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【発明の名称】 男性用尿パッド
【発明者】 【氏名】朝井 欣哉

【氏名】寺島 夏樹

【氏名】武末 聡美

【要約】 【課題】装着が容易でしかも尿が漏れにくく、また、陰嚢にスキントラブルを起こしにくい男性用尿パッドを提供する。

【解決手段】液透過性表面シートと液不透過性裏面シートと、これら両シート間に配置された吸収体とを有してなり、該パッドの外縁の1辺から中央部へ向って切り込み部位が設けられ、該切り込み部位は途中から二股に分岐して、全体としてY字形状に形成されており、さらに前記液不透過性裏面シートには不織布が貼合されている男性用尿パッド。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液透過性表面シートと液不透過性裏面シートと、これら両シート間に配置された吸収体とを有する男性用尿パッドにおいて、該尿パッドの外縁の1辺から中央部へ向かって切り込み部位が設けられ、該切り込み部位は途中から二股に分岐して、全体としてY字形状に形成されていることを特徴とする男性用尿パッド。
【請求項2】 前記液不透過性裏面シートに不織布或いは織布が貼合されていることを特徴とする請求項1に記載の男性用尿パッド。
【請求項3】 前記液不透過性裏面シート表面或いは、前記液不透過性裏面シートに貼合された不織布或いは織布表面には、該尿パッド組み立て用の止着部が配備されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の男性用尿パッド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、おむつと併用または下着を介して装着される男性用尿パッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、男性器を包んで使用するタイプの男性用尿パッドについては、様々なものが提案されてきた。例えば、尿パッドのサイドフラップに細帯状の尿パッド組み立て用の固着部を該尿パッド長手方向に沿って配置した提案(特開平8−280727号公報、特開平9―173370号公報、)矩型の尿パッドを長手方向中央部で2つ折りに折り曲げて、互いに当接するサイドフラップ同士を固着させて袋状に形成している提案(特開平9−19452号公報)、尿パッドに円孔、或いはU字型の切り欠き部分を配置した提案(特開平10−234764号公報、特開平10―234765号公報)がされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、尿パッドのサイドフラップに細帯状の尿パッド組み立て用の固着部を尿パッド長手方向に沿って配置した提案(特開平8−280727号公報、特開平9―173370号公報、)では、前記矩型の尿パッドを、該尿パッド組み立て用固着部にて先の尖ったホッパー状に形成し、前記ホッパー状に形成された尿パッド底部の広く開口している側より男性器を挿入して着用するが、前記のように形成された尿パッドにおいては、男性器を挿入する部分が、ホッパー状に広く開口した形状なので、安定して男性器を尿パッド内に維持することが難しく、着用者が身体の向きを変える等により、容易に尿パッドが男性器から脱落するという問題点がある。
【0004】また、尿パッドの男性器からの脱落を防ぐために、該尿パッドの裏面側に粘着部材を配置し、下着或いは紙おむつ等に固定させるものもあるが、粘着部の粘着力が不十分であったり、着用中に身体の向きを変える等により、該尿パッドは男性器から容易に脱落し、あまり効果が無い。
【0005】また、矩型の尿パッドを長手方向中央部で2つ折りに折り曲げて、互いに当接するサイドフラップ同士を固着させて袋状に形成している提案(特開平9−19452号公報)でも、尿パッドの裏面側に配置された粘着部だけでは、着用の間、該尿パッドを下着或いは紙おむつ等に固定し続けることは難しい。さらに、男性器を挿入する部分の開口が大きいために、安定して男性器を尿パッド内に維持することが難しく、着用者が身体の向きを変える等により、容易に尿パッドが男性器から脱落するという問題がある。
【0006】また、尿パッドに円孔を配置した提案(特開平10−234764号公報,特開平10―234765号公報)では、尿パッドを貫通するように配置された円孔に男性器を挿入した後、該尿パッドを長手方向に2つ折りし、両側縁部に配置された粘着部で固定することによって前記の2つ折り状態を維持させるので、尿パッドが男性器から脱落することは少ない。しかしながら、男性器に対して円孔が大きい場合には、男性器との間にすきまが生じるために漏れが発生する可能性があり、また、男性器に対して円孔が小さい場合には円孔に男性器を通しにくいために装着しにくかったり、装着困難となる問題点がある。
【0007】また、円孔の代わりに、尿パッドにU字型切り欠き部位を配置した提案もあるが、円孔の場合と同様、男性器の大きさによっては尿パッドと男性器の間にすきまが生じたり、男性器を通しにくく装着しにくい問題点がある。
【0008】また、前記U字型切り欠き部位を配置した尿パッドにおいては、該U字型切り欠き部位近傍に止着域を形成し、該U字型切り欠き部位の両側部分を連結することにより、男性器と尿パッドのすきまを少なくする提案もあるが、装着に手間を要することになり、さらには、該止着部の配置のためにコストが増大するという問題点がある。
【0009】また、一般的に男性用尿パッドの裏面シートには液不透過性フィルムが用いられるが、この場合該尿パッドを装着すると裏面シートのフィルムが陰嚢部に直接接触するために、肌の弱くなった高齢者等の着用者が長時間着用するとスキントラブルを起こしやすいという問題点がある。
【0010】本発明の目的は、上記の問題点を解決し、装着が容易でしかも尿が漏れにくく、また、陰嚢にスキントラブルを起こしにくい男性用尿パッドを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】(1)本発明は、液透過性表面シートと液不透過性裏面シートと、これら両シート間に配置された吸収体とを有する男性用尿パッドにおいて、該パッドの外縁の1辺から中央部へ向かって切り込み部位が設けられ、該切り込み部位は途中から二股に分岐して、全体としてY字形状に形成され、該切り込み部位が男性器導入部として用いられることを特徴とする男性用尿パッドに存する。
【0012】(2)また、前記液不透過性裏面シートに不織布或いは織布が貼合されていることを特徴とする前記(1)に記載の男性用尿パッドに存する。
【0013】(3)また、前記液不透過性裏面シート表面或いは、前記液不透過性裏面シートに不織布或いは織布が貼合されている場合はその表面に、該尿パッド組み立て用の止着部が配備されていることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の男性用尿パッドに存する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の男性用尿パッドは、おむつと併用または下着を介して装着されるものであり、展開状態において略矩形の形状を成しており、該パッドの外縁における1辺(4辺の内の1辺)上の点を起点としてパッドの中央部に向かって切り込みが設けられ、さらに該切り込み部位は途中から二股に分岐して、全体としてY字形状の切り込み部位を形成している。また、このY字形状の切り込み部位は男性器導入部として用いるため、対向する辺の近傍までは達しないで、切り込み部位を形成した辺の近傍に設けられていることが好ましい。この様な構成を有する本発明の男性用尿パッドは、該尿パッドの切り込み部位に男性器を直接挟み込んで装着するので、尿パッドを男性器に確実に装着することが可能となり、男性器を安定して尿パッド内に維持することが可能となることから、着用中に身体の向きを変える等の動作を行っても、該尿パッドは男性器から容易に脱落することを防ぐことが可能となる。
【0015】尚、本発明におけるY字形状とは、3本の直線が1点で交わるような形状が基本形であるが、Y字の上部がV字でなく、U字状または、凹形状のものも含むことを意味している。また、切り込み部位の起点を有する辺を上にして見た場合、前記のY字形状の表現は正確には逆Y字形状であることは勿論のことである。さらに、Y字形状の切り込み部位に男性器をはさみ込むようにして導入すれば装着できるので、尿パッドの装着を非常に簡便に行うことが可能となる。
【0016】さらに、切り込み部位の形状がY字形状であることから、男性器の大きさに関わらず装着が可能となり、さらに、特別な止着部等を設けなくても、Y字形状の切り込み部位に男性器をはさみ込むだけで男性器の大きさに関わらず尿パッドと男性器の間にすきまが生じにくい。また、Y字形状の切り欠きによってできるV字型の吸収体部分が、装着の際に男性器の下側に配置されることになるために、男性器を伝って尿パッドから漏れが生じることを防ぐことができる。
【0017】また、本発明の男性用尿パッドは、裏面シート側に不織布或いは織布を貼合することにより、該尿パッド装着時に裏面シート側が陰嚢に長時間接触していても、スキントラブルを起こしにくくすることができる。
【0018】また、本発明の男性用尿パッドは、円孔或いはU字型等に部位を切り取らず、Y字形状の切り込みを入れるだけなので、余分なトリム発生がないことから簡便に製造することが可能となる。
【0019】本発明の男性用尿パッドを構成する液透過性表面シート、吸収体及び液不透過性裏面シートについては、公知のものを特に制限無く用いることができるが、以下に、本発明において使用される材料について具体的に説明する。
【0020】本発明において使用される液透過性表面シートは、坪量が10〜40g/m2で、構成繊維の繊維径が4デニール以下の親水性繊維からなる、液透過性の不織布、織布等が用いられる。さらに、詳しくは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、または、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の2成分以上からなる複合繊維等でも良く、特には、低融点ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましいが、特に制限をうけるものではない。
【0021】本発明において使用される吸収体は、綿状パルプと高吸水性材料である高吸収性ポリマーからなり、さらに全体を親水性シ−トによりくるまれていても良い。また、綿状パルプに対して3〜60重量%の熱融着性物質を混合して熱圧着してもよい。前記吸収体の構成は特に制限されるものではないが、例えば、綿状パルプを主成分とする単独層でも良く、綿状パルプに高吸収性ポリマーを均一に混合した層状のものでも良く、或いは綿状パルプを主成分とする2つの層の間に高吸収性ポリマーからなる均一な層を挟み込んだ構成であっても良い。綿状パルプとしては、化学パルプシートもしくは、機械パルプシートを粉砕機で解繊することにより得られる繊維長5mm以下のものである。パルプ原料としては、針葉樹に限らず、広葉樹、わら、竹およびケフナも適用される。このパルプの使用量は、目的とする吸収体により、例えば、単独で用いるか、複数積層して用いるか、他の吸収材を併用するかなどにより異なるが、一般的には、50〜400g/m2にされる。
【0022】高吸収性ポリマーとしては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のもの等が挙げられる。すなわち、デンプンーアクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプンーアクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物、デンプンーメタクル酸メチルグラフト共重合体のケン化物、デンプンーアクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプンーアクリルアミドグラフト共重合体のケン化物、アクリル酸(塩)重合体、アクリル酸で架橋されたポリエチレンオキシド、ナトリウムカルボキシメチルセルローズの架橋物、ポリビニールアルコールー無水マレイン酸反応物の架橋物などが使用できるが、この中で自重の20倍以上の尿、体液及び水を吸収するもので、ポリアクリル酸ナトリウム系のものが吸収性能の点から最も適当である。高吸収性ポリマーの分布量は、綿状パルプの乾燥状態で全重量の10〜500%、好ましくは15〜300%であり、かかる量の高吸収性ポリマーが綿状パルプ中に実質的に均一に分布していると、高吸収性ポリマーが吸収し膨潤したとき、その粒子は相互の干渉が最小にとどめられ、連続的に接触して透過障壁を形成することが少なく、尿や体液を3次元方向に透過、吸収する。
【0023】また、熱融着性物質としては、綿状パルプと混合することを考えると繊維状のものが好ましい。熱融着性物質は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニリデン、アクリル樹脂、ナイロン樹脂等があげられる。または、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の2成分以上からなる複合繊維等でも良く、特には、ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましい。繊維径は1〜5デニール程度が好ましく、繊維長は3〜30mmのものが、綿状パルプと混合するのに好適であるが、特に制限をうけるものではない。これらを綿状パルプ層に混合し、一定以上の圧力で熱圧着することによって、熱融着性物質による骨格構造を形成し、湿潤時においても綿状パルプ層自体の強度を持つことが可能となる。熱圧着の方法は、熱プレスロール、熱風乾燥機、マイクロ波加熱機、赤外線ヒーター等、特に限られていないが、マット層に均一に熱が伝わり、熱融着性物質が融けて骨格構造を形成することが出来れば良い。
【0024】吸収体に用いる親水性シートは、例えば、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等、親水性のシートであれば良い。吸収体の圧縮方法として、周面が平滑なロールなどにより、吸収体の密度がその全体にわたり実質的に均等になるように連続する面状であってもよいし、周面が凹凸状であるロールなどにより、吸収体の密度が部分的に異なり、尿や体液を縦方向及び斜め方向に導く模様配列のエンボスであってもよい。エンボスの場合、圧縮部、非圧縮部は、連続、非連続のいずれであってもよい。
【0025】本発明における液不透過性裏面シートは、液不透過性のプラスティックフィルムのシートが好適に用いられ、更にこのシートの裏面側に液不透過性或いは液透過性の不織布或いは織布を配置することが好ましい。プラスティックフィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルクロライド、またはこれらと同様の材料や、ポリビニルアルコールをベースとするフィルムのウェブまたはシートなどの材料から形成することができる。裏面シート材料は透明でも不透明でも良く、またエンボス加工した表面を有するようにすることもできる。また、ほぼ液不透過性になるようにつくられた不織布の繊維ウェブからつくることもできる。
【0026】また、前記フィルムシートに貼合する不織布或いは織布としては、坪量が10〜40g/m2で、通気性の不織布、織布等が用いられる。さらに、詳しくは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、または、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の2成分以上からなる複合繊維等でも良く、特には、低融点ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましいが、特に制限をうけるものではない。また、液不透過性処理を施した不織布或いは織布を単独で用いても良い。
【0027】
【実施例】以下、図面により、本発明の男性用尿パッドを詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】図1は、本発明の男性用尿パッドの展開図である。図1において、矩形状に形成された男性用尿パッド1は、その矩形の1辺(図1の上辺)上の略中央部を起点として男性器導入部となる切り込み部位4が配置されている。該切り込み部位4は、男性用尿パッド1の上辺 a側より、下辺 a'に向かって配置され、さらに該切り込み部位は途中から2股に分岐して全体としてはY字型の切り込み部位を形成している。またY字型切り込み部位の起点位置は、矩形状尿パッドの長辺上の中央あるいは中央付近であると尿パットの装着組み立てが行ない易くなり好ましい。
【0029】また、吸収体2は、切り込み部位4が設けられた上辺部の中央付近に、矩型状にくりぬかれた一部くりぬき部分5が形成されており、前記のくり抜き部分5に切り込み部位4が配置されている。ここで、前記の吸収体の一部くりぬき部分5の形状は矩型以外でも良く、U字型、V字型、壺型等の形状でも良い。さらに、切り込み部位4が位置する場所に吸収体が存在しても構わない。
【0030】図2は、本発明の男性用尿パッドを男性器に装着途中の斜視図である。図2において、男性器7が男性器導入部としての切り込み部位4にはさみ込まれた状態である。男性器7は男性用尿パッド1の上辺から配置されている切り込み部位4の切り込みに沿って、前記切り込みが2股に分岐する位置まで、簡便に導入することができる。さらに、男性用尿パッド1の裏面シート側には尿パッド組み立て用固着部3が配置されている。ここで尿パッド組み立て用固着部3の大きさ、形状は特に規定されるものでなく、複数箇所に配置しても良い。さらにその固着手段としては、面ファスナーを用いても良いし、粘着剤を用いて使用時まで剥離紙で覆っている構造でも良く、尿パッドを組み立てたときにその形状を確実に維持できるものであれば良い。
【0031】図3は、図2における切り込み部位4の周辺部位及び男性器7の拡大図である。切り込み部位4はその切り込み形状が途中で二股に分岐しているY字型であるので、二股分岐点から尿パッド1の中央部側に位置する切り込みの終点8にかけて、V字型部9が形成される。男性器7を装着した状態において、このV字型部9が男性器7の下側に配置されることになるために、着用者が失禁した場合に、尿が男性器7に沿って流れて漏れることを防ぐことになる。ここで、切り込み部位4の形状は、Y字型でなくても良く、V字型部9の形状が、U字型、凹型等の形状でも良い。
【0032】図4は本発明の尿パッド1を組み立てた状態の斜視図である。図2の状態において、男性用尿パッド1の両側部を両側縁部がお互いに重なるように折り曲げて、漏斗状に形成し、右側に配置した男性用尿パッド組立用固着部3で固着することによりその形態を維持させる。また、左側に配置した尿パッド組み立て用固着部3は漏斗状に形成した尿パッドを下着等に固定するのに用いることが出来る。また、このような装着状態においては、外側面に位置する裏面シート6が不織布或いは織布であるために、裏面シート6に直接接触する陰嚢部がスキントラブルを発生する可能性が少ない。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明の男性用尿パッドは、装着が非常に簡便でしかも尿が漏れにくく、また、陰嚢にスキントラブルの発生を抑えることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子製紙株式会社
【出願日】 平成12年4月7日(2000.4.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−286500(P2001−286500A)
【公開日】 平成13年10月16日(2001.10.16)
【出願番号】 特願2000−106131(P2000−106131)