| 【発明の名称】 |
横移乗機能付き車椅子 |
| 【発明者】 |
【氏名】長田 修次
【氏名】片上 政明
【氏名】奥田 ひとみ
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| 【要約】 |
【課題】自分一人では立ち上がったり、歩いて身体を移動できない人を、車椅子からベッドやトイレへ、あるいはベッドやトイレから車椅子へ移すに当たっては、従来は介助者がこれらの人ををだき起こしたり、だき抱えて移動させねばならなかった。
【解決手段】車輪が後退可能な車椅子の肘掛け板に、引き出し可能なスライド軸を取付け、その軸を引き出したあと倒して移動先と連結し、要介護者を肘掛け板に乗せて、その軸上をスライドさせることにより移動する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車輪が後退可能な車椅子の肘掛け板に、引き出し可能なスライド軸を取付け、かつ該軸を引き出したあと倒して、搭乗者の移動先へ該軸を連結することができる機能を有し、かつ、該軸上を該肘掛け板がスライドすることができる機能を有した横移乗機能付き車椅子。 【請求項2】 車椅子の幅方向に座シートを回転できる機能を有することを特徴とする請求項1記載の車椅子。 【請求項3】 請求項1及び請求項2記載の車椅子の肘掛け板並びにスライド軸において、該スライド軸を左右に傾ける事ができ、かつその状態で肘掛け板をスライドできる機能を有することを特徴とする請求項1記載の車椅子。 【請求項4】 車椅子の搭乗者の体重を支持するフレームに取り付けたガイドに沿ってスライドするベアリングにより車輪が移動し、後退することのできる機能を有することを特徴とする請求項1記載の車椅子。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自分一人で立ち上がったり、歩いて、身体を移動できない様な、身体に障害がある人が使用する車椅子に関する。 【0002】現在、日本では65歳以上の高齢者の急増にともない介護保険制度が実施されることになり、高齢者の介護に社会全体として取り組むことになった。同時に、身体に不自由がある障害者もノーマライゼーションの理念のもとに社会参加や職業に就く機会が増えてきた。 【0003】しかし、自分一人では立ち上がったり、歩いて身体を移動できない様な身体に障害がある人や高齢者に取って、その日常生活の面倒を見る福祉施設や特別養護老人ホームと言った公的な施設には限界がある。そのため、これらの障害者や高齢者の介護は、ホームヘルパーや介護専門職員等の支援のもとに、家族が中心となってせざるを得ないのが大勢である。 【0004】その場合、これらの身障者・高齢者の介護には、どうしても主婦を中心とした女性に大きく負荷がかかるのが実情である上、これからの高齢社会においては健全な老人が、介護の必要な老人の世話をせざるを得なくなる場合も多くなると予想される。 【0005】この様な状況において、寝たきりで、自分の体を起こしたり、自分の体を移動させたりすることが出来ない高齢者や障害者の場合は、身の回りのものを取ったり、トイレのために自分の体を動かす事が出来ないため、介護者にだき起こしてもらったり、だき抱えて車椅子に乗せてもらわなければならない。 【0006】このような介護は、ほとんどが前かがみの姿勢で、かつ、かなりの力を必要とする上、それが一日に何回も繰り返される24時間介護であるので、女性や老人には極めて困難な動作である。特別養護老人ホームの介護専門員にはこの動作が当然多くなるが、その為に腰を痛めている人や、腰痛持ちの人が多いのはこのためである。 【0007】本発明は、足腰の立たない要介護者をベッドから車椅子へ、車椅子からベッドへ、あるいは、車椅子からトイレへ、トイレから車椅子へ移すに当たり女性の手で簡単に移動させることが出来る機能を有した車椅子に関するものである。 【0008】 【従来の技術】従来の車椅子は、自分一人では立ち上がったり、歩いて身体を移動することが困難であったり、それができない人が、車椅子の車輪を自分の腕や動かすことができる足で蹴ることにより回転させて、身体を移動させる移動補助具(この車椅子を自操型車椅子と言う)、車椅子を押してもらうことにより容易に移動できる移動補助具(この車椅子を介助型車椅子と言う)として作成されている。 【0009】そのため、従来の車椅子には座り心地(安楽性)、走行のスムースさ(室内外での走行場所への適応性と車幅、耐ショック性、軽くてコンパクトな機能)、使いやすさ(機能性と快適性)等が徹底的に研究され、■軽量車椅子、■肘掛け部を脱着したり、後方にはね上げたりできる車椅子、■車輪を後退できる車椅子、■足置き台(フットレスト)を回転させたり、後方に開けたりできる車椅子、■背もたれの角度を変えることができる車椅子(リクライニング型)、■車輪を簡単に脱着できる車椅子、■着座したまま座面の向きを左右に回転できる車椅子等を追求して鋭意開発・製造されている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかし、自分一人では立ち上がったり、歩いて身体を移動できない人をベッドから車椅子へ、車椅子からベッドへ、あるいは車椅子からトイレへ、トイレから車椅子へ移すに当たっては、従来の車椅子にはこれらの人達を移乗させる機能がないため、介助者が要介護者をだき起こしたり、だき抱えて車椅子や他の移動先に移動させねばならない。 【0011】このような介護は、ほとんどが前かがみの姿勢で、かつ、かなりの力を必要とする上、それが一日に何回も繰り返される24時間介護であるので、女性や老人には極めて困難な動作であり、腰や肩を痛める原因にもなる。そのため、要介護者をベッドやトイレ等の移動先へ移すに当たり、要介護者を容易に車椅子へ乗せる(移動させる)機能を有した車椅子の開発が望まれていた。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明はかかる状況下において、以下の機能を有する車椅子を開発することで上記課題を解決しようとするものである。 【0013】(1)車輪が後退可能な車椅子の肘掛け板に、引き出し可能なスライド軸を取付け、かつ該軸を引き出したあと倒して、搭乗者の移動先へ該軸を連結することができる機能を有し、かつ、該軸上を該肘掛け板がスライドすることができる機能を有した横移乗機能付き車椅子。 【0014】(2)上記(1)の機能を有した車椅子において、車椅子の幅方向に座シートを回転できる機能を有した車椅子。 【0015】(3)上記(1)、(2)の機能を有した車椅子における肘掛け板並びにスライド軸において、該スライド軸を左右に傾けることができ、かつその状態で肘掛け板をスライドできる機能を有した車椅子。 【0016】(4)上記(1)、(2)、(3)の機能を有する車椅子において、車椅子の搭乗者の体重を支持するフレームに取り付けたガイドに沿ってスライドするベアリングにより車輪が移動し、後退することができる機能を有した車椅子【0017】 【発明の実施の形態】本発明の車椅子は要介護者を移動させるに当たって、以下の条件下で使用する車椅子である。 イ)必ず介助者が一人付くこと、かつ、その介助者は、強い力を出せない人でもよい、ロ)車椅子からの移乗先は、ベット或いは簡易トイレ等の安定して設置された場所とする、ハ)車輪を後退できる機能を有す車椅子を対象とする【0018】そして本発明の車椅子は、従来の車椅子の機能を出来るだけ損なわないよう、従来の車椅子の機能はそのままとした状態で、従来ではただ肘を掛けるだけの機能しか持たしていない肘掛け板に、以下の機能を有させることにより、上記課題を解決しようと考案されたものである。 【0019】すなわち、本願発明の車椅子は、肘掛け板1に図1(a)に示す様にスライド軸2を設置し、車輪を後退させた後にそのスライド軸2を同図(b)の様に引き上げ、その後、スライド軸を同図(c)の様に倒して、同図(d)の様に要介護者の移動先3と連結する。そして、そのスライド軸に沿って肘掛け板1を同図(d)の様に移動させることにより、要介護者を移動先に簡単に移動させることができるようにした車椅子である(請求項1)。 【0020】更に、スライド軸が容易に移動先3と連結できるようにするため、図2のようにスライド軸を左右に傾けることができる機能を付加し、かつその状態で肘掛け板をスライドすることができる機能を付加した車椅子である(請求項3)。 【0021】また、身体の移動が極めて困難な要介護者に対しては、該車椅子の座シートからの、要介護者の該肘掛け板への移乗を容易にできるようにするため、該車椅子の座シート4に図3のように幅方向に回転できる機能を付加し、要介護者を座シートに座ったままの状態で、肘掛け板上に乗せることができるようにした車椅子である(請求項2)。 【0022】更に、本発明の車椅子における車輪の後退機構が、図4のように体重を支持するフレームに取り付けられたガイドに沿ってスライドするベアリングにより、車輪が移動し、後退することができる機能を有した車椅子である(請求項4)。 【0023】 【実施例】図1は本発明の第1実施態様を示す図である。本発明の車椅子は、肘掛け板1を車椅子の搭乗者が座ったまま横方向に移動するための移動板として活用するものなので、搭乗者がこの板上に座った状態で横方向にスムースに移動できる事が必要である。 【0024】そのために本発明の車椅子の肘掛け板1は、以下の構成から成っている。 (1)通常は肘掛け板として使用されるが、移動板として利用する時はこの部分を図1(b)の様にスライド軸とともに上に引き上げる事ができ、その後、図1(c)の様にその軸を倒して、図1(d)の様に移動先と連結できる機構(2)搭乗者の体重を保持し、かつ肘掛け板の移動を誘導するスライド軸(3)肘掛け板がスライド軸上をスムースに移動できるスライド機構以下に本実施例において、上記機能を実現するための詳細な構成を示す。 【0025】スライド軸2には搭乗する人の体重がそのままかかる。そのため、スライド軸は、直径13mm、長さ600mmの中実で熱処理され、かつ表面にメッキを施された工具鋼の丸い棒鋼とし、片側の肘掛け板に2本づつ配置した。 【0026】肘掛け板1には搭乗者がその上に乗り、スムースに移動できる機能を持たせる必要がある。そのため、肘掛け板の材質は、強度が強く、軽量で、加工の容易なアクリル板(厚さ8mm)を使い、その表面には座り心地を良くするためのクッション材を貼付した。その大きさは搭乗者が安心して座れ、かつ肘掛け板としての作用も出来ることが必要なので、幅(肘掛け板の高さになる)225mm、長さ(板の奥行きとなる)375mmとした。そして、この肘掛け板の裏側には、ベアリングを内蔵してスムースに直線移動が可能となるよう図5の様なリニアーブッシュを図6の様に肘掛け板1に4個とり付けた。なお、車椅子を机やテーブルの下に入れることができるようにするため、この肘掛け板の形状は図1のように先端部を小さくしてもよい。 【0027】スライド軸の車椅子への取付と橋渡しのための転倒可能機構は、通常の使用状態では肘掛け板を図1(a)の様に垂直に立っているが、搭乗者を横移動する時には同図(b)の様にスライド軸を引き上げ、それを同図(c)の様に倒して、同図(d)の様に移乗先と連結できる上、搭乗者が移動する時にはその体重を保持できる様にスライド軸を保持できる機構が必要である。そのための具体的構造を図7に示す。すなわち、車椅子座席部の支柱10の一部に回転可能な支持柱11を図7の様に設置し、その支持柱11に連結ブラケット12を取り付け、この12の中にスライド軸を通す構造としたものである。以上の機構により、介助者が車椅子の車輪を後退させた後、図1(a)〜(d)の様に肘掛け板とともにスライド軸を引き上げ、移動先と連結する。その後、車椅子の搭乗者を肘掛け板1の上に動かし、肘掛け板1に乗った搭乗者を支えながら移動すると言うものである。なお、通常使用の場合は普通の車椅子と同様に、車輪は前方に出た状態で使用し、移乗車椅子として使用する時のみ車輪を後退させて使用する。 【0028】この結果、本発明により、女性一人の手で容易に車椅子の搭乗者をベッドへ移動させたり、ベッドから車椅子へ移動させることができるようになった。更に、図8の様な便座に近似した孔をあけた肘掛け板を用いることにより、搭乗者を車椅子からトイレへ、トイレから車椅子へ容易に移動させて、そのままの状態で用を達せさせることもできた。 【0029】本発明の第2実施態様を示す車椅子は、身体を動かすことが極めて困難な要介護者用の車椅子としたもので、図3の様に搭乗者を横移動できる状態にした後、座ったままの状態で搭乗者を肘掛け板上に簡単に移す機構を有す車椅子を目的としたものである。 【0030】その具体的操作は、図9に示す様に座シートを支持している回転支持軸5に取り付けたハンドル13を回転することにより、搭乗者が介助者に支えられている状態で肘掛け板上に移動すると言うものである。 【0031】そのための機構は前記図3の様に環状にした座シート4の両端に回転支持軸5を配置し、この回転支持軸5に同図のように座シート4を巻き付けたものである。なお、この座シート4の内側には図10の様にタイミングベルト14が、また回転支持軸5にはタイミングプーリー15が設置されている。そして、この回転支持軸5に取り付けるハンドル13を回すことにより、タイミングベルト14を介して搭乗者が座っている座シート4を回転し、搭乗者を座ったままの姿勢で肘掛け板上に移すと言うものである。なお、このハンドル13は、車椅子の通常の使用時は取り外しておくものとする。 【0032】本車椅子により、動くことが困難な要介護者を女性一人で容易に肘掛け板上に乗せることが可能となり、本願請求項1の機能により搭乗者をベッドへ移動させたり、ベッドから車椅子へ移動させることができるようになった。 【0033】なお、本実施例では回転支持軸5の回転を手動のハンドルで行ったが、小容量のモーターによる電気的駆動法を用いると、より容易に移動が可能となる。 【0034】図2は本発明の第3の実施態様を示したものである。すなわち、要介護者の移動先の範囲が狭かったり、その移動先と本車椅子のスライド軸の設置関係を微調整する必要が生じることがあるが、本発明の車椅子は、その場合にスライド軸を斜めにすることにより調整できる機能を持たせた車椅子に関するものである。すなわち、第1実施態様における車椅子のリニアーブッシュ9への取り付け部と、回転可能な支持柱11へのスライド軸の連結ブラケット12を左右に傾斜させることができる機構とすることにより、図2の様にスライド軸を斜めの状態で連結でき、かつ肘掛け板1もスムースにスライドできる機能を有した車椅子である。 【0035】そのために本発明の機構は、肘掛け板1へのリニアーブッシュ9の取り付け部を図11(b)の様な構造とし、かつ回転可能な支持柱11へのスライド軸の連結ブラケット12を図12の構造に変更したものである。すなわち、第1の実施態様の車椅子における肘掛け板1へのリニアーブッシュ9の取り付けは、図11(a)のようにリニアーブッシュ9を直接肘掛け板1に取り付けたものであるが、この機構ではスライド軸を斜めにすることが出来ないばかりか、この肘掛け板をスライド軸に沿ってスライドさせることはできない。そこで、スライド軸が斜めでき、かつその状態でリニアーブッシュのスライドがスムースにできる様に、同図(b)の様に肘掛け板1とリニアーブッシュ9の間にスラストベアリング16を設置し、両者を同図(b)の様に連結ボルト17を介して連結する。 【0036】また、スライド軸が左右に動ける機構は、座シートの支持柱11へのスライド軸の連結方法を図12(a)の様にしてすることである。すなわち、図12(a)は、回転可能な支持柱11へのスライド軸の取り付けを、図12(b)の公知の球面内輪を有するロッドエンド18で行うものであり、この球面内輪によりスライド軸が左右に傾斜してもこの球面内輪の回転でその動きを自由に行わせるものである。この結果、本実施例においては、スライド軸が左右に各々約20度斜めの状態になっても移動先と連結でき、かつ肘掛け板をスムースに移動することが可能になった。これにより、要介護者の移動先の範囲が狭かったり、その移動先の方向が本車椅子と多少ずれても、要介護者を問題なく移動させることが可能になった。なお、回転可能な支持柱11は図10の回転支持軸5と同一機能を有す軸であるが、回転支持軸5の先端にはハンドル13が取付可能な構造になっている点に相違がある。したがって、支持柱11をハンドル13が取付可能な構造とすれば、同一体となる。 【0037】図4に本発明の第4実施態様を示す。すなわち、本発明は車輪を後退できる車椅子である事を前提にしているが、従来の車椅子の車輪後退機構は、図13に示す様に車椅子の車輪を支持する支柱19を車椅子の背面支柱から出した支点20に固定して、その回転により車輪を後退させるものである。 【0038】しかし、従来法では図13に示したように車輪が固定された支点の回りを支柱19で設定された半径で回転するため、車輪の中心、すなわち、車椅子の高さはその回転にともない5〜10mm上にあがり、それからすぐ下がると言う具合に、上昇してすぐ下降すると言う不快感を与える。 【0039】そこで本発明はこの欠点を解決し、要介護者の横移乗をスムースにできるようにするため、車輪をガイドに沿ってスライドするベアリングにより、図4のように移動させる車椅子に関するものであり、以下にその実施例を用いてその内容を示す。すなわち、本発明の車輪の後退機構は図4の様に、体重を支持するフレームに片側につき2本のガイド6を取り付け、そのガイドに沿ってスライドするベアリング7を取り付けたプレート8に車輪を固定し、そのガイドに沿って車輪を前後に移動する機構の車椅子である。 【0040】 【発明の効果】以上、本願発明により、自分一人では立ち上がったり、歩いて身体を移動できない人を、女性一人の手で容易に車椅子からベッドへ移動させたり、ベッドから車椅子へ移動させることができるようになった。 【0041】また、便座に近似した孔をあけた肘掛け板を用いることにより、搭乗者を車椅子からトイレへ、トイレから車椅子へ容易に移動させて、そのままの状態で用を達せさせることもできるようになった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】594072557 【氏名又は名称】財団法人東予産業創造センター
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| 【出願日】 |
平成11年9月21日(1999.9.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−87319(P2001−87319A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月3日(2001.4.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−305924 |
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