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【発明の名称】 排尿表示付きおむつ
【発明者】 【氏名】中島 明雄

【氏名】桑原 浩孝

【氏名】小川 吉房

【要約】 【課題】排尿の有無を、おむつが濡れているかどうかを触ることなく、視認、検知できる排尿表示付きおむつの提供。

【解決手段】おむつ2に、吸液により透明状態となり、様相を変化させる、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を設けた排尿表示手段3を配したことを特徴とする排尿表示付きおむつ1。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 組紐表面に低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状に固着させた多孔質層を設け、前記多孔質層が尿の吸収により透明化して色変化した様相を呈する排尿表示手段を、おむつに装着してなり、排尿を目視により検知できるよう構成した排尿表示付きおむつ。
【請求項2】 おむつの排尿箇所近傍に、前記排尿表示手段の一端を位置させ、他端を外方に向けて配置したことを特徴とする、請求項1記載の排尿表示付きおむつ。
【請求項3】 多孔質層の下層には、着色層が設けられており、排尿による多孔質層への尿の吸収により、前記着色層が透視できるよう構成した請求項1又は2記載の排尿表示付きおむつ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排尿表示付きおむつに関する。更に詳細には、幼児、老人、病人等が使用するおむつにおいて、排尿により常態と異なる様相に変化させ、外部より目視により排尿の有無を検知できる、排尿表示付きおむつに関する。
【0002】
【従来の技術】排尿の有無を検知する手段に関して、従来より幾つかの提案が開示されている(特開昭55−36326号公報、特開昭57−42901号公報等)。前記した提案は、特定PH指示薬の適用や水の存在で変色する染料を含有させたものであり、湿った状態で発色乃至変色するとしても、時間の経過により、水分が尿吸収部材に吸収され、その際、同時に色素も吸収されて発色部が拡散しがちであり、目視が困難になる等の不具合があり、実用性を満足させていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、おむつには、高吸収性の尿吸収部材が装着されており、排尿を速やかに吸収するので、外観的には変化がなく、排尿を検知でき難い。従って、濡れているかどうかを触ってみて確認することになり、不便であると共に非衛生的であった。本発明は、前記不具合を解消すると共に、簡易に検知できる新たな排尿検知手段を開示するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、組紐表面に低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状に固着させた多孔質層を設け、前記多孔質層が尿の吸収により透明化して色変化した様相を呈する排尿表示手段を、おむつに装着してなり、排尿を目視により検知できるよう構成した排尿表示付きおむつを要件とする。更には、おむつの排尿箇所近傍に、前記排尿表示手段の一端を位置させ、他端を外方に向けて配置したこと、更には、多孔質層の下層には、着色層が設けられており、排尿による多孔質層への尿の吸収により、前記着色層が透視できるよう構成したこと、等を要件とする。
【0005】本発明は、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層が、非湿潤状態で不透明性であり、水等の液体の吸液による湿潤状態で、透明状態に変化する特性を利用するものである。前記多孔質層の不透明状態から透明状態への変化により、排尿の有無を検知できるが、前記多孔質層の下層に着色層が配置されていれば、更に検知性を高めることができる。前記着色層は、印刷乃至塗布手段により設けることができるが、基材自体が着色状態にあるものでもよい。
【0006】前記低屈折率顔料としては、微粒子状珪酸、バライト粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは屈折率が1.4〜1.7の範囲にあり、水等を吸液すると良好な透明性を示すものであり、粒径0.03〜10.0μmのものが好適であり、複数種の低屈折率顔料を併用することができる。好適に用いられる低屈折率顔料としては、白色不透明性状と無色透明性状への変化が明瞭に視覚される微粒子状珪酸が挙げられる。
【0007】微粒子状珪酸を低屈折率顔料として用いる場合、その種類、粒子径、比表面積、吸油量等の性状に左右されるが、常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗布量が1g/m2 〜30g/m2 であることが好ましく、より好ましくは、5g/m2 〜20g/m2 である。1g/m2 未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、又、30g/m2 を越えると吸液時に十分な透明性を得ることが困難である。前記低屈折率顔料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、対象物に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
【0008】前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。前記の如くして形成される多孔質層中には、従来より公知の二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料を添加したり、一般染料や顔料、蛍光染料や顔料を添加して色変化を多様にすることもできる。更に、温度変化により可逆的に色変化する可逆熱変色性材料を多孔質層中に含有させたり、可逆熱変色性材料を含む可逆熱変色層を配設することもできる。
【0009】前記組紐は、従来より汎用の平紐用製紐機、丸紐用製紐機等の製紐機を用いて得られる平型、丸型等の、アクリル、綿、ポリエステル、その他の合成繊維、或いは複数の繊維のブレンドからなるものであればよく、更には、組紐の中心に芯部を有するものでもよい。組紐の形態としては、三つ打ち、四つ打ち 六つ打ち、八つ打ち、十六打ち、二十四打ち、バラ打ち、等の従来より汎用の形態が有効である。
【0010】前記多孔質層は、印刷手段、或いは、刷毛塗り、スプレー塗装等により、目的の箇所に形成できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を記載する。排尿表示手段の基材である組紐の太さ、全長等は、実施例に限らず、多種多様なものが適用できる。又、前記表示手段は、実施の図面に限らず、目的に応じた箇所に装着することができる。
【0012】
【実施例】以下に実施例を示す。尚、実施例中の部は重量部を示す。
【0013】実施例1(図1参照)
太さ約3mm、長さ30cmの組紐の表面全体に、ピンク色蛍光顔料をアクリルエマルジョン中に分散した水性スプレーインキにて、スプレー塗装し着色層を設け、次いで、微粉末シリカ(二次粒子の平均粒子径:約3μm)、ウレタン樹脂エマルジョン(固形分50重量%)30部、分散剤0.2部、消泡剤0.3部、粘度調整剤2部、水20部、エチルアルコール5部、及び水性架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる、水性スプレーインキを用いてスプレー塗装し、室温で放置後、140℃にて3分間乾燥硬化させ、乾燥状態で白色の多孔質層を形成し、尿の吸液により、白色から蛍光ピンク色に変化する排尿表示手段3を得た。前記排尿表示手段3の一端を、おむつ2の尿吸収部材に接触させ、他端を外部から視認できるよう、外方に向けて配置して排尿表示付きおむつ1を構成した。前記おむつ1を実用に供したところ、尿が尿吸収部材中に吸液されると同時に、尿吸収部材に接触させた前記排尿表示手段3が白色から蛍光ピンク色へと変化し、更に、毛細管作用により、尿は徐々に外方へと吸収され、約15分経過するとおむつ外部に露出させた他端部にまで変色が進み、おむつ使用者が排尿したことを、外部から目視により、検知できた。
【0014】実施例2前記実施例1の組紐の表面に、ピンク色蛍光顔料をアクリルエマルジョン中に分散した水性スプレーインキにて、組紐表面に対し、横縞状に5mm幅で約20mm間隔にてスプレー塗装し、複数の着色層を設け、次いで、実施例1と同じ微粉末シリカ15部、ウレタン樹脂エマルジョン(固形分35重量%)50部、分散剤0.2部、消泡剤0.3部、粘度調整剤2部、水20部、エチルアルコール5部、及び水性架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる、水性スプレーインキを用いて、スプレー塗装し、室温で放置後、140℃にて3分間乾燥硬化させ、乾燥状態で白色の多孔質層を形成し、尿等の吸収により、前記複数の着色層が順次、白色から蛍光ピンク色に変色する排尿表示手段を得た。前記排尿表示手段の一端を、おむつの尿吸収部材に接触させ、他端を外部から視認できるよう、外方に向けて配置して排尿表示付きおむつを構成した。前記おむつを実用に供したところ、尿が尿吸収部材中に吸液されると同時に、尿吸収部材に接触させた前記排尿表示手段の多孔質層は、白色から蛍光ピンク色へと順次変色した。
【0015】実施例3予め、青色に着色されてなる、太さ約3mm、全長30cmの組紐の表面に、微粉末シリカ(実施例1と同じ)15部、ウレタン樹脂エマルジョン(固形分50重量%)30部、分散剤0.2部、消泡剤0.3部、粘度調整剤3部、水10部、及び水性架橋剤3部を均一に混合攪拌してなる、水性スクリーンインキを用いて、軸方向の全表面にスクリーン印刷し、室温で放置後、130℃にて3分間乾燥硬化させ、乾燥状態で白色の多孔質層を形成し、排尿表示手段を得た。前記排尿表示手段を前記実施例1と同様に取付けて、実用に供したところ、白色から青色へと、順次変色し、約15分経過すると全体が白色から青色へと変化した。
【0016】実施例4実施例1の組紐(白色)表面に、ピンク色蛍光顔料をアクリルエマルジョン中に分散した水性スプレーインキにて、前記組紐表面に対し、一端から約50mm長さを残し、他端に向かう全面にスプレー塗装し着色層を設け、次いで、微粉末シリカ(実施例1ど同じ)15部、ウレタン樹脂エマルジョン(固形分50重量%)30部、分散剤0.2部、消泡剤0.3部、粘度調整剤2部、水20部、エチルアルコール5部、及び水性架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる、水性スプレーインキを用いて、前記着色層上にスプレー塗装し、室温で放置後、140℃にて3分間乾燥硬化させ、乾燥状態で白色の多孔質層を形成し、排尿表示手段を得た。前記排尿表示手段の多孔質層が塗布されていない、一端部をおむつの尿吸収帯部に接触させ、多孔質層が塗布された他端部の少なくとも一部が外部から視認できるよう配置して、実用に供したところ、尿吸収帯部が尿を一定量吸液すると同時に、前記排尿表示手段の先端部も尿を吸液し、毛細管作用により、徐々に他端部へと尿は吸収され、おむつ外部に露出した他端部が白色から蛍光ピンク色へと変化し、目視により排尿の有無を検知できた。
【0017】
【発明の効果】本発明による排尿表示付きおむつは、濡れているかどうかを触って確認することなく、外部より色変化により排尿の有無を視覚検知できるので、衛生的であると共に、おむつの取替え時期を失することもない。
【出願人】 【識別番号】000111890
【氏名又は名称】パイロットインキ株式会社
【識別番号】500101117
【氏名又は名称】有限会社桑原ニット
【識別番号】500042049
【氏名又は名称】有限会社ハッピーおがわ
【出願日】 平成12年5月22日(2000.5.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−327530(P2001−327530A)
【公開日】 平成13年11月27日(2001.11.27)
【出願番号】 特願2000−150049(P2000−150049)