| 【発明の名称】 |
車椅子の段差乗り越え装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】清原 貞治
【氏名】泥谷 弘行
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| 【要約】 |
【課題】従来の車椅子は、走行路に段差があると介助者なしでは乗り越えられない不具合がある。
【解決手段】前輪6及び後輪7により走行自在な車椅子本体1の左右フレーム1aの前部に、前脚輪ジャッキ17により起伏自在な複数の脚部13bと、これら脚部13bの先端に設けられた一方向へのみ回転自在な車輪13dとよりなる前脚輪13を設けると共に、上記左右フレーム1aの後部に、後脚輪ジャッキ19により起伏自在な複数の脚部14bと、これら脚部14bの先端に設けられた一方向へのみ回転自在な車輪14dとよりなる後脚輪14を設けて、これら前脚輪13及び後脚輪14を起立させることにより、前輪6及び後輪7を段差より高く持ち上げて段差を乗り越えるようにしたことから、走行路に段差があっても介助者なしで段差を乗り越えることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前輪6及び後輪7により走行自在な車椅子本体1の左右フレーム1aの前部に、前脚輪ジャッキ17により起伏自在な複数の脚部13bと、これら脚部13bの先端に設けられた一方向へのみ回転自在な車輪13dとよりなる前脚輪13を設けると共に、上記左右フレーム1aの後部に、後脚輪ジャッキ19により起伏自在な複数の脚部14bと、これら脚部14bの先端に設けられた一方向へのみ回転自在な車輪14dとよりなる後脚輪14を設けたことを特徴とする車椅子の段差乗り越え装置。 【請求項2】 車椅子本体1の左右フレーム1aに、前脚輪13及び後脚輪14を着脱自在に取付けてなる請求項1記載の車椅子の段差乗り越え装置。 【請求項3】 段差22の上面に前輪6が着地した際、車椅子本体1が前下がりに傾斜するよう後脚輪14の脚部14bの長さを設定してなる請求項1または2記載の車椅子の段差乗り越え装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は段差の乗り越えが容易かつ安全に行える車椅子の段差乗り越え装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来歩行が困難な身体障害者や老人などが外出する際などに使用する車椅子には、使用者が手で車輪を回転させて走行する手動車椅子や、搭載したバッテリによりモータを回転させて走行する電動車椅子などがある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の車椅子では、何れも走行路に数センチ程度の段差があっても、これを乗り越えることができないことから、車椅子で外出する際には介助者が同行しなければならず、介助者がいない場合は外出を控えなければならないなどの不具合がある。 【0004】この発明はかかる従来の不具合を改善するためになされたもので、走行路に段差があっても、この段差を容易かつ安全に乗り越えることができる車椅子の段差乗り越え装置を提供して、介助者なしでも車椅子で外出できるようにすることを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、前輪及び後輪により走行自在な車椅子本体の左右フレームの前部に、前脚輪ジャッキにより起伏自在な複数の脚部と、これら脚部の先端に設けられた一方向へのみ回転自在な車輪とよりなる前脚輪を設けると共に、上記左右フレームの後部に、後脚輪ジャッキにより起伏自在な複数の脚部と、これら脚部の先端に設けられた一方向へのみ回転自在な車輪とよりなる後脚輪を設けたものである。 【0006】上記構成により、段差を乗り越える際には、まず段差上面で前脚輪を起立させて、車椅子本体の前輪を段差上面より高く持ち上げ、続いて後脚輪を起立させて、車椅子本体の後輪を段差より高く持ち上げると同時に、車椅子本体を前進させることにより段差を乗り越えることができるため、介助者なしに車椅子で外出することができるようになる。 【0007】上記目的を達成するため請求項2記載の発明は、車椅子本体の左右フレームに、前脚輪及び後脚輪を着脱自在に取付けたものである。 【0008】上記構成により、既存の手動車椅子や、電動車椅子などに取付けることにより、既存の手動車椅子や電動車椅子などでも段差を容易かつ安全に乗り越えることができるようになる。 【0009】上記目的を達成するため請求項3記載の発明は、段差の上面に前輪が着地した際、車椅子本体が前下がりに傾斜するよう後脚輪の脚部の長さを設定したものである。 【0010】上記構成により、後脚輪を起立させた際、車椅子本体の重心が後方へ移動することがないので、安定した姿勢で段差を乗り越えることができるようになる。 【0011】 【発明の実施の形態】この発明の段差乗り越え装置を電動車椅子に実施した実施の形態を図面を参照して詳述する。図1は段差乗り越え装置を備えた電動車椅子の斜視図を示すもので、車椅子本体1はパイプよりなる左右フレーム1aを有していて、これらフレーム1aの間はX字形リンク2により互いに連結されており、X字形リンク2の各リンク部材2aを枢着ピン2bを中心に互いに重なる方向へ収縮することにより、左右フレーム1aが折り畳めるようになっている。 【0012】上記左右フレーム1a間には、着座部3aと背当て部3bよりなる座席3が設けられていて、この座席3に車椅子の使用者(以下単に使用者という)が着座できるようになっており、左右フレーム1aの前側下部には、使用者が足を載せる足座4が、そして左右フレーム1aの後側上部には、介助者が車椅子本体1を移動する際使用するハンドル5が設けられている。 【0013】また上記車椅子本体1の両側には径の大きな後輪7が、そして前側下部には、上記後輪7より小径なキャスタよりなる前輪6が回転自在に設けられている。上記後輪7は軽量化を図るため、スポーク車輪が使用されていて、図示しない電動機により回転駆動されるようになっており、スポーク7aの中心部に設けられたハブ7b内には、ブレーキレバー8を操作することにより後輪7の制動及び解除を行うブレーキ(図示せず)が内装されていると共に、上記後輪7の外側には、手動で後輪7を回転させるためのハンドリム9が設けられている。なお図1中10は、走行動作を制御する操作レバーである。 【0014】一方上記車椅子本体1には、走行路上の段差を昇降するための段差乗り越え手段12が取付けられている。この段差乗り越え手段12は、既存の電動車椅子や、手動車椅子にも簡単に取付けられるよう、車椅子本体1に対して着脱自在となっており、左右フレーム1aの前部に取付けられた前脚輪13と、左右フレーム1aの後部に取付けられた後脚輪14よりなる。 【0015】上記前脚輪13は、前脚輪13を車椅子本体1の左右フレーム1aへ取付けるための取付け部材13aを有していて、この取付け部材13aに脚部13bの一端がピン13cにより枢着されている。上記脚部13bの他端には、ラチェット機構15により一方向(前進方向)へのみ回転するゴムタイヤよりなる車輪13dが設けられている。上記ラチェット機構15は図5に示すように、車輪13d内に設けられたラチェットギヤ15aと、このラチェットギヤ15aに先端が係合する爪体15bよりなり、爪体15bの基端部はピン15cにより車輪13dの内周部に枢着されている。そして上記爪体15bの先端は磁石の反発作用を利用した付勢手段16によりラチェットギヤ15a方向へ付勢されていて、爪体15bの先端が常にラチェットギヤ15aに係合するようになっていると共に、上記脚部13bの中間部と左右フレーム1aの間には、前脚輪13をピン13cを中心に起伏させる前脚輪ジャッキ17が設けられている。 【0016】上記前脚輪ジャッキ17は図4に示すように、内周面に雌ねじ17aが形成されたねじ筒17bと、このねじ筒17bの雌ねじ17aに一端側が螺合するねじ杆17cよりなり、ねじ筒17bの一端がピン17dにより脚部13bに枢着されており、ねじ杆17cの他端側は減速ギヤ17eを介して電動機18に接続されていると共に、支軸17fにより上記左右フレーム1aに回動自在に取付けられている。上記電動機18は、前脚輪駆動スイッチ(図示せず)を介して車椅子本体1に搭載されたバッテリ(図示せず)に接続されていて、上記前脚輪駆動スイッチにより電動機18を正逆回転させることにより、前脚輪13を起伏できるようになっている。 【0017】また上記後脚輪14は図6及び図7に示すように、後脚輪14を車椅子本体1の左右フレーム1aに取付けるための取付け部材14aを有していて、この取付け部材14aに、上記前脚輪13の脚部13bより長さの長い脚部14bの一端がピン14cにより枢着されている。上記脚部14bの他端側には、前脚輪13の車輪13d内に設けられたラチェット機構15と同様なラチェット機構15により一方向(前進方向)へのみ回転するゴムタイヤよりなる車輪14dが設けられていると共に、上記脚部14bの中間部と左右フレーム1aの間には、後脚輪14をピン14cを中心に起伏させる後脚輪ジャッキ19が設けられている。 【0018】上記後脚輪ジャッキ19は図6及び図7に示すように、内周面に雌ねじ19aが形成されたねじ筒19bと、このねじ筒19bの雌ねじ19aに一端側螺合するねじ杆19cよりなり、ねじ筒19bの一端がピン19dにより脚部14bに枢着されており、ねじ杆19cの他端側は減速ギヤ19eを介して電動機20に接続されていると共に、支軸19fにより上記左右フレーム1aに回動自在に取付けられている。上記電動機20は、後脚輪駆動スイッチ(図示せず)を介して車椅子本体1に搭載されたバッテリ(図示せず)に接続されていて、上記後脚輪駆動スイッチにより電動機20を正逆回転させることにより、後脚輪14を起伏できるようになっている。 【0019】次に上記構成された車椅子の段差乗り越え装置の作用を、図8ないし図12に示す図面を参照して説明する。電動車椅子の走行中、走行路に図8に示すような段差22があってこの段差22を乗り越える場合、まず足座4を段差22の上面より高く上げた状態で、図9に示すように前脚輪13の車輪13dを段差22の縁石22a上面に当接させる。なお車椅子の走行時は前後脚輪13,14ともほぼ水平状態に保持されている。 【0020】次にこの状態で前脚輪駆動スイッチを操作して、前脚輪ジャッキ17の電動機18により減速ギヤ17eを介してねじ杆17cを回転させることにより、ねじ筒17bとねじ杆17cの間を縮小して、ピン13cを中心に図10に示すように前脚輪13を起立させる。 【0021】前脚輪13の脚部13b先端に設けられた車輪13dは、周囲がゴムタイヤにより形成されている上、ラチェット機構15により前進方向へのみ回転できるようになっているため、前脚輪13の起立に伴い前輪6が段差22の縁石22a上面より高く持ち上げられると同時に、前脚輪13の車輪13dと段差22上面の摩擦により、車椅子本体1が前進され、後輪7が図10に示すように縁石22a近傍に達する。 【0022】またこのとき前輪6が持ち上げられることによって車椅子本体1の重心が後方へ移動するが、後脚輪14の車輪14dが接地するため、車椅子本体1が後方へ転倒する心配はない。 【0023】後輪7が段差22の縁石22a近傍に達したら、後脚輪駆動スイッチを操作して、後脚輪ジャッキ19の電動機20により減速ギヤ19eを介してねじ杆19cを回転させることにより、ねじ筒19bとねじ杆19cの間を縮小して、ピン14cを中心に図11に示すように後脚輪14を起立させる。後脚輪14の脚部14b先端に設けられた車輪14dは、周囲がゴムタイヤにより形成されていると上、ラチェット機構15により前進方向へのみ回転できるようになっていると共に、後脚輪14の脚部14bの長さは、後脚輪14が起立した際、車椅子本体1が前下がりに約10度傾斜するように設定されているため、後脚輪14の起立に伴い後輪7が段差22の縁石22a上面より高く持ち上げられると同時に、後脚輪14の車輪14dと路面の摩擦により、車椅子本体1が前進され、後輪7が段差22の縁石22a上面に達するようになる。 【0024】これによって介助者の手を借りることなく段差22を乗り越えることができると共に、段差22を乗り越えたら、前後脚輪駆動スイッチを操作して、前脚輪13及び後脚輪14を図12に示すように元の位置へ復帰させてから、再び走行を開始すればよく、階段のように段差22が連続する場合は、上記操作を繰返すことにより、階段を登ることもできる。 【0025】なお予め車椅子本体1に傾斜計を設置して、車椅子本体1が前下がりに約10度傾斜したのを検出したら、電動機により後輪7を回転させて、自動的に車椅子本体1を前進させるようにしてもよい。 【0026】一方電動車椅子で段差を下る場合は、電動機及びブレーキを制御して、後輪7に制動をかけながら従来通り下ればよく、また手動車椅子の場合は、ハンドリム9を手で握って後輪7に制動をかけながら従来通り下るが、段差22の高さが高い場合は、さらにブレーキレバー8により後輪7に制動を緩くかけながら、下ればよい。 【0027】なお上記実施の形態では、既存の電動車椅子に段差乗り越え手段12を取付けた場合について説明したが、手動の車椅子に取付けて使用しても勿論よい。また前脚輪13を起伏する前脚輪ジャッキ17及び後脚輪14を起伏する後脚輪ジャッキ19にねじ式ジャッキを使用したが、油圧ジャッキや、ギヤ式ジャッキなどを使用しても勿論よい。 【0028】 【発明の効果】この発明は以上詳述したように、車椅子本体の左右フレームの前後に、起伏自在な前脚輪及び後脚輪を設けて、これら前脚輪及び後脚輪を起立させることにより、前輪及び後輪を段差より高く持ち上げて段差を乗り越えるようにしたことから、走行路に段差があっても介助者なしで段差を乗り越えることができる。 【0029】これによって介助者なしでも、車いすによる外出などが可能になると共に、車椅子本体のフレームに対して前脚輪及び後脚輪を着脱自在に取付けられるようにしたことから、既存の手動車椅子や、電動車椅子などに取付けることにより、既存の手動車椅子や電動車椅子などでも段差を容易かつ安全に乗り越えることができるようになる。 【0030】また段差の上面に前輪が着地した際、車椅子本体が前下がりに傾斜するよう後脚輪の脚部の長さを設定したことから、後脚輪を起立させた際、車椅子本体の重心が後方へ移動することがないので、安定した姿勢で段差を乗り越えることができるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】595000519 【氏名又は名称】清原 貞治 【識別番号】500001161 【氏名又は名称】泥谷 弘行
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| 【出願日】 |
平成11年11月16日(1999.11.16) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−137291(P2001−137291A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月22日(2001.5.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−361427 |
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