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【発明の名称】 排便感知システム
【発明者】 【氏名】濱村 哲之進

【氏名】加藤 幹夫

【氏名】坂田 隼通

【氏名】金子 敬朗

【氏名】松島 治子

【氏名】長田 明夫

【要約】 【課題】排便のみを確実に感知する。

【解決手段】小便を吸収して漏出を阻止する機能を有するおむつ1に取付けられるセンサ2と、センサ2の感知信号に基づいて排便を判定して排便信号を出力するコントローラ3とを備える。センサ2は、大便の湿度を感知する湿度センサ2aと大便の温度を感知する温度センサ2bと大便の臭気を感知する臭気センサ2cと大便の色彩を判定するためのカメラシステム2dとからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 小便を吸収して漏出を阻止する機能を有するおむつの収容ポケットに取付けられるセンサと、センサの感知信号に基づいて排便を判定して排便信号を出力するコントローラとを備え、センサは少なくとも大便の湿度を感知する湿度センサと大便の温度を感知する温度センサと大便の臭気を感知する臭気センサとからなる排便感知システム。
【請求項2】 請求項1の排便感知システムにおいて、センサは柔軟性を有するシート状に形成され、湿度センサ,温度センサはおむつの内側の肛門に対面する部分の近くに設けられた収容ポケットに挿入取付けされ、臭気センサはおむつの外側の肛門に対面する部分の近くに設けられた収容ポケットに挿入取付けされることを特徴とする排便感知システム。
【請求項3】 請求項2の排便感知システムにおいて、センサはおむつの内側の肛門に対面する部分の近くに設けられた収容ポケットに挿入取付けされ大便の接触による収容ポケットの色の変化を感知する色彩を判定するためのカメラシステムを含むことを特徴とする排便感知システム。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの排便感知システムにおいて、臭気センサは、感知対象となる臭気成分が異なる複数個を備えていることを特徴とする排便感知システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、病人,高齢者,乳幼児等のように便器を使用しての排便が困難でおむつの中に排便をせざるをえない者(要介護者)に装着され、おむつの中での排便を自動的に感知して排便信号を出力する排便感知システムに係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】 従来、排尿を感知するシステムとしては、例えば、特開平11−216154号公報に記載のものが知られている。
【0003】この従来のシステムは、要介護者のおむつ等に取付けられる湿度センサで小便の湿度を感知して排尿信号を出力するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 前述の従来のシステムでは、小便,大便の区別が不能であるため、排尿,排便の双方で排尿信号が出力されてしまうという問題点がある。
【0005】なお、要介護者の排尿については、小便を吸収して漏出を阻止する機能を有する高性能なおむつが開発提供されてきているため、おむつの定時交換で対応することができるようになってきている。このため、排尿を感知するシステムの実用性が低下してきている。
【0006】一方、要介護者の排便については、放置すると皮膚疾患等を引起こすことから早期の処置(おむつの交換)が必要であるにもかかわらず、羞恥心,告知能力等の関係で介護者に速やかに伝達されない状況にある。このため、おむつの定時点検が必要になって、介護労働を煩雑化させている。
【0007】本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、排便のみを確実に感知することのできる排便感知システムを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】 前述の課題を解決するため、本発明に係る排便感知システムは、次のような手段を採用する。
【0009】即ち、請求項1では、小便を吸収して漏出を阻止する機能を有するおむつの収容ポケットに取付けられるセンサと、センサの感知信号に基づいて排便を判定して排便信号を出力するコントローラとを備え、センサは少なくとも大便の湿度を感知する湿度センサと大便の温度を感知する温度センサと大便の臭気を感知する臭気センサとからなる。
【0010】この手段では、湿度センサ,温度センサ,臭気センサからなる3つのセンサの感知信号を総合した判定から排尿を排した排便のみを感知し排便信号を出力する。
【0011】また、請求項2では、請求項1の排便感知システムにおいて、センサは柔軟性を有するシート状に形成され、湿度センサ,温度センサはおむつの内側の肛門に対面する部分の近くに設けられた収容ポケットに挿入取付けされ、臭気センサはおむつの外側の肛門に対面する部分の近くに設けられた収容ポケットに挿入取付けされることを特徴とする。
【0012】この手段では、湿度センサ,温度センサ,臭気センサからなる3つのセンサの取付箇所がおむつの内外に分離される。
【0013】また、請求項3では、請求項2の排便感知システムにおいて、センサはおむつの内側の肛門に対面する部分の近くに設けられた収容ポケットに挿入取付けされ大便の接触による収容ポケットの色の変化を感知する色彩を判定するためのカメラシステムを含むことを特徴とする。
【0014】この手段では、センサとして色彩を判定するためのカメラシステムが加えられる。
【0015】また、請求項4では、請求項1〜3のいずれかの排便感知システムにおいて、臭気センサは、感知対象となる臭気成分が異なる複数個を備えていることを特徴とする。
【0016】この手段では、大便の複数の臭気成分が感知される。
【0017】
【発明の実施の形態】 以下、本発明に係る排便感知システムの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】図1〜図3は、本発明に係る排便感知システムの実施の形態(1)を示すものである。
【0019】この実施の形態では、要介護者Mを在宅介護するに好適なものを示してある。
【0020】この実施の形態は、図1に示すように、要介護者Mに穿かせるおむつ1に取付けられるセンサ2と、センサ2に接続されたコントローラ3と、コントローラ3に接続された警報器4とで構成されている。
【0021】おむつ1は、図2に示すように、小便を吸収し保持する合成樹脂粒からなる面状の吸水体1aと、吸水体1aの内側に積層被覆され小便の通過を許容する内側表面材1bと、吸水体1aの外側に積層被覆され小便の通過を阻止し通気を許容する外側表面材1cとを備えている。内側表面材1b,外側表面材1cの背部,臀部側には、上縁に開口され肛門に対面する部分の近くまで細袋形に延びた収容ポケット1d,1eがそれぞれ形成されている。
【0022】センサ2は、おむつ1の収容ポケット1d,1eに挿入取付けが可能な柔軟性を有するシート状に形成された湿度センサ2a,温度センサ2b,臭気センサ2c,色センサ2dの4つからなる。湿度センサ2a,温度センサ2b,色彩を判定するためのカメラシステム2dは、内側の収容ポケット1dに挿入取付けされる。臭気センサ1cは、外側の収容ポケット1eに挿入取付けされる。
【0023】湿度センサ2aは、大便の湿度を感知するもので、小便よりも低い湿度が小便よりも長時間に継続された場合に感知信号を発信する機能を備えている。即ち、水分が多く(湿度が高く)直ちにおむつ1の吸水体1aに吸収される小便を感知しないように設定されている。なお、おむつ1の内側の収容ポケット1dに挿入取付されていることは、大便に近接されて大便自体の湿度を的確に感知することを可能にする。
【0024】温度センサ2bは、大便の温度を感知するもので、小便とほぼ同じ温度が小便よりも長時間に継続された場合に感知信号を発信する機能を備えている。即ち、直ちにおむつ1の吸水体1aに吸収される小便を感知しないように設定されている。なお、おむつ1の内側の収容ポケット1dに挿入取付されていることは、大便に近接されて大便自体の温度を的確に感知することを可能にする。
【0025】臭気センサ2cは、大便の臭気を感知するもので、例えば硫化水素系の臭気成分を感知した場合に感知信号を発信する機能を備えている。即ち、例えば硫化水素系の臭気成分がほとんどない小便を感知しないように設定されている。なお、おむつ1の外側の収容ポケット1eに挿入取付されていることは、大便から離れて大便から揮発した臭気成分を的確に感知することを可能にする。また、この臭気センサ2cについては、大便の臭気の感知精度を高めるために、感知対象となる臭気成分が異なる複数個を備えることができる。
【0026】色センサ2は、大便の接触による収容ポケット1dの色の変化を感知するもので、色の変化が長時間に継続された場合に感知信号を発信する機能を備えている。即ち、直ちにおむつ1の吸水体1aに吸収される小便を感知しないように設定されている。なお、おむつ1の内側の収容ポケット1dに挿入取付されていることは、大便に近接されて大便の収容ポケット1dへの付着を的確に感知することを可能にする。
【0027】コントローラ3は、センサ2に接続されセンサ2の感知信号を受信する受信部3aと、受信部3aに接続して排便を判定する判定部3bと、判定部3bに接続して排便が判定された際に排便信号を出力する出力部3cとを備えている。判定部3bは、湿度センサ2a,温度センサ2b,臭気センサ2c,色彩を判定するためのカメラシステム2dの4つ全てからの感知信号を受信した場合に排便と判断し、湿度センサ2a,温度センサ2b,臭気センサ2c,カメラシステム2dの4つ全てからの感知信号を受信しない場合に排便でないと判断するように設定されている。また、湿度センサ2a,温度センサ2b,臭気センサ2c,カメラシステム2dの4つの何れかから感知信号を受信した場合にも排便と判断するように設定されている。即ち、小便に近い下痢状の大便や便秘傾向の水分の少ない小塊状の大便をも感知することを可能にするためである。
【0028】警報機4は、コントローラ3の出力部3cに接続され、出力部3cが出力した排便信号によって光,音等からなる警報を表示する。
【0029】この実施の形態によると、センサ2を取付けたおむつ1を要介護者Mに穿かせ、バッテリ等の電源を確認し、センサ2,コントローラ3のスイッチをONにして放置する。このとき、センサ2が要介護者Mの肛門近くに位置するものの、センサ2が柔軟性を有するシート状であることから要介護者Mが違和感を覚えることがない。
【0030】要介護者Mが排便すると、警報機4が警報を表示する。警報機4の警報を確認した介護者は、センサ2,コントローラ3のスイッチをOFFにして、要介護者Mからおむつ1を脱がせセンサ2を取外して洗浄消毒し、センサ2を取付けた清浄なおむつ1を要介護者Mに穿かせることになる。なお、脱がせたおむつ1は廃棄される。
【0031】この介護者によるおむつ1の交換作業は、排尿による警報機4の警報の表示が起こりえないため、煩雑になることがない。
【0032】図4は、本発明に係る排便感知システムの実施の形態(2)を示すものである。
【0033】この実施の形態では、要介護者Mを集中介護するに好適なものを示してある。
【0034】この実施の形態は、前述の実施の形態(1)の警報機4を集中設置してある。
【0035】この実施の形態によると、例えば、病院の各ベットのコントローラ3を有線,無線で看護ステーションに設置された集中された警報機4に接続することにより、看護ステーションに待機している看護婦からなる介護者に迅速に警報を確認させることができる。また、コントローラ3の出力部3bに通信機能を持たせ、各家のコントローラ3を電話回線等で介護センターに設置された集中された警報機4に接続することにより、介護センターに待機している介護士からなる介護者に迅速に警報を確認させることができる。
【0036】図5は、本発明に係る排便感知システムの実施の形態(3)を示すものである。
【0037】この実施の形態では、要介護者Mを集中介護するに好適なものを示してある。
【0038】この実施の形態は、前述の実施の形態(1)のコントローラ3を大型のコンピュータ5に組込んである。そして、センサ2とコントローラ3とを中継器6を介して接続してある。
【0039】この実施の形態によると、病院等に設置された集中管理システムに組込むことが可能になる。また、コントローラ3の判定部3bの判定材料として、要介護者Mの病状(下痢,便秘等の排便状態)を含めることもできる。尚、このシステムは、有線,無線の両方に使用可能である。
【0040】以上、図示した実施の形態の外に、警報機4として移動性のものを選択して、巡回している介護者に警報を表示することも可能である。
【0041】
【発明の効果】 以上のように、本発明に係る排便感知システムは、湿度センサ,温度センサ,臭気センサからなる3つのセンサの感知信号を総合した判定から排尿を排した排便のみを感知し排便信号を出力するため、排便のみを確実に感知することができる効果がある。また、この効果により、おむつの定時点検が不要になって介護労働が楽になる効果が生ずる。
【0042】さらに、請求項2として、湿度センサ,温度センサ,臭気センサからなる3つのセンサの取付箇所がおむつの内外に分離されるため、各センサが各取付箇所で的確に大便を感知することができる効果がある。
【0043】さらに、請求項3として、センサとして色彩を判定するためのカメラシステムが加えられおむつに付着した大便を感知するため、排便のみをより確実に感知することができる効果がある。効果がある。
【0044】さらに、請求項4として、大便の複数の臭気成分が感知されるため、臭気センサの大便の感知精度が高くなる効果がある。
【出願人】 【識別番号】599024274
【氏名又は名称】アース建設コンサルタント株式会社
【出願日】 平成12年5月11日(2000.5.11)
【代理人】 【識別番号】100062269
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 義雄
【公開番号】 特開2001−314433(P2001−314433A)
【公開日】 平成13年11月13日(2001.11.13)
【出願番号】 特願2000−138308(P2000−138308)