| 【発明の名称】 |
人工骨補綴材 |
| 【発明者】 |
【氏名】越智 隆弘
【氏名】吉川 秀樹
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| 【要約】 |
【課題】金属材を使用することなく、骨置換が可能で、患部への挿入が容易な人工骨補綴材を提供する。
【解決手段】軸芯2と径大部3とが一体に形成されて全体がアパタイトから成る2つの構造体4,4の径大部3,3に、夫々、互いに嵌合し合う嵌合部5,5を形成し、嵌合部5,5同士を嵌合させることにより、2つの構造体4,4が一体化されるように構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸芯2と径大部3とが一体に形成されて全体がアパタイトから成る2つの構造体4,4の上記径大部3,3に、夫々、互いに嵌合し合う嵌合部5,5を形成し、該嵌合部5,5同士を嵌合させることにより、上記2つの構造体4,4が一体化されるように構成したことを特徴とする人工骨補綴材。 【請求項2】 中心部6,8が緻密質アパタイトから成り、外周部7,9が多孔質アパタイトから成る請求項1記載の人工骨補綴材。 【請求項3】 緻密質アパタイトの気孔率が、0〜20%である請求項2記載の人工骨補綴材。 【請求項4】 多孔質アパタイトの気孔率が、60〜80%である請求項2記載の人工骨補綴材。 【請求項5】 軸芯2が、緻密質アパタイトから成る断面矩形状の芯部材6の表面に、多孔質アパタイト層を設けてなる請求項1記載の人工骨補綴材。 【請求項6】 径大部3が、緻密質アパタイトから成る断面矩形状の芯部材8の表面に、多孔質アパタイト層を設けてなる請求項1記載の人工骨補綴材。 【請求項7】 緻密質アパタイトから成る径大部3の矩形状の芯部材8が、緻密質アパタイトから成る軸芯2の矩形状の芯部材6よりも十分大きく形成された請求項1,2,3,4,5または6記載の人工骨補綴材。 【請求項8】 径大部3の嵌合部5の構造が、相欠きかま継ぎ構造である請求項1,2,3,4,5,6または7記載の人工骨補綴材。 【請求項9】 係止ピン12,12を、2つの嵌合部5,5に対して、軸芯2に垂直な方向に貫通させ、両嵌合部5,5の横ずれを防止した請求項1,2,3,4,5,6,7または8記載の人工骨補綴材。 【請求項10】 2つの径大部3,3を、該径大部3と同径のスペーサ21を介して、互いに接続した請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9記載の人工骨補綴材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、人工骨補綴材に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、骨腫瘍や骨髄炎等で骨の一部を切除する場合には、骨移植によって切除した部分に骨を補ったり、チタン等の金属プレートや髄内釘を用いて切除部を固定する等の処置が採られていた。また、これらの処置には、セメントも適宜用いられていた。 【0003】しかし、金属は、生体組織との馴染みがよくない上に、イオン溶出による生体毒の発生が懸念されるため、特開平7-163652 号公報には、生体為害性のない水酸アパタイトで表面を覆い、生体との一体化が可能な人工骨補填材が開示されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来例の場合、人工骨補填材の中心部(芯材1)には、金属材(ステンレス)が用いられており、生体毒の発生が懸念される。また、その中心部の両端を、夫々、切断された骨の中に挿入して固定しなければならないため、相当な力で施術部を引っ張って、挿入のためのスペースを確保する必要があり、その処置は容易ではなかった。 【0005】そこで、本発明は、金属材を使用することなく、骨置換が可能で、患部への挿入が容易な人工骨補綴材を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、本発明は、軸芯と径大部とが一体に形成されて全体がアパタイトから成る2つの構造体の上記径大部に、夫々、互いに嵌合し合う嵌合部を形成し、該嵌合部同士を嵌合させることにより、上記2つの構造体が一体化されるように構成したものである。 【0007】また、中心部を緻密質アパタイトで形成し、外周部を多孔質アパタイトで形成した。あるいは、緻密質アパタイトの気孔率を、0〜20%とした。さらに、多孔質アパタイトの気孔率を、60〜80%とした。 【0008】そして、軸芯を、緻密質アパタイトから成る断面矩形状の芯部材の表面に、多孔質層を設けたものとした。また、径大部を、緻密質アパタイトから成る断面矩形状の芯部材の表面に、多孔質層を設けたものとした。 【0009】さらに、緻密質アパタイトから成る径大部の矩形状の芯部材を、緻密質アパタイトから成る軸芯の矩形状の芯部材よりも十分大きく形成した。また、径大部の嵌合部の構造を、相欠きかま継ぎ構造とした。 【0010】さらに、係止ピンを、2つの嵌合部に対して、軸芯に垂直な方向に貫通させ、両嵌合部の横ずれを防止した。そして、2つの径大部を、該径大部と同径のスペーサを介して、互いに接続した。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明の人工骨補綴材を詳説する。 【0012】図1は、本発明の実施の一形態を示す人工骨補綴材の側面図で、符号1で示される人工骨補綴材は、アパタイトから成り、棒状の軸芯2と、その軸芯2よりも径大な径大部3と、が一体化されて成る2つの構造体4,4を、夫々の径大部3,3に形成された嵌合部5,5で互いに嵌合させて一体化可能に構成したものである。 【0013】軸芯2は、その断面を示す図2のように、緻密質アパタイトから成る断面矩形状の芯部材(中心部)6の表面に、多孔質アパタイトから成る表皮層(外周部)7を形成したものである。また、径大部3は、その断面を示す図3のように、緻密質アパタイトから成る断面矩形状の芯部材(中心部)8の表面に、多孔質アパタイトから成る表皮層(外周部)9を形成したものである。 【0014】中心部となる芯部材6,8の断面形状は、矩形状に限られることなく、三角形でもよく、その他の多角形であってもよく、また、患部の症状に応じて、適宜に変形された形状であってもよい。また、図示は省略するが、外周部となる表皮層7,9は、芯部材6,8の外面を部分的に覆うように形成されていてもよい。 【0015】ところで、本発明に於て、アパタイトとは、広義でのリン酸カルシウム系焼結体を言うものと定義する。なお、その中、ハイドロキシアパタイトが強度的に優れ、最も好ましい素材である。その緻密質体(緻密質アパタイト)は、気孔率が0〜20%のものであり、多孔質体(多孔質アパタイト)は、気孔率が60〜80%である。 【0016】緻密質体の気孔率が20%を越えると、強度の低下が甚だしくなるため好ましくない。また、多孔質体の気孔率が60%未満になると、骨に置換される時間が長くかかり過ぎる。気孔率が80%を越えると、強度が低下するため、損壊する虞がある。 【0017】その径大部3に形成される嵌合部5は、図4に示すように、段違いの切欠状に形成された2つの平坦面51,52間に、傾斜面状の係止面53が形成されてなり、一方の径大部3を他方の径大部3に対して横方向から、スライドさせて、嵌合可能(図1参照)に構成されている。 【0018】また、その径大部3,3には、両平坦面51,52と軸芯2とに直交する方向にピン孔11,11が貫通して形成されており、両嵌合部5,5を互いに嵌合させた状態として、その両ピン孔11,11に、係止ピン12,12を係入させることにより、その嵌合状態を固定し、横ずれを防止できるようにしている。 【0019】このような人工骨補綴材1を用いた施術では、図5に示すように、両軸芯2,2は、切除した骨13,14の骨髄に形成した孔部131, 141に挿入されるが、その挿入時には、まず、2つの構造体4,4を分離して、各独立に、夫々の軸芯2,2を孔部131, 141内に挿入する。次いで、両径大部3,3を互いに横方向にスライドさせつつ嵌合部5,5同士を嵌合させ、その嵌合状態下で、両ピン孔11,11に、両係止ピン12,12を係入させてその嵌合状態を固定する。 【0020】このように、人工骨補綴材1を、嵌合可能な2つの構造体4,4で構成したので、従来のように、施術時に、患部(骨13,14を無理に引っ張って広いスペースを確保しなくても、挿入が容易であり、患者への負担が軽減されると共に、軸芯2の長さを比較的に大に設定することができ、骨13,14との接合部の安定性を向上させることができる。 【0021】その軸芯2の挿入時には、多孔質アパタイトから成る表皮層7が削られつつ挿入されるため、密に嵌入させることができ、かつ、緻密質アパタイトから成る断面矩形状の芯部材6が、孔部131, 141内に食い込むため、その回転が阻止され、骨13,14への充分な固定強度が得られる。そして、その表皮層9では、骨置換が速やかにおこなわれ、骨と一体化されるため、骨セメントによる固定を必要としない。 【0022】また、径大部3は、図6にハッチングで示す芯部材8の角部81が、骨13の切断端の骨皮質と接触して荷重を支えるので、芯部材8の外形は、少なくとも、その角部81…が、骨13,14の外周部に相当するだけの大きさを有するのが好ましい。一方、表皮層9は骨組織が形成されやすく、かつ、筋肉等の軟部組織も接着しやすい。このように、軸芯2と径大部3において、緻密質アパタイトと多孔質アパタイトとを適宜組み合わせているため、充分な強度が得られ、かつ、骨が効率よく再生される。 【0023】以上のように、本発明の人工骨補綴材1は、2つの構造体4,4を軸方向で分割可能としたので、施術が容易となり、また、金属材を用いることなく、生体組織との親和性が良好でアパタイトから成るため、内部で違和感がなく、しかも、生体毒の溶出がなく、骨13,14と接触する部分で、骨置換が速やかにおこなわれ、終には、骨と一体化されるため、その接合部が、長期間にわたり安定な接合状態に維持される。 【0024】図7は、他の実施の形態を示し、この場合、両径大部3,3の嵌合部5,5の構造は、「相欠きかま継ぎ」(略称、かま継ぎ)と称するものであり、前実施の形態と同様に、両方の径大部3,3を互いに横方向にスライドさせて嵌合させることができるのは勿論であるが、一方の径大部3を他方の径大部3に対して、軸芯2に沿う方向にスライドさせても嵌合させることができる。つまり、嵌合が容易であり、症状に応じて、臨機応変な対応を採ることができ、患部への負担を、より一層軽減することができる。 【0025】図8は、別の実施の形態を示し、この場合、両径大部3,3を、その径大部3と同径のスペーサ21を介して、互いに接続するようにしている。このスペーサ21の長さを種々に変化させることにより、両径大部3,3の端部間の長さLを最適な値に設定することができる。また、このように、3つに分割したことにより、骨に対する軸芯2の挿入作業が、さらに容易となる。なお、図示は省略するが、そのスペーサ21を、2以上の部材で形成し、分割・嵌合可能に構成してもよい。 【0026】 【発明の効果】(請求項1によれば)全体がアパタイトから成るので、生体組織との親和性が良好で、骨置換による骨皮質との一体化が可能であり、内部で違和感がなく、また、金属材のような劣化や生体毒の溶出がなく、耐久性が良好であり、再手術の必要もない。 【0027】2つの構造体4,4を軸方向で分割・嵌合可能としたので、施術が容易となり、患部に対する負担を軽減することができる。 【0028】(請求項2によれば)中心部6,8が緻密質アパタイトから成るので、充分な強度を確保することができる。また、外周部7,9が多孔質アパタイトから成るので、骨置換が速やかに達成され、生体組織との一体化を図ることができる。 【0029】(請求項3によれば)緻密質アパタイトの気孔率を、0〜20%としたので、充分な強度を確保することができる。 【0030】(請求項4によれば)多孔質アパタイトの気孔率を、60〜80%としたので、骨置換が速やかに達成され、生体組織との一体化を図ることができる。 【0031】(請求項5によれば)軸芯2の、緻密質アパタイトから成る断面矩形状の芯部材6の表面に、多孔質層を設けたので、骨13,14に対して、充分な固定強度を確保できると共に、表面で骨置換が速やかに達成され、生体組織との一体化を図ることができる。 【0032】(請求項6によれば)径大部3の、緻密質アパタイトから成る断面矩形状の芯部材8の表面に、多孔質層を設けたので、骨13,14に対して、充分な支持強度を確保できると共に、表面で骨皮質との間で骨置換が速やかに達成され、生体組織との一体化を図ることができる。 【0033】(請求項7によれば)径大部3の、緻密質アパタイトから成る矩形状の芯部材8を、軸芯2の緻密質アパタイトから成る矩形状の芯部材6よりも十分大きく形成したので、骨13,14に対して位置ずれすることなく、骨13,14間の切除部のスペースをしっかりと補綴することができる。 【0034】(請求項8によれば)径大部3の嵌合部5を、相欠きかま継ぎ構造としたので、嵌合作業が容易となる。 【0035】(請求項9によれば)係止ピン12,12を2つの嵌合部5,5に対して、軸芯2に垂直な方向に貫通させるので、両嵌合部5,5の横ずれを効果的に防止することができる。 【0036】(請求項10によれば)2つの径大部3,3を、径大部3と同径のスペーサ21を介して、互いに接続するので、そのスペーサ21の長さを適宜に変化させることにより(長さの異なるスペーサ21を選択することにより)、径大部3,3の端部間の最適な長さを設定することができる。また、軸芯2の挿入が容易となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500097119 【氏名又は名称】株式会社エム・エム・ティー 【識別番号】500103720 【氏名又は名称】越智 隆弘 【識別番号】500103823 【氏名又は名称】吉川 秀樹
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| 【出願日】 |
平成12年4月7日(2000.4.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080746 【弁理士】 【氏名又は名称】中谷 武嗣
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| 【公開番号】 |
特開2001−286494(P2001−286494A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月16日(2001.10.16) |
| 【出願番号】 |
特願2000−105823(P2000−105823) |
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