| 【発明の名称】 |
潤滑剤を塗布したコンドーム |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 勝義
【氏名】利光 勝久
【氏名】石渡 幹夫
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| 【要約】 |
【課題】水に溶けやすく、違和感を与えず、ゴムの白化を防止する殺精子効果をもつ潤滑剤を得ることを課題とする。
【解決手段】シリコーンオイルが100部、界面活性剤が2〜9部、水が10〜50部である潤滑剤を、コンドームの精液ため嚢部内側、先端部もしくは後部のいずれか一箇所もしくは二箇所以上に塗布する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリコーンオイルが80〜120部、界面活性剤が0.01〜9部、水が10〜50部である潤滑剤を用いたことを特徴とする潤滑剤を塗布したコンドーム。 【請求項2】 界面活性剤として、メンフェゴール、ノノキシノールの内、いずれか一種または二種を用いることを特徴とする請求項1記載の潤滑剤を塗布したコンドーム。 【請求項3】 請求項1または2記載の潤滑剤を塗布したコンドームの潤滑剤を塗布する部位が、コンドーム精液ため嚢部内側、先端部もしくは後部のいずれか一箇所もしくは二箇所以上としたことを特徴とする潤滑剤を塗布したコンドーム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、人体の皮膚を保護するための潤滑剤を付与したコンドームに関するものである。 【0002】 【従来の技術】現在、コンドームの潤滑剤として用いられているものの主流はシリコーンオイルであり、これをコンドームに塗布し付着させている。しかしながらシリコーンオイルは油性であるために、身体に付着した際には、洗剤などにより洗い落とす必要がある。 【0003】その解決方法として、特開平7−267849号公報に記載のコンドーム用潤滑剤がある。この技術は、潤滑剤にスクワランを配合するというものである。しかしながら、このスクワラン配合のコンドーム用潤滑剤は、コンドームの巻き上げ部への浸入性の不足よりゴム膜同士が粘着する可能性がある。また、スクワラン配合のコンドーム用潤滑剤は、粘度を高くしていくと溶液のぬめり感を増すことはできる。ただし、それに伴って糸ひき現象が発生する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような状況においてなされたもので、身体に付着しても簡単に水で洗い落とすことができ、巻き上げ部への浸入性および使用時のぬめり性に優れているとともに、コンドームを使用することによる違和感をより一層低減して自然な感じを抱かせるようにする、しっとり感を付与する湿潤性に優れたコンドーム用潤滑剤、およびこのコンドーム用潤滑剤を塗布したコンドームを提供することを目的としている。また、従来の技術においては、油性もしくは水溶性のみの潤滑剤が使用されており、使用できる添加剤が限定され、コンドームの白化防止と塗布時およびコンドーム装着時のぬめり性を兼ね備えた潤滑剤を構成することが困難である。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を解決すべく、次のような手段を提示するものである。請求項1記載のごとく、コンドームに塗布する潤滑剤を油、界面活性剤および水より構成するものであり、シリコーンオイルが80〜120部、界面活性剤が0.01〜9部、水が10〜50部とする。 【0006】請求項2に記載のごとく、請求項1記載の潤滑剤において、界面活性剤として、メンフェゴール、ノノキシノールの内、いずれか一種または二種を用いる。 【0007】請求項3に記載のごとく、請求項1または2記載の潤滑剤を塗布したコンドームの潤滑剤を塗布する部位が、コンドーム精液ため嚢部内側、先端部もしくは後部のいずれか一箇所もしくは二箇所以上とする。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明者は数多くの実験を重ねた結果、皮膚に脂っこさを与えず、しっとり感を与えるとともに、コンドームなどに使用されるゴムを白化させない潤滑剤を得たものである。すなわち、ゴムの粘着および白化を防止する油と、皮膚にしっとり感を与える水とをまぜて潤滑剤を得るものである。油が80〜120部、界面活性剤が0.01〜9部、水が10〜50部をミキサーもしくはホモジナイザーにより混ぜて乳化させる。これにより、油中水滴(W/O型)のエマルジョンを得ることができる。 【0009】このようなエマルジョンは、油中に水を包含したミセルが分散された状態となっているので、油分子間の相互作用がミセルにより阻害される。これにより、粘度の高い油を使用する際においても、乳化により潤滑剤としての粘度を低くすることができ、潤滑剤の伸びがよくなる。さらに、この潤滑剤は水を含有するため、水溶性の成分を含ませることができる。水溶性の成分はミセルにより油と隔離されるため、容易に潤滑剤に混合することができるものである。また、本発明の潤滑剤には、油、界面活性剤および水により構成されるものであるので、容易に水洗いすることができる。そして、タオルやティッシュによりふき取ることによっても、油ぎった感触を残すことなく取り去ることができるものである。 【0010】潤滑剤に使用する油は、使用される状況に応じて、シリコーンオイル、ポリブテン、α−オレフィン、ポリアルキレングリコール、ジエステル、ポリオールエステル、流動パラフィン、パラフィンワックス、脂肪酸、高級アルコール、ツバキ油、ナタネ油、ゴマ油、サフラワー油、綿実油、ヒマシ油、大豆油、ヤシ油、パーム油、ミツロウ、モンタンロウ、ラノリン、スクワラン、合成エステル、イクタモール、イソプロピルメチルフェノール、クロロブタノール、酢酸-dl-α-トコフェノール、酢酸ポリオキシエチレンラノリンアルコール、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、サリチル酸フェニル、ステアリルアルコール、セタノール、セラック、トラガント、トリエタノールアミン、パラオキシ安息香酸エステル、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、液状ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、ポリエトキシレート化ヒマシ油、ポリエトキシレート化硬化ヒマシ油、ミネラルオイル、ポリアルキレングリコール誘導体の内、いずれか一種または二種以上を用いることができる。 【0011】コンドームに付与する潤滑剤に用いる油成分としては、ゴムへの影響を考慮して、シリコーンオイルやスクワランを用いることができる。潤滑油の油成分としてスクワランを用いた場合には、スクワランの糸引きを抑制することが可能である。潤滑油の油成分としてシリコーンオイルを用いたものは、ゴムに対する性状が安定しており、コンドームの接着を防止し、コンドームの性状を長期にわたり維持することが可能である。また、ロジンを添加することにより、潤滑剤の粘度調整を行うことも可能である。 【0012】油に水および界面活性剤を配合して乳化させることにより、潤滑剤自体の性状として粘性が少なく、さらさら感を与えるものである。しかも、コンドームを装着した際には良好なフィット感を得られるものである。この潤滑剤は、油中に形成されたミセル内に水分を保っているため、水に溶ける速度が速く、水により容易に洗い流すことができる。さらに、皮膚に接触する際には、接触面のすべてが油で覆われるわけではなく、一部に水分が付着するため、接触した際に違和感がなく、べたつきを抑える。 【0013】潤滑剤は上記のごとく、親水性である皮膚に接触した際には、ミセルが壊れ、水分が皮膚に付着するが、疎水性であるゴムなどに接触した際にはミセルが壊れることなく、水分がゴムに接触することがない。これにより、ゴムの白化現象を防止できるものである。シリコーンオイルに水および界面活性剤を配合して潤滑油を構成することにより、潤滑油自体の性状として粘性が少なく、さらさら感を与えるものである。この潤滑剤をコンドームに使用することにより、コンドームの装着をスムーズに行うことが可能であり、装着後には粘性が向上し、フィット感を得られるものである。さらに、この潤滑剤はゴムとの親和性があり浸透性に優れるため、巻き上げられた状態のコンドームへの浸入性に優れ、コンドームを白化させない。コンドームにしっとり感を付与するとともに、コンドームにぬめり性を付与する。 【0014】潤滑剤中には油により水を包含するミセルが形成され、潤滑油の粘性が低下するものである。このため、潤滑剤のべたつきを抑えることができるものである。コンドームが装着され、潤滑剤が陰茎に接触することにより、水がもしくはミセルが陰茎表面に吸着し、潤滑剤の粘度が上昇するものである。 【0015】潤滑剤の他の用法としては、性交時に使用するローションとしても用いることができ、性器挿入の際の潤滑に用いることができる。さらに、ゴム製品に対して安定であるため、ウエットスーツの装着時に用いる潤滑剤として、ゴムのシーリングを有する機器の潤滑剤としても用いることができる。シリコーンオイルとしては、注射針および注射筒等の潤滑剤等、従来のコンドームの潤滑に用いられているものを使用することにより、生体への安全性を確保できる。このため、胎児のエコー撮影のために母体の腹部に塗布する潤滑剤として、胃カメラを人体に挿入する際の潤滑剤として、髭剃り用の潤滑剤として使用することができる。 【0016】次に、潤滑剤に使用する界面活性剤としては、メンフェゴール、ノノキシノール、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、アルカンスルホン酸塩、アルキルエトキシカルボン酸塩、コハク酸誘導体、アルキルアミンオキサイド、イミダゾリン型化合物、ポリオキシエチレンアルキルまたはアルキニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、セチル硫酸ナトリウム、ウンデシレン酸(ウンデシレン酸塩)、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩酸クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、クレゾール、クロラミンT、クロルキシレノール、クロルクレゾール、クロルフェネシン、サリチル酸(サリチル酸塩)、臭化アルキルイソキノリニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ドミフェン、チモール、チラム、デヒドロ酢酸(デヒドロ酢酸塩)、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、パラクロロフェノール、ハロカルバン、フェノール、ラウロイルサルコシンナトリウム、レゾルシン、ドデカエチレングリコールモノラウレート、ラウレス、メトキシプロピルオキシエチレングリコールラウレートの内、いずれか一種または二種以上を用いることができる。界面活性剤は、乳化剤として用いられるので、使用する油に応じて選択されるものである。また、界面活性剤の含有量を調節することにより、油の湿潤浸透性を向上することも可能である。 【0017】コンドームの潤滑に用いる場合には、メンフェゴールやノノキシノールを用いることができる。メンフェゴールおよびノノキシノールには殺精子効果があり、避妊率を向上することができるためである。特にメンフェゴールを使用することにより、膣内へ影響を最小限にとどめることができる。この際に、コンドームの先端の精液溜め嚢部内側に潤滑剤を塗布することにより、コンドーム装着時のコンドーム先端への空気の入り込みを防止できる。さらに、陰茎先端より射出される精子に、殺精子剤が含まれた潤滑剤が接触しやすく、精子の死滅率が向上し、避妊効果が向上する。コンドームの先端内側に潤滑剤を塗布した場合には、上述の効果を得ることができ、コンドームの先端外側に潤滑剤を塗布した場合には、潤滑剤によりコンドーム先端の精液溜め部分がコンドーム先端外側面に貼り付き、装着の際に精液溜め部分への空気の侵入を防止できる。さらに、コンドーム装着後に膣への挿入を円滑に行えるものである。コンドームの後部に潤滑剤を塗布した場合には、コンドーム全体に潤滑剤を付着させることができる。コンドームの成形後に該コンドームの後部に潤滑剤を塗布もしくは付着させ、コンドームの巻き上げを行うと、コンドーム後部に付着した潤滑剤が先端側に押し出され、コンドーム全体に行き渡るものである。 【0018】また、メンフェゴールやノノキシノールを使用した潤滑剤は、生殖を目的としない性交時のローションとして用いることもできる。すなわち、潤滑剤には殺精子剤もしくは殺菌剤を添加することができる。殺菌剤の多くは界面活性作用を示すものであり、界面活性剤として潤滑剤に添加されながら、殺精子剤もしくは殺菌剤としての効力を発揮させることも可能である。このため、カテキン、セチル硫酸ナトリウム、ウンデシレン酸(ウンデシレン酸塩)、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩酸クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、クレゾール、クロラミンT、クロルキシレノール、クロルクレゾール、クロルフェネシン、サリチル酸(サリチル酸塩)、臭化アルキルイソキノリニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ドミフェン、チモール、チラム、デヒドロ酢酸(デヒドロ酢酸塩)、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、パラクロロフェノール、ハロカルバン、フェノール、ラウロイルサルコシンナトリウム、レゾルシン、ドデカエチレングリコールモノラウレート、ラウレス、メトキシプロピルオキシエチレングリコールラウレートの内の一種もしくは二種以上を殺菌もしくは殺精子剤として潤滑剤に添加することができる。この場合、殺菌殺精子剤が潤滑剤における界面活性成分を兼ねることも可能である。 【0019】潤滑剤に含有される水に、湿化剤、保湿剤、ゲル化剤、中和剤、香料、着色剤のような種々の任意成分を添加することができる。本発明の潤滑剤は水を含むため、保湿剤を含有することができる。ここで用いられる適当な保湿剤は、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシ化グルコース誘導体、ヘキサントリオール、グリセリン、水溶性ポリグリセリルメタクリレート潤滑剤及びパンテノールなどである。また、潤滑剤は乳化状態にあるので白色を呈しており、着色剤を混合した場合に発色がよいのである。赤色106号、青色2号、黄色5号などの食用色素を添加することも可能である。しかし、水洗い等により容易に洗い流しができるように水溶性の着色剤を用いることが望ましい。潤滑剤に蛍光剤を添加して、潤滑剤の取り残しをブラックライトにより確認したり、発光を楽しんだりすることも可能である。 【0020】潤滑剤には、香料を添加することも可能であり、アニス油、オレンジ油、クローブ油、シトロネラ油、ジャスミン油、ショウノウ油、スペアミント油、ゼラニウム油、テレピン油、ビャクダン油、ペパーミント油、ベルガモット油、ボアドローズ油、ユーカリ油、ラベンダー油、レモングラス油、レモン油、ローズ油、ムスク、シベット、カストル、アンバーグリス、アネトール、オイゲノール、ゲラニオール、シトロネオール、ハッカ油の内一種または二種以上を添加することができる。コンドームに使用する潤滑剤にハッカ油を添加することにより、コンドームに清潔感を与えることができる。また、ローズ油を添加することにより、性交時の感情の高揚を助長することができる。 【0021】潤滑剤をコンドームに塗布する構成について図を用いて説明する。図1は巻き上げ状態のコンドームの側面断面図である。コンドームに潤滑剤を塗布する方法としては、潤滑剤中への浸漬や、ノズル等より射出する方法がある。潤滑剤中にコンドームを浸漬する場合には、コンドームを巻き上げた状態で行うものである。コンドームは胴部、先端部および精液溜により構成されている。胴部は筒状に構成されており、陰茎根を被装するものである。先端部は半球状に構成されており、陰茎の亀頭部を被装するものである。そして、精液溜は嚢状に構成され、先端部に設けたれており、コンドームの外側に突出した構成になっている。 【0022】コンドームは巻き上げられた状態において、コンドームは、図1に示すごとく、胴部2がおよび先端部3の一部が巻き上げられるものである。そして、この巻き上げられた状態で、コンドーム1が潤滑剤中に浸漬されるものである。このため、潤滑剤5が精液溜4内に塗布されるとともに、先端部3の表裏に塗布されるものである。コンドーム1の胴部2は巻き上げられた状態にあるので、潤滑剤が多量に付着することがない。これは、上記のごとく構成される潤滑剤がエマルジョンとなるため、潤滑剤が増粘されるとともに、浸透性が低下するためである。コンドーム1の精液溜4内に潤滑剤5が塗布されるため、コンドーム1を装着する際に、精液溜4を押しつぶすことにより余剰した潤滑剤が空気とともに精液溜4内より排出される。これにより、精液溜4の空気抜きを用意に行うことができる。コンドーム1の先端部3に潤滑剤5が塗布されるため、コンドームの装着および女性性器への陰茎の挿入を円滑に行うことができる。コンドーム1の胴部2への潤滑剤の塗布量を少なくできるので、陰茎根とコンドーム1の間における潤滑剤の介在を防ぐことが出来る。これにより、コンドーム1の陰茎よりの脱落を防止することができる。 【0023】潤滑剤を塗布されたコンドームの構成について図を用いて説明する。潤滑剤は、前述のごとく、油を80〜120部、界面活性剤を0.01〜9部、水を10〜50部加え、これに少量の保存料等を添加してなるものである。このため、潤滑剤には油性成分は多く、通常の攪拌等によっては油中水滴(W/O型)のエマルジョンとなる。すなわち、水溶性成分を包含するミセル間に油成分が介在するものである。このため、油成分がミセルに対して過剰にある場合には、一部の油成分が潤滑剤より分離する場合がある。 【0024】前述の巻き上げ状態のコンドーム1に、浸漬や射出によって潤滑剤を塗布した場合に、胴部2には潤滑剤が付着しにくい。しかし、潤滑剤より分離される油成分により胴部2を保護することができる。油成分として浸透性の高いものを用いることにより、油成分を拡散させ、前記胴部2の表面を油成分により覆うことができるものである。すなわち、コンドーム1全体を油成分の被膜によりによりコーティングすることができる。 【0025】図2はコンドームの側面一部切欠図、図3は先端部の側面一部切欠図である。図2および図3において示すごとく、潤滑剤5はコンドーム1の内側面6および外側面7の全域に拡散する。そして、シリコーンオイルの被膜8がコンドーム1を被装するものである。これにより、コンドームの酸化および粘着を防止し、巻き戻しを容易に行うことができるものである。しかし、潤滑剤5(水溶性物質を包含したミセル)はコンドーム1の先端部3もしくは精液溜4に残留し、陰茎挿入時の潤滑を確保できるものである。前述のごとく、コンドーム1を巻き上げた状態において、先端部3もしくは精液溜4に潤滑剤を塗布することにより、コンドーム1先端部3の潤滑を確保するとともに、コンドーム1全体の内側面6および外側面7の保護を行うことができるものである。なお、油成分としては、従来コンドームの保護に用いられているシリコーンオイル使用することができる。シリコーンオイルにより、従来の酸化防止効果および粘着防止効果を維持しながら、身体から取り除きやすい潤滑剤を構成することができる。 【0026】さらに、潤滑剤にゼリー剤を混和することも可能である。ゼリー剤としては、従来知られている水、ゼラチン、砂糖およびグリセリン等、特許公報昭41−22237号に示されるゼリー剤を用いることができる。ゼリー剤の潤滑剤への混和方法としては、潤滑剤にゼリー剤を混ぜる方法、潤滑剤にシリコーンオイルに混和されたゼリー剤を混ぜる方法がある。潤滑剤にゼリー剤を混ぜる方法としては、潤滑剤にゼリー剤を加え、ミキサーにより混ぜる。この場合、ゼリー剤は潤滑剤に対して均一または不均一に分散させることができる。均一に混和した場合には潤滑剤の塗布部分全体にわたりゼリー剤の効果を発揮させることが可能である。不均一に混和した場合にはゼリー剤の数個の粒がゼリー剤の効果を必要とする部分にあれば良く、ゼリー剤が均一分散しないので、潤滑剤がゼリー剤の影響を受けにくく、性状を維持しやすい。 【0027】潤滑剤にシリコーンオイルに混和されたゼリー剤を混ぜる方法としては、ゼリー剤をシリコーンオイルに加え、ミキサーにより均一に混和する。この過程でゼリー剤がシリコーンオイルに被覆される。潤滑剤においては、ミセルがシリコーンオイルに被覆された状態にあり、同様な状態にあるゼリー剤が加わってもミセルとゼリー剤の間にはシリコーンオイルが介在しする。このため、潤滑剤とゼリー剤の効果がそれぞれ維持されるものである。 【0028】 【実施例】本発明者は数多くの知見に基づいて実験を重ねた結果、コンドームの巻き上げ部への浸入性に優れ、かつ、コンドームを白化させない潤滑剤を、以下に記載のような条件のもとで、適宜混合あるいは溶解して使用することにより、コンドームの巻き上げ部への浸入性、湿潤性およびぬめり性に優れた複数のコンドーム用潤滑剤が得られることを確認した。潤滑剤を構成する油成分としてシリコーンオイル、界面活性剤としてメンフェゴール、そして精製水を用い、このほかに少量の防腐剤、pH調整剤もしくは増粘剤等の添加剤を加えるものである。まず、シリコーンオイル、水、油を攪拌機により攪拌してエマルジョンとする。これにより、シリコーンオイル中に油のミセルが形成され、該ミセル中に水分が存在することとなる。シリコーンオイル含有量が100部、メンフェゴール含有量が2〜9部、精製水の含有量が10〜50部である溶液に防腐剤等の添加剤を加え、ミキサーもしくはホモジナイザーにより乳化し、潤滑剤を得た。得られた潤滑剤の性状は、水に溶ける速度が速く、ソフトな感触を有しており、人体に付着した際にも、違和感がなく容易に除去できるものであった。さらに、上記の潤滑剤に、防腐剤、pH調整剤、香料を添加することも可能である。pH調整剤や界面活性剤の種類により、潤滑剤を弱酸性とし、皮膚への影響をさらに抑制することも可能である。また、酸性にすることにより、膣内の自浄作用を活性化する。シリコーンオイル含有量は80〜120部、メンフェゴール含有量が0.01〜9部、精製水の含有量が10〜50部の範囲において上記の性状に近い潤滑剤を得ることができるものである。また、メンフェゴール含有量は、アルキルポリオキシエチレンエーテルなど、他の界面活性剤を混合して減量することも可能である。 【0029】上記実施例の潤滑剤をコンドームに使用する。コンドームに潤滑剤を用いる場合の例を以下に記載する。コンドームの内側には上記実施例の潤滑剤を、外側にはシリコーンオイルを付着させ、精液溜め部分の内側にはゼリー剤を付着される。このように構成されたコンドームは、長期保存が可能であり、装着に違和感がなく、取り外した後にも陰茎に付着する潤滑剤を水洗いで容易に洗い流すことができる。コンドーム内で射精が行われた場合にも、潤滑剤に界面活性剤および水が含まれるため、潤滑剤と精子が混ざりやすく、潤滑剤に含まれる界面活性剤により迅速に精子の機能が停止させられる。これにより、避妊の効果も向上できるものである。 【0030】次に、コンドームへの潤滑剤塗布方法の例について説明する。潤滑剤をゼリー剤と混和してなる液中に、巻き上げたままのコンドームを浸漬することにより、コンドームの亀頭部に混和液を塗布する。これにより、混和液より潤滑剤のみが分離し染み出し、ゼリー剤を残したまま、コンドームの内外全表面に拡散する。潤滑剤がコンドーム全体に拡散することにより、コンドームの巻き上げ部分のひっつきを防止でき、コンドームの劣化を防止できるものである。 【0031】コンドームを巻き上げた後に、コンドーム先端もしくは嚢部(精液溜め部)内側に潤滑剤を付着させる。これにより、潤滑剤が染み出し、コンドームの内外全表面に拡散する。潤滑剤がコンドーム全体に拡散することにより、コンドームの巻き上げ部分のひっつきを防止でき、コンドームの劣化を防止できるものである。また、潤滑剤におけるシリコーンオイルなどの油成分の比率により、潤滑剤のシリコーンオイルなどの油成分の一部が拡散させ、コンドーム全体をシリコーンオイルなどの油成分により覆うことも可能である。さらには、コンドームを巻き上げた後にシリコーンオイルに浸漬し、この後、コンドーム先端もしくは嚢部(精液溜め部)内側に潤滑剤を付着させる。もしくは、コンドームを成形した後に、シリコーンオイルを塗布し、巻き上げ、コンドーム先端もしくは嚢部(精液溜め部)内側に潤滑剤を付着させる。これらの方法においても、コンドームの巻き上げ部分のひっつきを防止でき、コンドームの劣化を防止できるものである。 【0032】 【発明の効果】上記発明の実施の形態および実施例において詳細に説明したように、皮膚に対して安全であり、水に溶ける速度が速く、感触がソフトであり、皮膚に付着した際に違和感を与えず、皮膚から容易にふき取ることのできる潤滑剤を構成することができる。 【0033】また、潤滑剤をコンドームに使用することにより、コンドームの潤滑性および保湿性、手触り感を向上でき、コンドームの白化を防止できる。コンドームの巻き上げ部への浸入性に優れた浸入剤として、使用時にぬめり感を付与するぬめり剤として潤滑剤を用いることができる。身体に付着しても簡単に水で洗い落とすことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000107284 【氏名又は名称】ジェクス株式会社 【識別番号】000000550 【氏名又は名称】オカモト株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月24日(2000.5.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−327522(P2001−327522A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月27日(2001.11.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−152352(P2000−152352) |
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