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【発明の名称】 可搬型介護用ベッド
【発明者】 【氏名】八幡 智

【要約】 【課題】電動ベッドのフレームをスライド自在な構造とし、材質も軽量化および耐薬品性のあるものを使用することにより、分解組立て作業を行うことなく一人でも容易に搬入搬出や消毒をすることができる、可搬型介護用ベッドを得る。

【解決手段】四隅に脚柱を配設したアルミ製ベースフレーム上に、クランクを軸着した支持板を介してサイドフレームを載設する。さらに、該サイドフレーム内においてスライド自在なヘッド側スライドフレームとフット側スライドフレームを挿入する。また、ヘッド側スライドフレームとフット側スライドフレームとサイドフレームにて形成されるベッドの床面上に背上げフレームや膝上げフレーム等を配設し、さらに、ベッドの床面内に背上げおよび膝上げ用の第1モーターとハイロー用の第2モーターと停電対策用のバッテリーを内蔵する。また、フットフレームおよびフット側の脚柱の側面にキャスターを取付けるための機構を配設する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 四隅に脚柱(21)を配設したアルミ製ベースフレーム(20)上に、ハイロー機構を構成するためのクランク(16)を軸着した支持板(18,19)を介してアルミ押出材である中空のサイドフレーム(1)を載設し、さらに、該サイドフレーム(1)内においてスライド自在なアルミ押出材である中空のヘッド側スライドフレーム(2)とフット側スライドフレーム(3)を挿入し、ヘッド側スライドフレーム(2)の端部にヘッドフレーム(4)を係着し、フット側スライドフレーム(3)の端部にフットフレーム(5)を係着すると共に、該ヘッド側スライドフレーム(2)およびフット側スライドフレーム(3)を伸長時および収縮時にサイドフレーム(1)と固定するためのロックピン(24)をサイドフレーム(1)より係着し、伸長時において該ヘッド側スライドフレーム(2)とフット側スライドフレーム(3)とサイドフレーム(1)にて形成されるベッドの床面上に背上げフレーム(6)と第1膝上げフレーム(7)と第2膝上げフレーム(8)と第1連結ヒンジ(9)と第2連結ヒンジ(10)とを配設し、さらに、ベッドの床面内に背上げおよび膝上げ用の第1モーター(11)とハイロー用の第2モーター(12)と停電対策用のバッテリー(13)を内蔵し、フットフレーム(5)およびフット側の脚柱(21)の側面にキャスター(22)を取付けるための機構を配設したことを特徴とする、可搬型介護用ベッド。
【請求項2】 背上げフレーム(6)や第1膝上げフレーム(7)等に別の機能を持たせたものと交換することにより、より機能的な使用方法が得られることを特徴とした請求項1に記載の、可搬型介護用ベッド。
【請求項3】 フット側のロックピン(24)を解除してフット側スライドフレーム(3)を引き外し、背上げフレーム(6)の傾斜を大きくしてフット側へスライドすることにより、第2膝上げフレーム(8)がサイドフレーム(1)より垂れ下がり、要介護者が足を垂らして座ることができるソファー形態となることを特徴とした請求項1に記載の、可搬型介護用ベッド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、在宅介護や災害時の仮設用等に使用するベッドに関し、特に該ベッドの搬入搬出が一人でも容易に行うことができるように軽量且つスライド自在な構造とし、さらに、該ベッドの消毒も容易に行うことができることを特徴とした、可搬型介護用ベッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、在宅介護等において使用するベッドにおいて、背上げや膝上げを行うための機構として電動モーターを配設した電動ベッドを使用している。該電動ベッドには、上記背上げや膝上げを行うため一般的に2〜3個の電動モーターおよびバッテリー等を配設し、さらに、介護のため、該ベッド上に看護婦が二人程度乗った場合でも変形や破損が生じないように、金属製フレーム等で強固に造られている。このため、一般的な電動ベッドの重量は約85〜95Kgもあり、110kgを越えるものもある。また、軽量タイプと呼ばれるものでも80Kg程度はあり、それほど軽量化は成されていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記介護用等において使用するベッドは、健常者が恒久使用を目的とした普通の木製ベッドとは異なり、要介護者が健康を取り戻した場合若しくは亡くなった場合には不要なものとなる。さらには価格も高価であるということから、一般的にはレンタル業者よりレンタルして利用することが殆どである。このため、借用時や返却時には当該ベッドを搬入搬出する必要があり、さらには返却時において次の使用者に対して感染症等を防止するための消毒を行う必要がある。
【0004】しかしながら、上述のように介護用等において使用するベッドの重量は一般的な電動ベッドで約85〜95Kgもあるため、上記搬入搬出作業および消毒作業を一人で行うことはできず、分解組立てや運搬に2〜3人程度の要員が必要であった。このため、多くの人件費が懸かってしまい作業性も悪いことから一人でも搬入搬出が可能なベッドの開発が望まれていた。
【0005】本発明は以上のような問題点に鑑み成されたものであり、電動ベッドのフレームをスライド自在な構造とし、材質も軽量化および耐薬品性のあるものを使用することにより、分解組立て作業を行うことなく一人でも容易に搬入搬出や消毒をすることができる、可搬型介護用ベッドを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明の可搬型介護用ベッドにおいては、四隅に脚柱を配設したアルミ製ベースフレーム上に、ハイロー機構を構成するためのクランクを軸着した支持板を介してアルミ押出材である中空のサイドフレームを載設する。さらに、該サイドフレーム内においてスライド自在なアルミ押出材である中空のヘッド側スライドフレームとフット側スライドフレームを挿入し、ヘッド側スライドフレームの端部にヘッドフレームを係着し、フット側スライドフレームの端部にフットフレームを係着する。また、該ヘッド側スライドフレームおよびフット側スライドフレームを伸長時および収縮時にサイドフレームと固定するためのロックピンをサイドフレームより係着し、伸長時において該ヘッド側スライドフレームとフット側スライドフレームとサイドフレームにて形成されるベッドの床面上に背上げフレームと第1膝上げフレームと第2膝上げフレームと第1連結ヒンジと第2連結ヒンジとを配設し、さらに、ベッドの床面内に背上げおよび膝上げ用の第1モーターとハイロー用の第2モーターと停電対策用のバッテリーを内蔵する。また、フットフレームおよびフット側の脚柱の側面にキャスターを取付けるための機構を配設する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を用いて説明する。図1は本発明の可搬型介護用ベッドの概略構成を示す側面図である。
【0008】図1において、はしご型若しくはかご型に形成したアルミ製のベースフレーム20の四隅に脚柱21を配設し、該ベースフレーム20の上面の前後左右の4箇所にハイロー機構を構成するためのクランク16の端部を軸着した支持板19を配設する。
【0009】また、該ベースフレーム20の上部にアルミ押出材である中空のサイドフレーム1をはしご型若しくはかご型に形成して載設し、前記クランク16の中央部を軸着した支持板18を当該サイドフレーム1の下面の前後左右の4箇所に配設する。また、クランク16の他の端部は、クランクアーム17にて連結する。
【0010】さらに、該サイドフレーム1内においてスライド自在なアルミ押出材である中空のヘッド側スライドフレーム2とフット側スライドフレーム3を挿入し、ヘッド側スライドフレーム2の端部にヘッドフレーム4を係着し、フット側スライドフレーム3の端部にフットフレーム5を係着する。該ヘッド側スライドフレーム2とフット側スライドフレーム3の外面は、サイドフレーム1の内面と接触して図中矢印の向きにスライドするため、染色アルマイト処理を施しておけば傷が付き難く好適である。
【0011】また、該ヘッド側スライドフレーム2およびフット側スライドフレーム3を伸長時および収縮時にサイドフレーム1と固定するためのロックピン24を、サイドフレーム1よりヘッド側スライドフレーム2およびフット側スライドフレーム3に係着する。
【0012】伸長時において、該ヘッド側スライドフレーム2とフット側スライドフレーム3とサイドフレーム1にて形成されるベッドの床面上に背上げフレーム6と第1膝上げフレーム7とを第1連結ヒンジ9で連結し、該第1膝上げフレーム7と第2膝上げフレーム8とを第2連結ヒンジ10で連結して配設し、さらに、ベッドの床面内に背上げおよび膝上げ用の第1モーター11とハイロー用の第2モーター12と停電対策用のバッテリー13を内蔵する。なお、第2膝上げフレーム8の先端部と背上げフレーム6とを膝上げワイヤー15で連結しておけば、背上げを行うことにより膝上げもできるため、第1モーター11のみで両方の動作が可能であるが、個々に専用のモーターを使用しても構わない。
【0013】また、フットフレーム5およびフット側の脚柱21の側面に移動用のキャスター22を取付けるための機構を配設する。図1において、該キャスター22は矢印の向きに取付け可能であり、移動時以外は取外しておく。そして、上記のように構成した本発明の可搬型介護用ベッドの使用時において、床を保護するための台座23を各脚柱21の下部に敷設すると好適である。
【0014】また、軽量化を図るためサイドフレーム1やヘッド側スライドフレーム2やフット側スライドフレーム3に中空のアルミ押出材を使用しているが、他の構成要素であるベースフレーム1や脚柱21およびヘッドフレーム4,フットフレーム5,背上げフレーム6,第1膝上げフレーム7,第2膝上げフレーム8,クランク16,支持板18,19等においてアルミやアルミ合金等の軽金属を使用することにより、さらなる軽量化を図ることができる。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を図を用いて説明する。図2は本発明の可搬型介護用ベッドを搬入搬出するための状態に収納した側面図である。
【0016】在宅介護等において使用するベッドはレンタルして使用することが多く、該ベッドを搬入搬出若しくは保管する場合、図2の状態にする必要がある。該状態は図1において、以下の手順を踏むことにより達成される。
■第2モーター12を操作して脚柱21の上端までサイドフレーム1を下げ、サイドフレーム1とベースフレーム20との間隙を詰める。
■サイドフレーム1より背上げフレーム6,第1膝上げフレーム7,第2膝上げフレーム8,第1連結ヒンジ9,第2連結ヒンジ10等を取外す。
■ロックピン24を解除した状態で、ヘッド側スライドフレーム2とフット側スライドフレーム3とをサイドフレーム1内にスライドして挿入し、再びロックピン24を係着する。
■サイドフレーム1の上面に背上げフレーム6,第1膝上げフレーム7,第2膝上げフレーム8,第1連結ヒンジ9,第2連結ヒンジ10を載置してフレーム保持具26にて係着した後、マットレス25を載せベースフレーム20とマットレス25とを保持ベルト27にて保持する。
■フットフレーム5およびフット側の脚柱21の側面にキャスター22を取付けた後、該キャスター22を下にして引き起す。
【0017】上記のようにして、本発明の可搬型介護用ベッドをコンパクトに収納した場合、全体の重量は約40Kg程度と軽量となるため、エレベーターに載せたり階段で持ち上げたりすることも可能となり、さらにはキャスターにより一人でも容易に搬入搬出を行うことができる。
【0018】消毒を行う場合には、ヘッドフレーム4やフットフレーム5を始め、従来木を使用していた個所の材質をポリプロピレンやジュラコン若しくはナイロン系の耐薬品性のあるものにすることにより容易に行うことができる。この場合、上記収納状態よりマットレス25を外し、消毒液を直接散布するだけで消毒が行える。
【0019】また、上記収納状態よりベッドとして使用する場合には、上記収納手順と逆の手順を踏むことにより達成される。図1の状態において、第1モーター11を操作することにより背上げアーム14が背上げフレーム6を押し上げ、該背上げ角度は0〜75度程度まで可能である。また、該背上げフレーム6と第2膝上げフレーム8の先端部とを膝上げワイヤー15で連結した状態では、背上げ動作に伴い第2連結ヒンジ10を中心に第1膝上げフレーム7と第2膝上げフレーム8とが上昇し、膝上げ動作も可能となる。該膝上げ角度は0〜25度程度まで可能である。
【0020】また、第2モーター12を操作することによりクランクアーム17が引き寄せられ、支持板18,19に軸着されたクランク16が回動しサイドフレーム1がベースフレーム20より上昇するハイロー動作が可能となる。該上昇の高さは40cm程度まで可能である。
【0021】図3は背上げフレームの他の形態を示す図である。図1に示す1枚板の背上げフレーム6に代えて、腰が当たる部分で背上げフレーム6aと背上げフレーム6bとに分けて屈曲可能とすれば、腰の曲がった老人等が使用する場合において使用し易いものとなる。
【0022】図4は第1膝上げフレームの他の形態を示す図である。該第1膝上げフレーム7’において、通気孔29を開けたフレーム板28の中央部に便器31および便座30が配設されている。マットレス25および布団が当該便座30に対応したものを使用すれば、排泄行為が困難な要介護者が寝たままの状態でも排泄を行うことができる。
【0023】図5は本発明の可搬型介護用ベッドをソファーとして使用可能な状態にした側面図である。病状や機能が回復しベッドより体を起こしたい場合、フット側のロックピン24を解除してフット側スライドフレーム3を引き外し、背上げフレーム6の傾斜を大きくしてフット側へスライドすれば、第2膝上げフレーム8がサイドフレーム1より垂れ下がり、要介護者が足を垂らして座ることができるソファー形態となる。また、ヘッド側のロックピン24を解除してヘッド側スライドフレーム2を押込むことにより、背上げフレーム6と第1膝上げフレーム7がフット側に自動的にスライドする構造とすることもできる。
【0024】このように、本発明の可搬型介護用ベッドは搬入搬出するためにコンパクトに収納できること以外に、背上げフレーム6や第1膝上げフレーム7等に別の機能を持たせたものと交換することにより、より機能的に使用することが可能となるものである。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の可搬型介護用ベッドを在宅介護等において使用するベッドとして使用すれば、フレームや機構部品の大半がアルミおよびアルミ合金製等の軽金属であるため非常に軽量となり、さらに、ベッドの床面を形成するフレームがスライド自在であるためコンパクトに収納することができる。そして、該収納したベッドを引き起した時、底面部にキャスターが配設されているため、一人でも容易に搬入搬出や消毒が行えるという効果を奏する。また、背上げフレームや膝上げフレーム等に別の機能を持たせたものと交換することにより、要介護者の症状に合った介護をすることができるという効果も奏する。
【出願人】 【識別番号】500063181
【氏名又は名称】近藤 耀子
【出願日】 平成12年1月17日(2000.1.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−198165(P2001−198165A)
【公開日】 平成13年7月24日(2001.7.24)
【出願番号】 特願2000−43475(P2000−43475)