| 【発明の名称】 |
保育器の臥床架昇降装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】若林 啓介
【氏名】関 辰彦
【氏名】松原 一雄
|
| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】ベース22に取付けられたリンク機構を介して支持される臥床架は、リンク機構の原節アーム26を駆動手段34により移動させることによって昇降する。そして、駆動手段34は、フランジ部42を有する筒状部材48と、この筒状部材48内に移動自在収容されるとともに、原節アーム26に連結されたロッド36と、このロッド36の第1ネジ部50がネジ込み結合されている第2ネジ部57を有するとともに、フランジ部42を挾み込んだ状態で回転自在に支持された操作手段18bとを備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】ベースに取付けられたリンク機構を介して臥床架を支持するように構成され、前記リンク機構の原節アームを駆動手段により移動させることによって前記臥床架を昇降させるように構成され、前記駆動手段は、前記ベースに取付けられるとともに、フランジ部を有する筒状部材と、この筒状部材内に移動自在に収容されるとともに、その前部に第1ネジ部が形成されかつその後部が前記原節アームに連結されたロッドと、前記第1ネジ部がネジ結合されている第2ネジ部を有するとともに、前記フランジ部を挟み込んだ状態で回転自在に支持された操作手段とを備えたことを特徴とする保育器の臥床架昇降装置。 【請求項2】ほぼ前後方向に延びるベースと、ほぼ垂直な仮想面に沿って回動し得るようにこのベースの後部附近にその一端が軸支された第1アームと、その一端がほぼ前後方向に移動し得るように前記ベースの前部に支持されるとともに、ほぼ垂直な仮想面に沿って回動し得るようにその中間部が前記第1アームの中間部に軸支された第2アームと、前記第1アームの他端および前記第2アームの他端を介して支持された臥床架を前記第2アームの一端をほぼ前後方向に移動させることによって昇降移動させる駆動手段とを備え、前記駆動手段は、ほぼ前後方向に移動し得るように前記ベースの前部にほぼ前後方向に延びる状態で取付けられるとともに、フランジ部を有する筒状部材と、この筒状部材内にほぼ前後方向に移動自在に収容されるとともに、その前部に雄ネジが形成されかつその後部が前記第2アームに連結されたロッドと、前記雄ネジがネジ込まれた雌ネジを有するとともに、前記フランジ部を挟み込んだ状態で回転自在に支持された操作手段とを備えていることを特徴とする保育器の臥床架昇降装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、保育器内で乳幼児を寝かせるマットレスを載せる臥床架の高さを調整するための保育器の臥床架昇降装置に関する。 【0002】 【従来の技術】このような臥床架昇降装置としては、乳幼児を寝かせるマットレスを載せる臥床架を種々の高さに調整したり傾斜させたりするために、例えばW状に配置された2組の回動アームおよびウォームギア装置を用いたもの(本出願人によって出願された特願平9−260921号)ならびにハサミ状のアームおよびネジナット装置を用いたもの(特開平2−198555号公報)がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような臥床架を上下動させるウォームギア装置およびネジナット装置は、通常、ギアの部分およびネジ山の部分が露出している。したがって、これらの部分を定期的に清拭するときには、ギアの溝の底あるいはネジ溝の底に堆積した異物が完全に拭き取れないために、消毒を完全に行えない恐れがある。 【0004】本発明は、前記事情に鑑み、ネジの部分をほぼ完全に覆って清拭および消毒をきわめて容易かつきわめて確実に行えるようにした保育器の臥床架昇降装置を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の1つの観点によれば、保育器の臥床昇降装置は、ベースに取付けられたリンク機構を介して臥床架を支持するように構成され、前記リンク機構の原節アームを駆動手段により移動させることによって前記臥床架を昇降させるように構成され、前記駆動手段は、前記ベースに取付けられるとともに、フランジ部を有する筒状部材と、この筒状部材内に移動自在に収容されるとともに、その前部に第1ネジ部が形成されかつその後部が前記原節アームに連結されたロッドと、前記第1ネジ部がネジ結合されている第2ネジ部を有するとともに、前記フランジ部を挟み込んだ状態で回転自在に支持された操作手段とを備えている。また、本発明の別の観点によれば、保育器の臥床架昇降装置は、ほぼ前後方向に延びるベースと、ほぼ垂直な仮想面に沿って回動し得るようにこのベースの後部附近にその一端が軸支された第1アームと、その一端がほぼ前後方向に移動し得るように前記ベースの前部に支持されるとともに、ほぼ垂直な仮想面に沿って回動し得るようにその中間部が前記第1アームの中間部に軸支された第2アームと、前記第1アームの他端および前記第2アームの他端を介して支持された臥床架を前記第2アームの一端をほぼ前後方向に移動させることによって昇降移動させる駆動手段とを備え、前記駆動手段は、ほぼ前後方向に移動し得るように前記ベースの前部にほぼ前後方向に延びる状態で取付けられるとともに、フランジ部を有する筒状部材と、この筒状部材内にほぼ前後方向に移動自在に収容されるとともに、その前部に雄ネジが形成されかつその後部が前記第2アームに連結されたロッドと、前記雄ネジがネジ込まれた雌ネジを有するとともに、前記フランジ部を挟み込んだ状態で回転自在に支持された操作手段とを備えている。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明による一実施例の保育器を斜め上方前側から見た概略斜視図である。また、図2〜図4において、図1で説明した部材と対応する部材には、それぞれ同一の符号を付してある。 【0007】図1において、保育器のほぼ直方体の基台12は、乳幼児に供給する空気の温度、湿度、酸素濃度などを調整する空気調整装置を内蔵している。この基台12上には保育室14が取付られ、これら基台12および保育室14間には仕切板としての中床15(図3参照)が着脱自在に取付けられている。また、保育室14は、周囲四方および天井がアクリル樹脂などの透明なフード16から形成され、掃除用などに例えば60度回動できるように基台12の後部に蝶番付けされている。 【0008】この保育室14内には、図1に示すように、乳幼児を寝かせるマットレスを載せる臥床架17と、この臥床架17の左側および右側の高さが左側ハンドル(すなわち、左側操作手段)18aおよび右側ハンドル(すなわち、右側操作手段)18bによって個別に調節可能な左側昇降装置19aおよび右側昇降装置19b(図1では概略的に図示)とが設けられている。これらの昇降装置19a、19bは、中床15にネジ13(図3参照)により着脱自在にネジ止めされることによって、昇降装置19a、19b上に着脱自在に取付けられた臥床架17の下方に着脱自在に取付けられている。したがって、ネジ13をゆるめて昇降装置19a、19bを中床15から取外すことによって、昇降装置19a、19bは容易に清拭および消毒することができる。 【0009】さらに、フード16の前面には、乳幼児への看護婦のアクセスあるいは医療機器の取付けの際に開閉される手入れ窓20のための透明ドア20が蝶番(図示略)などで取付けられている。フード16の前記手入れ窓には、透明ドア20の閉塞時にこれらの手入れ窓の周辺で透明ドア20に密着してこれらの手入れ窓の部分で保育室14を密封するシリコンゴムなどの密封材(図示せず)が設けられている。 【0010】図2は、臥床架17を最下位置に保持している状態での右側の昇降装置19bの内側(すなわち、保育器14の中心側)から見た概略斜視図であり、図3は、臥床架17を最上位置に保持している状態での右側の昇降装置19bの外側(すなわち、保育室14の中心とは反対側)から見た概略斜視図である。これらの図2および図3に示すように、昇降装置19bは、中床15にネジ13(ボルトおよびナットなどの他のネジ込み固定具でもよい)で取外し自在に固定されてほぼ前後方向にかつほぼ水平に延びる細長いベース22を備えている。このベース22は、長さ方向と直交する方向における縦断面が角のとれた長方形のアルミニウム製のほぼ中実の部材である。そして、このベース22の表面にはアルマイト加工が施されるとともに、その底面の前部および後部には少なくとも2つのネジ穴またはタップ穴11が設けられている。そしてこれらのネジ穴またはタップ穴11にネジ13がネジ込まれている。 【0011】このベース22の後部の内側側面(すなわち、左側の側面)には、ほぼ前後方向に傾斜して延びる第1アーム24の一端(すなわち、下端)が軸支部25によってほぼ垂直な仮想面に沿って回動し得るように軸支されている。一方、ベース22の前部には、ほぼ前後方向に傾斜して延びる第2アーム26の一端(すなわち、下端)がほぼ前後方向に移動または摺動し得るように係合している。この第2アーム26の中間部は、スペーサ兼用の軸支部28によって前記第1アーム24の中間部にほぼ垂直な仮想面に沿って回動し得るように軸支されている。 【0012】このために、ベース22の前部附近には、ほぼ前後方向に延びかつほぼ左右方向に貫通しているスロット30が形成されている。また、このスロット30には、第2アーム26の前記一端に取付けられたコロ形状の連結部32が摺動自在に嵌合している。この第2アーム26の前記一端には、駆動手段34のロッド36が結合されている。そして、第2アーム26の前記一端がほぼ前後方向に移動することによって、第1アーム24の他端(すなわち、上端)および第2アーム26の他端(すなわち、上端)に取付けられたレール部材38上に着脱可能に取付けられた臥床架17が上下動または昇降する。したがって、臥床架17は、第1アーム24および第2アーム26からなるリンク機構27とレール部材38とを介してベース22に支持されている。そして、第2アーム26はこのリンク機構27の原節アームを構成し、第1アーム26はこのリンク機構27の従節アームを構成している。なお、リンク機構27は必ずしも2本のアーム24、26からなっている必要はなく、3本、4本またはそれよりも多い本数であってよい。 【0013】連結部32にはロッド36の後端部が連結され、この連結部32には第2アーム26の前記一端が軸支されている。また、第2アーム26の前記他端は、内側に突出した軸支部37によってレール部材38の後部に回動可能に軸支されている。そして、第1アーム24の前記他端は、ほぼ前後方向に延びかつほぼ左右方向に貫通するようにレール部材38の前部に設けられたスロット40に摺動自在に係合しているスペーサ兼用の連結部39に回動自在に軸支されている。なお、レール部材38の外側面の中間部から後端にかけて条溝41が形成され、この条溝41には臥床架17の係合爪(図示せず)が係合している。そして、レール部材38上の臥床架17を前方に引き出したときに、前記係合爪が条溝41の前端面に当接することによって臥床架17の最大引き出し位置が規定される。 【0014】駆動手段34は、図4に示すように、ベース22の前端に開口するようにベース22にほぼ前後方向に延びる状態で形成された穴44に嵌合されて例えばネジ46によって固定されたステンレス製の筒状部材48を備えている。そして、この筒状部材48は、ベース22の前方に位置するフランジ部42を有している。このフランジ部42には、ほぼ前後方向に延びる貫通孔43が形成されている。したがって、ロッド36は、フランジ部42の貫通孔43内にほぼ前後方向に移動自在に収容され、その前部には左螺子の雄ネジ50が、その後部には円柱部52がそれぞれ形成されている。この円柱部52の後端は、連結部32に形成された穴52(この穴52は連結部32の軸線とほぼ直交する軸線を有している)に差し込まれてネジなどにより固定されているので、第2アーム26の前記一端に間接的に連結されている。 【0015】フランジ部42は、ほぼ円筒状の部分42aと、この円筒状部分42aの前端に一体に連設されたツバ状部分42bとからなっている。そして、このフランジ部42には、そのツバ状部分42bを挟み込んだ状態で操作手段(すなわち、操作つまみ)18bが回転自在に支持されている。この操作手段18bは、貫通孔43および雄ネジ50とほぼ同軸に形成されたネジ穴(すなわち、雌ネジ)57を有する円柱部材(すなわち、インサート金具)58を含んでいる。したがって、この円柱部材58の後面には、ネジ穴57にほぼ同軸に配置されるとともにフランジ部42の前端のツバ状部分42bの厚さ分凹んでいてフランジ部42のツバ状部分42bを収容するリング状の収容溝60が例えば切削によって形成されている。このフランジ部42のツバ状部分42bは、ネジ64で固定されている締付け部材62と円柱部材58とによって挟み込まれている。そして、円柱部材58および締付け部材62はそれらの軸心のまわりにフランジ部42に対して回動可能になっている。 【0016】67はラジアル軸受であり、68はラジアル軸受部68aとスラスト軸受部68bとを有する軸受である。また、69は円柱部材58に嵌合された外側カバー部材であって、この外側カバー部材69はネジ穴57の前端を閉塞している。この外側カバー部材69は、全体が同一の材質であってもよいが、図示の実施例の場合には外周部分がゴム製で中央部分が金属製である。そして、この中央部分を円柱部材58に接着することによりネジ穴57の前端の液密性を高めている。 【0017】上述のようにネジ64で締付け部材62を固定する代わりに、円柱部材58の後面の外周囲に締付け部材62のほぼ厚さ分だけリング状突出壁を形成し、この突出壁の内周面に雌ネジを切って、リング状の締付け部材62の外周面に形成した雄ネジをこの雌ネジにネジ込むようにしてもよい。あるいは、円柱部材58の後面側の外周面(特に、後面側のみを径小にして形成したリング状部分の外周面)に雄ネジを形成し、カップ状に構成した締付け部材62の内周面に形成した雌ネジにこの雄ネジをネジ込むようにしてもよい。 【0018】図4に示す状態において操作つまみ18bを手でつかんで回動させると、ロッド36の雄ネジ50が円柱部材58のネジ穴57から次第にネジ戻されるので、ロッド36は図4の左側から右側へと次第に移動する。そして、ついには図4の2点鎖線で示すように雄ネジ50がネジ穴57とのネジ結合を解除するので、操作つまみ18bが空廻りするようになる。このために、連結部32、ひいては第2アーム26が必要以上に往動してリンク機構27などを損傷させるおそれがない。なお、第2アーム26、ひいてはロッド36は、乳幼児、マットレス、臥床架17などの重量により復動方向に付勢されている。したがって、操作つまみ18bを上述の場合とは逆の方向に回動させると、雄ネジ50がネジ穴57にただちにネジ込まれるので、ロッド36は図4の右側から左側へと次第に移動する。 【0019】なお、左側に配置された昇降装置19aは、右側に配置された昇降装置19bと鏡像のような関係で対称に構成されていてよいが、操作つまみ18bの回転方向に対する臥床架17の上昇方向は同一になるように、ネジ溝50には順ネジ(左螺子)が切られているのが好ましい。そして、臥床架17がほぼ水平な状態にあるときに、左側および右側操作つまみ18a、18bのうちの一方のみを回転させると、臥床架17を左右方向に傾斜させることもできる。ロッド36には、雄ネジ50の領域および円柱部52の領域が一体に形成されているが、雄ネジ50と円柱部52とを別々の部材で構成してもよい。 【0020】 【発明の効果】本発明による保育器の臥床架昇降装置によれば、ネジの部分を露出させないようにほぼ完全に覆うことができるので、清拭および消毒をきわめて容易かつきわめて確実に行うことができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】390022541 【氏名又は名称】アトムメディカル株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年9月7日(1999.9.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065950 【弁理士】 【氏名又は名称】土屋 勝
|
| 【公開番号】 |
特開2001−70372(P2001−70372A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月21日(2001.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願平11−253638 |
|