トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 脛骨補強材
【発明者】 【氏名】越智 隆弘

【氏名】吉川 秀樹

【要約】 【課題】滑り落ちることなく、人工関節を施すのに好適な脛骨補強材を提供する。

【解決手段】単一のステム部12を有する骨内挿入部2と、骨端面形成部3と、がアパタイトにより一体形成されてなる。複数本を骨に打込んで共通の平面を形成して、人工関節を載置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 単一のステム部12を有する骨内挿入部2と、骨端面形成部3と、がアパタイトにより一体形成されてなることを特徴とする脛骨補強材。
【請求項2】 骨端面形成部3の上面30が、平面状に形成された請求項1記載の脛骨補強材。
【請求項3】 複数の平面状の骨端面形成部3…の上面30…を並べて連続状平面31を形成するように、複数本が用いられる請求項2記載の脛骨補強材。
【請求項4】 骨端面形成部3の上面30の、健常骨を対応させる部分が、切欠かれている請求項1又は2記載の脛骨補強材。
【請求項5】 単一の骨端面形成部3の上面30又は複数の上面30から成る連続状平面31が、人工関節載置用平面をなす請求項1,2,3又は4記載の脛骨補強材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脛骨補強材に関する。
【0002】
【従来の技術】脛骨骨端に腫瘍を生じたり、損傷した場合等に、骨端の一部を削り取り、人工骨を配置したり、人工関節に置き換えたりする治療が施されることがある。このような場合に、従来では、骨端の一部を、荷重が作用する方向に対して斜め下方の外方に向けて滑り落ちるような傾斜を付けて切除することがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように、骨端を、斜めに切除した場合には、その欠損部に合わせて人工骨を配置しても、移動しやすく、しっかりと人工骨を定着させるのは容易ではなかった。
【0004】そこで、本発明は、滑り落ちることなく、人工関節を施すのに好適な脛骨補強材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、本発明は、単一のステム部を有する骨内挿入部と、骨端面形成部と、がアパタイトにより一体形成されてなるものである。
【0006】その骨端面形成部の上面が、平面状に形成されるのも好ましい。また、複数の平面状の骨端面形成部の上面を並べて連続状平面を形成するように、複数本が用いられるもよい。
【0007】あるいは、骨端面形成部の上面の、健常骨を対応させる部分が、切欠かれてもよい。また、単一の骨端面形成部の上面又は複数の上面から成る連続状平面が、人工関節載置用平面をなすのも好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明の脛骨補強材を詳説する。
【0009】図1乃至図3は、実施の各形態を示す脛骨補強材の斜視図で、これらの図に於て、符号1で示す脛骨補強材は、下部に形成される(1本のステム部12から成る)骨内挿入部2と、上部に形成される骨端面形成部3と、が生体組織との親和性の良好なアパタイトにより一体的に形成される。
【0010】その骨内挿入部2は、脛骨4(図4(A)(B)(C)参照)内に挿入されて固定されるため、その先端が先尖り状に形成される。また、強度が必要とされるため、その内部を緻密質アパタイトで形成して、その外側に多孔質アパタイトとするのが好ましい。
【0011】一方、骨端面形成部3の上面30は、平面状に形成され、人工関節載置用平面をなす。従って、充分な剛性が必要とされるため、その上面30及びその近傍は緻密質アパタイトで形成されることが望ましい。
【0012】ところで、本発明に於て、アパタイトとは、広義でのリン酸カルシウム系焼結体を言うものと定義する。なお、その中、ハイドロキシアパタイトが強度的に優れ、最も好ましい素材である。その緻密質体は、気孔率が0〜20%のものであり、多孔質体は、気孔率が60〜80%である。
【0013】緻密質体の気孔率が20%を越えると、強度の低下が甚だしくなるため好ましくない。また、多孔質体の気孔率が60%未満になると、骨に置換される時間が長くかかり過ぎる。気孔率が80%を越えると、強度が低下するため、損壊する虞がある。
【0014】図1に示す脛骨補強材1は、複数個を組み合わせて用いることができるように小さく形成され、その全体が、やや細長い四角錐体状とされ、骨端面形成部3の上面30が正方形状の平坦な平面状となっている。このような脛骨補強材1を用いた施術では、例えば、図4(A)(B)(C)に示すような処置を採ることができる。
【0015】すなわち、まず、図4(A)に示すように、脛骨4のハッチングで示す(傷病により削除すべき)右頭部41を切除し、次いで、図4(B)に示すように、その切除された部分に、複数本の脛骨補強材1…を打ち込み、その骨端面形成部3…の上面30…を並べて連続状平面31を形成する。
【0016】そして、図4(C)に示すように、その左頭部42の一部をも、各骨端面形成部3…の連続状平面31と高さレベルを一致させて、平坦に切除することにより、新たな平面421 を形成し、これらで、広い面一状の平面5を確保するようにする。この平面5上に、人工関節10を載置する。
【0017】脛骨4内に打ち込まれた骨内挿入部2は、その表面の多孔質アパタイトが、速やかに骨置換され、かつ、内部の緻密質アパタイトによって強度が確保されるため、脛骨補強材1は所定の部位にしっかりと固定され、従来のように、術後に移動するような不具合の発生は懸念するには及ばない。
【0018】また、図示は省略するが、図1のような四角錐体状に限られることなく、三角錐体状や、六角以上の多角錐体状に形成されたものでもよいが、このような角錐体状の脛骨補強材1を複数個用いる場合には、その上面30…を互いに隙間を発生させることなく、連続状平面31に形成できる。
【0019】このような小さな脛骨補強材1を用いる場合には、切除部の大きさに応じて、打ち込む数を適宜に調整することにより、柔軟に対処できる利点がある。なお、症状に応じて、単独で用いてもよく、後述するその他の脛骨補強材1…と組み合わせて用いてもよい。
【0020】図2に示す脛骨補強材1では、側壁がやや絞られた逆円錐体状に形成され、先尖り状の骨内挿入部2(ステム部12)の上に、緩やかな球凸面状や平面状の上面30を有する骨端面形成部3が、一体に形成されている。
【0021】図3に示す脛骨補強材1では、健常骨用に、骨端面形成部3の一部が切り欠かれたものであり、この場合、その切り欠かれた部分には、切除されずに後に残った脛骨の左頭部42(図4(A)参照)を対応させるようにする。
【0022】
【発明の効果】(請求項1によれば)骨内挿入部2と骨端面形成部3とがアパタイトにより一体的に形成されるので、生体組織との親和性が良好で、違和感がなく、耐久性も良好であり、かつ、骨内挿入部2を脛骨4内に打ち込むので、移動することなく、安定姿勢で強固に定着する。
【0023】(請求項2によれば)骨端面形成部3の上面30を、平面状に形成するので、その上に人工関節を安定に載設することができる。
【0024】(請求項3によれば)連続状平面31を、複数の脛骨補強材1…の骨端面形成部3…の上面30…により形成するので、症状に応じて、最適な人工関節載置用面積を確保することができる。
【0025】(請求項4によれば)骨端面形成部3の上面30の一部を、健常骨用を対応させるために切欠いているので、脛骨の頭部を一部残して、確実に、無駄な間隙なく、取付できる。
【0026】(請求項5によれば)上面30(平面31)が人工関節載置用平面をなすので、別途、人工関節載置用平面を形成する必要がなくなる。
【出願人】 【識別番号】500097119
【氏名又は名称】株式会社エム・エム・ティー
【識別番号】500103720
【氏名又は名称】越智 隆弘
【識別番号】500103823
【氏名又は名称】吉川 秀樹
【出願日】 平成12年4月7日(2000.4.7)
【代理人】 【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
【公開番号】 特開2001−286495(P2001−286495A)
【公開日】 平成13年10月16日(2001.10.16)
【出願番号】 特願2000−105821(P2000−105821)