| 【発明の名称】 |
レバー装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊藤 恒太郎
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| 【要約】 |
【課題】手動による移動を容易にする。また、トランスファーバーを支持するブラケットを無くさないようにする。
【解決手段】ストレッチャ等の軽車両2を手動で移動するために移動者が把持するレバー部3と、レバー部3と軽車両2とに介在される変位固定手段とを備えると共に、変位固定手段はレバー部3を、移動者が起立したままレバー部3を把持できるハンドル位置Hと患者の軽車両2への乗り降りの邪魔にならない退避位置Qとに変位可能にすると共に各位置で固定する。また、患者が寝ている寝台から患者を寝たままの状態で軽車両2に移し換えるために患者が乗っているシーツを巻き取るトランスファーバーを回転可能に支持可能なブラケット部6がレバー部3に設けられる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 介護を必要とする患者が寝ている寝台から前記患者を寝たままの状態で他の寝台に移し換えるために前記患者が乗っているシーツを巻き取るトランスファーバーを回転可能に支持可能なブラケット部と、該ブラケット部が取り付けられたレバー部と、前記レバー部と前記寝台とに介在される変位固定手段とを備えると共に、前記変位固定手段は前記ブラケット部及び前記レバー部を、前記ブラケット部に前記トランスファーバーを支持可能になるバー支持位置と前記患者の前記寝台への乗り降りの邪魔にならない退避位置とに変位可能にすると共に各位置で固定するものであることを特徴とするレバー装置。 【請求項2】 軽車両を手動で移動するために移動者が把持するレバー部と、前記レバー部と前記軽車両とに介在される変位固定手段とを備えると共に、前記変位固定手段は前記レバー部を、前記移動者が起立したまま前記レバー部を把持できるハンドル位置と前記患者の前記軽車両への乗り降りの邪魔にならない退避位置とに変位可能にすると共に各位置で固定するものであることを特徴とするレバー装置。 【請求項3】 介護を必要とする患者が寝ている寝台から前記患者を寝たままの状態で前記軽車両に移し換えるために前記患者が乗っているシーツを巻き取るトランスファーバーを回転可能に支持可能なブラケット部が前記レバー部に設けられていることを特徴とする請求項2記載のレバー装置。 【請求項4】 前記ブラケット部と前記レバー部とに介在される変位固定手段を備えると共に、前記変位固定手段は前記ブラケット部を、前記レバー部が前記ハンドル位置にあるときには前記ブラケット部に前記トランスファーバーを支持可能にするバー支持位置に位置させることができると共に前記レバー部が前記退避位置にあるときには該退避位置に位置させることができ、尚かつ各位置で固定するものであることを特徴とする請求項3記載のレバー装置。 【請求項5】 前記レバー部の先端には把持部が形成されていることを特徴とする請求項2から4までのいずれか記載のレバー装置。 【請求項6】 前記軽車両はストレッチャであることを特徴とする請求項2から5までのいずれか記載のレバー装置。 【請求項7】 前記変位固定手段は、互いに相対回転する第1部材および第2部材を連結すると共に、前記第1部材および前記第2部材を接近する方向に付勢する付勢手段と、前記第1部材と前記第2部材のうちの一方の部材の内側に形成された前記回転の中心線に沿った複数の固定溝と、前記固定溝同士を回転方向に連結する回転溝と、前記第1部材と前記第2部材のうちの他方の部材に形成されると共に前記固定溝および前記回転溝に嵌入する係合突起とを備えて、前記係合突起が前記固定溝に嵌入することにより前記第1部材および前記第2部材を相対回転しないように固定すると共に前記係合突起が前記固定溝に嵌入した状態が前記付勢手段により維持されて、尚かつ前記第1部材および前記第2部材を前記付勢手段に抗して引き離して前記係合突起を前記固定溝から引き出して前記回転溝に嵌入させることにより前記第1部材および前記第2部材を相対回転させるものであって、前記第1部材は前記レバー部であると共に前記第2部材は前記寝台あるいは前記軽車両かまたは前記ブラケット部であることを特徴とする請求項1から6までのいずれか記載のレバー装置。 【請求項8】 前記変位固定手段は、互いに相対回転する第1部材および第2部材を連結すると共に、前記第1部材および前記第2部材を接近する方向に付勢する付勢手段と、前記第1部材と前記第2部材のうちの一方の部材に形成された前記回転の中心線に沿った内外面を貫通する複数の固定溝と、前記固定溝同士を回転方向に連結する回転溝と、前記第1部材と前記第2部材のうちの他方の部材に形成されると共に前記固定溝および前記回転溝に嵌入する係合突起と、前記固定溝を外側から覆い隠すカバーとを備えて、前記係合突起が前記固定溝に嵌入することにより前記第1部材および前記第2部材を相対回転しないように固定すると共に前記係合突起が前記固定溝に嵌入した状態が前記付勢手段により維持されて、尚かつ前記第1部材および前記第2部材を前記付勢手段に抗して引き離して前記係合突起を前記固定溝から引き出して前記回転溝に嵌入させることにより前記第1部材および前記第2部材を相対回転させるものであって、前記第1部材は前記レバー部であると共に前記第2部材は前記寝台あるいは前記軽車両かまたは前記ブラケット部であることを特徴とする請求項1から6までのいずれか記載のレバー装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、軽車両を手動で移動させるときに把持するレバー装置に関する。さらに詳述すると、本発明はキャスタ付きのストレッチャやベッド等のような軽車両に取り付けるのに適したレバー装置に関する。 【0002】 【従来の技術】一人で寝起きが困難な患者や老人など(本明細書では総称して「患者」という)が寝た状態のまま移動できるよう、キャスタを備えたストレッチャが使用されることがある。このストレッチャによれば、ベッドと同じように患者を仰向けに横たわらせたまま移動することができる。 【0003】この種のストレッチャを移動させるときは、移動者はストレッチャのフレームの一部を把持して押したり引いたりしている。また、ストレッチャのフレームは、患者の乗り降りの邪魔にならないように、マット面と面一かそれより下側に設けられている。 【0004】ところで、患者を寝たままの状態でベッドからストレッチャに移し換えたり、あるいはその逆にストレッチャからベッドに移し換える介護システムが開発されている。このような介護システムでは、例えば図に示すようなトランスファーバーと呼ばれる道具を利用して患者の移乗を行っている。 【0005】このトランスファーバーを利用して例えばベッドからストレッチャに患者を移し換えるときは、ストレッチャのベッドとは反対側の側部にブラケットを設けて、このブラケットにトランスファーバーを回転可能に支持させる。そして、トランスファーバーにシーツの端を固定して、トランスファーバーを回転させる。これにより、シーツを巻き取ると同時に、シーツに載っている患者をシーツごとベッドからストレッチャに移動させることができる。 【0006】ここで、トランスファーバーを支持するブラケットはストレッチャの側部の上方に突出しているため、そのままでは患者の乗り降りに邪魔になるので、ストレッチャに対して着脱可能にしている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したストレッチャでは、ストレッチャ自体を移動させるときに移動者はマット面と同等の高さかこれより低いフレームを把持しなければならないので、移動者は腰を曲げて前屈みになってストレッチャの押し引きを行わなければならず、苦しい姿勢で作業性が悪い。このような問題はストレッチャに特有の問題では無く、キャスタを有する例えば移動式浴槽等のフレームの低い軽車両の全般に該当する。 【0008】また、ブラケットをストレッチャに対して着脱可能にしているので、ストレッチャから取り外されたブラケットを無くしたり傷めてしまうことがある。特に介護者が老人である場合は、ブラケットを無くしてしまう虞が高い。さらに、このような問題はストレッチャに特有の問題では無く、ブラケットを着脱可能にしたベッドについても該当する。 【0009】そこで、本発明は、手動による移動を容易にできるレバー装置を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、トランスファーバーを支持するブラケットを無くすことを防止できるレバー装置を提供することを第2の目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するため、請求項1記載のレバー装置は、介護を必要とする患者が寝ている寝台から患者を寝たままの状態で他の寝台に移し換えるために患者が乗っているシーツを巻き取るトランスファーバーを回転可能に支持可能なブラケット部と、該ブラケット部が取り付けられたレバー部と、レバー部と寝台とに介在される変位固定手段とを備えると共に、変位固定手段はブラケット部及びレバー部を、ブラケット部にトランスファーバーを支持可能になるバー支持位置と患者の寝台への乗り降りの邪魔にならない退避位置とに変位可能にすると共に各位置で固定するものであるようにしている。 【0011】したがって、ブラケット部及びレバー部をバー支持位置で固定することにより、ブラケット部にトランスファーバーを取り付けて使用することができる。また、ブラケット部及びレバー部を退避位置で固定することにより、ブラケット部及びレバー部が患者の寝台への乗り降りの邪魔になることを防止することができる。しかも、ブラケット部の不使用時でもブラケット部はレバー装置に取り付けられたままであるので、ブラケット部を無くしてしまったり取り外した後に損傷してしまうことを防止できる。 【0012】また、請求項2記載のレバー装置は、軽車両を手動で移動するために移動者が把持するレバー部と、レバー部と軽車両とに介在される変位固定手段とを備えると共に、変位固定手段はレバー部を、移動者が起立したままレバー部を把持できるハンドル位置と患者の軽車両への乗り降りの邪魔にならない退避位置とに変位可能にすると共に各位置で固定するものであるようにしている。なお、本明細書中で「軽車両」とは、キャスタ付きのストレッチャや移動式浴槽やベッド等、キャスタの付いた比較的低いフレームを有する軽車両の全般としている。 【0013】したがって、レバー部をハンドル位置で固定することにより、移動者は起立したままでレバー部を持って軽車両を手動で移動させることができる。このため、移動者は前屈みになることなく軽車両を押し引きできるので、移動を容易に行うことができるようになる。また、レバー部を退避位置で固定することにより、レバー部が患者の軽車両への乗り降りの邪魔になることを防止することができる。 【0014】さらに、請求項3記載の発明は、請求項2記載のレバー装置において、介護を必要とする患者が寝ている寝台から患者を寝たままの状態で軽車両に移し換えるために患者が乗っているシーツを巻き取るトランスファーバーを回転可能に支持可能なブラケット部がレバー部に設けられているようにしている。 【0015】したがって、ブラケット部にトランスファーバーを支持させることができるので、患者が載っているシーツを巻き取って患者を寝台から軽車両に移し換えることができる。しかも、ブラケット部の不使用時でもブラケット部はレバー装置に取り付けられたままであるので、ブラケット部を無くしてしまったり取り外した後に損傷してしまうことを防止できる。 【0016】また、請求項4記載の発明は、請求項3記載のレバー装置において、ブラケット部とレバー部とに介在される変位固定手段を備えると共に、変位固定手段はブラケット部を、レバー部がハンドル位置にあるときにはブラケット部にトランスファーバーを支持可能にするバー支持位置に位置させることができると共にレバー部が退避位置にあるときには該退避位置に位置させることができ、尚かつ各位置で固定するものであるようにしている。 【0017】したがって、レバー部をハンドル位置に位置させると共にブラケット部をバー支持位置に位置させることにより、ブラケット部にトランスファーバーを取り付けて使用することができる。また、ブラケット部及びレバー部を退避位置に位置させることにより、ブラケット部及びレバー部が患者の軽車両への乗り降りの邪魔になることを防止することができる。 【0018】さらに、請求項5記載の発明は、請求項2から4までのいずれか記載のレバー装置において、レバー部の先端には把持部が形成されているようにしている。したがって、レバー部が把持部により上方に延長されるので、移動者のレバー装置を把持する高さをより高くすることができる。よって、移動者は把持部を掴んで軽車両を更に容易に移動させることができるようになる。しかも、把持部をレバー部よりも掴み易い形状にできるので、移動者が軽車両を移動させるときの作業性を良好にすることができる。 【0019】また、請求項6記載の発明は、請求項2から5までのいずれか記載のレバー装置において、軽車両はストレッチャであるようにしている。したがって、ストレッチャの手動による移動を容易にできるようになると共に、患者の乗り降りの際にレバー部材が邪魔になることを防止できる。特に請求項3に記載される軽車両をストレッチャにした場合は、トランスファーバーの利用により寝台からストレッチャに患者を容易に移動させることができるようになる。 【0020】一方、請求項7記載の発明は、請求項1から6までのいずれか記載のレバー装置において、変位固定手段は、互いに相対回転する第1部材および第2部材を連結すると共に、第1部材および第2部材を接近する方向に付勢する付勢手段と、第1部材と第2部材のうちの一方の部材の内側に形成された回転の中心線に沿った複数の固定溝と、固定溝同士を回転方向に連結する回転溝と、第1部材と第2部材のうちの他方の部材に形成されると共に固定溝および回転溝に嵌入する係合突起とを備えて、係合突起が固定溝に嵌入することにより第1部材および第2部材を相対回転しないように固定すると共に係合突起が固定溝に嵌入した状態が付勢手段により維持されて、尚かつ第1部材および第2部材を付勢手段に抗して引き離して係合突起を固定溝から引き出して回転溝に嵌入させることにより第1部材および第2部材を相対回転させるものであって、第1部材はレバー部であると共に第2部材は寝台あるいは軽車両かまたはブラケット部であるようにしている。 【0021】したがって、固定溝が第1部材あるいは第2部材の内側に形成されているので、固定溝と係合突起との間に使用者の衣服や手指等を誤って挟むことを防止できる。 【0022】また、請求項8記載の発明は、請求項1から6までのいずれか記載のレバー装置において、変位固定手段は、互いに相対回転する第1部材および第2部材を連結すると共に、第1部材および第2部材を接近する方向に付勢する付勢手段と、第1部材と第2部材のうちの一方の部材に形成された回転の中心線に沿った内外面を貫通する複数の固定溝と、固定溝同士を回転方向に連結する回転溝と、第1部材と第2部材のうちの他方の部材に形成されると共に固定溝および回転溝に嵌入する係合突起と、固定溝を外側から覆い隠すカバーとを備えて、係合突起が固定溝に嵌入することにより第1部材および第2部材を相対回転しないように固定すると共に係合突起が固定溝に嵌入した状態が付勢手段により維持されて、尚かつ第1部材および第2部材を付勢手段に抗して引き離して係合突起を固定溝から引き出して回転溝に嵌入させることにより第1部材および第2部材を相対回転させるものであって、第1部材はレバー部であると共に第2部材は寝台あるいは軽車両かまたはブラケット部であるようにしている。 【0023】したがって、カバーにより固定溝が外側から覆い隠されているので、固定溝と係合突起との間に使用者の衣服や手指等を誤って挟むことを防止できる。 【0024】 【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。図1〜図11に本発明のレバー装置1の実施形態を示す。このレバー装置1は、軽車両である例えばストレッチャ2を手動で移動するために移動者が把持するレバー部3と、レバー部3とストレッチャ2とに介在される変位固定手段4とを備えている。そして、変位固定手段4は、図1及び図2に示すようにレバー部3を、移動者が起立したままレバー部3を把持できるハンドル位置Hと患者のストレッチャ2への乗り降りの邪魔にならない退避位置Qとに変位可能にしている。さらに、変位固定手段4は、レバー部3を各位置H,Qで固定するようにしている。このため、レバー部3をハンドル位置Hで固定することにより、移動者は前屈みになることなくレバー部3を持ってストレッチャ2を押し引きできるので、移動を容易に行うことができるようになる。また、レバー部3を退避位置Qで固定することにより、レバー部3が患者のストレッチャ2への乗り降りの邪魔になることを防止することができる。 【0025】レバー部3は、図3に示すようにほぼ90度に折り曲げられたL字形状のパイプから成る。このため、一端部を水平に支持してこの端部の長手方向を中心に回転させることにより、他端部が水平状態と垂直状態とに変位可能になる。本実施形態では水平状態を退避位置Qとすると共に垂直状態をハンドル位置Hとしている。 【0026】このレバー装置1のレバー部3には、図4に示すようなトランスファーバー5を回転可能に支持可能なブラケット部6が設けられている。ここで、トランスファーバー5は、介護を必要とする患者が寝ている寝台から患者を寝たままの状態でストレッチャ2に移し換えるものである。すなわち、患者が載っているシーツをトランスファーバー5の回転で巻き取ることにより、シーツごと患者を寝台からストレッチャ2に移し換える。 【0027】そして、ブラケット部6とレバー部3とには、変位固定手段7が介在されている。この変位固定手段7は、ブラケット部6を、レバー部3がハンドル位置Hにあるときにはブラケット部6にトランスファーバー5を支持可能にするバー支持位置Sに位置させることができると共にレバー部3が退避位置Qにあるときには該退避位置Qに位置させることができるようにしている。さらに、この変位固定手段7は、ブラケット部6を各位置S,Qで固定するようにしている。このため、レバー部3をハンドル位置Hに位置させると共にブラケット部6をバー支持位置Sに位置させることにより(図2中、実線で示す)、移動者はレバー部3を持って前屈みになることなく容易にストレッチャ2を押し引きできると共にブラケット部6にトランスファーバー5を取り付けて患者の移動を行うことができるようになる。また、ブラケット部6及びレバー部3を退避位置Qに位置させることにより(図2中、二点鎖線で示す)、ブラケット部6及びレバー部3が患者のストレッチャ2への乗り降りの邪魔になることを防止することができる。しかも、ブラケット部6の不使用時でもブラケット部6はレバー装置1に取り付けられたままであるので、ブラケット部6を無くしてしまったり取り外した後に損傷してしまうことを防止できる。 【0028】各変位固定手段4,7は、互いに相対回転する第1部材および第2部材を連結するものとしている。ここでは、図5及び図6に示すように、第1部材としてレバー部3を、第2部材としてストレッチャ2のフレーム8を適用した変位固定手段4について説明する。 【0029】この変位固定手段4は、レバー部3およびフレーム8を接近する方向に付勢する付勢手段9と、フレーム8の内側に形成された回転の中心線に沿った複数の固定溝10と、固定溝10,10同士を回転方向に連結する回転溝11と、レバー部3に形成されると共に固定溝10および回転溝11に嵌入する係合突起12とを備えている。そして、係合突起12が固定溝10に嵌入することにより、レバー部3およびフレーム8を相対回転しないように固定すると共に係合突起12が固定溝10に嵌入した状態が付勢手段9により維持される。また、レバー部3およびフレーム8を付勢手段9に抗して引き離して係合突起12を固定溝10から引き出して回転溝11に嵌入させることにより、レバー部3およびフレーム8を相対回転して固定することができる。このため、固定溝10がフレーム8の内側に形成されているので、固定溝10と係合突起12との間に使用者の衣服や手指等を誤って挟むことを防止できる。 【0030】本実施形態では、各変位固定手段4,7を図7および図8に示すようにレバー部3およびフレーム8から独立したユニット部材として形成している。各変位固定手段4,7は、付勢手段9を収容するばね受け筒13と、該ばね受け筒13に固定されると共に固定溝10が形成される溝側スリーブ14と、ばね受け筒13を摺動可能に貫通するボルト15に螺合されてばね受け筒13に対して摺動可能に設けられると共に係合突起12が形成される突起保持部材16と、該突起保持部材16に固定される突起側スリーブ17とを備えている。そして、付勢手段9は圧縮コイルばねから成る。この付勢手段9は、ばね受け筒13に収容されてばね受け筒13の底部13aとワッシャ20を介してボルト15の頭部15aとを引き離す方向に付勢している。これにより、ばね受け筒13および溝側スリーブ14の固定溝10側の部材と、突起保持部材16および突起側スリーブ17の係合突起12側の部材とを近接するように付勢している。 【0031】固定溝10は、図9に示すように溝側スリーブ14の端面14aから切り込まれた形状に形成されると共に90度おきの4カ所に形成されている。このため、固定溝10側の部材13,14と係合突起12側の部材16,17とを90度おきに固定することができる。 【0032】また、回転溝11は、溝側スリーブ14の固定溝10側の端面14aより先の空間としている。すなわち、固定溝10が溝側スリーブ14の端面14aから開放されているので、係合突起12を移動させるときは固定溝10から一旦端面14aの先側に引き出して旋回し他の固定溝10に嵌入させる。 【0033】係合突起12は、突起保持部材16の両側に突出する軸部材から成るようにしている。そして、2つの係合突起12が180度離れた固定溝10にそれぞれ嵌入するようにしている。このため、係合突起12が1カ所である場合に比べて、固定溝10側の部材13,14と係合突起12側の部材16,17との回転方向の固定をより強固に行うことができる。 【0034】そして、固定溝10側の部材13,14がフレーム8にねじ止め固定されると共に、係合突起12側の部材16,17がレバー部3にねじ止めされている。ここで、溝側スリーブ14は、固定溝10がフレーム8の内側に全て隠れる位置に固定する。これにより、固定溝10をフレーム8の内側に隠すことができるので、固定溝10と係合突起12との間に手指等を挟むことを防止できる。 【0035】ところで、このレバー装置1では、レバー部3の先端には把持部18が形成されている。このため、レバー部3がハンドル位置Hにある時に把持部18の分だけ上方に延長されることになるので、移動者は把持部18を掴んでストレッチャ2を更に容易に移動させることができるようになる。 【0036】把持部18は、図2および図3に示すように握り易い大きさの例えば扁平した球形状のグリップとしている。この把持部18は、プラスチック製でブラケット部6と一体形成されている。このように把持部18を握り易い大きさ形状にすることにより、移動者がストレッチャ2を移動させるときの作業性をレバー部3を握って行うよりも良好にすることができる。 【0037】ここで、本実施形態のレバー装置1が取り付けられたストレッチャ2の一実施形態を説明する。このストレッチャ2は、寝た状態あるいは座った状態のいずれの患者でも移動できるよう図1及び図10に示すように上面を平坦としたベッドと図11に示すような着座可能な椅子とに形態を変更することができる。本実施形態では、ストレッチャ2のこのような形態変更を可能とするため、図10に示すように折り曲げ可能に組み付けた丸パイプからなるフレーム8によって骨組みを形成している。このフレーム8は例えば軽合金製とすることでストレッチャ2の必要強度を備えつつ軽量化を図ることができる。 【0038】フレーム8は、回転する機構は径の異なる丸パイプで形成したヒンジなどの回り対偶によって構成し、伸縮する機構は径の異なるパイプで構成したすべり対偶によって構成することができる。またフレーム8全体としては、形態をベッドあるいは椅子としたときの形状に応じて種々の構成をとり得る。例えば本実施形態では、椅子に形態変更したとき、椅子の両側に平行四辺形の枠組みが形成され、これら枠組みの一部が肘フレーム21として椅子の肘掛けとして機能するように構成している。このフレーム8は、ベッドに形態変更すると図1及び図10に示すように平坦となりその上にベッド面26を形成するのに好適な形状となる。 【0039】さらに、フレーム8は両側に旋回可能なセーフティーバー22を備える。このセーフティーバー22は、図1中二点鎖線に示すような上向き状態とすることで患者がベッドに形態変更したストレッチャ2から転落するのを防止できる。このため、例えばベッドに変更したストレッチャ2に患者を乗せて移動させるときの転落防止や、このストレッチャ2に対して他のベッドから患者を移乗させるときにストレッチャ2のベッドと反対側から患者が転落することを防止できる。さらに、ストレッチャ2は患者を乗せて移動できるようキャスタ23を備えている。 【0040】フレーム8の頭側部分にはヘッドレスト24が取り付けられている。フレーム8の頭側の先端部は、ヘッドレスト24よりも突出すると共に幅方向を長手方向とする頭側端フレーム25を備えている。この頭側端フレーム25の両端部に変位固定手段4を介してレバー部3が取り付けられている。 【0041】変位固定手段4は90度ごとに固定可能であるので、レバー部3は、フレーム8と平行かつ面一になる退避位置Qとフレーム8に対して上側に直交するハンドル位置Hとに変位および固定可能としている。このため、ストレッチャ2がベッド状態の時にレバー部3が退避位置Qに有ればストレッチャ2のベッド面26よりも下方に位置するので、患者の乗り降りの邪魔になることを防止できる。また、ストレッチャ2がベッド状態の時にレバー部3がハンドル位置Hに有ればストレッチャ2に対して直立するので、移動者は把持部18を握って直立した楽な姿勢でストレッチャ2を押し引きすることができる。 【0042】また、ブラケット部6は、レバー部3が退避位置Qに有るときにはレバー部3の下側を向いた退避位置Qに位置可能であると共に、レバー部3がハンドル位置Hに有るときにはストレッチャ2の外側を向いたバー支持位置Sに位置可能であるようにしている。このため、ストレッチャ2がベッド状態の時にブラケット部6が退避位置Qに有ればストレッチャ2のベッド面26よりも下方に位置するので、ヘッドレスト24との干渉を防止できると共に患者の乗り降りの邪魔になることを防止できる。また、ストレッチャ2がベッド状態の時にブラケット部6がバー支持位置Sに有れば、トランスファーバー5を利用することができるようになる。 【0043】さらに、ヘッドレスト24は先端に向けて狭まるように両側部が傾斜した形状に形成されている。このため、仮にレバー部3を退避位置Qに位置させたままで移動者がレバー部3を握ってストレッチャ2を移動させるようにしても、握った手がヘッドレスト24に干渉することを防止できる。また、レバー部3を退避位置Qに位置させたときに把持部18がヘッドレスト24に干渉することを防止できる。 【0044】また、フレーム8の脚側部分にはフットレスト27が取り付けられている。フレーム8の脚側の先端部は、フットレスト27よりも突出すると共に幅方向を長手方向とする脚側端フレーム28を備えている。この脚側端フレーム28の両端部に変位固定手段4を介してレバー部3が取り付けられている。この脚側のレバー装置1の動作は頭側のレバー装置1の動作と同様であるので説明を省略する。 【0045】一方、ベッドからストレッチャ2に患者を移乗させるために利用するトランスファーバー5は、該トランスファーバー5を回転させるハンドル29と、基端部がトランスファーバー5に止め付けられた複数のストラップ30と、ストラップ30の先端部に固定されたクリップ31及びプラグ32とを備えている。 【0046】そして、ベッド上の患者をストレッチャ2に移乗させるときは、ベッドの側部にストレッチャ2を位置させる。この状態でストレッチャ2のベッドと反対側の各レバー部3をハンドル位置Hに固定すると共にこのレバー部3のブラケット部6をバー支持位置Sに固定する。 【0047】この2つのブラケット部6にトランスファーバー5を支持させる。そして、ベッドのシーツにクリップ31を差してプラグ32で固定する。さらに、ハンドル29を回転してストラップ30を巻き取ることにより、シーツ上の患者をシーツごとストレッチャ2上に滑らせて移動させる。このとき、トランスファーバー5はベッド側に引き寄せられるが、バー支持位置Sにあるブラケット部6はストレッチャ2の外側を向いているので、トランスファーバー5は必ずレバー部3に当たるようになりブラケット部6から外れてしまうことを防止できる。 【0048】上述したストレッチャ2に備えたレバー装置1の動作を以下に説明する。 【0049】ベッド状態にしたストレッチャ2を移動させるときは、ストレッチャ2の頭側あるいは脚側のうちで移動者が立つ方のレバー部3をハンドル位置Hに引き上げる。ここで、退避位置Qにあるレバー部3をハンドル位置Hに引き上げて固定するには、レバー部3を一旦引っ張り出して90度回転させてから離せば良い。そして、移動者は把持部18を握ってストレッチャ2を押し引きする。このように、レバー部3はフレーム8よりも上方に突出していると共にその上端部の把持部18が更に高く飛び出しているので、移動者は前屈みになることなく直立した楽な姿勢でストレッチャ2を手動で移動させることができる。よって、移動者の負担を軽減することができる。 【0050】また、ストレッチャ2の移動時には、左右のセーフティーバー22を上げておく。これにより、ストレッチャ2の移動の勢いにより患者が転落することを防止できる。 【0051】そして、ストレッチャ2を停止させて患者の乗り降りを行うときは、少なくとも患者が乗り降りする側のレバー部3を退避位置Qに位置させる。また、患者が乗り降りする側のセーフティーバー22を下げる。これにより、レバー部3およびセーフティーバー22が患者の乗り降りの邪魔になることを防止できる。 【0052】さらに、ベッド上の患者をトランスファーバー5の利用によりストレッチャ2に移乗させるときは、ベッドと反対側のレバー部3をハンドル位置Hに位置させると共にそのブラケット部6をバー支持位置Sに位置させる。そして、これらのブラケット部6にトランスファーバー5を支持させてベッド上のシーツを巻き取る。これにより、シーツごと患者をストレッチャ2上に移動させることができる。 【0053】また、ストレッチャ2を椅子状態で使用するときは、各レバー部3を退避位置Qに位置させて患者の乗り降りの邪魔にならないようにする。 【0054】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、変位固定手段4,7の固定溝10側の部材13,14をフレーム8に固定すると共に係合突起12側の部材16,17をレバー部3に固定しているが、これには限られず反対に固定溝10側の部材13,14をレバー部3に固定すると共に係合突起12側の部材16,17をフレーム8に固定するようにしても良い。この場合もフレーム8に対してレバー部3を変位および固定可能にすることができる。 【0055】また、本実施形態では変位固定手段4,7をユニット部材としているが、これには限られず例えば図12に示すようにばね受け筒13をフレーム8に直接固定すると共に突起保持部材16をレバー部3に直接固定して、尚かつフレーム8あるいはレバー部3の内側に固定溝10を形成するようにしても良い。この場合にも固定溝10がフレーム8の外側に露出しないので、使用者が固定溝10と係合突起12に手指を挟むことを防止できる。 【0056】さらに、本実施形態では固定溝10をフレーム8やレバー部3の内側に形成しているが、これには限られず図13に示すように固定溝10がフレーム8やレバー部3の内外を貫通するように形成しても良い。この場合、同図に示すように固定溝10の周囲を覆い隠すスリーブ状のカバー19を設けるようにする。これにより、固定溝10が外部に露出しなくなるので、使用者が固定溝10と係合突起12に手指を挟むことを防止できる。 【0057】また、上述の各実施形態では固定溝10がフレーム8あるいはレバー部3の端面に開放された形状であると共に回転溝11は端面よりも先の空間としているが、これには限られずこれら固定溝10と回転溝11とをいわゆる蟻溝により形成するようにしても良い。すなわち、フレーム8あるいはレバー部3の回転方向に沿った回転溝11をフレーム8あるいはレバー部3の一方に形成すると共に、固定溝10を回転溝11から付勢手段9による引っ張り方向に向けて形成する。この場合も、係合突起12が固定溝10にあるときはフレーム8とレバー部3が回転方向に固定されると共に、係合突起12が回転溝11にあるときはフレーム8とレバー部3が回転可能になる。 【0058】そして、上述した各実施形態では把持部18が形成されているが、この把持部18は無くても良い。この場合でも、レバー部3がストレッチャ2の上方に突出するので、移動者はレバー部3の高い位置を持って良い姿勢でストレッチャ2を移動させることができる。 【0059】さらに、上述した各実施形態ではレバー部3はL字形状としているが、これには限られず図14に示すようにレバー部3の先端部にストレッチャ2の内側を向いた段差部3aを形成するようにしても良い。この場合、段差部3aにブラケット部6を取り付けることができるので、ブラケット部6がストレッチャ2の外側を向いていてもレバー部3よりも外側に突出することを防止できる。このため、ブラケット部6がバー支持位置Sにあるときにレバー部3をそのまま退避位置Qに倒しても、ブラケット部6がストレッチャ2の外側やベッド面26の上方に飛び出すことが無い。このため、ブラケット部6をレバー部3に対して変位させる変位固定手段7を省略することができる。 【0060】また、上述した各実施形態ではブラケット部6を有しているが、これには限られず図15に示すようにブラケット部6を有しなくても良い。この場合、レバー部3の先端に単独のグリップ状の把持部18を取り付けることが好ましい。このレバー装置1によっても、レバー部3がストレッチャ2の上方に突出するので、移動者はレバー部3の高い位置を持って良い姿勢でストレッチャ2を移動させることができる。 【0061】さらに、上述した各実施形態では軽車両として椅子に変化可能なストレッチャ2を使用しているが、これには限られず椅子に変化しないストレッチャ2を使用するようにしても良い。あるいは、軽車両はストレッチャ2に限られず、キャスタ付きの移動式浴槽やベッド等、キャスタの付いた比較的低いフレームを有する軽車両の全般とすることができる。 【0062】また、上述した各実施形態ではレバー装置1を軽車両に取り付けているが、これには限られず固定式のベッド等の寝台に取り付けてトランスファーバー5を使用するためのブラケット部6の支持装置として利用することもできる。この場合、レバー装置1は、トランスファーバー5を支持するブラケット部6と、該ブラケット部6が取り付けられたレバー部3と、レバー部3と寝台とに介在される変位固定手段4とを少なくとも備えるようにする。そして、変位固定手段4は、ブラケット部6及びレバー部3をバー支持位置Sと退避位置Qとに変位可能にすると共に各位置で固定するものであるようにする。このレバー装置1によっても、ブラケット部6の不使用時でもブラケット部6はレバー装置1に取り付けられたままであるので、ブラケット部6を無くしてしまったり取り外した後に損傷してしまうことを防止できる。 【0063】 【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項1記載のレバー装置によれば、ブラケット部の不使用時でもブラケット部はレバー装置に取り付けられたままであるので、ブラケット部を無くしてしまったり取り外した後に損傷してしまうことを防止できる。 【0064】また、請求項2記載のレバー装置によれば、レバー部をハンドル位置で固定することにより移動者は前屈みになることなく良い姿勢で軽車両を押し引きできるので、移動を容易に行うことができるようになる。しかも、レバー部を退避位置で固定することにより、レバー部が患者の軽車両への乗り降りの邪魔になることを防止することができる。 【0065】さらに、請求項3記載のレバー装置によれば、ブラケット部の不使用時でもブラケット部はレバー装置に取り付けられたままであるので、ブラケット部を無くしてしまったり取り外した後に損傷してしまうことを防止できる。 【0066】また、請求項4記載のレバー装置によれば、ブラケット部をバー支持位置に位置させることによりブラケット部にトランスファーバーを取り付けて使用することができる。そして、ブラケット部及びレバー部を退避位置に位置させることにより、ブラケット部及びレバー部が患者の軽車両への乗り降りの邪魔になることを防止することができる。 【0067】さらに、請求項5記載のレバー装置によれば、レバー部が把持部により上方に延長されるので、移動者のレバー装置を把持する高さをより高くすることができ、軽車両を更に容易に移動させることができる。しかも、把持部をレバー部よりも掴み易い形状にできるので、移動者が軽車両を移動させるときの作業性を良好にすることができる。 【0068】また、請求項6記載のレバー装置によれば、ストレッチャの手動による移動を容易にできるようになると共に、患者の乗り降りの際にレバー部材が邪魔になることを防止できる。特に請求項3に記載される軽車両をストレッチャにした場合は、トランスファーバーの不使用時でもブラケット部を無くすことを防止できる。 【0069】一方、請求項7記載のレバー装置によれば、固定溝が第1部材あるいは第2部材の内側に形成されているので、固定溝と係合突起との間に使用者の衣服や手指等を誤って挟むことを防止できる。 【0070】また、請求項8記載のレバー装置によれば、カバーにより固定溝が外側から覆い隠されているので、固定溝と係合突起との間に使用者の衣服や手指等を誤って挟むことを防止できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000108627 【氏名又は名称】タカノ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月25日(2000.2.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087468 【弁理士】 【氏名又は名称】村瀬 一美
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| 【公開番号】 |
特開2001−238912(P2001−238912A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月4日(2001.9.4) |
| 【出願番号】 |
特願2000−50358(P2000−50358) |
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