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【発明の名称】 吸収性物品
【発明者】 【氏名】河崎 宏典

【氏名】山本 耕裕

【氏名】滝田 浩美

【要約】 【課題】使用後の取り外しが支障なく行える吸収性物品を提供すること。

【解決手段】液透過性の表面シート2、液不透過性且つ通気性の防漏シート3、及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4を備え、幅方向の外方に延出するフラップ部6が形成され、その非肌当接面側にズレ止め用の粘着剤7が配設された吸収性物品である。少なくとも、フラップ部6における粘着剤7の配設された部分に防漏シート3がない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液透過性の表面シート、液不透過性且つ通気性の防漏シート、及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を備え、幅方向の外方に延出するフラップ部が形成され、その非肌当接面側にズレ止め用の粘着剤が配設された吸収性物品において、少なくとも、前記フラップ部における前記粘着剤が配設されている部分に前記防漏シートがないことを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】 前記フラップ部が、前記表面シート及び前記防漏シート以外のシートであって所定の引裂き強度を有する他のシートで形成されている請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】 前記他のシートが液不透過性のシートであり、且つ前記吸収体の両側部を覆って幅方向の外方に延出されている請求項2記載の吸収性物品。
【請求項4】 前記他のシートが前記吸収体の両側部上面領域に接合され、幅方向の外方に延出されている請求項2記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】吸収性物品の防漏シートを透湿化し、着用中の濡れ感、ムレ感を軽減すると共に皮膚の含水膨潤を抑制して皮膚トラブルの発症を抑える技術に関する従来技術としては、例えば、特表平10−508521号公報に開示された技術が知られている。この技術は、フラップ部を有する生理用ナプキンを、そのフラップ部を含めて多孔性で通気性を有する防漏シートで構成したものである。しかしながら、フラップ部を有する生理用ナプキンは、使用時に着用ショーツの股間部分の外面へフラップ部を折り返してずれ止め用の粘着剤で固定することで使用するが、斯かる技術の生理用ナプキンは、多孔性で引裂き強度が十分に得られない防漏シートをフラップ部に使用しているため、使用後に着用ショーツから生理用ナプキンを取り外す際に、フラップ部が破断したり、フラップ部の一部がズレ止め用の粘着剤と共に着用ショーツの表面に残ってしまう等、使用後の取り外しに支障を来たす場合があった。着用者によっては、フラップ部を折り返して固定したままの状態で取り外すことがあり、この場合特に上記の如き支障が起こりやすくなっていた。
【0003】従って、本発明は、使用後の取り外しが支障なく行える吸収性物品を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、液透過性の表面シート、液不透過性且つ通気性の防漏シート、及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を備え、幅方向の外方に延出するフラップ部が形成され、その非肌当接面側にズレ止め用の粘着剤が配設された吸収性物品であって、少なくとも、前記フラップ部における前記粘着剤が配設されている部分に前記防漏シートがないことを特徴とする吸収性物品を提供することにより上記目的を達成したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1及び2は、本発明の吸収性物品を生理用ナプキン(以下単にナプキンともいう)に適用した実施形態を示すものであり、符号1はナプキンを示している。
【0006】同図に示すように、ナプキン1は、実質的に縦長の形状をしており、液透過性の表面シート2、液不透過性で且つ通気性の防漏シート3、及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4を備えている。また、ナプキン1は、その幅方向の外方に延出するフラップ部6が表面シート2及びシート(他のシート)5で形成されており、このフラップ部6における非肌当接面側、すなわち、シート5にズレ止め用の粘着剤7が配設されている。つまり、ナプキン1は、フラップ部6における粘着剤7が配設されている部分には防漏シート3がないものである。
【0007】図2に示すように、ナプキン1は、防漏シート3上に吸収体4が配設され、吸収体4の肌当接面側(図において上側)に、フラップ部6を形成するシート5、及びシート5とともにフラップ部6を形成し吸収体4の肌当接面側を覆う表面シート2が配設されている。本実施形態では、シート5は、吸収体4の長手方向の左右両側部4aを覆うように配設されている。
【0008】防漏シート3は、平面視して縦長の略矩形の外形形状を有しており、吸収体4よりも大きい外形寸法である。表面シート2は、装着時に着用者の肌に当接される肌当接面を形成するものであり、その外形形状はフラップ部6を形成する部分を除いては、防漏シート3と略同形状である。シート5は、吸収体4の肌当接面側の側部4b及び吸収体4の側部4aを覆う部分と、フラップ部6を形成する部分とを有しており、その外形形状は、外側は上記表面シート2と同じ輪郭を有し、内側は吸収体4の長手方向に沿う直線輪郭を有している。そして、表面シート2及び防漏シート3が吸収体4を囲繞するようにその周縁部においてヒートシールで接着され、表面シート2及びシート5におけるフラップ部6を形成する部分がその外縁部においてヒートシールで接着されている。この結果、ナプキン1の周縁部は、吸収体4の左右両側部では表面シート2、シート5及び防漏シート3が接着部23で接着され、フラップ部6では、表面シート2及びシート5が接着部25で接着され、それ以外の部分、即ちナプキン1の長手方向の両端部(接着部23を除く)は表面シート2及び防漏シート3が接着部24で接着されている。
【0009】また、防漏シート3の下面にはナプキン1を着用者の着衣に固定するための粘着剤8が配設されており、粘着剤8は未使用状態においては剥離シート(図示せず)によって保護されている。本実施形態においては、防漏シート3と吸収体4とは、防漏シート3上にスパイラル状に配設された接着剤9によって部分接着されている。
【0010】図1及び図2に示すように、表面シート2の略中央部には、表面シート2と吸収体4とを接合する環状の溝20がエンボス加工により形成されており、この溝20により、吸収体4への液の誘導及び装着状態に応じた形状を付与できるようになっている。この環状の溝20は、吸収体4において吸収した液の周囲への拡散を防止する機能も有している。また、表面シート2の両側部には、表面シート2、シート5及び吸収体4を接合する溝21、21がエンボス加工により形成されており、吸収された液が吸収体4内で拡散しても、これらの溝21,21により、吸収体4の両側部への液の拡がりが抑制されるようになっている。
【0011】シート5は、液不透過性が好ましく、従来の吸収性物品において防漏シートとして使用されている各種のシートを特に制限なく用いることができるが、使用後にナプキンを取り外した際に、フラップ部が破断したり、装着部に粘着剤を残したりしないようにする点から、JIS K7128(B法)に従い測定された引裂き強度が、MD方向で80cN以上、CD方向で160cN以上であることが好ましく、MD方向で100cN、CD方向で200cNであることがより好ましい。また、同様の観点から、シート5の引張最大強度は、MD方向で500cN以上、CD方向で400cN以上であることが好ましく、MD方向で600cN以上、CD方向で500cN以上であることがより好ましい。引張最大強度は、測定サンプルをMD方向の場合は、MD方向に100±10mm、CD方向に10±1mmで準備し、CD方向の場合は、CD方向に100±10mm、MD方向に10±1mmで準備し、チャック間距離50mm、引張速度300mm/minで引張り、その最大点を測定して得られる。ここで、吸収性物品においては、上記CD方向を当該吸収性物品の幅方向に用いることが好ましい。このような引裂き強度の高いシート材料としては、例えば、メタロセン触媒により重合して得られたエチレン−αオレフィン共重合体を配合したポリエチレンフィルム等の引裂き強度の高いポリエチレンフィルム、又はポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維、若しくはポリエチレン−ポリエステル複合繊維からなる湿式若しくは乾式不織布にポリエチレンフィルムをラミネート処理したラミネート不織布が挙げられる。
【0012】防漏シート3は、通気性、好ましくは水蒸気透過性を有している。これによりナプキン1を装着した場合に着装内の湿度の上昇が防止され、快適な装着感が得られる。防漏シート3の水蒸気透過性の程度は、着装内の湿度の上昇防止の観点から、JIS Z0208に従い測定された透湿度(以下、透湿度というときはこの方法により測定されたものをいう)が、好ましくは0.7g/(100cm2・24hr)以上、より好ましくは1.0〜5.0g/(100cm2・24hr)、特に好ましくは1.5〜3.0g/(100cm2・24hr)である。
【0013】本実施形態における防漏シート3は、液不透過性で且つ通気性、好ましくは水蒸気透過性を有する疎水性のフィルムからなる。斯かるフィルムの好ましい例としては、疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラー又は相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる多孔性フィルムが挙げられる。また、防漏シート3としては、吸収性物品に従来用いられている、液不透過性で且つ通気性、好ましくは水蒸気透過性を有する各種のシートを用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレンや、ポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン−ポリエステル複合繊維等からなる撥水性の不織布、非相溶性の熱可塑性樹脂同士、具体的にはポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル等から任意に組み合わされた分割型複合繊維からなる撥水性不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布からなる撥水性の多層複合不織布、又は上記のシートと該撥水性不織布との複合シート、又は上記シートとポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレンや、ポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン−ポリエステル複合繊維等からなる親水性不織布との複合シート等が挙げられる。
【0014】吸収体4の肌当接面側に存する、シート5,5が存在しない部分の幅、即ち、シート5,5の肌当接面側に位置された縁部5a,5a同士間の幅W1(図2参照)は、ナプキン1における液を吸収する液吸収面を確保する観点から、20〜80mmであることが好ましく、特に30〜80mmであることが好ましい。
【0015】前記表面シート2、吸収体4、粘着剤7,8、接着剤9には、吸収性物品に従来用いられているものを特に制限なく用いることができる。
【0016】本実施形態のナプキン1は、フラップ部を備えた従来の生理用ナプキンと同様に、先ず防漏シート3を粘着剤8でショーツ等の着衣に固定し、次に着衣を包み込むようにフラップ部6を折り曲げてフラップ部6を粘着剤7で着衣に固定して用いることができる。この際、液不透過性のシート5が吸収体4の両側部及び両側部上面で接合されているので、フラップ部6をショーツに巻き込んだ際に、吸収体4の両側部はショーツクロッチの両サイドに確実に広く固定される。すなわち、装着中に吸収体4の両側部がショーツの内側に入り込むことなく、装着中においてもより幅広い吸収面を確保することができる。このため、従来の吸収体の下方からフラップ部が延出するものに比べ、より一層高い防漏効果が発現できる。
【0017】本実施形態のナプキン1は、フラップ部6の非肌当接面が所定の引裂き強度を有するシート5で形成され、該シート5に粘着剤7が配設されているので、従来のように、取り外しの際にフラップ部6が破断したり、フラップ部6に配設された粘着剤7が着衣に残ったりすることがなく、ナプキン1の使用後の取り外しを支障なく行える。また、高価な防漏シート3を必要な箇所にのみ配設すれば済むため安価に製造することができる。さらに、液不透過性のシート5が吸収体4の両側部を覆うように配設されているため、吸収体4が多量の液を吸収した場合においても、吸収体4に保持された液が、ナプキン1の側部から漏れることがない。
【0018】また、ナプキン1は、防漏シート3が通気性を有しているため、吸収体4に吸収された液から発生する水蒸気が、吸収性物品の外に排出され、着装内の湿度の上昇が防止される。これにより、濡れ感、ムレ感を無くすことができ、快適な装着感が得られることはいうまでもない。
【0019】本発明の吸収性物品は、少なくとも、フラップ部における粘着剤の配設された部分に防漏シートがないものであり、例えば、図3〜5に示すような他の実施形態の生理用ナプキン1’を含むものである。これらの図に示すナプキン1’の基本的な構成は、上述したナプキン1におけるものと同様であり、以下の説明では、ナプキン1とは異なる部分について特に説明し、ナプキン1と同様の部分については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。従って、特に説明しない部分については、ナプキン1に関して上記した説明が適宜適用される。
【0020】図3に示す、ナプキン1’は、表面シート2’が防漏シート3と同様の外形を有しており、また、シート5が表面シート2’の外側に配設され、さらに、フラップ部6’が当該シート5のみで形成されている以外は、上記ナプキン1と同様の構成である。そして、このような構成を有している結果、ナプキン1’の周縁部は、吸収体4の左右両側縁部ではシート5、表面シート2’及び防漏シート3が接着部23’で接着され、それ以外の部分、即ちナプキン1の長手方向の両端部(接着部23’を除く)は表面シート2’及び防漏シート3が接着部24で接着されている。また、表面シート2’の両側部には、シート5、表面シート2’及び吸収体4を接合する溝21’,21’がエンボス加工により形成されている。本実施形態においては、フラップ部6’は、その肌触りを考慮すると、前記不織布とポリエチレンフィルムをラミネート処理したラミネート不織布で形成することが好ましい。
【0021】上記構成のナプキン1’によれば、上述したナプキン1と同様に、従来に比べて使用後の取り外しが支障なく行え、しかもナプキン1よりも更に安価に製造することができる。また、液不透過性のシート5が吸収体4の両側部を覆うように配設されているため、吸収体4が多量の液を吸収した場合においても、吸収体4に保持された液が、ナプキン1の側部から漏れることがない。さらに、本実施形態のナプキン1’は、ナプキン1と同様に、液不透過性のシート5が吸収体の両側部及び両側部上面で接合されているので、ショーツに装着中において幅広い吸収面を確保することができ、従来の吸収体の下方からフラップ部が延出するものに比べ、より一層高い防漏効果が発現できる。
【0022】図4に示すナプキン1’は、表面シート2’を吸収体4の側部4aを覆いその端部2aが当該吸収体4の非肌当接面側に至るように配設し、フラップ6’をシート5’のみで形成し、吸収体4の非肌当接面側において表面シート2’、シート5’及び防漏シート3を接着部23で接着したものである。本実施形態のナプキン1’においては、その防漏性及び透湿度を向上させる観点から、ナプキン1’の左右両側端間の幅W2(吸収体4の幅)に対して防漏シート5’,5’が存在しない部分の幅W3は、20〜90%であることが好ましく、30〜90%であることがより好ましい。
【0023】上記構成のナプキン1’によれば、上述したナプキン1と同様に、従来に比べて使用後の取り外しが支障なく行え、しかも安価に製造することができる。
【0024】図5に示すナプキン1’は、粘着剤配設用の窓30を有する防漏シート3’及びシート5でフラップ部6’を形成し、その周縁部を接着部25’でヒートシールし、当該窓30を通じてシート5に粘着剤7を配設したものである。
【0025】上記構成のナプキン1’によれば、従来に比べて使用後の取り外しが支障なく行え、しかも安価に製造することができる。また、液不透過性のシート5が吸収体4の両側部を覆うように配設されているため、吸収体4が多量の液を吸収した場合においても、吸収体4に保持された液が、ナプキン1の側部から漏れることがない。
【0026】本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更することができる。本発明は、フラップ部のズレ止め用の粘着剤の配設部分に防漏シートのない形態を含むものであり、上記実施形態以外のもの、例えば、フラップ部が吸収性物品の長手方向の前方又は後方部に形成されフラップ部を着衣の中で広げて固定するものも含むものである。そして斯かるものにおいても、上記実施形態と同様の本発明の効果が得られるものである。
【0027】本発明は、上記実施形態におけるような生理用ナプキンの他、使い捨ておむつ、失禁パッド、パンティライナー等にも適用することもできる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、使用後の取り外しが支障なく行える吸収性物品が提供される。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成12年5月10日(2000.5.10)
【代理人】 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修 (外1名)
【公開番号】 特開2001−314442(P2001−314442A)
【公開日】 平成13年11月13日(2001.11.13)
【出願番号】 特願2000−137348(P2000−137348)