
【0018】本発明の請求項4記載の使い捨てシーツセットは、上記の課題を解決するために、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使い捨てシーツが複数枚重ねられてなることを特徴としている。
【0019】上記構成によれば、寝たきり患者のベッドに一度敷けば、その上に患者を寝かせたまま移動させるだけで使い捨てシーツの交換が可能となる。それゆえ、患者をベッドから移動させる必要がなくなり、1人の介護者で使い捨てシーツを取り替えることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について図1ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。図1(a)および(b)に示すように、本実施形態の使い捨てシーツ1では、長方形のシーツ2に対し、シーツ2を右側部分2Rと左側部分2Lとの2つに切り離し可能とする切り込み3がシーツ2の長手方向に沿って設けられ、切り込み3を封止するためのテープ4が、切り込み3を覆うように粘着剤(図示しない)によってシーツ2上に貼着されている。
【0021】使い捨てシーツ1は、寝たきり患者のベッドに敷いて患者を寝かせれば、その上に患者を寝かせたまま移動させるだけで取り除くことができる。
【0022】具体的には、使い捨てシーツ1を取り除く際には、まず、患者の体を回転させてシーツ2の右側部分2R(または左側部分2L)上に移動させ、切り込み3を封止しているテープ4を剥がす。これにより、図2に示すように、切り込み3が現れる。次いで、シーツ2の左側部分2L(または右側部分2R)を手で強く引っ張れば、シーツ2の右側部分2Rと左側部分2Lとが切り込み3で切り離され、シーツ2の左側部分2L(または右側部分2R)が取り除かれる。次に、患者の体を回転させて、シーツ2の左側部分2L(または右側部分2R)を取り除いたところ(例えば、下に敷いた他の使い捨てシーツ1の左側部分2L上)に移動させ、シーツ2の右側部分2R(または左側部分2L)を手で引けば、シーツ2の右側部分2R(または左側部分2L)が取り除かれる。
【0023】このように、患者を寝かせたままで使い捨てシーツ1を取り除くことができるので、予め使い捨てシーツ1の下に別のシーツを敷いておけば、患者を寝かせたままでシーツの交換が可能となる。それゆえ、患者をベッドから移動させる必要がなくなり、一人の介護者でシーツを交換することが可能となる。
【0024】また、使い捨てシーツ1では、切り込み3がテープ4で封止されているので、使用時に、患者の尿や汗等が切り込み3を通って下に敷いたシーツ、例えば、他の使い捨てシーツ1に滲みることが防止されている。
【0025】使い捨てシーツ1のサイズは、それを敷くベッドのサイズに応じて適宜調節すればよいが、例えば、幅150cm程度、長さ220cm程度とすればよい。
【0026】シーツ2としては、汗などによる蒸れを防止できることから、紙や不織布などの通気性シート、あるいは該通気性シートに添加剤を添加したものが好ましい。上記通気性シートとしては、安価であること、および、ある程度の吸水性を備えており尿や汗等を幾らか吸収できることから、紙および不織布が特に好ましい。
【0027】シーツ2は、添加剤として銀クロロ錯塩等の抗菌・防臭剤をさらに含んでいることが望ましい。これにより、シーツ2の抗菌および防臭を行うことができ、より清潔な環境を維持することが可能となる。
【0028】シーツ2は、添加剤として高分子吸水剤をさらに含んでいることが望ましい。これにより、尿や汗等を確実に吸収することができ、尿や汗等がシーツ2を透過して下へ滲みだすことを防止できる。高分子吸水剤としては、「アクアキープ10SH−NF」(住友精化(株)製)に代表される微粉末状の高吸水性樹脂が好適に使用できる。
【0029】通気性シートに添加剤を添加する方法としては、特に限定されるものではないが、通気性シートを製造する際に通気性シートの原料に練り込む方法(以下、練り込み法と称する);通気性シートと他のシートとの間に挟み込んでから2枚のシートを接着する方法(以下、挟み込み法と称する);結着剤とともに溶解して溶液とした後、該溶液に通気性シートを浸漬する方法(以下、浸漬法と称する)などが挙げられる。
【0030】次に、添加剤を添加する方法について、抗菌・防臭剤および高分子吸水剤を添加する場合を例にとってさらに詳細に説明する。
【0031】まず、抗菌・防臭剤および高分子吸水剤の両方を練り込み法で添加する場合には、紙または不織布等の通気性シートの原料から通気性シートを製造する際に、抗菌・防臭剤および高分子吸水剤を通気性シートの原料に練り込むことにより、抗菌・防臭剤および高分子吸水剤を添加すればよい。
【0032】これにより、図3に示すように、通気性シート21中に抗菌・防臭剤23および高分子吸水剤22が分散された1層構造のシーツ2が得られる。この場合、抗菌・防臭剤23としては、粉末状の抗菌・防臭剤、例えば、粉末状の銀クロロ錯塩を用いることができる。また、高分子吸水剤22としては、粉末状の高分子吸水剤、例えば、「アクアキープ10SH−NF」(住友精化(株)製)に代表される微粉末状の高吸水性樹脂を用いることができる。
【0033】なお、シーツ2の強度を高めたい場合には、通気性シート21中に抗菌・防臭剤23および高分子吸水剤22を練り込んだ1層構造のシートと、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド等からなる樹脂シート、あるいは、抗菌・防臭剤および高分子吸水剤を含まない通気性シート(紙や不織布など)とを接着剤で接着して一体化すれば、強度を高めることができる。この場合には、シーツ2は、2層構造となる。
【0034】また、抗菌・防臭剤を添加する方法として浸漬法を採用し、高分子吸水剤を添加する方法として挟み込み法を採用する場合には、次のようにすればよい。
【0035】すなわち、まず、紙や不織布等からなる通気性シートを製造した後、抗菌・防臭剤と結着剤との混合液中に通気性シートを浸漬し、通気性シート表面に抗菌・防臭剤と結着剤(バインダー)とを付着させる。これにより、抗菌・防臭剤が結着剤によって通気性シート表面に固定される。通気性シートに抗菌・防臭剤が添加する。この場合、抗菌・防臭剤としては、液体の抗菌・防臭剤、例えば、液体の銀クロロ錯塩が使用できる。
【0036】次に、この抗菌・防臭剤を付着させた通気性シートと、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド等の樹脂シート、あるいは抗菌・防臭剤を含まない通気性シート(紙や不織布など)とを、これらシートの間に高分子吸水剤を挟み込んだ状態で接着剤で接着し、一体化する。この場合、高分子吸水剤としては、粉末状の高分子吸水剤、例えば、「アクアキープ10SH−NF」(住友精化(株)製)に代表される微粉末状の高吸水性樹脂が使用できる。
【0037】これにより、図4に示すように、抗菌・防臭剤23が分散された通気性シート21と、樹脂シートまたは通気性シートからなるシート24との間に、高分子吸水剤22が挟持された2層構造のシーツ2’が得られる。
【0038】なお、抗菌・防臭剤と高分子吸水剤とを配置する位置は逆にしてもよい。すなわち、高分子吸水剤を含む通気性シートを製造した後、高分子吸水剤を含む通気性シートと、樹脂シート、あるいは高分子吸水剤を含まない通気性シートとを、これらシートの間に抗菌・防臭剤を挟み込んだ状態で接着剤で接着しても、抗菌・防臭剤および高分子吸水剤を含む2層構造のシーツを製造することができる。この場合には、抗菌・防臭剤として、粉末状の抗菌・防臭剤、例えば、粉末状の銀クロロ錯塩が使用できる。
【0039】シーツ2を切り離すための切り込み3は、人の手で引っ張ることによりシーツ2が2つに切り離されるようなものであればよく、例えば、スリット、ミシン目等が挙げられる。
【0040】切り込み3は、シーツ2の長手方向に沿った中心線に沿って、すなわち、シーツ2の幅が150cmであればシーツ2における幅75cmのところに入れられていることが好ましい。
【0041】これにより、シーツ2における切り込み3を挟む2つの部分、すなわち右側部分2Rおよび左側部分2Lの大きさが互いに等しくなる。前述したように使い捨てシーツ1の上に患者を乗せたまま使い捨てシーツ1を交換するには、シーツ2の右側部分2Rに患者を乗せた後、シーツ2の左側部分2Lを取り除いた部分(例えば、下に敷いた他の使い捨てシーツ1のシーツ2の左側部分2L)に患者を乗せる必要がある。右側部分2Rおよび左側部分2Lの大きさを互いに等しくすると、シーツ2の右側部分2Rに患者を乗せる作業、および、シーツ2の左側部分2Lを取り除いた部分に患者を乗せる作業のいずれも比較的容易となる。
【0042】切り込み3を覆うテープ4としては、シーツ2と同じ組成・構造を有するシート、例えば紙や不織布等を、シーツ2より狭い幅にカットしたものを使用することができる。テープ4の幅は、切り込み3を覆うことができ、かつ、粘着剤によって接着することができる程度の幅があればよく、例えば、2cm程度とすればよい。
【0043】前記の粘着剤は、シーツ2とテープ4との間に設けられていればよいが、テープ4のみに塗布することが望ましい。これにより、使い捨てシーツ1の交換時、患者をシーツ2の右側部分2Rからシーツ2の左側部分2Lを取り除いた部分に移動させる際に、粘着剤が患者に付着することを回避できる。なお、粘着剤の種類は、特に限定されるものではない。
【0044】使い捨てシーツ1は、図5に示すように、使い捨てシーツ1が複数枚重ねられた使い捨てシーツセットとして用いることが望ましい。上記構成によれば、患者のベッドに一度敷けば、その上に患者を寝かせたまま移動させるだけで使い捨てシーツ1の交換が可能となる。それゆえ、1人の介護者で使い捨てシーツ1を取り替えることが可能となる。
【0045】重ねられた使い捨てシーツ1の枚数は、患者を寝かせたままで交換が可能な使い捨てシーツ1の枚数を決定する。そして、使い捨てシーツセットにおける全ての使い捨てシーツ1が使用された後は患者をベッドから移動させて使い捨てシーツセットを交換する必要があるので、使い捨てシーツ1の枚数は、使い捨てシーツセットを交換する周期に応じて選択するとよい。例えば、使い捨てシーツ1の枚数を7枚とすると、ちょうど1週間毎に使い捨てシーツセットを交換することになり、都合がよい。
【0046】なお、使い捨てシーツ1は、図5に示すように、テープ4が上となるよう重ねることが望ましい。これにより、使い捨てシーツ1の交換時にテープ4を容易に剥がすことができる。
【0047】〔実施の形態2〕本発明の他の実施形態について図6ないし図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0048】図6(a)および(b)に示すように、本実施形態の使い捨てシーツ11では、2枚の長方形のシーツ部材12・13が、その長辺が互いに接し合うように並べられ、テープ14が、各シーツ部材12・13における接し合う部分を覆うように粘着剤(図示しない)によって各シーツ部材12・13上に貼着されている。
【0049】使い捨てシーツ11は、寝たきり患者のベッドに敷いて患者を寝かせれば、その上に患者を寝かせたまま移動させるだけで取り除くことができる。
【0050】具体的には、使い捨てシーツ11を取り除く際には、まず、シーツ部材12・13に跨がっている患者の体を回転させてシーツ部材12(またはシーツ部材13)上に移動させ、テープ14を剥がす。これにより、図7に示すように、各シーツ部材12・13が独立して移動可能な状態となる。次いで、シーツ部材13(またはシーツ部材12)を手で引けば、シーツ部材13(またはシーツ部材12)が取り除かれる。次に、患者の体を回転させて、シーツ部材13(またはシーツ部材12)を取り除いたところ(例えば、下に敷いた他の使い捨てシーツ11のシーツ部材13上)に移動させ、シーツ部材12(またはシーツ部材13)を手で引けば、シーツ部材12が取り除かれる。
【0051】このように、使い捨てシーツ11では、患者を寝かせたまま取り除くことができるので、予め使い捨てシーツ11の下に別のシーツを敷いておけば、患者を寝かせたままで交換が可能となる。それゆえ、患者をベッドから移動させる必要がなくなり、一人の介護者でシーツを交換することが可能となる。
【0052】また、使い捨てシーツ11では、シーツ部材12とシーツ部材13との接し合う部分がテープ14で覆われているので、使用時に、患者の尿や汗等がシーツ部材12とシーツ部材13との間隙を通って下に敷いたシーツ、例えば、他の使い捨てシーツ11に滲みることが防止されている。
【0053】使い捨てシーツ11のサイズは、それを敷くベッドのサイズに応じて適宜調節すればよいが、例えば、幅150cm程度、長さ220cm程度とすればよい。
【0054】シーツ部材12・13としては、汗などによる蒸れを防止できることから、紙や不織布などの通気性シート、あるいは該通気性シートに添加剤を添加したものが好ましい。上記通気性シートとしては、安価であること、および、ある程度の吸水性を備えており尿や汗等を幾らか吸収できることから、紙および不織布が特に好ましい。
【0055】シーツ部材12・13は、添加剤として銀クロロ錯塩等の抗菌・防臭剤をさらに含んでいることが望ましい。これにより、シーツ部材12・13の抗菌および防臭を行うことができ、より清潔な環境を維持することが可能となる。
【0056】シーツ部材12・13は、添加剤として高分子吸水剤をさらに含んでいることが望ましい。これにより、尿や汗等を確実に吸収することができ、尿や汗等がシーツ部材12・13を透過して下へ滲みだすことを防止できる。高分子吸水剤としては、「アクアキープ10SH−NF」(住友精化(株)製)に代表される微粉末状の高吸水性樹脂が好適に使用できる。
【0057】通気性シートに添加剤を添加する方法としては、特に限定されるものではないが、通気性シートを製造する際に通気性シートの原料に練り込む方法(以下、練り込み法と称する);通気性シートと他のシートとの間に挟み込んでから2枚のシートを接着する方法(以下、挟み込み法と称する);結着剤とともに溶解して溶液とした後、該溶液に通気性シートを浸漬する方法(以下、浸漬法と称する)などが挙げられる。なお、通気性シートに抗菌・防臭剤および高分子吸水剤を添加したシーツ部材12・13の形態については、実施の形態1において説明したシーツ2の各形態、例えば、図3に示すシーツ2や図4に示すシーツ2’を採用することができる。
【0058】シーツ部材12・13の大きさは、同一であることが好ましい。前述したように使い捨てシーツ11の上に患者を乗せたまま使い捨てシーツ11を交換するには、シーツ部材12上に患者を乗せた後、シーツ部材13を取り除いた部分(例えば、下に敷いた他の使い捨てシーツ11のシーツ部材13)に患者を乗せる必要がある。シーツ部材12の大きさとシーツ部材13の大きさとを等しくすると、シーツ部材12上に患者を乗せる作業、および、シーツ部材13を取り除いた部分に患者を乗せる作業のいずれも比較的容易となる。
【0059】テープ14としては、シーツ部材12・13と同じ組成・構造を有するシート、例えば紙や不織布等を、シーツ部材12・13より狭い幅にカットしたものを使用することができる。テープ14の幅は、シーツ部材12・13の互いに接し合う部分を覆うことができ、かつ、粘着剤によって接着することができる程度の幅があればよく、例えば、2cm程度とすればよい。
【0060】前記の粘着剤は、シーツ部材12・13とテープ14との間に設けられていればよいが、テープ14のみに塗布することが望ましい。これにより、使い捨てシーツ11の交換時、患者をシーツ部材12上からシーツ部材13を取り除いた部分へ移動させる際に、粘着剤が患者に付着することを回避できる。なお、粘着剤の種類は、特に限定されるものではない。
【0061】使い捨てシーツ11は、図8に示すように、使い捨てシーツ11が複数枚重ねられた使い捨てシーツセットとして用いることが望ましい。上記構成によれば、患者のベッドに一度敷けば、その上に患者を寝かせたまま移動させるだけで使い捨てシーツ11の交換が可能となる。それゆえ、1人の介護者で使い捨てシーツ11を取り替えることが可能となる。
【0062】重ねられた使い捨てシーツ11の枚数は、患者を寝かせたままで交換が可能な使い捨てシーツ11の枚数を決定する。そして、使い捨てシーツセットにおける全ての使い捨てシーツ11が使用された後は患者をベッドから移動させて使い捨てシーツセットを交換する必要があるので、使い捨てシーツ11の枚数は、使い捨てシーツセットを交換する周期に応じて選択するとよい。例えば、使い捨てシーツ11の枚数を7枚とすると、ちょうど1週間毎に使い捨てシーツセットを交換することになり、都合がよい。
【0063】なお、使い捨てシーツ11は、図8に示すように、テープ14が上となるよう重ねることが望ましい。これにより、使い捨てシーツ11の交換時にテープ14を容易に剥がすことができる。
【0064】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の使い捨てシーツは、以上のように、長方形のシーツに対し、該シーツを2つに切り離し可能とする切り込みがシーツの長手方向に沿って設けられ、上記切り込みを封止するためのテープが、上記切り込みを覆うように粘着剤によって上記シーツ上に貼着されている構成である。
【0065】それゆえ、上記構成は、その上に人を寝かせたまま取り除くことが可能な使い捨てシーツを提供することができるという効果を奏する。
【0066】本発明の請求項2記載の使い捨てシーツは、以上のように、2枚の長方形のシーツ部材が、その長辺が互いに接し合うように並べられ、テープが、各シーツ部材における接し合う部分を覆うように粘着剤によって各シーツ部材上に貼着されている構成である。
【0067】それゆえ、上記構成は、その上に人を寝かせたまま取り除くことが可能な使い捨てシーツを提供することができるという効果を奏する。
【0068】本発明の請求項3記載の使い捨てシーツは、以上のように、抗菌・防臭剤と高分子吸水剤とをさらに含むことを特徴としている。
【0069】上記構成によれば、抗菌および防臭を行うことができるとともに、尿や汗等が使い捨てシーツを透過して下へ滲みだすことをより確実に防止でき、より清潔な環境を維持することが可能となるという効果を奏する。
【0070】本発明の請求項4記載の使い捨てシーツセットは、以上のように、上記各使い捨てシーツのいずれかが複数枚重ねられてなることを特徴としている。
【0071】それゆえ、上記構成は、寝たきり患者のベッドに用いた場合に1人の介護者で使い捨てシーツを取り替えることが可能な使い捨てシーツセットを提供することができるという効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】593000384
【氏名又は名称】横沢金属工業株式会社
【識別番号】596005964
【氏名又は名称】住化農業資材株式会社
【出願日】 平成10年12月15日(1998.12.15)
【代理人】 【識別番号】100080034
【弁理士】
【氏名又は名称】原 謙三
【公開番号】 特開2001−238920(P2001−238920A)
【公開日】 平成13年9月4日(2001.9.4)
【出願番号】 特願平10−356752