| 【発明の名称】 |
支承移動および脱臼阻止の特徴を備えた後部安定型代替膝補綴 |
| 【発明者】 |
【氏名】マイケル.ジェー.パッパス
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| 【要約】 |
【課題】他の非丁番式膝関節に優る脱臼阻止特性を備える補綴膝関節の提供。
【解決手段】補綴交換用膝関節は脛骨部材500と大腿骨部材200と支承300ならびに制御アームを備える。前記脛骨部材は上位支承面310と、この支承面310に伸入する円錐状くぼみを備える。前記支承は脛骨部材の上位面と摺動自在に係合し、Z形溝を中に備えて形成された下位面を備える。大腿骨部材200は前記支承の上位面と関節支承係合になっている1組の凸形関節顆状突起を備える。大腿骨部材200はさらに上位の場所で幅が大きくなった後部ノッチを備える。制御アームは脛骨部材の前記円錐状くぼみに回転自在に位置する円錐状支承300を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 大腿骨部材であって中央ならびに側方凸形顆状突起を有する下位関節支承面と、前記大腿骨部材後面に前方方向に伸入大腿骨部材の下位間接支承面に隣接し平行する中央ならびに側面フランジにより決まる後部ノッチとを備える大腿骨部材を含み、脛骨部材を含み、支承であって前記大腿骨部材と脛骨部材の間に配置され大腿骨部材の下位関節支承面と関節支承係合している上位支承面を備えて前記脛骨部材と摺動かつ回転支承係合している下位支承面と、前記支承の後面に前方方向に伸入する後部ノッチと、前記支承の下位支承面に形成されて前記後部ノッチから前方方向に前記支承に伸入する溝をさらに備える支承を含み、さらに、前記支承の溝に摺動自在に係合し前記脛骨部材上に旋回自在に取付けられた制御アームと、前記制御アームから支承の後部ノッチと大腿骨部材を通って上位方向に伸びて大腿骨部材のフランジの上位表面に膝関節補綴が屈折し脱臼を阻止している間の支承の後方移動を起させるため係合させる中央ならびに側方カム突起を備える柱から成る制御アームとを、含むことから成る脱臼阻止膝関節補綴。 【請求項2】 前記大腿骨部材の前記フランジが前記凸形顆状突起により決まる形状に事実上従う下位表面を備え、前記フランジの上位表面が弓状に凹形になった上位支承面であることを特徴とする請求項1記載の膝関節補綴【請求項3】 前記柱の中央ならびに側部カム突起が弓状に凸形になったカム表面を備え、大腿骨部材のフランジの前記弓状に凹形になった上位表面に接し支承係合することを特徴とする請求項2記載の膝関節補綴。 【請求項4】 前記大腿骨部材が前記大腿骨部材の上位面から前記フランジに接近して上方方向に突出する事実上平行する中央ならびに側方壁部からさらに成り、前記柱の中央ならびに側方突起が前記大腿骨部材の中央ならびに側方壁部と摺動係合して配置された平行する中央ならびに側面を備えることを特徴とする請求項3記載の膝関節補綴。 【請求項5】 前記脛骨部材がくぼみを有する上位支承面を備え、前記制御アームアセンブリーが前記脛骨部材のくぼみに旋回自在に係合する突起から成り、前記制御アームアセンブリーが脛骨部材上にピボット状の取付けを達成させることを特徴とする請求項1記載の膝関節補綴。 【請求項6】 前記脛骨部材にあるくぼみと前記制御アームの突起が相補的円錐形状を備えることを特徴とする請求項5記載の膝関節補綴。 【請求項7】 前記脛骨部材の上位支承面が事実上平面であることと、前記支承の下位支承面が事実上平面であることを特徴とする請求項5記載の膝関節補綴。 【請求項8】 前記支承の下位面にある溝がZ形溝であることと、前記制御アームが前記支承の溝に摺動係合できるZ形形状を備えることを特徴とする請求項1記載の膝関節補綴。 【請求項9】 前記支承の上位支承面が中央ならびに側部凹形弓状支承面から成り、前記大腿骨部材の顆状突起と弓状支承係合することを特徴とする請求項1記載の膝関節補綴。 【請求項10】 前記大腿骨部材と前記脛骨部材ならびに制御アームが金属で形成され、また前記支承と柱がプラスチックで形成されることを特徴とする請求項1記載の膝関節補綴。 【請求項11】 前記制御アームアセンブリーが前記制御アームから前記プラスチック製柱に伸入する金属製柱支持ピンから成り、前記金属製柱支持ピンが前記膝関節補綴の屈折中前記柱上に起こる剪断力に抵抗することを特徴とする請求項10記載の膝関節補綴。 【請求項12】 前記大腿骨部材のフランジが前記ノッチに沿うあらゆる場所で互いから事実上等間隔に離間していることを特徴とする請求項1記載の膝関節補綴。 【請求項13】 前記大腿骨部材が前記中央ならびに側壁部の間に伸び、前記ノッチの1部が決まる前壁部からさらに成ることを特徴とする請求項1記載の膝関節補綴。 【請求項14】 前記支承がUHMWPe で単一形成されることを特徴とする請求項1記載の膝関節補綴。 【請求項15】 前記大腿骨部材と脛骨部材の双方が金属材料で形成されることを特徴とする請求項1記載の膝関節補綴。 【請求項16】 くぼみを中に有する上位支承面を備える膝骨部材を含み、前記脛骨部材のくぼみに回転自在に係合する下位突起と、前記制御アームから上位方向に伸びて下位カム面が凸形の中央ならびに側部突起を備える柱から成る制御アームを含み、支承であって前記脛骨部材の上位支承面と摺動支承係合になっている下位面と、前記支承の後面に前方向に伸入する後部ノッチと、前記支承の前記後部ノッチに摺動自在に係合している前記中央ならびに側部突起の下位にある前記制御アームの柱の部分とを備えて前記下位支承面に前記ノッチから前方方向に伸びる溝をその中に前記制御アームを摺動自在に係合してさらに備える支承を含み、さらに、大腿骨部材であって前記支承の上位支承面と関節支承係合になっている中央ならびに側部凸形顆状突起を有する下位関節支承面と、前記大腿骨部材の後面に前方方向に伸びて前記大腿骨部材の下位関節支承面に隣接し、かつ前記柱上の突起の凸形下位カム面と係合する凹形上位支承面を備えて膝関節補綴の屈折中大腿骨部材の後退を起させ、前記大腿骨部材の脱臼を防ぐ中央ならびに側部フランジにより決まる後部ノッチとを備える大腿骨部材とを、含むことから成る脱臼阻止膝関節補綴。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は膝関節補綴に関し、特に後部安定型代替膝関節補綴に関するものである。 【0002】 【従来の技術】人間の膝関節には、関節軟骨で構成される大腿骨末端部、関節軟骨で構成される脛骨近位部、および、大腿骨と脛骨の間にある関節間軟骨が含まれている。大腿骨と脛骨との位置関係は、靭帯によって適切に保たれている。適切な位置関係を維持している靭帯には、後部十字形靭帯、前部十字形靭帯、および、副行靭帯が含まれている。 【0003】膝を屈折運動させると、脛骨は大腿骨に対して中央から側部方向に伸び軸を中心に回転し、同時に大腿骨の接触部分は脛骨に対して後退運動する。膝を屈折運動させると、脛骨は脛骨自体の軸を中心に回転する。膝が屈折運動を行なっている間の脛骨の回転量は靭帯によって制御されて制限される。 【0004】人間の膝関節は損傷および疾病の可能性がある。例えば、膝が損傷、疾病が生じると、大腿骨あるいは脛骨の膝関節面が劣化して、大腿骨と脛骨の間にある関節軟骨が損傷する。先行技術には、損傷、疾病の生じた人間の膝の代替関節補綴が含まれている。膝関節補綴には、切除した大腿骨の末端部に取付ける大腿骨部材、切除した脛骨の近位端部に取付ける脛骨部材、および、大腿骨部材と脛骨部材との間に取付ける支承が含まれている。通常、弓状凸形顆状突起は、膝関節補綴の大腿骨部材の下位面の形によって決まる。支承上位面には、大腿骨部材の弓状顆状突起と係合する弓状の凹部が作られている。大腿骨部材の上位面は、実質的に、平らでもよく支承下位面と係合配置される。 【0005】先行技術による膝関節補綴は、整形外科医の好み、膝と健康の状態、患者の年令と移動性によって、いろいろな形態のものが存在していた。先行技術による膝関節補綴の中には、支承の下位表面が、大腿骨部材の上位表面に固定されているものもあった。さらに、別の先行技術による膝関節補綴の中には、支承と大腿骨部材との間で、回転運動を行なえるものもあった。さらにまた、別の先行技術による膝関節補綴の中には、支承と大腿骨部材との間で、限定された範囲の中ではあるが、前後方向の摺動運動が可能なものもあった。大腿骨部材に対する支承の動きは、先行技術の説明にあるように、多くの機能上の利点をもたらした。上記の構造的、および、機能的特徴を備えた先行技術による膝関節補綴は、米国特許第4,470,158号と米国特許第4,309,778号で公開されている。 【0006】上記で説明したように、ほとんどの膝関節補綴の大腿骨部材の支承の下位表面は、一組の弓状顆状突起で構成されている。大腿骨部材の顆状突起は、支承の下位表面の弓状凹部と関節支承係合する。その結果、支承の上位表面には、その中央部分が相対的に凹み、周辺部分が相対的に高くなった皿状の部分が、一組含まれているのは通常である。上述したように、膝関節の屈折運動を行なうと、脛骨は、大腿骨に対して、中央−横方向の軸を中心に回転する。また、屈折運動では、脛骨を脛骨自体の軸を中心に回転させる。この動きが一体となって、大腿骨の顆状突起が、支承の上位表面にある凹面に乗り上げ、あるいは、登らせて、支承が大腿骨と同じ動きをしなければ、高くなっている支承の皿状部分の縁に接近させることになる。その結果、膝の屈折運動によって、膝補綴は位置ずれする方向に移動する傾向がある。どの程度まで位置ずれさせるかは、その要素によって異なるが、靭帯のある無し、および、支承の可動性と構成が及ぼす影響が、その中でも最も大きい。位置ずれが発生する可能性も、屈折運動の大きさの程度、大腿骨部材の係合支承の下位表面と支承上位表面との間の調和がどの程度保たれているかによっても左右される。例えば、大腿骨部材が支承の上に乗り上げることは、支承の上位表面が、実質的に平らな固定支承係合の場合でも、大した問題ではない。しかしながら、大腿骨部材の支承の下位表面と膝関節補綴の支承の上位表面との間の調和が相対的に大きく保たれるようになると、支承を損傷する恐れがあるほどの、非常に高い接触ストレスが生じる結果になる。大腿骨部材と支承との間に高い調和が保たれている固定支承膝関節補綴に加えられる接触ストレスの強度は、理想的な低さである。しかしながら、調和性が高くなると、屈折運動、あるいは、回転運動を行なっている間に、大腿骨部材が支承の上に乗り上げてしまうと言う問題を引き起こすので、位置ずれを起こす可能性が出てくる。 【0007】膝関節の外反・内反安定性は、大腿骨の前向きの位置から脛骨を回転させる力、即ち、膝関節に加えられる横向きの力、あるいは、回転させようとする力に対抗する能力意味している。正面を向いている大腿骨の向きから離れた方向に脛骨を回転させる横向きの力、あるいは、回転運動は、位置ずれを起こさせる可能性がある。このような位置ずれは、加えられる横向きの力の方向によって、補綴の中央部、あるいは、側面部のどちらかに発生する傾向がある。先行技術による補綴で見られたこの種の位置ずれを18図に示した。 【0008】普通に活動している間にも、膝関節補綴には圧縮負荷が掛かっている。圧縮負荷に起因する外反・内反の動きに、通常、補綴を構成する部材の接合表面と靭帯の働きが十分に抵抗することが出来る。しかしながら、靭帯の働きが不足している場合などには、より高い外反・内反安定性が求められ場合がある。 【0009】先行技術による膝関節補綴の中には、大腿骨の顆状突起の間の後方にまで達する安定柱を利用して、外反・内反安定性を高めているものがあった。その部分は、靭帯が欠けていなければ、後部十字状靭帯が占めていたはずの部分である。大腿骨部材が支承の上を登ることも、後部安定柱を採用している膝関節補綴特有の問題であった。特に、大腿骨部材が支承の上に登ってしまうと、柱に加えられる剪断力が大幅に強くなり、補綴に外傷が生じる可能性が出てくる。 【0010】脛骨部材の上で支承が前後方向へ摺動出来る構造の膝関節補綴では、後退が非常にスムースに行なわれる。ここで言う“後退”とは、屈折運動が行なわれている間に起きる、大腿骨が脛骨と接触する接点の前方向への移動を意味する。後退は、以下に説明するように、膝関節補綴が持つ好ましい特徴でもある。しかしながら、先行技術による膝関節補綴では、後退の結果、大腿骨部材が支承の上に乗り上げてしまうことがあり、位置ずれを起こす可能性が高くなってしまっていた。 【0011】屈折運動が行なわれている間に、後方に摺動することが出来る補綴の支承は、支承と膝の前面の柔らかな組織との間に発生する衝突を抑制している。その結果、前後方向に摺動出来る支承を備えた膝関節補綴は、屈折運動を行なっている間の不快感を抑制することが出来るのである。 【0012】安定柱と支承を備え、前後方向に摺動出来る構造になっている先行技術による膝関節補綴が、Bahlerによる米国特許第5,395,401号に表示されている。特に、米国特許第5,395,401号では、脛骨部材と脛骨部材の上位表面に摺動可能な形で配置された支承を持つ膝関節補綴を開示している。支承の下位の表面には、支承の上位表面に形成された二つの凹のある顆の間を前後方向に伸びる線に沿って、ばち形溝が刻まれている。米国特許第5,395,401号に表示されている支承にも、支承の二つの凹のある顆の間には、支承の後の部分にまで伸びるノッチが付けてある。ノッチと支承のばち形溝は一致する。米国特許第5,395,401号の補綴には、以上に加えて、金属合金製のコントロール・アームも含まれ、脛骨部材の表面に作った凹部と旋回係合するピンが取付けてある。コントロール・アームには、支承の下位表面のばち形溝に、摺動係合継手が含まれている。米国特許第5,395,401号に表示されているコントロール・アームにも、支承のノッチを通り大腿骨部材の顆の間にまで伸びる安定突起がある。柱は、大腿骨部材の二つの顆状突起の間の大腿骨部材に形成された箱状構造物に差し込める形態に作られている。箱状構造物の側壁は、安定突起と係合する構造になっている。この構造では、金属と金属が摺動接触するので、好ましい構造ではない。米国特許第5,395,401号に開示されているものとしては、この他に、箱状構造物の中まで伸び、安定突起と大腿骨部材の箱状構造物の側壁の間に横たわる支承の横壁が表示されている。この方法であれば、金属と金属が摺動接触することを回避出来るが、支承が非常に複雑なものになってしまう。米国特許第5,395,401号に開示してあるもので、大腿骨部材の支承からの位置ずれを防止できるものは無い。 【0013】先行技術には,支承から大腿骨顆の間のスペースに伸びる後部安定柱を持つその他の補綴部材が含まれている。この種類の先行技術による関節補綴は、例えば、米国特許第5,565,834号、米国特許第5,489,311号、米国特許第5,330,534号、米国特許第4,950,298号、米国特許第4,888,021号、米国特許第4,634,444号、米国特許第4,568,348号にも表示されている。先行技術によるこれらの補綴は、すべて、後部十字形靭帯が保持されてない場合、あるいは、欠陥がある場合の関節交換に使用されている。さらに、これらの先行技術による補綴部材のほとんどは、両方の副行靭帯が保持できる場合に使用するためのものである。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】先行技術による補綴部材はいろいろな特性を備えていたにも関わらず、他のヒンジを使用しない膝関節補綴よりも、優れた位置ずれ抵抗性能を備えた膝関節補綴が求められていた。 【0015】位置ずれを起こす可能性を大幅に抑制すると同時に、支承の脛骨部材から見て前後方向に摺動する動きを可能にする膝関節補綴を提供することが、本発明のもう一つの目的である。 【0016】さらに、位置ずれ抵抗能力が高く、後退機能に優れた膝関節補綴を提供することも、本発明のもう一つの目的である。 【0017】さらにまた、位置ずれ抵抗力を強化して、後部安定柱の剪断変形を抑制する膝関節補綴を提供することも、本件発明の目的の一つである。 【0018】 【課題を解決するための手段】後部安定補綴装置が提供される。補綴装置には、切除した大腿骨の末端部に取付ける大腿骨部材、切除した脛骨の近位部に取付ける脛骨部材、大腿骨部材と脛骨部材の間に取付けた支承、少なくとも支承の一部と脛骨部材の間に取付けたコントロール・アーム・アセンブリーが含まれている。 【0019】該膝関節補綴の支承の上位表面には、大腿骨部材と関節支承係合できる形状の一組の顆状突起が作られている。これについては後で説明する。支承には、摺動させて支承と脛骨部材の上位表面と係合させるための下位表面も含まれている。支承の下位表面には、前後の方向に伸びるばち形溝が設けられている。支承の最後部には、支承の中央と横側最先部との間に刻まれ、上位表面から下位表面にまで連続しているノッチ、あるいは、スロットが刻み込まれている。ノッチは、実質的に支承の下位表面に刻まれたばち形溝と平行になっている。 【0020】コントロール・アーム・アセンブリーには、大腿骨部材に形成した円錐形の凹みに、ロータリー・支承方式で係合させるための円錐形支承が含まれている。以上に加え、コントロール・アームの円錐形支承の直径が大きな方の端には、ばち形ガイドが設けてある。ばち形ガイドの寸法は、支承のばち形溝の中を摺動する動きに合わせてあり、円錐形支承から間隔をおいて向き合った前端と後端とが含まれている。柱は、ばち形ガイドの後の端から、上位に向かって突き出ている。柱は、支承のノッチの中で、柱が摺動係合出来る中央−横方向の幅を決定する。ばち形ガイドから離れている柱の部分には、中央および横方向への突出した部分も含まれる。突出した部分は、弓状に突き出したカムの下位表面状を呈するのが好ましい。コントロール・アームは、数多くの部材やいろいろな材料を使って形成することが出来る。例えば、中央および横方向に突き出している柱の上位の部分は、プラスチックを使って形成することが出来る。プラスチックを使って形成した柱の上位部分は、ばち形ガイドから、柱の下位の部分を通り抜け、突出部が形成されている柱の上位部分にまで突き抜けている金属製の支持ピンを使えば、ねじ込まなくてもコントロール・アームの残りの部分と一体化させることが出来る。ばち形ガイドは、金属で作ることが望ましく、円錐形支承は、表面がプラスチックで形成されているものが望ましい。多部品構成を採用すれば、金属対金属、あるいは、プラスチック対プラスチックの磨耗を回避することが出来る。 【0021】大腿骨部材の上位表面は、切除した大腿骨の末端部に確実に取付けられるように作られている。大腿骨部材には、以上に加えて、支承の上位表面と係合するように作られた弓状に突出した一組の顆で限定される下位表面が含まれている。ノッチ、あるいは、腔が、大腿骨部材の後側の端まで伸びている。大腿骨部材の上に設置した一組の平行壁が、その一部が突出しているコントロール・アームの柱の突出している部分の幅と同じ幅に、ノッチの幅を決定する。一組のフランジが、大腿骨部材の下位表面近くにまで伸びているのが、このノッチの特徴になっている。このフランジでは、平行する一組の末端が、コントロール・アームの柱の突出部の下の部分の幅より僅かに大きな間隔をおいて向い合っている。さらに、このフランジには、一定の範囲内で行なわれる屈折運動の間、柱の下位カム面と係合する上位凹部カムが備わっている。 【0022】本発明の補綴装置は、支承が屈折運動を遅れて変換し、脛骨部材に対する支承の軸回転を可能にする装置である。さらに、コントロール・アームの柱の上位の部分は、大腿骨部材のノッチ、あるいは、腔で、効率よく補足される。従って、大腿骨部材が支承から位置ずれするはずはないのである。さらに、柱は多くの先行技術による膝関節補綴には見られなかった外反・内反安定性を提供する。このような安定性は、片側、あるいは、両側の靭帯が弱体化している場合に、非常に効果的である。 【0023】支承が屈折運動を遅れて転換することは、脛骨の上で大腿骨の後退が行なわれても、大腿骨部材が支承の後部係合表面上を登ることはないので、非常に都合が良い。先行技術による補綴部材では、後退に伴って発生していたこの種の“登り”によって、余分な剪断力が柱に加えられていた。また、“登り”が発生すると、支承に圧縮圧力が加えられることになる。しかし、上記のような問題は、本発明の補綴装置を使用することで回避出来る。 【0024】 【発明の実施の形態】位置ずれ防止後部安定膝交換100は、1図および2図に示した大腿骨部材200、支承300、コントロール・アーム・アセンブリー400および脛骨プラットフォーム500で構成されている。 【0025】3図に示した大腿骨部材200には、後部ノッチ、あるいは、キャビティ201および、中央および横のキャビティ側壁202が含まれている。凹んだ大腿骨カムの表面203は、それぞれに、中央および横のキャビティ側壁202から、お互いに向かって突き出すフランジの表面で向かい合っている。フランジは、1図および2図に示した補綴を伸ばし切った位置の一番上位の端204に向かって、後と上向きに広がっている。ノッチ201は、中央と横の側壁202の間に迄広がっている前面壁205で限定される。大腿骨部材の200は、支承300と関節支承係合配置される下位の顆状突起206で限定される。これについては、後で説明する。2図は、大腿骨部材200を横から見た図である。この図では、後部ノッチ201を細部まで示すために、大腿骨の後の顆206の一つを取り除いて図示してある。 【0026】4図と5図に示した支承300には、後部ノッチ、あるいは、スロットの301およびばち形ガイド用スロットの302が含まれている。ばち形ガイド用スロットの302は、それがなければ本質的に平らな下位表面の303に形成され、後部ノッチの301から前方に向かって広がっている。支承300にも、中央および横側の凹んだ係合用支承の表面310が含まれている。この310は、大腿骨部材200の顆206と支承係合させるために形成したものである。 【0027】6図乃至8図に示したコントロール・アセンブリーの400は、コントロール・アーム410、柱420、および円錐形支承430で構成されている。コントロール・アーム410は、柱支持411、柱支持ピン412、ばち形ガイド413、円錐形支承支持414で構成されていて、そのすべてが金属製である。ばち形ガイド413のばち形の横断面は、支承300のばち形ガイド用スロット302の適合する形に作られている。柱支持の411は、ばち形ガイド413の後端と同じ形に形成され、その寸法は、支承300の後部ノッチ301に合うように作られている。柱支持ピンの412は、柱支持411やばち形ガイド413の、その何れとも別に形成することが可能で、柱支持411から突き出ている。この様子は、7図にはっきりと示されている。柱支持ピン412の外面は、後述するように、柱420をしっかりと固定する力を確保するために、表面をローレット加工することが出来る。円錐形支承支持414は、ばち形ガイド413から下位に向かって突出していて、表面もローレット加工されている。 【0028】柱420は、プラスチックを使って整形した製品で、柱支持ピンの412に取付けられる。柱420の下位部分が、柱支持411の中央及び側面と並んでいる中央及び側面420を限定する。柱420の上位部分は、中央及び側面の下位の表面421から、中央と側面を結ぶ方向の外に向かって突出する中央および横向きの突出部422によって特徴づけられている。中央および横向きの突出部422の両側の側面423は、柱420において、先に行くほど先細りになっている。中央および側面の突出部422は、大腿骨のカムの表面を係合下位が突きでている柱のカムの表面も限定している。このことについても、下で説明する。柱のカムの下位の表面426は、柱の後の表面427から、弓状の部分を通って柱の前の部分の表面428にまで広がっている。 【0029】コントロール・アーム・アセンブリー400の円錐形支承430は、プラスチック原料を使用して一つ一つ形成し、円錐形支承支持414のローレット加工した一番外側の表面に固定したものである。 【0030】脛骨プラットフォーム500には、実質的に、平らな支承の上位の表面501と、設置する際に、コントロール・アセンブリー400の円錐形支承430を差し込む円錐形の穴502が作ってある。 【0031】大腿骨部材200と米国特許第5,702,466号で説明した大腿骨部材とは、より強固に取付けられるようにするために、後部キャビティ、あるいは、ノッチ201を追加し、エクステンションの受け入れを可能にするモジュラー柱を追加した点を除けば、同一である。支承300と蝶番膝に関する米国特許第5,824,096号にある支承とは、現在では、支承300の後部の壁を突き破っている後部スロット301とばち形ガイド・スロット302が追加されている点を除けば、同一である。脛骨プラットフォーム500は、米国特許第5,702,466号で説明されているものと同一である。ここに示した具体例は、必要な場所を強化するために、プラットフォーム500の末端部にエクステンションを付け加えたバージョンである。 【0032】9図と10図は、コントロール・アーム・アセンブリー400および脛骨プラットフォーム500に、支承300を組み込む様子を示した図である。 【0033】大腿骨部材200、コントロール・アーム410および脛骨プラットフォーム500は、米国特許第5,702,488号で公開され、“ウルトラコート”の商標名で、エンドテック社が販売しているTIN コートしたチタン合金で製作するのが望ましい。支承300、柱420ならびに円錐形支承430は、UHMVVPe製の製品が望ましい。 【0034】移植方法を11図に示した。脛骨プラットフォーム500は、実用的な方法で脛骨600に移植し、支承300と予め組立てて置いたコントロール・アーム・アセンブリー400は、9図と10図に示したように、脛骨プラットフォーム500に取付ける。 【0035】膝700は約120度屈折し、エクステンション800を取付けた大腿骨部材200で構成する大腿骨部材アセンブリー900を、大腿骨1000に差し込む。大腿骨部材アセンブリー900は、身体の中心に向かって動かされるので、大腿骨カムの表面203の上位の端204は、柱のカムの下位表面426をクリアーし、大腿骨部材アセンブリー900を、12図に示したように、大腿骨1000に完全に装着させる。大腿骨部材アセンブリー900を移植する上での必要条件である柱の後の面427をクリアーし、完全に屈伸出来るようにするためには、12図に示したように、大腿骨1000の後部末端部領域1001に、リリーフ1002が必要である。 【0036】12図に示したように、脛骨600は、後部末端領域1001が存在しているために、柱の後の表面427に当たってしまい、脛骨の後方への動きは阻止されてしまっている。14図に示したように、大腿骨部材200の後部ノッチ201の前面壁205と柱420前面のカムの表面428は、脛骨600が前方に位置ずれするのを阻止している。柱420の中央と側面の突出部422の側面423は、大腿骨部材200の後部キャビティ201の中で、側壁202と係合し、それによって、中央ー横方向の位置ずれを阻止している。その結果、コントロール・アーム・アセンブリー400は、大腿骨部材200に取り込まれ、その位置から位置ずれ出来なくなっている。 【0037】外反・内反安定性を確保する方法には、二種類の方法がある。負荷状態の下では、通常の圧縮負荷が大腿骨顆206に加えられ、加えられた負荷は206とマッチングしている支承300の係合支承の表面310に伝えられる。圧縮圧力が加えられた時に起こる大腿骨部材200の回転(13図の平面上で行なわれる)は、大腿骨顆206の湾曲の中心208を通る軸207を回る形で起きなければならない。軸207を軸とした回転が始まると、柱420の中央と横にある突出物422の外側の側面423と、大腿骨部材200の後部ノッチ201の側壁202との間で衝突が起きる。この衝突による接触で、関節に加えられた外反・内反の動きに抵抗する力が作り出される。したがって、柱420と柱支持ピン412は、加えられたモーメントに抵抗して曲る必要がない。8図に示した中央と横の突出物422の側面423は、負荷が加えられても曲る必要が無いようにように、先端に向かって僅かながら先細りするように作られている。 【0038】負荷が加えられていない、外反・内反モーメントが非常に小さな時には、関節に圧縮圧力が加えられることはないので、柱420には、小さな曲げ負荷が加えられることになる。キャビティ・カムの表面203と柱のカムの表面426の共同作用を、14図乃至17図に示した。14図に示したような全開状態では、カムの表面203と426は接触する必要はない。負荷が加えられていないときは、A−Pの位置ずれを阻止するだけである。負荷が加えられると、脛骨の接触面310を圧迫している大腿骨顆206の接触面210の形によって、安定性と位置とが与えられる。15図と16図に示したように、深くまで屈折すると、凹んでいる大腿骨のカムの上位の表面203は、凸状になっている柱のカムの下位の表面426と係合し、大腿骨部材200を後方に押しやる。支承300に加わる圧縮圧力と係合支承の表面310の凹形状が、支承300に大腿骨部材200を道連れにする動きを与えるのである。後方向への動き、あるいは、大腿骨の後退は、よく知られている四頭股筋の効果を向上させる。この後退は、後部安定装置を必要とする膝交換患者がよく行なっている普通の負荷運動を行なう場合にも、この後退は行なわれる。完全に折り曲げた状態では、後方への動きは、17図に示したように、無くなるが、この動きの段階では、負荷状態になることはなく、あるいは、負荷が掛かることはきわめて稀なので、後方向への動きは重要でない。さらに、支承300の後の壁は、深く折り曲げた時に、大腿骨1000と接触するようになるので、支承300が脛骨部材500の上を前方に移動できるようにし、その結果として、より深く折り曲げられるようにすることが望ましい。 【0039】 【発明の効果】この補綴は、位置ずれを起こさず、圧縮負荷が加えられている間に、外反・内反モーメントを適用されても、柱が著しく湾曲することな無い点で、まったく新しいものである。さらに、この補綴は、大腿骨顆206の中央の端をカム203として利用し、さらに、柱420上の突出物422の下位の表面426を使って大腿骨を後退させ、後部安定性を生み出している。支承が原則的に、負荷状態に置かれている可動支承後部安定膝では、A−Pが安定している。さらに、支承300、後退が行なわれている間、大腿骨部材200と同じ動きをするので、“登り”が発生しなくなり、大腿骨と支承の係合面206および310との間の接触状態が、最高の状態に維持され、柱420に加えられる剪断力が抑制される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592195447 【氏名又は名称】バイオメディカル エンジニアリング,トラスト,アイ
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| 【出願日】 |
平成13年3月8日(2001.3.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100046719 【弁理士】 【氏名又は名称】押田 良輝
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| 【公開番号】 |
特開2001−286497(P2001−286497A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月16日(2001.10.16) |
| 【出願番号】 |
特願2001−64733(P2001−64733) |
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