| 【発明の名称】 |
車椅子用クッション |
| 【発明者】 |
【氏名】大田黒 誠之
|
| 【要約】 |
【課題】使用者の身体的苦痛がなく、座位の安定性に優れ、褥瘡を防止でき、折り畳みも可能な車椅子用クッションを提供する。
【解決手段】車椅子用クッション10,30は、車椅子50の着座部51、背もたれ部52に装着して使用するものであり、車椅子用クッション10は表面に波形突起11が形成された柔軟表層材12および硬質マット材13で形成されたクッション体14,15と、クッション体14,15が出入可能に収容された袋状収容部18,19を有する被覆材20とで構成され、車椅子用クッション30も同様の構成である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車椅子の着座部または背もたれ部に装着して使用する車椅子用クッションであって、表面に波形突起が形成された柔軟表層材および前記柔軟表層材より硬質のマット材で形成された複数のクッション体と、通気性を有する素材で形成され複数の前記クッション体をそれぞれ出し入れ可能に収容可能な複数の袋状収容部を有する被覆材と、前記袋状収容部同士の境界部分に形成された折り曲げ部とを備えたことを特徴とする車椅子用クッション。 【請求項2】 前記被覆材の一部に、前記被覆材より通気性の高いメッシュ部を設けた請求項1記載の車椅子用クッション。 【請求項3】 前記クッション体に、身体の一部に沿った形状の凹部と凸部のいずれかまたは両方を設けた請求項1または2記載の車椅子用クッション。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車椅子の着座部、背もたれ部に装着して使用する車椅子用クッションに関する。 【0002】 【従来の技術】高齢者や身体障害者などが車椅子を利用する場合、座ったときに臀部、腰部あるいは背部などに加わる圧力による苦痛を緩和したり、座位を安定させたり、あるいは長時間座ったときの褥瘡を防止するなどの目的で、車椅子に装備されているシート材と身体との間にクッションを敷くことが多い。 【0003】このようなクッションに求められる機能は、適度の通気性、吸湿性、除圧性、姿勢保持性などであり、これらの機能を追求した様々なクッションが従来数多く開発されているが、代表的なものとして、発泡ウレタン製クッション、空気入りのクッション、ゲル状素材をナイロンなどのカバーで被覆したクッションあるいは動物毛皮製クッションなどがある。 【0004】そのほか、通気性、クッション性の向上を図った座布団が特開昭56−142657号公報に開示され、装着したまま車椅子を折り畳むことができる車椅子用座布団が特開平10−192081号公報に開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来使用されている発泡ウレタン製クッション、空気入りのクッション、ゲル状素材をナイロンなどのカバーで被覆したクッションあるいは動物毛皮製クッションなどは、通気性、吸湿性、身体の苦痛の緩和機能、座位の安定性確保機能、褥瘡防止機能などの点において、それぞれ一長一短があり、車椅子の使用者の要求を十分に満たすことができていないのが実状である。 【0006】特開昭56−142657号公報に開示されている座布団は、通気性、クッション性に優れているが、上部ウレタンと下部ウレタンとの間にプラスチック製ネットを介在させた構造であるため、凹凸のある臀部などに対する密着性、姿勢保持機能などの点で不十分である。また、特開平10−192081号公報に開示されている車椅子用座布団は、単一のクッションで形成されているため、着座した人に浮遊感を与えやすく、座位の安定性を保ちにくい。 【0007】そこで、本発明が解決しようする課題は、車椅子使用者の身体的苦痛が発生せず、座位の安定性に優れ、褥瘡を防止でき、折り畳みも可能な車椅子用クッションを提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の車椅子用クッションは、車椅子の着座部または背もたれ部に装着して使用する車椅子用クッションであって、表面に波形突起が形成された柔軟表層材および前記柔軟表層材より硬質のマット材で形成された複数のクッション体と、通気性を有する素材で形成され複数の前記クッション体をそれぞれ出し入れ可能に収容可能な複数の袋状収容部を有する被覆材と、前記袋状収容部同士の境界部分に形成された折り曲げ部とを備えたことを特徴とする。 【0009】このような構成とすることにより、被覆材が適度の通気性、吸湿性を発揮し、柔軟表層材が体圧を分散し使用者にソフトな座り心地を与え、硬質マット材で身体を正しい姿勢に保持して浮遊感をなくすことができるので、使用者の身体的苦痛が発生せず、座位の安定性に優れ、褥瘡を防止することができる。また、複数のクッション体を収容した複数の袋状収容部は折り曲げ部で折り曲げ自在であるため、身体に対する密着性が良好であり、不使用時あるいは必要に応じて、折り畳みも可能である。なお、折り曲げ部は谷折り、山折りのいずれも可能であるので、車椅子の折り畳み機構がいずれの方式であっても使用することができる。また、被覆材の一部などに、車椅子の着座部や背もたれ部に着脱可能な固定用ベルトなどを設ければ、車椅子に確実に装着することができ、使用中にずれたり、外れたりするのを防止することができる。 【0010】前記被覆材の一部には、被覆材より通気性の高いメッシュ部を設けてもよい。メッシュ部を設けることにより、部分的にさらに通気性、吸湿性を高めることができるので、身体が強く密着する部分、発汗しやすい部位と密着する部分あるいは外気に触れている部分などにメッシュ部を設けることで、水分の吸収、発散が効率的に行われるようになり、使用者に快適な坐り心地を与えることができるようになる。 【0011】前記クッション体に、身体の一部に沿った形状の凹部と凸部のいずれかまたは両方を設けることにより、着座したときの身体との接触面積が増加するので、体圧の分散機能が向上し、身体の局部的な圧迫がなくなり、褥瘡防止機能がさらに高まる。 【0012】 【発明の実施の形態】図1は本発明の第1実施形態の車椅子用クッションを示す斜視図、図2は図1のクッションの構造を示す斜視図である。図3は第2実施形態の車椅子用クッションを示す斜視図、図4は図3のクッションの構造を示す斜視図である。 【0013】図1および図2に示すクッション10は、後述する図5に示すように、車椅子50の着座部51に装着して使用するものであり、表面に波形突起11が形成された柔軟表層材12および柔軟表層材12より硬質のマット材13で形成された2つのクッション体14,15と、クッション体14,15を出し入れ可能に収容する2つの袋状収容部18,19を有する被覆材20とで構成されている。 【0014】クッション体14,15は、ファスナ21で開閉自在な開口部16,17を経由して袋状収容部18,19に出し入れ可能であり、袋状収容部18,19同士の境界部分には折曲自在な折り曲げ部22が設けられている。袋状収容部18,19にはそれぞれ車椅子50の着座部51に装着する際に使用する固定バンド23が設けられ、袋状収容部18,19の上面の一部および下面には、それぞれ通気性の高いメッシュ部Mが設けられている。固定バンド23はバックル24部分で連結、分離自在である。クッション体14,15にはそれぞれ身体の左右の臀部の形状に沿った形状の凹部14a,15aと、膝裏部分を支える凸部14b,15bが形成されている。 【0015】柔軟表層材12は波形スポンジ製、硬質マット材13は抗菌性、防臭性、吸汗性のあるポリエステル固綿製、被覆材20は100%綿製、メッシュ部Mは100%ポリエステル製、固定バンド23は補強コード入りの100%綿製、バックル24はプラスチック製である。 【0016】次に、図3および図4に示す第2実施形態のクッション30は、後述する図5に示すように、車椅子50の背もたれ部52に装着して使用するものであり、第1実施形態のクッション10と同様、表面に波形突起31が形成された柔軟表層材32および柔軟表層材32より硬質のマット材33で形成された2つのクッション体34,35と、クッション体34,35を出し入れ可能に収容する2つの袋状収容部38,39を有する被覆材40とで構成されている。 【0017】クッション体34,35は、ファスナ41で開閉自在な開口部46,47を経由して袋状収容部38,39に出し入れ可能であり、袋状収容部38,39同士の境界部分には折曲自在な折り曲げ部42が設けられている。袋状収容部38,39にはそれぞれ車椅子50の背もたれ部52に装着する際に使用する固定バンド43が設けられ、袋状収容部38,39の前面の一部および後面には、それぞれ通気性の高いメッシュ部Mが設けられている。固定バンド43はバックル44部分で連結、分離自在である。クッション体34,35にはそれぞれ身体の左右の背部および腰部の形状に沿った形状の凹部34a,35aおよび凸部34b,35bが形成されている。 【0018】なお、柔軟表層材32、硬質マット材33、被覆材40、メッシュ部M、固定バンド43、バックル44を形成する素材は、第1実施形態のクッション10と同様である。 【0019】上記のクッション10および20を使用する場合、図5に示すように、クッション10を車椅子50の着座部51に固定バンド23を用いて固定し、クッション30を車椅子50の背もたれ部52に固定バンド43を用いて固定する。この場合、クッション10,30は、その接触部分に位置する被覆材20,40表面にそれぞれ設けられた面ファスナ部F(図6参照)によって互いに着脱自在に連結されている。クッション10,30の装着が完了した後、図6に示すように、使用者は、クッション10に臀部を載せ、クッション30に背中をもたせるようにして着座する。 【0020】本実施形態のクッション10,30においては、被覆材20,40が適度の通気性、吸湿性を発揮し、柔軟表層材12,32が体圧を分散し使用者にソフトな座り心地を与え、硬質マット材13,33で身体が正しい姿勢に保持され浮遊感をなくすことができるので、使用者の身体的苦痛が発生せず、座位の安定性に優れ、褥瘡を防止することができる。また、クッション体14,15を収容した2つの袋状収容部18,19およびクッション体34,35を収容した2つの袋状収容部38,39は、それぞれ折り曲げ部22,42で折り曲げ自在であるため、使用者が着座したとき身体に対する密着性が良好であり、不使用時あるいは必要に応じて、折り曲げ部22,42で折り畳むこともできる。なお、クッション10,30の折り曲げ部22,42は、車椅子50の折り畳み機構に対応させて谷折りとなっているが、これに限定するものではないので、折り曲げ部22,42を裏面側に設けるなどの変更を行うことにより、山折りも可能となる。 【0021】また、被覆材20,40の一部、すなわち身体が強く密着する部分、発汗しやすい部位および外気に触れている部分に、被覆材20,40より通気性の高いメッシュ部Mを設け、部分的に通気性、吸湿性を高めているので、水分の吸収、発散が効率的に行われ、使用者に快適な坐り心地を与えることができる。 【0022】さらに、クッション体14,15には身体の臀部に沿った形状の凹部14a,15aと凸部14b,15bとが形成され、クッション体34,35には背部および腰部の形状に沿った形状の凹部34a,35aと凸部34b,35bとが形成されているため、使用者が着座したときの身体との接触面積を広く確保することができる。これによって、体圧の分散機能が向上し、身体の局部的な圧迫がなくなるので、褥瘡を防止することができる。 【0023】クッション10,30は、面ファスナ部Fによって互いに着脱自在であるため、図5,6に示すように、連結して使用するほか、使用状況に応じて、それぞれ単独で使用することもできる。また、柔軟表層材12,32、硬質マット材13,33、被覆材20,40、メッシュ部M、固定バンド23,43、バックル24,44を形成する素材は、前述したものに限定しないので、同様の機能を有する他の素材で代替することもできる。 【0024】 【発明の効果】本発明により、以下に示す効果を奏する。 【0025】(1)表面に波形突起が形成された柔軟表層材およびこの柔軟表層材より硬質のマット材で形成された複数のクッション体と、通気性を有する素材で形成され複数のクッション体をそれぞれ出し入れ可能に収容する複数の袋状収容部を有する被覆材と、袋状収容部同士の境界部分に形成された折り曲げ部とを備える構成としたことにより、被覆材が適度の通気性、吸湿性を発揮し、柔軟表層材が体圧を分散し使用者にソフトな座り心地を与え、硬質マット材で身体を正しい姿勢に保持して浮遊感をなくすことができるので、使用者の身体的苦痛が発生せず、座位の安定性に優れ、褥瘡を防止することができる。また、複数の袋状収容部は折り曲げ部で折り曲げ自在であるため、身体に対する密着性が良好であり、不使用時あるいは必要に応じて、折り畳みも可能である。 【0026】(2)前記被覆材の身体が強く密着する部分、発汗しやすい部位と密着する部分あるいは外気に触れている部分などに、被覆材より通気性の高いメッシュ部を設けることにより、部分的に通気性、吸湿性を高めることができるので、水分の吸収、発散が効率的に行われるようになり、使用者に快適な坐り心地を与えることができる。 【0027】(3)クッション体に、身体の一部に沿った形状の凹部と凸部のいずれかまたは両方を設けることにより、着座したときの身体との接触面積が増加するので、体圧の分散機能が向上し、身体の局部的な圧迫がなくなり、褥瘡防止機能がさらに高まる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】500091047 【氏名又は名称】大田黒 誠之
|
| 【出願日】 |
平成12年2月29日(2000.2.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099508 【弁理士】 【氏名又は名称】加藤 久
|
| 【公開番号】 |
特開2001−238915(P2001−238915A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月4日(2001.9.4) |
| 【出願番号】 |
特願2000−54546(P2000−54546) |
|