トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 墓碑収納用生分解性骨壺の構造
【発明者】 【氏名】久保 隆司

【要約】 【課題】生分解性を備えた容器型合成樹脂成形体からなる遺骨を収める墓碑収納用骨壺を提供する。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも生分解性並びに成形加工性を有する合成樹脂素材の容器型成形体からなることを特徴とする墓碑収納用生分解性器型骨壺の構造。
【請求項2】 前記容器型成形体の外周面のいずれかの箇所に、転写箔を用いて所望の家紋等の図形、模様から選ばれた装飾標章の表示を施してなる請求項1記載の生分解性骨壺の構造。
【請求項3】 前記容器型成形体と載置皿体との組み合わせであって、かつ前記載置皿体の内側には微生物担体チップを該成形体の底面側に敷設散布または囲繞させてなる請求項1ないし2記載の生分解性骨壺の構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は墓碑収納用生分解性骨壺の構造に関し、さらに詳しくは遺骨を収める為の生分解性墓碑収納用骨壺、並びに転写箔を用い外周面に所望の家紋等の装飾標章の転写表示、或いは微生物担体チップを載置する皿体と組み合わた骨壺で、墓標の基壇内で微生物の働きによって生分解される墓碑収納用骨壺に関する。
【0002】
【従来の技術】人の寿命は有限であり、不幸にして種々の要因で天寿を全うできるとは限らないが、墓は死者を葬る場所で、一般に墓は土を盛るかわりに建造物を建てた葬所であり、遺骨は墓碑収納用骨壺に収納されるのが殆どである。近年は地方では別として特に都市部及びその近郊での墓地の確保は難しくなっており、例えば共同墓地等の形態もみられるが、特に先祖代々の墓碑の場合には骨壺は比較的狭い墓碑の基壇内に置かれるため収納場所に限りがあるといった問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年わが国でも高齢化の潮流がめざましいといっても、墓地を求めて出身の郷里或いは過疎地へ回帰するとは限らず、やはり都市部及びその近郊での墓地の確保の難しさに変わりない。この為、都市周辺域での先祖代々の地や地方へ回帰するとは限らず、墓碑での遺骨収納用骨壺の収納においても、基壇のスペ−スが比較的狭いことから収納が困難か、或いはそれに近い詰め込み状態を余儀なくされるといった難点が今後の問題である。しかしながら我が国では遺骨の埋葬する墓は一基一霊を原則とし、例えば1家族を合祀して1基とすることは一般に用いてよいとされており、社会通念上も他家の遺族を合祀すること、また本家と分家の遺骨を合祀することも忌まれることからも、墓碑での遺骨収納については収納場所についてみても有効な解決策が見当たらず、墓地の確保自体も住民環境や借地権等を含め難題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する為、本発明者は鋭意検討の結果、少なくとも生分解性を有し、デザイン的な自由度が高く、かつ安価に量産できる成形加工性を有する容器型合成樹脂成形体とした墓碑収納用生分解性骨壺の構造、及び前記成形体の外周面のいずれかの箇所に、転写箔を用いて所望の家紋等の図形、模様から選ばれた装飾標章の表示を施してなる墓碑収納用生分解性骨壺の構造、並びに前記容器型合成樹脂成形体と載置皿体との組み合わせであって、かつ前記載置皿体の内側には微生物の働き能力を発揮させる微生物担体チップを底面側に敷設散布若しく囲繞させてなる墓碑収納用生分解性骨壺の構造、或いは前記容器型合成樹脂成形体の底面部位を厚底形態に成形した墓碑収納用生分解性骨壺の構造とする。
【0005】本発明の墓碑収納用骨壺の構成では、土中等の微生物の働きによって生分解され、且つ容器型に成形加工が可能な生分解性合成樹脂が素材として適当である。また、遺骨を収納するための蓋付きの容器型の構成において、前記容器型骨壺本体の蓋体も等しく生分解性合成樹脂が素材をもって構成することが必要である。これによって、該容器型骨壺本体ならびに蓋体自体も等しく微生物の働きにより生分解されるように働く。
【0006】本発明の墓碑収納用骨壺において、前記容器型合成樹脂成形体と該成形体の載置皿体との組み合わせとした構成とし、該載置皿体の内側には生分解の為の微生物の働き能力を発揮させる微生物担体チップを該成形体の底面側に敷設散布若しくは囲繞させることにより微生物の働きを発揮させるように働く。また、土壌又は堆肥等を混和した微生物の働きに関与する微生物担体チップを使用することができる。
【0007】本発明において、該容器型合成樹脂成形体の生分解性作用を促進させる為に、微生物の働きを有効に活用する必要の或る場合、微生物担体チップ若しくはペレットに含まれる有効微生物の本来的に保有する環境浄化能力を効率的、かつ有効に活用することにより達成することができる。例えば、個別素材として環境浄化に大きな作用を発揮する焼結体に代表されるトルマリンのごとき珪酸塩鉱物の微粉末体を微生物担体チップに添加又は混和した複合組成物の構成とし、循環浄化能力をより増幅し生分解性作用を促進せしめることができる。
【0008】また、従来の陶器素材等の墓碑収納用骨壺に比し、素材比重の格差が顕著である点に対応するため、たとえば該墓碑収納用骨壺本体を、従来の骨壺程度の厚さとすると共に、さらに本発明に係る生分解性合成樹脂よりなる骨壺を成形する合成樹脂成形体では、その底面部位を選択的に厚底形態に成形した構成とし、少ない比重を僅かながらも補完し重量感を付与せしめるように働く。
【0009】上記のような構成によって、該墓碑収納用骨壺本体は微生物による生分解作用により、いわゆる土に帰るといわれる概念に合致するものであり、都市部やその近郊における墓地不足に対応し得るものである。また、墓碑収納用骨壺の場合、墓碑は一般に完全密閉ではなく、四季を通じ雨風に曝され該墓碑内には水分や土壌等が流入するため、生分解性を有する容器型合成樹脂成形体からなる収納用骨壺は、さらに微生物による働きに寄与する微生物担体チップの併用により生分解作用が進む為に、収納用骨壺が土に帰るといった経緯を辿るものである。これによって森羅万象が土に回帰するという理念に合致した今後の遺骨の弔い方式として対応でき、併せて続いて収納される骨壺に収納容積を確保でき、特に都市及びその近郊域での墓地不足に対応しえる。
【0010】本発明において、容器型合成樹脂成形体の外周面のいずれかの箇所に、転写箔及び保護テ−プを用いて所望の家紋柄はじめ文字、図形、模様等の装飾標章を転写した構成とすることができる。例えば、家紋柄等は先祖代々の継承の対象であり、また、故人に由緒ある種々の文字、図形、模様から選ばれた装飾標章を表示することは、弔いの理念に合致する手段でもある。
【0011】例えば、家紋柄の表示は、転写箔に感熱粘着剤若しくは感圧粘着剤を塗布し、保護テ−プに該フィルムのベ−スフィルム面を貼り合わせ所望の家紋柄にカッティングする。この操作には必要により例えばコンピュ−タ−での家紋用ソフトを使用することもできる。次いで、家紋柄の感熱粘着剤又は感圧粘着剤に約70℃以上の予備加熱を施した後、容器型合成樹脂成形体の外周面に転写し、保護テ−プを剥離し、所望の家紋柄を転写した家紋表示を施すことができる。上記感熱粘着剤又は感圧粘着剤には、例えば東洋インキ製,品番EXK−96−340を使用することができる。
【0012】上記装飾標章の転写表示には、従来の熱転写方式を採用することもできるが、本発明における墓碑収納用生分解性骨壺では、転写箔も熱転写用スタンプ箔を用いず、転写箔は感熱若しくは感圧性の粘着剤を塗布したものを採択し、箔押しも従前の箔押機を使用せず、簡易方式の転写方式とすることができる。この為、本発明に係る墓碑収納用生分解性骨壺においては、外周面に従来の熱転写方式で表示された熱転写でない為、装飾標章の箇所は少許部分といえども微生物の働きにより生分解性作用の妨げを改善するように働く。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施例を示す墓碑収納用骨壺の全体斜視図であり、墓碑収納用骨壺1は、容器本体2と該容器本体2の開口部4に被せる上蓋体3とからなり、容器本体2並びに上蓋体3はいずれも生分解性を有する合成樹脂で成形加工した成形体である。また、該墓碑収納用骨壺1の容器本体2並びに上蓋体3は共に微生物の働きにより生分解される為、従来の陶器製等の骨壺と違って破壊又は損壊の切片屑の発生、或いは現在特に都市部での社会環境問題の筆頭ともなりつある廃棄物処理の対象とはならない。さらに、先祖代々の順送りで続く子孫に納骨の容積を確保でき、廃棄物対象といった措置は必要がない。
【0015】生分解性を有する合成樹脂としては、たとえばポリ乳酸樹脂(商標レイシア,三井化学株式会社製)の植物素材から製造されたものであって、少なくとも生分解性を有し、しかも成形加工性を有する合成樹脂素材を使用することができる。該収納用骨壺の容器本体2と上蓋体3の成形体は、射出成形、真空成形、ブロ−成形、圧空成形のいずれかより選ばれた成形方法により成形することができる。
【0016】図1の墓碑収納用骨壺1の容器本体2の外周面には、所望の家紋柄9のごとき装飾標章8が表示描出されており、先祖代々の家紋を尊重する風潮、或いは故人に由緒ある図形、模様、文字等の装飾標章8の表示は、生分解の作用により自然環境に帰る有限の期間といえども弔いの象徴としても意義があり、所望の装飾標章8を該容器本体2及び/又は上蓋体3の外周面に描出表示した構成とすることができる。
【0017】図2は、本発明に係る墓碑収納用骨壺と微生物の働きに作用する微生物担体チップを併存させた構成を示す断面説明図である。墓碑収納用骨壺1は、容器本体2と該容器本体2の開口部4に被せる上蓋体3とからなり、いずれも生分解性を有する合成樹脂を材料とする成形体である。該容器本体2は載置皿体5との組み合わせからなり、該載置皿体5の内側には微生物の働きに作用する微生物担体チップ6が敷設散布されている。また、前記チップ6の中に埋設若しくは該容器本体2の底部7の周辺に囲繞させた組み合わせとすることもできる。上記チップ6は、たとえば生ゴミ処理機(三洋電機株式会社製,商標ゴミナイス,品番SNS−M15)で併用のチップを使用することができる。
【0018】さらに、本発明に係る墓碑収納用骨壺1を例えばポリ乳酸樹脂を素材として成形した場合、従来の陶器製等の骨壺とは重量感において格差のある点にかんがみ重量付加のため、該合成樹脂で成形した容器本体2の底面部位を厚底形態に成形した墓碑収納用生分解性骨壺の構造とすることができる。
【0019】以上本発明に係る一実施例を図面により説明したが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0020】
【発明の効果】本発明の墓碑収納用骨壺は生分解性を有する合成樹脂成形体からなり、微生物の働きにより生分解される為、該骨壺は墓地の基壇内に収納されるとき、雨風に曝される条件下で生分解が進行して、土に回帰還元される経過を辿る。この為、廃棄物処理の対象とならず、さらに続いて納骨される子孫の骨壺に収納容積を確保でき、特に都市及びその近郊域の墓地不足を解消でき、土に回帰するという理念に合致した今後の遺骨の弔い方式として対応できる。
【出願人】 【識別番号】300011689
【氏名又は名称】中島金属箔粉株式会社
【出願日】 平成12年2月21日(2000.2.21)
【代理人】 【識別番号】100067219
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 英一
【公開番号】 特開2001−224640(P2001−224640A)
【公開日】 平成13年8月21日(2001.8.21)
【出願番号】 特願2000−42133(P2000−42133)