トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 再生型おむつ
【発明者】 【氏名】田中 弘

【氏名】田中 豊

【氏名】浅野 孝幸

【氏名】鎌田 樹志

【要約】 【課題】従来の紙製おむつと同等の吸水性及び保水性を備えているので使用感に優れており、しかも使用後に使い捨てすることなく分解して再生することが可能であるし、再生処理においても環境を汚染することがない。

【解決手段】矩形状の袋状カバー1は、非透水性の塩化ビニル製シート2と不織布からなるカバーシート3を長手方向両端側は熱溶着し、幅方向両端側は水溶性接着剤で貼着することにより形成してある。袋状カバー1内には面状芯材4が収納してある。面状芯材4は亀甲状の上、下編成体との間に空隙を形成することにより吸水性と保水性を有しており、上編成体には無数の起毛2E、2E、・・・が形成してある。面状芯材4にはデンプンを原料とする吸水性高分子5、5、・・・が均一に散布してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 非透水性の下地シート及び外縁側が該下地シートに取着される不織布製のカバーシートからなり、前記外縁側の一部は水溶性接着剤により貼着してある袋状カバーと、該袋状カバー内に収納した柔軟性材料からなる面状芯材と、該面状芯材の少なくとも片面側に散布した吸水性高分子とから構成してなる再生型おむつ。
【請求項2】 前記面状芯材は、表面に無数の起毛が形成してあることを特徴とする請求項1記載の再生型おむつ。
【請求項3】 前記面状芯材は、保水性材料により形成してあることを特徴とする請求項1又は2記載の再生型おむつ。
【請求項4】 前記面状芯材は、化学繊維綿からなる保水体を含んで構成してあることを特徴とする請求項1記載の再生型おむつ。
【請求項5】 前記吸水性高分子には、生分解性の原料のものを用いたことを特徴とする請求項1記載の再生型おむつ。
【請求項6】 前記カバーシートは、外縁側を前記下地シートの下面側に貼着してあることを特徴とする請求項1記載の再生型おむつ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、幼児用おむつや失禁用おむつ等のおむつに関し、従来のおむつが使い捨てであったの対して環境を汚染することなく再生することができる再生型おむつに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、おむつには布製のおむつが用いられていたが、高齢者の介護では複数枚重ねて使用しなければならないことから、近年は作業上の負担軽減と吸水性及び保水性に優れているので不快感がなく、また使い捨てが可能な利便性から布製おむつに代わって紙製おむつが広く普及している。紙製おむつは、下面側のビニールシートと上面側の不織布シートとの間にバージンパルプと石油系の吸水性高分子、例えばポリアクリル酸塩ポリマーを混合して綿状に形成した吸水材を挟装した構成からなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した紙製おむつは使用感と使い勝手の良さから大量に使用されているが、材料にバージンパルプや石油系の吸水性高分子を用いており、下面側のビニールシートと上面側の不織布は熱溶着して分解不能な構造になっているため、使用済みの紙製おむつは再生することが不可能である。そして、焼却処分するとダイオキシン発生の問題があるし、埋立処理する場合にはバージンパルプの分解に長期間を要するという問題がある。しかるに、全国で日々何十、何百万枚が産業廃棄物として廃棄されており、高齢化社会を迎えて廃棄おむつの更なる増加は地方自治体にとってその処理対策が大きな問題となっている。
【0004】本発明は上述した従来技術の諸欠点に鑑みなされたもので、紙製おむつと同等の吸水性及び保水性があるので使用感に優れており、しかも使用後に使い捨てすることなく分解して再生することが可能であるし、再生処理においても環境を汚染することがない再生型おむつを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するために構成された本発明の手段は、非透水性の下地シート及び外縁側が該下地シートに取着される不織布製のカバーシートからなり、前記外縁側の一部は水溶性接着剤により貼着してある袋状カバーと、該袋状カバー内に収納した柔軟性材料からなる面状芯材と、該面状芯材の少なくとも片面側に散布した吸水性高分子とからなる。
【0006】そして、前記面状芯材は表面に無数の起毛を形成するとよい。
【0007】また、前記面状芯材は保水性材料により形成するとよい。
【0008】更に、前記面状芯材は、化学繊維綿からなる保水体を含んで構成にするとよい。
【0009】また、前記吸水性高分子には、生分解性の原料のものを用いるとよい。
【0010】更にまた、前記カバーシートは、外縁側を前記下地シートの下面側に貼着するとよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。図1乃至図3は第1の実施の形態を示す。図において、1は矩形状の袋状カバー、2は該袋状カバー1を構成する下地シートで、該下地シート2は例えば塩化ビニル製或はポリエステル製のシート等の非透水性材料からなるシートを長さ約70〜90cm、幅約30cmの長方形に裁断したものからなっており、幅方向両外縁側2A、2Aは上方に起立させることにより尿等が外側から侵入するを可及的に防止するようにしてある。
【0012】3は袋状カバー1を構成し、後述する面状芯材4の上面を覆うカバーシートで、該カバーシート3は透水性のある不織布を下地カバー2より大きく裁断したものからなり、長手方向両外縁側3A、3Aは下地カバー2の長手方向両端2C、2Cと熱溶着してある。また、幅方向両外縁側3B、3Bは下地カバー2の幅方向両外縁側2A、2Aを包んで下面2D、2D側に折り込んであり、所望の温度例えば60〜80℃で溶解する水溶性接着剤で該下面2Dに接着してある。
【0013】4は前記下地シート2の上面2Bに配置した状態で袋状カバー1に収納した面状芯材で、該面状芯材4はポリエステル織布からなり、柔軟性及び若干の厚みを持たせることによりソフトな感触を有している。ここで、面状芯材4は図2に示すように亀甲状の上、下編成体4A、4Bと、該上、下編成体4A、4Bとの間に微小間隔を保持するように上、下編成体4A、4Bに連結されたループ状の連結糸4C、4C、・・・と、亀甲形状を保持するために上、下編成体4A、4Bに斜めに掛け渡した多数の保持糸4D、4D、・・・と、上編成体4Aに形成した無数の起毛4E、4E、・・・(図2では形状の錯綜を避けるために起毛2Eは省略してある。)とから構成してあり、上、下編成体4A、4Bとの間に空隙を形成することにより吸水性と保水性とを有している。また面状芯材4の表面に形成した無数の起毛4E、4E、・・・によって、後述する吸水性高分子5の定着性を保持すると共に、使用時のソフト感を得られるようにしている。
【0014】5、5、・・・は前記面状芯材4の上面に噴射することにより均一に散布した粉末からなる無数の吸水性高分子で、該吸水性高分子5にはおむつを再生処理する場合の環境汚染の防止を考慮してデンプンを原料とするものを用いている。そして、面状芯材4の上面に散布した吸水性高分子5、5、・・・は面状芯材4の内部にまで侵入することにより、また無数の起毛4E、4E、・・・に絡められることによって、使用中においても偏りすることなく均一な状態に保持されている。
【0015】本実施の形態に係るおむつは上述の構成からなり、その使用法は従来の紙製おむつと異なるところはない。しかし、使用済となった後の処理については、そのまま廃棄していた従来の紙製おむつとは全く異なるものである。即ち、使用済となったおむつは回収した後、大略以下の工程で洗浄再生する。先ず、常温水で予洗した後、60〜80℃の洗浄水を充填した洗浄機で本洗いを行う。この間に水溶性接着剤が溶解して袋状カバー1の下地カバー2とカバーシート3の幅方向両端側が分離して開口した扁平の筒状になり、面状芯材4が露出すると共にゲル状の吸水性高分子及び排泄物が洗浄水中に流出する。そこで、ゲル状の吸水性高分子及び排泄物は回転式スクリーンで回収し、或は沈殿やフィルタ等の適宜の分離手段により洗浄水から分離し回収する。袋状カバー1と面状芯材4は数度の洗浄を行った後数度の濯ぎを行なってから脱水して乾燥し、袋状カバー1と面状芯材4とに分別しておむつの製造に再利用できる状態にする。他方、分離回収したゲル状の吸水性高分子及び排泄物は、乾燥することにより有機肥料等として有効利用することができる。
【0016】次に、図4は本実施の形態の変形例を示す。図において、11は変形例に係る面状芯材で、該面状芯材11はポリエステル織布からなる下部布地12と、該下部布地12より目の荒い上部布地13と、該上部布地13と下部布地12に連結したループ状の連結糸14、14、・・・とから構成し、上部布地13と下部布地12との間に空隙を形成して所望の厚さにすることにより、吸水性と保水性を持たせてある。そして、吸水性高分子5、5、・・・は上部布地13に噴射することにより面状芯材11内にまで侵入して保持されている。
【0017】なお、面状芯材11に再生処理時の耐熱温度を考慮してポリエステル織布を用いたが、ナイロン繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維等の合成繊維からなる織布を用いてもよいものである。
【0018】また、本実施の形態において袋状カバー1は四辺のうち長手方向両端側の二辺は熱溶着し、幅方向両端側の二辺は水溶性接着剤で接着することにより形成したが、一辺、三辺或は四辺を水溶性接着剤で接着して形成してもよいものである。
【0019】更に、本実施の形態では、面状芯材4の上面側に吸水性高分子5を噴射して散布するものとして述べたが、面状芯材4の下面側にも吸水性高分子5を散布する構成にしてもよいものである。
【0020】次に、図5及び図6は第2の実施の形態に係る面状芯材を示し、該面状芯材21は化学繊維綿からなる保水体22と、該保水体22の下側に被着した保形用網体23と、保水体22の上側に被着したゴーシュ等のメッシュ状保形布24とから構成してある。そして、面状芯材21は保水体22、保形用網体23及びメッシュ状保形布24を一体に縫着する縫着部25、25、・・を適宜の形状に設けることにより、使用中に形崩れするのを防止している。
【0021】本実施の形態によれば、面状芯材21の構成素材に化学繊維綿からなる保水体22を用いたから、織布を用いる場合と比較してより柔らかい使用感を得ることができるし、粒状の吸水性高分子が綿の空隙内に深く侵入して保持されるから使用中に移動して偏りするのを確実に防止することができる。
【0022】
【発明の効果】本発明は以上詳述した如く構成したから、下記の諸効果を奏する。
(1)袋状カバーを構成する下地シートとカバーシートの外縁側の一部を水溶性接着剤により貼着したから、使用後におむつを洗浄することにより吸水性高分子及び排泄物は洗浄水中に流出させてフィルタ等により分離回収することができるし、洗浄後の袋状カバーと面状芯材は分離回収することによりおむつに再利用することができる。
(2)吸水性高分子に生分解性のものを用いることにより、洗浄水に流出させたゲル状の吸水性高分子及び排泄物は回収して環境を汚染することがない有機廃棄物として有効利用することができる。
(3)面状芯材は表面に無数の起毛を形成して粗面状にしてあるから、表面に分散してある吸水性高分子を均一に保持することができる。
(4)面状芯材は保水性材料により形成してあるから、吸水性と保水性に優れており、従来の紙製おむつと同等のソフトな使用感を得ることができる。
(5)面状芯材に保水体として化学繊維綿を用いることにより、柔らかい使用感を得ることができるし、吸水性高分子は綿の空隙に侵入することにより定着性に優れている。
(6)カバーシートは外縁側を下地シートの下面側に貼着することにより尿等に濡れることがないようにしたから、使用中に下地シートからカバーシートが剥れることがなく、使用時の信頼性に優れている。
【出願人】 【識別番号】500210316
【氏名又は名称】有限会社特殊産業
【識別番号】591190955
【氏名又は名称】北海道
【出願日】 平成12年5月9日(2000.5.9)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−314443(P2001−314443A)
【公開日】 平成13年11月13日(2001.11.13)
【出願番号】 特願2000−135449(P2000−135449)