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【発明の名称】 吸収性物品
【発明者】 【氏名】吉政 渡

【要約】 【課題】従来の吸収性物品では、膣口に対する密着度を高めるのに限界があった。また着用者に異物感を生じさせやすかった。

【解決手段】表面シート5と吸収コア3との間に液透過層4を設ける。液透過層4は、捲縮繊維を有する網目状シートで形成されている。この液透過層4は、嵩高で高いボリューム感を得ることができるため、高い密着度を得ることができる。また液透過層4は、空隙率が極めて高いので、肌にやさしく、より柔かい感じを与える。よって、異物感のない生理用ナプキンを得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持シートと、前記支持シート上に設けられた液吸収層と、前記液吸収層の受液側表面を覆う液透過性の表面シートとを有する吸収性物品において、前記液吸収層と前記表面シートとの間に液透過層が設けられ、前記液透過層は、外力を与えない自然状態で捲縮状態となる捲縮繊維が互いに連結され且つ捲縮繊維間に空隙が形成された捲縮繊維層で形成されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】 支持シートと、前記支持シート上に設けられた液吸収層と、前記液吸収層の受液側表面を覆う液透過性の表面シートとを有する吸収性物品において、前記液吸収層は、外力を与えない自然状態で捲縮状態となる捲縮繊維が互いに連結され且つ捲縮繊維間に空隙が形成された捲縮繊維層と、液吸収材とで形成されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項3】 前記液吸収材は、液吸収性繊維と吸収性樹脂の少なくとも一方であり、前記液吸収材が前記捲縮繊維層の前記空隙内に埋設されている請求項2記載の吸収性物品。
【請求項4】 前記捲縮繊維層は、MFR(メルトフローレート)の異なる複数の樹脂層を積層したラミネートフィルムを網目状に割裂したものである請求項1ないし3のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項5】 前記捲縮繊維層は、前記捲縮繊維を交叉部分で接合して網目状に形成したものである請求項1ないし3のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項6】 前記捲縮繊維の断面形状は、厚みよりも幅寸法が大きく、前記厚みが10〜100μm、前記幅が10〜500μmであり、外力を与えない自由状態のときの前記捲縮繊維の捲縮外径寸法の最大値が0.3mm〜20mmである請求項1ないし5のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項7】 前記捲縮繊維層は、それ自体の厚みが3〜30mmであり、前記寸法の捲縮繊維層のみに対して吸収性物品の長手方向へ50%の引張り歪を与えたときの、25mm幅当りの収縮張力が50mN以下である請求項1ないし6のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項8】 前記液吸収層と前記液透過層と前記表面シートとが積層されたものに対し、前記表面シートを5mm押込むのに必要な押圧荷重が、10mmφの面積当たり150mN以下である請求項1記載の吸収性物品。
【請求項9】 前記5mmの押込み力を解除したときの前記押圧部分の嵩高回復率が40%以上で100%以下である請求項8記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨ておむつ等の吸収性物品に係わり、特に圧迫感が少ない反面、フィット性に優れた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】近年、排泄物を吸収させるため、生理用ナプキン、パンティライナー、尿取りパッド、使い捨ておむつなどの吸収性物品が多く使用されている。これらの吸収性物品は、一般に、装着者側に向けられる液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、表面シートと裏面シートとの間に挟まれる液吸収層で構成される。前記表面シートは、直接肌に接触するものであるため、触った感触がより柔かなものが好ましい。特に吸収性物品が生理用ナプキンである場合には、前記表面シートは膣口から経血などの排泄液を直接受ける部分でもあるので、表面シートと膣口との間の密着性を高め、この間の液漏れを防止する必要がある。
【0003】しかし、女性の膣口付近の形状は複雑であり且つ個人差が大きいため、予め密着度が高くなるような特定の形状に形成しておくことが難しい。
【0004】そこで、従来の生理用ナプキンには、例えば特開平5−200065号に示すように表面シート上に細かな凹凸パターンを付けたものが開発されている。しかしながら、これら表面シートに凹凸パターンを設けたのものでは、凸部どうし及び凹部どうしがほぼ一定の嵩高寸法で揃っているため、表面シートと膣口との間の密着度を高めるには限界がある。
【0005】また、例えば特表平10−512168号公報に記載されているように、吸収コアに発泡体を用いたものも存在する。しかし、一般に発泡体の強度(圧縮撓み)は比較的大きく反発性も高いため、肌に与える刺激(抵抗又は負荷)が強くなり過ぎ着用者に異物感を与えやすいという問題がある。
【0006】本発明の目的は上記課題を解決するためのものであり、例えば女性性器の形状に対応して変形し、膣口付近の密閉性を高めて排泄液が漏れにくいようにした吸収性物品を提供することにある。
【0007】また本発明の他の目的は、前記女性性器や幼児の臀部などに対し柔和で肌にやさしく密着できる吸収性物品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持シートと、前記支持シート上に設けられた液吸収層と、前記液吸収層の受液側表面を覆う液透過性の表面シートとを有する吸収性物品において、前記液吸収層と前記表面シートとの間に液透過層が設けられ、前記液透過層は、外力を与えない自然状態で捲縮状態となる捲縮繊維が互いに連結され且つ捲縮繊維間に空隙が形成された捲縮繊維層で形成されていることを特徴とするものである。
【0009】また本発明は、支持シートと、前記支持シート上に設けられた液吸収層と、前記液吸収層の受液側表面を覆う液透過性の表面シートとを有する吸収性物品において、前記液吸収層は、外力を与えない自然状態で捲縮状態となる捲縮繊維が互いに連結され且つ捲縮繊維間に空隙が形成された捲縮繊維層と、液吸収材とで形成されていることを特徴とするものである。
【0010】この場合、前記液吸収材は、液吸収性繊維と吸収性樹脂の少なくとも一方であり、前記液吸収材が前記捲縮繊維層の前記空隙内に埋設されているものが好ましい。
【0011】例えば、前記捲縮繊維層は、MFR(メルトフローレート)の異なる複数の樹脂層を積層したラミネートフィルムを網目状に割裂した網目状シートから成る。
【0012】あるいは、前記捲縮繊維層は、前記捲縮繊維を交叉部分で接合して網目状に形成したものであってもよい。
【0013】また、前記捲縮繊維の断面形状は、厚みよりも幅寸法が大きく、前記厚みが10〜100μm、前記幅が10〜500μmであり、外力を与えない自由状態のときの前記捲縮繊維の捲縮外径寸法の最大値が0.3mm〜20mmであることが空隙率を得る上で好ましい。
【0014】例えば、前記捲縮繊維層は、それ自体の厚みが3〜30mmであり、前記寸法の捲縮繊維層のみに対して吸収性物品の長手方向へ50%の引張り歪を与えたときの、25mm幅当りの収縮張力が50mN以下である。
【0015】また、前記液吸収層と前記液吸収層と前記表面シートとが積層されたものに対し、前記表面シートを5mm押込むのに必要な押圧荷重が、10mmφの面積当たり150mN以下であることが好ましい。
【0016】この場合、前記5mmの押込み力を解除したときの前記押圧部分の嵩高回復率が40%以上で100%以下であることが好ましい。
【0017】本発明の吸収性物品での液透過層は、捲縮繊維(クリンプフィラメント)の集合体であるが、この捲縮繊維をその繊維長方向が受液面に沿う方向へ向けると、捲縮外径方向が前記受液面に対して高さ方向に向けられる。捲縮繊維を前記繊維方向へ引張るときに必要な力が非常に小さいため、吸収性物品を体型に合わせて湾曲させたときの復元力(スプリングバック力)が小さい。また受液面からの高さ方向には捲縮繊維の捲縮外径方向が向けられるが、この方向に対しては非常に小さい弾性率の弾性を呈するため、表面シートは膣などの形状に合わせて変形しやすく、しかも変形するときの弾性反力が小さいので、膣などに対する加圧力が小さい。よって装着感に優れ、しかも密閉性の高いものとなる。
【0018】さらに前記捲縮繊維は捲縮部分に沿って表面シートから液吸収層へ体液を誘導する機能を持っているため、表面シートを透過した体液を速やかに液吸収層に導くことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照して説明する。
【0020】図1は、本発明における吸収性物品の実施の形態として生理用ナプキンを示す斜視図、図2は図1に示す生理用ナプキンのII−II線の幅方向の断面図、図3は生理用ナプキンの他の実施の形態を示す斜視図、図4は図3のIV−IV線の断面図、図5および図6は、捲縮繊維で形成された網目を拡大した斜視図である。
【0021】図1および図2に示す生理用ナプキン1では、第1層に、支持シートとなる液不透過性のバックシート2が設けられている。前記バックシート2の上部側の第2層には液吸収層として吸収コア3が設けられ、さらにその上の第3層に捲縮繊維で形成された液透過層(捲縮繊維層)4が設けられている。また液透過層4の上部の最上層(第4層)には、液透過性の表面シート5が設けられており、前記第1層のバックシート2の周囲と最上層の表面シート5は前記吸収コア3の周囲において互いに接合されている。
【0022】前記バックシート2は、例えば、通気性を有するPE(ポリエチレン)フィルム、液不透過性または疎水性の不織布、不織布とフィルムとのラミネート材などである。吸収コア3は、例えば粒状のパルプなどの液吸収性繊維ウエッブ、前記繊維ウエッブに高吸水性ポリマーが混合されたもの、さらに前記繊維ウエッブがティッシュなどの液透過性シートで包まれたもの、粒状または繊維状の高吸水性ポリマー層、または前記高吸水性ポリマーがティッシュなどの液透過性シートで包まれたもの、あるいはティッシュや不織布などの液透過性シートが重ねられたものなどである。
【0023】表面シート5は、液透過性の不織布シート、例えばスパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布又は開孔フィルムシート等であり、疎水性であることが好ましい。
【0024】図3と図4に示す生理用ナプキン11は、前記バックシート(支持シート)2、吸収コア3、捲縮繊維で形成された液透過層4および表面シート5が積層された積層体が、伸縮シート13の上に設けられている。前記伸縮シート13の長手方向の両端部が、ショーツなどの外装体に装着される基材シート12に接合されている。
【0025】前記伸縮シート13は、例えば伸縮性フィルム、ウレタンフォーム、エラストマー樹脂で形成されたメルトブロー不織布、伸縮性を有するシュリンク繊維で形成された不織布あるいはゴムシートなどである。
【0026】図3と図4に示す生理用ナプキン11では、基材シート12がショーツなどの外装体に装着され、前記吸収コア3上の表面シート5が膣に密着するが、前記基材シート12と吸収コア3とが独立して動くことができるため、体の動きによる吸収コア3と膣との位置ずれや吸収コア3の縒れなどを防止できる。
【0027】図2と図4に示す実施の形態において、吸収コア3と液透過層4の合計厚み寸法H0は5〜50mmが好ましく、さらに好ましくは10mm〜30mmである。また前記液透過層4の厚み寸法H1は、3〜30mmが好ましく、さらに好ましくは10〜25mmである。前記寸法H0とH1が前記範囲内であると、女性性器部分の凹凸に対するフィット性がよくなり、図3と図4に示すようにバックシート2から表面シート5までが重ねられた積層体が基材シート12と分離されているものであっても、膣の凹凸寸法に応じて密着させることができる。
【0028】図5および図6に示すように、前記液透過層4は、捲縮繊維7の集合体である。図5に示すものでは、前記捲縮繊維7が網目状に連結された網目状シート6により形成されている。
【0029】ここで、図5(B)に示すように、前記捲縮繊維7とは、長さ寸法aの繊維を三次元の螺旋状などの形態に縮められることにより長さ寸法bに縮ませた状態で形成されたものである。前記長さ寸法bを長さ寸法aに復元するのに要する繊維長方向の力がきわめて小さくて済み、また捲縮外径d方向へは非常に低い弾性率の弾性を発揮する。すなわち前記捲縮外径dをつぶすために必要な外力が小さく、また復元反発力が小さいが、力を除去すると前記捲縮外径dに復元する復元性に優れる。
【0030】よって、繊維長方向が吸収コア3の表面(液吸収面)に沿う向き(X−Y平面に沿う方向)に設置され、捲縮外径dが前記表面から高さ方向(Z方向)へ向けられるように配置されると、生理用ナプキン1,11が長手方向(Y方向)へ向けて湾曲したり、幅方向(X方向)へ向けて湾曲したときに前記液透過層4が追従して湾曲しやすくなり、またそのときに液透過層4が生理用ナプキン1,11全体に対して平坦な状態への過大な復元力を与えることがない。
【0031】また表面シート5が受液側から押されたときには、液透過層4が高さ方向へ圧縮変形し、表面シートが膣の形状に追従して密着しやすくなる。
【0032】また捲縮外径dが前記高さ方向(Z方向)へ向けられているため、繊維の捲縮部分が、表面シート5を透過した体液を速やかに吸収コア3へ導くように機能する。またこの液透過層4は空隙率が高いため、前記捲縮繊維7が親水性を持たない疎水性樹脂で形成されていても、吸収コア3へ体液を速やかに導くことができる。ただし、前記捲縮繊維7に親水処理を施してもよい。
【0033】前記の機能を発揮するために、前記捲縮繊維7の断面形状は、例えば厚み寸法よりも幅寸法が大きく、前記厚み寸法が10〜100μm、前記幅寸法が10〜500μmであり、外力を与えない自由状態のときの前記捲縮繊維7の捲縮外径dの最大値が0.3mm〜20mmであることが好ましい。
【0034】図5(A)に示す網目状シート6は、例えば互いにMFR(メルトフローレート)の異なるすなわちMFRが低く延伸性の高い樹脂と、MFRが高い非延伸性の樹脂を2層共押出ししてラミネートフィルムを形成し、融点より低い80〜150℃の温度で軟化されてフィルム流れ方向へ一軸延伸させて、前記方向へ配向させる。その後に解織機でx方向へ欠き切ることにより、一部に連結点6aを残したまま互いに離れた繊維となるように割裂する。分離された繊維は表裏の前記MFRの相違によりクリンプ(捲縮)が発現し、連結点6aで互いに連結された網目状の捲縮繊維7を得ることができる。前記捲縮繊維7と捲縮繊維7との間に大きな空隙が形成された網目状となる。
【0035】図6に示す網目状シート8は、予めクリンプされた熱可塑性の長繊維の捲縮繊維9を、縦横に一定の間隔(例えば5〜50mm間隔)で配置して捲縮繊維9の交叉部分(接合点)8aで捲縮繊維9どうしを熱溶着などで接合させ、網目状に形成したものである。前記長繊維に捲縮を付与するには、例えば繊維の断面にむらを生じさせ、あとで熱処理や熱水処理をして捲縮を発現させる方法、加熱したギヤの間を通し型押しする方法、仮撚りを与え熱セットする方法、ボックスの中に熱エアージェットで糸を押し込んで屈曲を与える方法等いずれであってもよい。
【0036】前記図5(A)または図6に示す捲縮繊維7,9を形成する熱可塑性繊維は、ホモPP(ポリプロピレン)樹脂、ブロックPP(ポリプロピレン)樹脂、高密度PE(ポリエチレン)樹脂などである。
【0037】図5(A)または図6に示す網目状シート6または8を1層使用し、または多層に重ねることで前記液透過層4が形成される。
【0038】図7に示すように、前記網目状シート6,8は、連結点6aまたは接合点(交叉部分)8a間で繊維が捲縮されているため、各方向へ十分へ自由な伸縮性を有する。また図7に示すように、網目状シート6,8の一部分に押込み力Pを作用させた場合、押圧部分の捲縮繊維が延びることで前記押込み力Pを吸収する。よって、一部分のみを押したときにその部分のみが厚み方向へ圧縮し、他の部分へは圧縮力が作用しにくい。このように網目状シート6または8で形成された液透過層4が粘弾性に近いものとなる。
【0039】このような性質を呈するためには、厚みが3〜30mmの網目状シート6,8の層(前記液吸収層)に外力を与えない自由状態から吸収性物品の長手方向へ50%の引張り歪を与えたときの、25mm幅当りの収縮張力が50mN以下であることが好ましい。
【0040】前記網目状シート6または8で形成される液透過層4の空隙率(単位容積当たりの空間スペースの占める割合)は97.9%から99.9%の範囲が好ましい。空隙率が97.9%を下回る場合には、捲縮繊維7または9の捲縮度合いが少なく圧縮変形量が少なくなり、膣などの形状に適合しにくくなる。また表面シート5を透過した液の吸収コア3への液透過性が阻害されやすい。また空隙率が99.9%を越えると表面シート5と吸収コア3との間で高さ方向に向けられる捲縮した繊維の量が少なくなり、表面シート5から吸収コア3へ体液を引き込む機能が低下する。このため、より好ましい空隙率の範囲は98.4%から99.1%であり、これを実現するため液透過層4の繊維密度は0.006g・cm-2ないし0.015g・cm-2で表現される。
【0041】前記空隙率を持つ液透過層4は、嵩高性で高いボリューム感を有し、ソフトで人肌にやさしい感触を得ることができる。その反面、復元性が高く型崩れしにくいため、上記生理用ナプキン1,11を女性の股間に装着した場合に、女性性器の複雑な凹凸形状に対し高い密着性および密閉性を発揮させることができる。例えば、表面シート5の密着率を90%以上確保することができ、膣口から排出される経血を積極的に吸い取ることができ、漏れを防止することが可能である。
【0042】また、高い空隙率を有する捲縮繊維7の空隙内に液吸収材を埋設することも可能である。この場合、上記液吸収層3と液透過層4とを捲縮繊維層として一体化することができるため、製造コストを低減できる。なお、前記液吸収材としては、上記同様に粒状のパルプなどの液吸収性繊維ウエッブ、前記繊維ウエッブに高吸水性ポリマーが混合させたもの、さらには前記繊維ウエッブがティッシュなどの液透過性シートで包まれたもの、粒状または繊維状の高吸水性ポリマー層、または前記高吸水性ポリマーがティッシュなどの液透過性シートで包まれたもの、あるいはティッシュや不織布などの液透過性シートが重ねたものなどからなる吸収性樹脂又は液吸収繊維などである。以下に、上記生理用ナプキン1の実施例を示す。
【0043】
【実施例】MFR(メルトフローレート)の低い延伸グレードである樹脂(上層)とMFRの高い非延伸グレードである樹脂(下層)で2層化共押でフィルム化した後、80℃〜150℃付近で軟化させ、流れ方向に一軸延伸し、配向性を持たせた後に解織機でかき取ることにより、サンプル1,2,3,4および5の捲縮繊維の網目状シートを製造し、そのときのクリンプ(捲縮)に関する発現性を調べた結果を表1に示す。
【0044】
【表1】

【0045】次に、クリンプ(捲縮)発現性において良好な結果を得たサンプル1及び2を使用した各種の試験を行った。以下にそれらの試験について説明する。
【0046】(1)従来品とサンプルの仕様(従来品の仕様)一般に市販されている生理用ナプキンとしてユニチャーム製のボディフィットRを使用(サンプルの仕様)
表面シート:エアスルー不織布又は開孔PEフィルム吸収コア:粒状SAP又は繊維上SAPバックシート:PEフィルム網目状シート:サンプル1およびサンプル2なお、捲縮繊維の詳細は表2に示す通りである。
【0047】
【表2】

【0048】(2)圧縮抵抗力に関する試験(試験方法)KES圧縮特性測定により、直径φ=10mmの端面を生理用ナプキン1の表面シート5に垂直方向から押圧し、表面シート5の変位量に対する圧縮加重(mN/φ10mm)について、従来品、サンプル1およびサンプル2について測定した。
【0049】なお、KES圧縮試験機の押圧スピードは0.1cm/sec、最大圧縮圧力は490Pa(N/m2)である。
【0050】(測定結果)図8は生理用ナプキンの表面に加重を与えた場合の変位量に対する圧縮加重の測定結果を示すグラフである。
【0051】図8に示すように、従来品では直径φ=10mmの端面を5mm押し込むのに500mN/φ10mmを越える圧縮加重が必要であるのに対し、サンプル1では69.6mN/φ10mm程度、サンプル2では14.7mN/φ10mm程度で済むことを確認することができる。
【0052】これにより、本生理用ナプキン1は少ない圧縮加重で大きな変位量を得ることができ、より柔軟性に優れていることが分かる。
【0053】(3)着用試験従来品、サンプル1及び2のそれぞれについて、女性が装着したときのフィット性についての測定結果を以下に示す。
【0054】
【表3】

【0055】表3に示すように、上記生理用ナプキン(サンプル1及び2)は、従来品に比べ女性性器に対する密着率(フィット性)が高く、且つ着用中にほとんど異物感を生じさせないものといえる。すなわち、上記生理用ナプキン1は変形しやすく、且つ肌に対する刺激も少ないことがわかる。
【0056】(4)液吸収性評価に関する試験上記サンプル1及び2に親水性油剤を0.7%付着させ、浸透性、拡散性、圧力下における液戻り性に関する試験を行った。なお、使用した親水性油剤としては、スルホン酸型を主成分とする界面活性剤である。
【0057】(使用した液体)U/C人工経血(イオン交換水1リットルにグリセリン等を含ませた水溶液)
【0058】(浸透時間)3cc/sec(1回目)又は4cc/sec(2回目)の人工経血を表面シート5へ注入後、人工経血が生理用ナプキンの内部に吸収され、表面シート5上から消えて無くなるまでの時間を浸透時間(sec)として計測した。
【0059】(拡散性)7cc/minの人工経血を注入後に1分間放置した後、吸収コアの表面及び裏面の液体の縦方向および横方向の寸法(直径mm)を比較する。
【0060】(圧力下の液戻り性(リウエットバック))7cc/minの人工経血を注入後、その状態で1分間放置し、その後に評価サンプルの表面にろ紙を置き3430Paの圧力を掛ける。3分後に荷圧を解放し、サンプル表面に置いたろ紙が吸収した液体の量を測定する。このとき、人工経血が表面シート5上に滲出した液体重量(リウエットバック)のパーセントの表示を比較する。すなわち、圧力下の液戻り性(%)=(ろ紙が吸収した液体の量)/(人工経血7cc/min)×100より求まる。
【0061】(測定結果)測定結果を表4に示す。
【0062】
【表4】

【0063】表4より、従来品に比べ拡散性が抑えられ、さらに浸透時間および圧力下の液逆戻り性が向上することを確認できる。これらのことより、液透過層4は人工経血など液体の透過性に優れていることがわかる。
【0064】(5)網目状クリンプシートの回復率試験(試験方法)40℃のオーブン内で4900Paの圧縮圧力を10分間与えたときの網目状クリンプシートの厚み(A)と、加重前の網目状クリンプシートの厚み(B)とのパーセント比率(A/B×100)
【0065】(測定結果)
サンプル1 66.7%この結果より、網目状クリンプシートの回復率は、概ね40〜80%を有する。
【0066】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、表面シートと吸収コアとの間に捲縮繊維の液透過層を設けたことにより、女性性器などの体に対する圧迫感を低減できる。またその反面、フィット性を向上させることができるため、排泄液の漏れを防止できる。
【0067】また、捲縮繊維の液透過層により、ボリューム感に優れるため、柔和で肌にやさしい生理用ナプキンを得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
【出願日】 平成12年5月31日(2000.5.31)
【代理人】 【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
【公開番号】 特開2001−340382(P2001−340382A)
【公開日】 平成13年12月11日(2001.12.11)
【出願番号】 特願2000−161418(P2000−161418)