トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 吸収体の製造方法
【発明者】 【氏名】小松 禎久

【氏名】有村 貴弘

【要約】 【課題】機能性材料の裁断面からのこぼれ落ち及びそれに起因する製造装置の汚染や吸収性物品への異物の混入が防止された吸収性物品の吸収体の製造方法を提供すること。

【解決手段】第1のカバーシート3a上に機能性材料2を間欠的に配置し、次いで機能性材料2上に第2のカバーシート3bを配置し機能性材料2をその全体に亘り被覆した後、各機能性材料2間の位置において第1のカバーシート3aと第2のカバーシート3bとによって各機能性材料2の前後端を封止し、然る後、両カバーシート3a,3bによる機能性材料2の封止位置において両カバーシート3a,3bを幅方向に裁断して、第1及び第2のカバーシート3a,3b並びに両カバーシート間に挟持された機能性材料2を有する吸収体1を製造する吸収体の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定方向に走行する連続帯状の第1のカバーシート上に、機能性材料を第1のカバーシートよりも狭幅又は同幅で間欠的に配置し、次いで該機能性材料上に第2のカバーシートを配置し両シートによって該機能性材料をその全体に亘り被覆した後、各機能性材料間の位置において第1のカバーシートと第2のカバーシートとによって各機能性材料の前後端を所定手段で封止し、然る後、両カバーシートによる前記機能性材料の封止位置において両カバーシートを幅方向に裁断して、第1及び第2のカバーシート並びに両カバーシート間に挟持された前記機能性材料を有する吸収体を製造する吸収体の製造方法。
【請求項2】 前記機能性材料が、機能性粉粒体からなるか、又は機能性粉粒体を含有するシート材からなる請求項1記載の吸収体の製造方法。
【請求項3】 機能性粉粒体を含有する帯状シートを所定間隔でその幅方向に亘り裁断して前記シート材からなる前記機能性材料を製造しながら、該機能性材料を、走行する第1のカバーシート上に間欠的に配置する請求項2記載の吸収体の製造方法。
【請求項4】 前記帯状シートの裁断を、前記機能性材料の第1のカバーシート上への配置よりも、第1のカバーシートの走行方向に関して上流側で行う請求項3記載の吸収体の製造方法。
【請求項5】 前記帯状シートの裁断位置の近傍で且つ第1のカバーシートにおける前記機能性材料の配置面と反対面側の位置に、吸引手段が設けられており、該吸引手段による吸引下に、前記帯状シートを裁断すると共に裁断により得られた前記シート材からなる前記機能性材料を、走行する第1のカバーシート上に間欠的に配置する請求項3記載の吸収体の製造方法。
【請求項6】 第1のカバーシートと第2のカバーシートとを強圧縮又は接着剤によって接合し前記機能性材料の前後端を封止する請求項1〜5の何れかに記載の吸収体の製造方法。
【請求項7】 第2のカバーシートは、前記機能性材料の側縁から側方に延出する第1のカバーシートが該機能性材料側に折り返された部分から構成されているか、又は第1のカバーシートと第2のカバーシートとが別材から構成されている請求項1〜6の何れかに記載の吸収体の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられる吸収体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】吸収性物品に種々の機能を付与することを目的として、吸収性物品における吸収体に各種粉粒体からなる機能性材料を含有させることが知られている。例えば、排泄された液から発生する悪臭を抑えるために脱臭又は消臭剤を含有させたり、芳香剤を含有させることが知られている。
【0003】一般に吸収体は連続帯状に製造され、これを製品1個分の長さに裁断して用いられる。連続帯状に製造された吸収体に前述した機能性材料を含有させる場合、裁断の際に該機能性材料が裁断面からこぼれ落ち、製造装置が汚染されることがある。また、こぼれ落ちた機能性材料が異物として製品に混入するおそれもある。更に、機能性材料は、その多くが黒色、褐色、黄色等の有色であることから、吸収性物品の着用中に、着用者の動作に起因して、前記裁断面から機能性材料が脱落すると、吸収性物品の外観印象が悪くなるおそれもある。
【0004】従って、本発明は、機能性材料の裁断面からのこぼれ落ち及びそれに起因する製造装置の汚染や吸収性物品への異物の混入が防止された吸収性物品の吸収体の製造方法を提供することを目的とする。また本発明は、吸収性物品の着用中における機能性材料の脱落及びそれに起因する吸収性物品の外観印象の低下が防止された吸収性物品の吸収体の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定方向に走行する連続帯状の第1のカバーシート上に、機能性材料を第1のカバーシートよりも狭幅又は同幅で間欠的に配置し、次いで該機能性材料上に第2のカバーシートを配置し両シートによって該機能性材料をその全体に亘り被覆した後、各機能性材料間の位置において第1のカバーシートと第2のカバーシートとによって各機能性材料の前後端を所定手段で封止し、然る後、両カバーシートによる前記機能性材料の封止位置において両カバーシートを幅方向に裁断して、第1及び第2のカバーシート並びに両カバーシート間に挟持された前記機能性材料を有する吸収体を製造する吸収体の製造方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の第1の実施形態に従い製造された吸収体の斜視図が示されており、図2(a)及び(b)にはそれぞれ図1におけるa−a線及びb−b線断面図が示されている。
【0007】先ず、本実施形態に従い製造される吸収体について説明すると、図1及び図2に示すように、吸収体1は、機能性粉粒体を含有するシート材(以下、機能性シート材という)2と、第1のカバーシート3a及び第2のカバーシート3bからなるカバーシート3とを備えて構成されている。機能性シート材2は、その全体がカバーシート3によって被覆されている。
【0008】機能性シート材2は、吸収性物品に所定の機能を付与する機能性材料として用いられる。機能性シート材2は縦長の矩形状をしており、前述した機能性粉粒体及び繊維材料を含有して構成されている。機能性シート材2は、前記繊維材料からなるシートにおける該繊維材料間に前記機能性粉粒体が三次元状に分散配置されて構成されていることが好ましい。機能性シート材2は、十分に高い液の吸収能を有し、且つ前記機能性粉粒体の機能に基づく機能を有する。機能性粉粒体は一種又は二種以上を用いることができる。特に、機能性粉粒体として、高吸収性ポリマーの粒子とその他の種類の機能性粉粒体とを用いる場合、該その他の種類の機能性粉粒体は、高吸収性ポリマーの粒子を介して前記繊維材料に結合固定された構造をなしていることが好ましい。これによって、高吸収性ポリマーの粒子及びその他の種類の機能性粉粒体の脱落が効果的に防止される。このような構造の吸収シート6は、例えば本出願人の先の出願に係る国際公開WO00/04938の第3頁5行〜第6頁12行に詳述されている。
【0009】前記機能性粉粒体は、吸収性物品に所定の機能を付与するものである。具体的には、消臭若しくは脱臭剤、抗菌剤、芳香剤、吸水剤、温熱発熱剤等があり、吸収性物品の要求性能等に応じて適切な機能性粉粒体が用いられる。
【0010】カバーシート3は、機能性シート材2と同様に縦長の矩形状をしており、縦横とも機能性シート材2よりも寸法が大きくなっている。カバーシート3及び機能性シート材2はそれらの縦横方向が一致するように且つカバーシート3の中央部に機能性シート材2が位置するように配置されている。カバーシート3は、その長手方向に沿う一側部と他側部とが重ね合わされるようにして機能性シート材2全体を完全に被覆している。詳細には、カバーシート3は、その長手方向に沿ってC字状に三つ折りにされている。そして、三つ折りにされたカバーシート3における中央部が第1のカバーシート3aとなり、機能性シート材2の下面を覆っている。また該中央部に隣接する左右2つの側部が第2のカバーシート3bとなり、機能性シート材2の上面を覆っている。機能性シート材2の上面側に位置する第2のカバーシート3bは、その側縁部同士が重なり合っている。これによって、機能性シート材2には、外部に露出している部分が存在していない。
【0011】第1のカバーシート3aと機能性シート2との対向面、及び第2のカバーシート3bと機能性シート3bとの対向面には、それぞれホットメルト粘着剤(図示せず)がスパイラル状に塗布されており、これら三者が接合固定されている。
【0012】機能性シート材2の下面を被覆する第1のカバーシート3a及び機能性シート材2の上面を被覆する第2のカバーシート3bは、機能性シート材2の前後端から延出している。そして、延出した両カバーシート3a,3b同士が所定手段、例えばホットメルト粘着剤、ヒートシール、強圧着等によって接合されている。これによって、機能性シート材2は、その前後端が封止されている。
【0013】このように、機能性シート材2は、その全体がカバーシート3内に完全に封止されている。その結果、吸収性物品の着用中に着用者の動作で該吸収性物品が変形した場合に、これに起因する吸収体1からの機能性粉粒体の脱落が防止されて、吸収性物品に所望の機能が効果的に発現する。特に、機能性粉粒体が濃色のものである場合には、その脱落によって吸収性物品の外観印象が悪化する場合があるが、本実施形態によれば、そのおそれも無い。
【0014】吸収体1における機能性シート材2の長さは、吸収体1の長さの50〜98%、特に70〜90%程度であることが、後述する工程において連続帯状の吸収体1’を幅方向に裁断するにあたり、機能性シート材2を誤って裁断することが防止される点から好ましい。
【0015】カバーシート3は繊維材料から構成された紙、パルプシート、不織布等からなる。該繊維材料としては、パルプ、レーヨン、コットン等の表面が親水性の天然繊維又は再生繊維、及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等の合成繊維が挙げられる。
【0016】前記繊維材料からカバーシート3を形成するには、例えば湿式抄紙法、乾式抄紙法、並びにスパンボンド法、スパンレース法及びヒートボンド法等の各種不織布製造法を用いることができる。このようにして得られたカバーシートが親水性でない場合又は親水性の程度が低い場合には、所定の親水化処理を施すことが好ましい。
【0017】機能性シート材2に含まれる機能性粉粒体が濃色である場合、例えば該機能性粉粒体として黒色系の活性炭粒子が含有されている場合、該活性炭粒子によって機能性シート材2は白地に黒点が散在した外観を呈して、吸収性物品の外観印象が低下することがある。これを防止するために、カバーシート3は、吸収体1を具備する吸収性物品をその表面材側からみたときに、前記機能性粉粒体の色を減殺する程度に且つ吸収体1の色が視認可能な程度に、前記機能性粉粒体の色と異なる色に着色されていることが好ましい。このように着色されたカバーシート3を用いることで、前記黒点が隠蔽され該黒点に起因する色が減殺されて、吸収性物品の外観の印象低下が防止される。更に、着色の仕方によっては模様が形成されて吸収性物品に意匠性が付与され、付加価値が加わる。
【0018】次に、図1及び図2に示す吸収体の好ましい製造方法を、図3を参照しながら説明する。図3には、吸収体の好ましい製造装置の模式図が示されている。
【0019】製造装置10においては、先ず、連続帯状のカバーシート3が巻回されているロール11から該カバーシート3が所定速度で繰り出される。繰り出されたカバーシート3における一面である機能性シート材2の配置面には、ホットメルト塗布装置12によってホットメルト粘着剤が塗布される。該粘着剤の塗布パターンは任意に選択可能であるが、スパイラル状又はスプレー状に塗布することがカバーシート3による封止性を向上させる上で好ましい。
【0020】これとは別に、前記機能性粉粒体を含有する帯状シート13が巻回されているロール14から該帯状シート13が所定速度で繰り出される。帯状シート13の繰り出し速度は、カバーシート3の繰り出し速度よりも遅くなっている。帯状シート13は、カバーシート3よりも狭幅となっており、本実施形態においては、帯状シート13の幅は、カバーシート3の幅の半分よりも若干小さくなっている。繰り出された帯状シート13は、ロータリーカッター15とアンビルロール16との間を通過する際に、所定間隔でその幅方向に亘り裁断される。この裁断によって、前述した機能性シート材2が形成される。得られた機能性シート材2は反転ロール17へ乗り移る。機能性シート材2は、反転ロール17に備えられた吸引機構によって、その表面に保持される。反転ロール17の周速度はカバーシート3の繰り出し速度と同じであり、帯状シート13の繰り出し速度よりも速くなっている。従って機能性シート材2は、所定間隔をおいて反転ロール17の表面に保持されることになる。
【0021】カバーシート3と機能性シート材2とは、貼り付けロール22の位置において合流する。前述の通りカバーシート3における機能性シート材2の配置面にはホットメルト粘着剤が塗布されているので、機能性シート材2は、該ホットメルト粘着剤の粘着力によって反転ロール17からカバーシート3上に乗り移る。機能性シート材2は、所定間隔をおいて反転ロール17の表面に保持されているので、機能性シート材2は所定間隔を置いて間欠的にカバーシート20上に配置される。この場合、機能性シート材2は、その長手方向に沿う中心線が、カバーシート20の長手方向に沿う中心線と合致するように配置される。
【0022】各機能性シート材2間の距離は、吸収体をどのような吸収性物品に用いるかにもよるが、5mm以上あれば、後述する工程において連続帯状の吸収体1’を幅方向に裁断するにあたり、機能性シート材2を誤って裁断することが防止されるので好ましい。
【0023】図3に示すように、ロータリーカッター15による帯状シート13の裁断は、機能性シート材2のカバーシート3上への配置よりも、カバーシート3の走行方向(図3では矢印Aで示される方向)に関して上流側で行われる。これによって、帯状シート13の裁断時に、その裁断面から機能性粉粒体がこぼれ落ちても、それがカバーシート3上に落下することはない。その結果、帯状シート13の裁断によってこぼれ落ちた機能性粉粒体が異物として吸収性物品に混入することが防止される。
【0024】更に図3に示すように、反転ロール17からカバーシート3への機能性シート材2の乗り移りの位置に隔離板23が設置されており、ロータリーカッター15による帯状シート13の裁断が、機能性シート材2のカバーシート3上への配置から隔離されている。これによって帯状シート13の裁断でこぼれ落ちた機能性粉粒体が、異物として吸収性物品に混入することが確実に防止される。
【0025】機能性シート材2が間欠的に配置されたカバーシート3は、図3中、矢印Aで示す方向に搬送される。図3に示すように、カバーシート3における機能性シート材2の配置面側にはホットメルト塗布装置18が設置されており、この塗布装置18によって該配置面にホットメルト粘着剤が塗布される。該粘着剤の塗布パターンは、前述したホットメルト塗布装置12による塗布パターンと同様に任意に選択可能である。
【0026】次いでカバーシート3は、カバーシート折り装置19へと搬送される。カバーシート折り装置19においては、カバーシート3における機能性シート材2の左右両側縁から側方に延出する部分、即ち前述の第2のカバーシート3bが、その側縁部同士が重ね合わされるように機能性シート材2側に折り返される。その結果、機能性シート材2は、カバーシート3における機能性シート材2との対向部分である前述の第1のカバーシート3aと、第2のカバーシート3bとによってその全体が被覆される。
【0027】前述の通り、カバーシート3における機能性シート材2の配置面にはホットメルト粘着剤が塗布されているので、カバーシート折り装置19におけるカバーシート3の折り返しによって折り返された部分、即ち第2のカバーシート3bは、機能性シート材2の上面と密着接合される。この折り返し及び密着接合によって、機能性シート材2の左右両側が及び上面が封止される。更に、各機能性シート材2の間の位置においては、第1のカバーシート3aと第2のカバーシート3bとが直接に密着接合される。その結果、各機能性シート材2の前後端が、両カバーシート3a,3bによって封止される。封止に際してのホットメルト粘着剤の使用は、機能性シート材2の封止を簡便且つ確実に行う点から効果的である。また、カバーシート3の折り返しによって機能性シート材2の左右両側を封止することで、使用する部材数を減らすことができ経済的であり、封止を容易に行うこともできる。更に機能性粉粒体のおぼれ落ちも効果的に防止される。
【0028】このようにして第1のカバーシート3aと第2のカバーシート3bとの間に機能性シート材2が間欠的に配置・被覆されてなる連続帯状の吸収体1’が得られる。この連続帯状の吸収体1’は、カバーシート折り装置19の下流に設置されたロータリーカッター20とアンビルロール21との間を通過する際に、各機能性シート材2間の位置において、その幅方向に裁断されて、個別の吸収体1となる。
【0029】この裁断は、機能性シート材2が存在しない位置で行われるので、裁断によって機能性シート材2に含まれている機能性粉粒体がおぼれ落ちることは無い。その結果、機能性粉粒体によって製造装置が汚染されることが防止され、また機能性粉粒体が異物として吸収性物品に混入することも防止される。
【0030】裁断によって得られた吸収体1は、引き続き吸収性物品を構成する他の部材、例えば液透過性の表面材や液不透過性の防漏材と共に加工され、最終製品である吸収性物品が得られる。この場合、吸収体1における第1のカバーシート3a及び第2のカバーシート3bのどちらの側が、吸収性物品における表面材側になってもよい。
【0031】以上のように、本実施形態によれば、機能性材料を間欠的に配置し、各機能性材料間で裁断を行うので、極めて簡便に機能性材料の裁断面からのこぼれ落ち及びそれに起因する製造装置の汚染や吸収性物品への異物の混入が防止される。また、吸収性物品の着用中における機能性材料の脱落及びそれに起因する吸収性物品の外観印象の低下が防止される。更に、機能性シート材2は、製品に必要な長さだけ裁断されて用いられるので、無駄な部分が生ぜず製造経費を低減できる。
【0032】次に、本発明の第2及び第3の実施形態を図4及び図5を参照しながらそれぞれ説明する。これらの実施形態については、前述した第1の実施形態と異なる点について説明し、同じ点については特に説明しないが、第1の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図4及び図5において、図1〜図3と同じ部材には同じ符号を付してある。
【0033】第2の実施形態においては、カバーシート3及び帯状シート13の繰り出しは、第1の実施形態と同様である。帯状シート13の裁断による機能性シート材2の製造も第1の実施形態と同様であるが、機能性シート材2は、第1の実施形態と異なり、機能性粉粒体の機能に基づく機能を有するのみであり、十分な吸収能は有していない。従って、本実施形態に用いられる機能性シート材2は、第1の実施形態に用いられるそれに比して厚みが若干小さくなっている。そして、本実施形態においては、吸収体の吸収能を確保するために、後述する粉砕パルプを用いている。
【0034】反転ロール17の表面に保持された機能性シート材2は、カバーシート3と合流して、反転ロール17からカバーシート3上に乗り移る。本実施形態においては、第1の実施形態と異なり、帯状シートの裁断は、機能性シート材2のカバーシート3上への配置よりも、カバーシート3の走行方向に関して上流側で行われていない。これに代えて本実施形態においては、帯状シート13の裁断位置の近傍で且つカバーシート3における機能性シート材2の配置面と反対面側の位置に吸引手段31が設けられており、吸引手段31による吸引下に帯状シート13を裁断すると共に裁断により得られた機能性シート材2を、カバーシート3上に間欠的に配置する。これによって、帯状シート13の裁断時にその裁断面からこぼれ落ちた機能性粉粒体が、吸引手段31に吸引されて、機能性粉粒体が異物として吸収性物品に混入することや、製造装置30が汚染されることが防止される。更に吸引手段31は機能性シート材2の配置面と反対面側の位置に設置されているので、機能性シート材2の反転ロール17からカバーシート3への乗り移りが円滑に行われるという利点もある。
【0035】機能性シート材2とカバーシート3との合流位置の下流には、パルプの積繊機32が設置されている。積繊機32から粉砕パルプ33が連続的に供給され、この粉砕パルプ33は、カバーシート3における機能性シート材2の配置面上に帯状に連続して堆積する。堆積した粉砕パルプ33の幅は、機能性シート材2の幅と略同様とすることができる。粉砕パルプ33は、吸収体に液の吸収能を付与するために用いられる。
【0036】次いで、カバーシート折り装置19によって、機能性シート材2及び粉砕パルプ繊維は、それぞれカバーシート3の構成部分である第1のカバーシート3aと第2のカバーシート3bとによって、その全体が被覆される。被覆後、一対の平滑ロール34a,34bからなる強圧縮手段によって、第1のカバーシート3a、粉砕パルプ33、機能性シート材2及び第2のカバーシート3bの四者が強圧縮によって圧密化される。この圧密化によってこれら四者が密着し、また各機能性シート材2の間の位置が、第1のカバーシート3a、粉砕パルプ33及び第2のカバーシート3bの三者によって封止され、連続帯状の吸収体1’が得られる。この後は、第1の実施形態と同様の裁断操作が行われて吸収体1が得られる。前記強圧縮手段は、機能性シート材2の封止を簡便且つ確実に行う手段として効果的である。
【0037】図5に示す第3の実施形態においては、機能性材料として、第1及び第2の実施形態と異なり、機能性粉粒体がそのままの状態で用いられている。詳細には、ロール11から繰り出されたカバーシート3上に、積繊機32から粉砕パルプ33が連続して供給され、粉砕パルプ33は連続帯状に堆積する。粉砕パルプ33の堆積幅は第2の実施形態と同様とすることができる。
【0038】次いで、カバーシート3における粉砕パルプ33の堆積面に、機能性粉粒体の散布装置35によって機能性粉粒体4が間欠的に散布される。これによって、機能性粉粒体4の層から構成される機能性材料が、カバーシート3上に間欠的に配置される。機能性粉粒体4の散布幅は、粉砕パルプ33の堆積幅と同様とすることができる。また機能性粉粒体4の散布長さは、製造すべき吸収体の長さより若干短くする。
【0039】図5に示すように本実施形態においては、カバーシート3における機能性粉粒体4の散布面と反対面側の位置に吸引手段31が設けられており、吸引手段31による吸引下に機能性粉粒体4を間欠的に散布する。これによって、機能性粉粒体4の散布時にこぼれ落ちた機能性粉粒体4が、吸引手段31に吸引されて、機能性粉粒体4が異物として吸収性物品に混入することや、製造装置30が汚染されることが防止される。更に吸引手段31は機能性粉粒体4の散布面と反対面側の位置に設置されているので、機能性粉粒体の間欠散布が確実に行われるという利点もある。
【0040】この後は、第2の実施形態と同様の裁断操作が行われて連続帯状の吸収体1’が得られ、更にこれが裁断されて吸収体1が得られる。
【0041】以上の第2及び第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が奏される。
【0042】本発明の方法によって製造された吸収体は、ナプキン、パンティライナー、使い捨ておむつ、失禁パッド等の吸収性物品に好適に用いられる。
【0043】本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、前記実施形態においては、1枚のカバーシート3を三つ折りにすることで、第1のカバーシート3a及び第2のカバーシート3bを構成し、両シート3a,3bによって機能性材料を被覆したが、これに代えてカバーシート3とは別材のもう1枚のシートを用い、これら2枚のシート間に機能性材料を挟持させてもよい。別材のシートを用いることで、2枚のシート間のシール性を向上させることが容易となったり、各シートに別個の機能(例えば一方のシートのみ液不透過性にする等)を付与し得る自由度が増すという利点がある。
【0044】また、前記実施形態においては、機能性材料の幅は、カバーシート3の幅よりも狭幅としたが、両者は略同幅でもよい。
【0045】また、前記実施形態においては、機能性材料の前後端及び左右両側を封止したが、これに代えて前後端のみを封止してもよい。
【0046】また、前記実施形態においては、第1のカバーシート3a及び第2のカバーシート3bによる機能性材料の封止を接着剤や強圧縮によって行ったが、封止の手段はこれらに限られない。
【0047】また、機能性シート材2は、二つ折りや三つ折り等に折り畳まれて用いられてもよい。更に、同一の又は異なる2枚以上の機能性シート材を重ね合わせて用いてもよい。
【0048】また、前記実施形態においては、粉砕パルプ33を、機能性シート材2の配置面に帯状に連続して堆積させたが、これに代えて間欠的に堆積させてもよい。
【0049】以上の各実施形態は相互に置換可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明の吸収体の製造方法によれば、機能性材料の裁断面からのこぼれ落ち及びそれに起因する製造装置の汚染や吸収性物品への異物の混入が防止される。また本発明の吸収体の製造方法によれば、吸収性物品の着用中における機能性材料の脱落及びそれに起因する吸収性物品の外観印象の低下が防止される。更に本発明の吸収体の製造方法によれば、機能性材料は、製品に必要な長さだけ用いられるので、無駄な部分が生ぜず製造経費を低減できる。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成12年5月22日(2000.5.22)
【代理人】 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修 (外1名)
【公開番号】 特開2001−327531(P2001−327531A)
【公開日】 平成13年11月27日(2001.11.27)
【出願番号】 特願2000−149249(P2000−149249)