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【発明の名称】 介護用車椅子から自動車への移乗装置
【発明者】 【氏名】石岡 繁雄

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】進行方向に対して外方向約45度に固定可能な肘掛腕と着脱容易な差し込み用便器とを有する介護用車椅子の、身障者が座るべき座に、中央に排泄孔を有する車椅子側移乗用座を装着し、移乗すべき自動車の移乗する座には自動車側移乗用座を装着し、前記車椅子側移乗用座と自動車側移乗用座の地上からの高さをほぼ等しくなし、前記車椅子側移乗用座の前記自動車側に中間ブリッジを丁番で結合し、前記自動車側移乗用座の前記中間ブリッジ側には丁番で助手席ブリッジ側板を結合し、前記中間ブリッジと前記助手席ブリッジ側板とは互いに上下に重なり得るようになし、且つ前記車椅子側移乗用座、自動車側移乗用座、中間ブリッジ、及び助手席ブリッジ側板の表面をほぼ水平に、且つ滑らかになし、前記車椅子側移乗用座の上には、中央に排泄孔を有し、周囲に回転自在な回転輪を配設した円形の移動板を設け前記車椅子側移乗用座と移動板の、それぞれの排泄孔が上下一致する位置で固定し得るようになしたことを特徴とする介護用車椅子から自動車への移乗装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】障害者の生活の質の向上【0002】
【本発明の目的】従来、身障者を車椅子から自家用の自動車に移乗させて家族と外出(特に遠出)するには、次の困難があった。すなわち、身障者が自動車に移乗するためには、かなり強力な介助者の援助か、もしくは自動車の改装が必要である。又外出中便意を催したとき、近くに身障者用トイレがない場合とか、もしあったとしても、自動車とトイレとの往復に困難がある。本発明の目的は、本出願人が発明した身障者の介護に関するもの、(平成7年特許願第267603号、平成10年特許願第161294号、及び平成10年特許願第292752号、以下関連発明と記す)に今回発明した自動車への移乗装置(以下、今回の発明と記す)を加えることによって前記の困難を解消し、比較的少ない経済的負担によって身障者の自動車による遠出を容易にすることである。
【0003】
【実施例】図に基づいて、まず関連発明に係わる介護用車椅子の構成について、次に今回の発明に係わる自動車への移乗装置の構成について記す。関連発明になる介護用車椅子1は身障者を保持する身体保持具2とそれが乗る台車3とからなる。身体保持具は座受け枠4と、その上に着脱容易に装置され中央に排泄孔5を有する座6と、座受け枠とそれぞれ丁番で結合する背もたれ7及び足のせ板8とからなる。身体保持具と台車は容易に着脱出来る。又身体保持具は、それをベットの上に置くときには平坦な1枚の板のようになり、椅子の上に置くときは、背もたれ、座受け枠、及び足のせ板は図1のように折れ曲がり、又入浴のため浴槽に入るときは浴槽の形に、それぞれほぼ自動的に変化する。次は台車3について記す。9は前部支持柱(2個)、11は後部支持柱(2個)で、いずれも下部にはキャスター12が装着している。また後部支持柱は二重のパイプとなっており、内パイプは手押棒13で上端には把手14が固着している。又外パイプにはカギ型の溝が刻まれ、内パイプにはその溝に嵌合する突起が固着し(溝、突起の図面無し)内パイプを90度ほど回して上方へ抜き取ることが出来る。20は背もたれ止めで外パイプに固着する。15は下部前方梁、16は上部前方梁、17は上部後方梁、18は下部側方梁(2個)、19は段差杆。21は上部側方梁(2個)で身体保持具の座受け枠4を支える。介護用車椅子を後進させるとき、身体保持具の座の排泄孔5を洋式トイレの排泄孔に重ねることが出来る。22は自力排泄用の肘掛腕で外筒23と内筒24からなり、外筒は上部側方梁21に固着する。外筒には二条の縦の短い溝25と長い溝26が刻まれ、2条の短い溝の中心角は約45度である。又内筒には溝に嵌合する突起27が固着する。内筒は垂直部28と水平部29からなり水平部の先には握り部30が固着する。内筒を操作することによって水平部は方向を変えるがその方向は、介護用車椅子の進行方向と、それより外側へ約45度である。内筒の突起27を長い溝に嵌合させれば、内筒すなわち肘掛腕を上部に抜き取ることが出来る。図2は肘掛腕を45度外側に回した状態である。尚身体保持具の座6には排泄孔があるが、この座は入浴時(排泄孔から臀部を洗う)と、排泄時に用い、身体保持具を例えば畳の上に置いて座椅子として使用するときには排泄孔のない座と交換し外出、特に遠出のときは後述のごとく車椅子側移乗用座と交換する。77は差込用便器で例えば自動車に乗って外出中、便意をもよおしトイレでの用便が間に合わないとき等に用いる。外出の場合介護者は介護用車椅子を自動車のトランクから出し、身障者を介護用車椅子に移して後記方法で用便をする。差込用便器は、用便の時の音が小さくなるよう、やや縦長で底辺が小さくなっている。78は把手。79は便器受器で、上部前方梁と2個の上部側方梁に吊り下げられており介護用車椅子とは着脱容易である。次に今回発明の、自動車への移乗装置の構成について記す。32は移乗すべき自動車で図4は介助者(通常、介助者は家族で、運転手も兼る)が介護用車椅子1を移動させ自動車の助手席33(客席でも良い)に接近させた状態を示す。34は自動車のドアー。35は運転席。36はハンドル。37は客席である。38は助手席の上に装着した本発明に係わる表面が摩擦の大きな助手席補助具で、上部はほぼ水平である。39は助手席補助具の上に装着した助手席ブリッジで助手席補助具と助手席ブリッジを合わせて自動車側移乗用座40という。42は中央に排泄孔41を有する車椅子側移乗用座で車椅子側移乗用座と自動車側移乗用座の地上からの高さをほぼ等しくする。後者が前者より高いときは後述の介護用車椅子上下装置、(図9)によって介護用車椅子を持ち上げる。43は車椅子側移乗用座の助手席側に、上下180度に回転する丁番44で結合した中間ブリッジで、中間ブリッジは矢印のように上方に位置した状態で停止しうるよう結合片45(図6)を有し、又手押棒13には結合片と結合する止め具46を有する。47は助手席ブリッジ39の介護用車椅子側に丁番48で結合した助手席ブリッジ側板で、助手席補助具38の上に位置し、かつ中間ブリッジ43の端とは互いに上下に重なりうる。車椅子側移乗用座42、中間ブリッジ43、助手席ブリッジ側板47、及び助手席ブリッジ39はいずれも表面が滑らかである。又49は円形の移動板で中央に排泄孔50を有し、周囲には、どの方向にも軽転自在なボールキャスター51が配設する。60はボールキャスター保持板で上部には身障者の臀部に柔らかく接触するためのクッションを装着する。又把手52を固着する。53は脱落防止枠で移動板が脱落するのを防止する。54は移乗用座の脱落防止枠に装着した結合杆で必要に応じて移乗用座と移動板を、排泄孔41と50とが一致した状態に固定しうる。55は介護用車椅子上下装置で車椅子側移乗用座42の地上からの高さが助手席の高さより低いとき、これによって高さを等しくする。その場合はこれを自動車のトランクに入れて介護用車椅子と共に運ぶ。56は市販のジャッキで、ジャッキ台車57の上に固定され、ハンドル58によってジャッキの天板59が上下する。ジャッキ台車は下端にキャスター62を固定した6本の支柱61によって支えられる。63はストッパー、ジャッキの天板59の上には介護用車椅子受板64が装着する。65は介護用車椅子受板の前後に固着した止め爪で、介護用車椅子上下装置55を介護用車椅子1の後方から差し込みハンドルで介護用車椅子受板64を上昇させ、これらの止め爪を、介護用車椅子の前部上方梁と後部上方梁にかけて介護用車椅子を持ち上げる。66は補強用角パイプ、67は受板動揺防止装置で外筒68とスライド可能な内筒69からなる。外筒はジャッキ台車57に固着し内筒の上部は介護用車椅子受板64に固着する。次に本装置の動作を説明する。ベットに横たわる身障者を台車に乗せる動作を記す。平素、ベットは部屋の壁面に沿って置かれており、身体保持具は伸ばしてベットの上に壁面に沿って立て掛けてある。介助者はベットの壁面と反対側に立ち、又台車3を介助者の横に置く。身障者は、ベットの中央に背臥位で横たわる。身障者をベットから台車に移すには介助者は身障者を、手前側へ90度ほど回転させて側臥位とする。次に身体保持具を手前(ベットの中央)へ倒し、外出時以外で使う座6と自動車に乗って外出のための車椅子側移乗用座42と交換しその上へ移動板49を乗せ身障者に押しつけ身障者を倒して、移動板の上に乗せる。次にリフトで身体保持具を吊り上げ、台車3の上方に動かし、下げて台車3に乗せる。又身障者を側臥位から移動板の上へ移して背臥位とするとき、車椅子側移乗用座と移動板の厚さが大きいとき、背臥位としにくい。このとき長さは臀部から首に至る長さ、巾はほぼ背の巾、厚さは車椅子側移乗用座と移動板の厚さの半分ほどの側臥位変換補助具を用意し、背臥位から側臥位にするとき、まずその上に乗せ次に移動板の上に乗せる。身障者を介護用車椅子に乗せて移動するとき、中間ブリッジを下に垂れ下げておくが自動車への移乗に際しては、中間ブリッジ側の肘掛腕を外して、中間ブリッジを上へ上げ結合片45を止め具46に結合する。又自動車のドアー34を開き助手席の上に自動車側移乗用座を装着し、介護用車椅子1を助手席33に近づける。介護用車椅子の停止する位置を、中間ブリッジを倒したとき、中間ブリッジの助手席側が助手席ブリッジ側板の上に重なる位置に調整する。次に介助者は身障者の身体を30度ほど自動車の内側に向けて回転させ(ボールキャスターのため容易である)身障者の足を助手席の床の方向へ足首から移し身障者の頭を低めて(通常、自動車の入り口の高さが低く、背の高い身障者には、この動作が必要となる)身障者を助手席側に押す。身障者はボールキャスターのため容易に助手席に移動する。この移動は自動車に乗っている人の重さによる助手席の高さの変化にはほとんど影響されない。身障者の体重は円形の移動板49の周縁に配設したボールキャスターに分散されるため移動に際して一部のボールキャスターが排泄孔に落ち込んでも、移動板の動きは滑らかである。次に介護用車椅子を自動車から離せば、中間ブリッジは下へ下がる。介護用車椅子から手押棒5と肘掛腕を外して自動車のトランクに収める。自動車から介護用車椅子に移すには、中間ブリッジを倒すとき、助手席ブリッジ側板が中間ブリッジの上に重なるようにする。ボールキャスターは高い方から低い方へは動くが、その逆へは動きにくいからである。把手52を引っ張れば、身障者は容易に介護用車椅子に移る。身障者の緊急時の用便は、身障者が移乗用座の上の移動板に腰掛けまま下記の方法で用を足す。このとき車椅子側移乗用座42と移動板49を結合杆54によって排泄孔41と50を上下一致させて固定する。又、その排便を外部に隠すため、かくし布を装着出来るようにしても良い。通常、身障者に限らず用便をする場合には予めパンツ、ズボン等を膝まで下ろして、洋式便器に腰掛けるが、本装置を用いれば、パンツ、ズボンをはいたまま便器に腰掛け、その後パンツ、ズボン等を膝まで下げて用便が出来る。次のように行う。身障者又は介助者は左右の肘掛腕を45度外側に回して固定する。次に例えば身障者は左手で左側の肘掛腕の握り部30を握り、腕を水平部29に乗せ身体を左に傾け肘掛腕に寄りかかり、右側の臀部を座から数センチ上へ離し、右手を右側の臀部の後ろに回して、パンツ等をある程度下げる。次に同様にして身体を右側に傾け、左手でパンツ等をある程度下げる。次にこれを繰り返す。通常、2回目で膝まで下げることが出来、排泄が可能となる。もしも肘掛腕を回転させず、又握り部が無かったならば、身体を傾けたとき不安定となり、パンツ等を下げる動作が満足に行えない。
【0004】
【発明の効果】■介護用車椅子から自動車への、又その逆の移乗が、自動車を改装する事なく、又介助者1名のわずかな労力で可能であること。■前記の介護用車椅子は小型のため自動車のトランクに収めることが出来、且つ身障者が介護用車椅子に腰掛けたまま用便が出来るので、外出先での緊急の用便が確実に短時間で可能であること。■従って、身障者の自動車での遠出が容易である。
【出願人】 【識別番号】000197713
【氏名又は名称】石岡 繁雄
【出願日】 平成11年7月22日(1999.7.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−29394(P2001−29394A)
【公開日】 平成13年2月6日(2001.2.6)
【出願番号】 特願平11−240286