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【発明の名称】 介護ベッド
【発明者】 【氏名】四柳 準治

【要約】 【課題】介護者の介護作業が極めて容易になると共に、介護を必要とする人に苦痛感などがないようにしたベッドを提供する。

【解決手段】ベッドAのマットフレームaを、脚部1、腰部2、背凭れ部3、枕部4により構成すると共に、この背凭れ部3を起伏手段Bに起こし、枕部4を背凭れ部3の起立にともない傾動手段Cにより起るようにして、介護を必要とする人の頭を前屈みに押し出す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ベッドに於けるマットフレームを、脚部と、腰部と、背凭れ部と、枕部とで構成すると共に、上記の背凭れ部を適宜の起伏手段により起伏自在に設け、また上記の枕部を上記の背凭れ部の起立にともない適宜の傾動手段により起るように設けたことを特徴とする介護ベッド。
【請求項2】 前記の腰部、背凭れ部、枕部が、サイドにスライドする出没フレームに設けたことを特徴とする請求項1に記載の介護ベッド。
【請求項3】 前記の腰部、背凭れ部、枕部が、サイドにスライドする出没フレームに設けると共に、この出没フレームの突出側に前記出没フレームの突出にともない押し出し、かつ出没フレームの没入にともない引き戻されるように連動手段を介し連動する補助車輪を設けたことを特徴とする請求項1に記載の介護ベッド。
【請求項4】 前記の脚部と、腰部と、背凭れ部と、枕部とで構成したマットフレームが、適宜の昇降手段を介し昇降する昇降フレーム上に設けたことを特徴とする請求項1に記載の介護ベッド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、介護ベッドに関する。
【0002】
【従来の技術】高齢者や身体の不自由な介護を必要とする人のベッドとしては、特公平8−2330号公報や、特開平9−122186号公報及び登録実用新案公報第3038378号に示すものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記既知の各ベッドの背凭れ部(背凭れ部と座部や背ボトムと腰ボトムからなる)は、起伏自在に構成してあるので、背凭れを起こした際の人の腰部から頭迄の姿勢は、背凭れ部に凭れ掛かかった状態になっている。
【0004】すると、介護人は、その都度介護を必要とする人の頭部(首)の裏側に手を差し入れて頭部を前方に引き起こすので、介護人にあっては無理な姿勢のため腰痛の発生原因になると共に、手首や腕などに疲労などが発生する問題があった。
【0005】また、ベッドの腰部及び背凭れ部を側方に引き出して脚を接地或いは垂れ下がるようにした方式の場合でも上述のような問題が起生する。
【0006】すなわち、介護を必要とする人の立ち上がりに適した姿勢にならず、介護人に体力的に限界を超えた重労働になる。
【0007】そこで、この発明の課題は、介護者の介護が極めて容易になると共に、介護を必要とする人に苦痛感などがないようにしたベッドを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、この発明は、ベッドに於けるマットフレームを、脚部と、腰部と、背凭れ部と、枕部とで構成すると共に、上記の背凭れ部を適宜の起伏手段により起伏自在に設け、また上記の枕部を上記の背凭れ部の起立にともない適宜の傾動手段により起るように設けた構成を採用する。
【0009】また、前記の腰部、背凭れ部、枕部が、サイドにスライドする出没フレームに設けることもある。
【0010】さらに、前記の腰部、背凭れ部、枕部が、サイドにスライドする出没フレームに設けると共に、この出没フレームの突出側に前記出没フレームの突出にともない押し出し、かつ出没フレームの没入にともない引き戻されるように連動手段を介し連動する補助車輪を設けることもある。
【0011】また、前記の脚部と、腰部と、背凭れ部と、枕部とで構成したマットフレームが、適宜の昇降手段を介し昇降する昇降フレーム上に設けることもある。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】この発明の第1の実施形態では、図1から図6に示すように、ベッドAのマットフレームaは、脚部1と、腰部2と、背凭れ部3と、枕部4とで構成されている。
【0014】上記の背凭れ部3は腰部2に、枕部4は背凭れ部3にそれぞれヒンジ5を介し折れ曲がるように連結されている。
【0015】また、上記の背凭れ部3は、適宜の起伏手段Bを介し起伏自在になる。
【0016】上記の起伏手段Bは、例えば図示の場合第1モーター6の運転により定位置で可逆回転する雌ネジ7と、この雌ネジ7にねじ込んだ雄ネジ8と、背凭れ部3の下側に支持部材9にピン10を介し途中の屈曲部分を支持したへ字状の第1リンク11と、この第1リンク11の腰部方向の末端と雄ネジ8の端とにピン12を介し両端を接続した第2リンク13と、第1リンク11の先端に軸支して背凭れ部3の下面(裏面)に接触する回転子14とで構成し、第1モーター6の正転運転により雄ネジ8を前進(ベッドAの頭側方向)させると、雄ネジ8と同方向に突き出す第2リンク13を介し図3時計方向に第1リンク11を回動させる。
【0017】すると、起立方向に回動する第1リンク11の回転子14が背凭れ部3の裏面枕部4側から腰部2側に移動して図3鎖線に示すように背凭れ部3を起立させる。
【0018】起立した背凭れ部3を倒す場合、第1モーター6を逆転運転すればよい。
【0019】要するに、第1モーターの可逆運転によって背凭れ部3を起伏させる(方式を採用して)ものであればよい。
【0020】さらに、枕部4は、背凭れ部3の起立にともない傾動手段Cにより起るようになっている。
【0021】上記の傾動手段Cは、例えば図1から図4及び図6に示すように両端から途中迄に徐々に突出度合いが大きくなる板カム16を枕部4の下面両側部に固定し、第2リンク13の先端に末端を回動自在に連結した連結部材17の先端に板カム16に接触する回転子18を設けると共に、背凭れ部3のフレーム19に取付けて前方に突出する水平な帯板20に設けた水平な長孔21に左右の回転子18を軸承する軸22を貫通させて回転子18の水平な前後方向の移動を保障する。
【0022】すると、背凭れ部3の起立にともない第2リンク13と共に連結部材17を腰部2側にスライドさせるので、板カム16の突出縁に乗り上げる回転子18により背凭れ部3と共に起立した枕部4を前方に起こす。
【0023】すなわち、図3の鎖線で示すように起立した背凭れ部3に対し枕部4が前屈みになる。
【0024】なお、傾動手段Cは、上記の構成に限定されず、例えば図5に示すように、枕部4と背凭れ部3とのヒンジ5の支軸に両端にそれぞれ揺動板26の中途から上方に突出する突片27を回動自在に支持させると共に、揺動板26の先端を枕部4の側面にピン28を介し回動自在に取付け、また揺動板26の末端に回転子29を設けると共に、ヒンジ5の支軸に途中を巻回したバネ杆30の一端を枕部4の下面に、バネ杆30の他端を背凭れ部3の下面に当接して、バネ杆30の弾力により枕部4に前屈みになる回動性を付与し、さらに背凭れ部3を水平の位置迄倒したとき回転子29とストッパ31との接触によって図5反時計方向に揺動板26を強制的に揺動させながら枕部4を水平な姿勢になる位置迄倒す。
【0025】すると、背凭れ部3の起立にともないストッパ31から回転子29が外れるので、揺動板26の強制的な揺動が解除され、解除にともないバネ杆30によって背凭れ部3に対し枕部4を起こすことになり、前述の板カムや連結部材のスライド連動などが不要になる。
【0026】要するに、背凭れ部3の起立にともない枕部4を起こすための傾動手段を採用すればよい。
【0027】図中36はマットフレームaに敷いたマット、37は第2リンク13と連結部材17との連結軸である。
【0028】この発明の第2の実施形態では、図1から図5及び図7、図8に示すように、第1実施形態の腰部2、背凭れ部3及び枕部4が、サイドにスライドする出没フレーム41に設けてある。
【0029】上記の出没フレーム41は、図示の場合車輪42付座フレーム43の上側に位置する昇降フレーム44(この昇降フレーム44を設けた理由は、後述する)の腰部2側と背凭れ部3側とに設けた前後二条のガイドレール45と腰部2及び背凭れ部3とに設けた前後二条のガイドレール46との間にスライダ47を介在したが、その他の手段により出没フレーム41をスライド自在にガイドすることもある。
【0030】すると、背凭れ部3を起立させると共に、枕部4を前屈みに起こして介護を必要とする人の姿勢を図2鎖線で示すようにし、次いで出没フレーム41をベッドAの片側にスライド(図1鎖線に示すように)させて、突出させる。
【0031】この突出により介護を必要とする人の脚が脚部1から(マットaの脚部1腰部2との境が切り離してある)外れ、垂れ下がるので、自力による立ち上がりや、車椅子への乗り込みが容易になる。
【0032】上記出没フレーム41の出没スライドは、人手や電動方式などで行なえばよい。
【0033】この発明の第3の実施形態では、図7及び図8、図9に示すように、第2の実施形態の出没フレーム41の突出側には、連動手段51を介し出没フレーム41の突出にともない押し出し、出没フレーム41の没入にともない引き戻される補助車輪52が設けてある。
【0034】上記の補助車輪51は、図示の場合出没フレーム41の下側に座材53を設けて、この座材53のガイド部54によって出没フレーム41の出没方向にスライドするスライダ55を設け、そして、スライダ55の出没フレーム41の突出方向側の先端に移動側補助車輪52を設けると共に、座材53のスライダ55の末端方向側に固定側補助車輪56を設けておく。
【0035】また上記の連動手段51は、図示の場合出没フレーム41の下面にピン57を介し固定側車輪56方向端の末端を回動自在に支持した第1リンク58と、この第1リンク58の先端にピン59を介し回動自在に支持させた第2リンク60と、この第2リンク60のピン57方向側末端に設けた転子などの滑走部材61と、スライダ55の両端間に滑走部材61の滑走をガイドするように設けたガイド62と、このガイド62の両端に滑走部材61の滑走をストップさせるように設けた第1ストッパ63及び第2ストッパ64とで構成されている。
【0036】上記のように構成すると、出没フレーム41の突出にともない共に同方向に引き出される第1リンク58及び第2リンク60によって同方向に滑走部材61が滑走する。
【0037】そして、第1ストッパ63に滑走部材61が衝突すると出没フレーム41の突出方向にスライダ55を引き出すと共に、スライダ55の可動側補助車輪52が図7から図9に示すように突出方向に移動(引き出される)する。
【0038】このため、ベッドAに出没フレーム41の突出にともなう偏荷重が作用しても、可動側補助車輪52によって安定化をはかる。
【0039】なお、出没フレーム41を没入させたとき、出没フレーム41と共に第1リンク58、第2リンク60及び滑走部材61が同方向に走行する。
【0040】そして、第2ストッパ64に滑走部材61が衝突すると、出没フレーム41の没入方向にスライダ55をスライドさせながら図7に示すように可動側補助車輪52が引き込まれる。
【0041】この発明の第4の実施形態では、図1、図2、図4、図7から図10に示すように、適宜の昇降手段71を介し昇降フレーム44を昇降させるようになっている。
【0042】昇降手段71を介し昇降フレーム44を昇降させると、昇降フレーム44上の脚部1、腰部2及び枕部4付の背凭れ部3が共に昇降し、介護を必要とする人の脚の長さなどに応じて腰部2、脚部1(背凭れ部3も)の高さを自由に調整することができる。
【0043】上記の昇降手段71は、図示の場合第2モーター72の可逆運転により定位置で可逆回転する雌ネジ73と、この雌ネジ73にねじ込んだ雄ネジ74と、座フレーム43に軸承した前後二本の第1軸75及び第2軸76と、第1軸75から前方下向きに、第2軸76から前方上向きに末端を固定して突出させた突片77、78と、この両突片77、78の先端にピン79を介し両端をそれぞれ回動自在に連結した第1リンク80と、第2軸76に末端を固定して前方上向きに突出させた突片81と、この突片81の先端と雄ネジ74とにピン82を介し両端を回動自在に連結した第2リンク83と、第1軸75に末端を固定して後方に、第2軸76に末端を固定して前方にそれぞれ突出させた第3リンク84と、この各第3リンク84の先端に片端を、昇降フレーム44にもう片端をそれぞれピン85を介し回動自在に連結した第4リンク86とで構成し、第2モーター72の運転により雄ネジ74と共に第3リンク83を前進又は後退させながら、第1軸75、第2軸76を可逆回動させながら、第3リンク84を介し第4リンク86を起伏回動させて昇降フレーム44と共に枕部4付の背凭れ部3、腰部2、脚部1を昇降させるようにしたが、その他の方法、例えば四本の定位置駆動(モーターからチェーン及びスプロケットにより)雄ネジに昇降フレーム44に支持させた雌ネジをねじ込むなどの方法で昇降させることも考えられる。
【0044】なお、図7、8、9に示すように、第2リンク60の先端側を延長させて、その延長側先端に転子などのスライダ91を設けると共に、このスライダ91を昇降フレーム44の下面のガイドレール92によってガイドすると、第1リンク58及び第2リンク60の作用を妨げることなく昇降フレーム44を昇降させることができる。
【0045】また、パンタグラフ構造のリンク(図示省略)によって昇降フレーム44の横振れを防止して安定した昇降をはかる。
【0046】さらに、補助車輪52及び56にバネなどにより下向きの押圧力を付与した上下動(勿論、首振機能もそなえる)可能な構造を設けて、スムーズな走行を保障しておくとよい。
【0047】なお、第1モーター6及び第2モーター72は、雌ネジと雄ネジ方式に限定されず、アクチュエータやラックとピニオン方式などで第2リンク13、第3リンク83を作用(進退)させることもある。
【0048】
【発明の効果】この発明に係る介護ベッドは、以上のように構成してあるので、背凭れ部を起した際、傾動手段を介し枕部を自動的に前屈みにすることができる。
【0049】このため、起こした介護を必要とする人の頭を前方に押し出し、介護人の介護が楽な姿勢で、かつ極めて容易になる。
【0050】また、出没フレームをベッドの側方に突出させた際も同様の効果がある。
【0051】さらに、出没フレームを突出させた際に連動手段を介し補助車輪を同方向に突出させるので、出没フレームの突出にともなう偏荷重が作用しても突出させた補助車輪により安定化をはかることができる。
【0052】また、昇降フレームによりマットフレームの高さを自由に、すなわち使用する人の脚の長さに応じた調整も可能になる。
【出願人】 【識別番号】000228707
【氏名又は名称】日本コンベヤ株式会社
【出願日】 平成12年1月18日(2000.1.18)
【代理人】 【識別番号】100067574
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 昭
【公開番号】 特開2001−198164(P2001−198164A)
【公開日】 平成13年7月24日(2001.7.24)
【出願番号】 特願2000−8664(P2000−8664)