トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 吸収性物品
【発明者】 【氏名】坂野 賀津士

【要約】 【課題】薄型で、漏れ防止効果の優れた吸収性物品を安価に提供する。

【解決手段】液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記両シート間に配置された吸収体を有してなり、前記吸収体は、少なくとも高吸水性ポリマーと、高吸水性ポリマーを固定、保持するシート状部材からなり、前記高吸水性ポリマーは、前記吸収体中に50〜95重量%配合されており、且つ、第1の高吸水性ポリマーと第2の高吸水性ポリマーからなり、両者の配合比率が第1:第2=25:75〜75:25であり、前記第1の高吸水性ポリマーは、特定の通液性、吸収倍率、及び、最大吸収速度を有し、前記第2の高吸水性ポリマーは、第1の高吸水性ポリマーより高い吸収倍率及び/又は最大吸収速度を有する吸収性物品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記両シート間に配置された吸収体を有する吸収性物品であって、前記吸収体は、少なくとも高吸水性ポリマーと、前記高吸水性ポリマーを固定・保持する天然繊維及び/又は合成繊維からなるシート状部材からなり、前記高吸水性ポリマーは、前記吸収体中に50〜95重量%配合されており、且つ、少なくとも第1の高吸水性ポリマーと第2の高吸水性ポリマーからなり、両者の配合比率が第1:第2=25:75〜75:25であり、前記第1の高吸水性ポリマーは、飽和膨潤状態での生理食塩水の通液性が50ml/min/cm2以上、生理食塩水の吸収倍率が35〜70g/g、及び、生理食塩水の最大吸収速度が0.1ml/sec/g以上であり、前記第2の高吸水性ポリマーは、吸収倍率が前記第1の高吸水性ポリマーの1.1倍以上であり、及び/又は、最大吸収速度が前記第1の高吸水性ポリマーの1.2倍以上であることを特徴とする吸収性物品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乳児用、又は失禁者用として供される吸収パッド、使いすておむつ等に使用される吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、尿、経血や便等の排泄物を処理するための使い捨て吸収性物品において、コンパクト化が進み、吸収体においても、薄型化が進んでいる。吸収体が薄型化されると、パルプなどの天然繊維に対する高吸水性ポリマーの配合割合が増加し、その結果、従来使われている吸収性物品では、高吸水性ポリマーがゲル化して生じるブロッキング現象により、吸収体の性能を阻害してしまうという問題があった。上記問題を解決するために通液性の優れる高吸水性ポリマーが開発されており、このような高吸水性ポリマーを用いれば、高配合で吸収体に使用しても、ブロッキング現象は発生しない。
【0003】また、特開平10−118117号公報に、吸収体が液透過時間が20秒以下である高吸水性ポリマーを含む第1吸収層と、DW法による生理食塩水の吸水速度が5g/30秒/0.3g以上である高吸水性ポリマーを含む第2吸収層とを有しており、それぞれの高吸水性ポリマーが混合しないようにされている吸収性物品が開示されている。このように、上層部に通液性の優れる高吸水性ポリマーを配置することで表面部でのブロッキング現象を回避することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般的に通液性の優れる高吸水性ポリマーは、構造上の架橋を増加したりして、ゲル強度を強めることにより得られるため、吸収倍率や吸収速度が低下してしまう傾向がある。そのため、通常用いる高吸水性ポリマーよりも配合量を増加して吸収量や吸収速度を補わなければならず、コストがかかってしまう。
【0005】また、上記特開平10−118117号公報に記載されているような吸収性物品は、高吸水性ポリマーを高濃度で配合する場合、上層部ではブロッキング現象の発生を防ぐことができるが、下層部ではブロッキング現象が発生し、吸収性能を妨げてしまう。さらに、吸収体を薄型化する場合、層構造にすることは困難であり、製造上非効率であり、好ましくない。本発明は、上記従来の吸収性物品の有する問題点を解消し、ブロッキング現象がなく、吸収性能の優れた吸収性物品を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記両シート間に配置された吸収体を有する吸収性物品であって、前記吸収体は、少なくとも高吸水性ポリマーと、前記高吸水性ポリマーを固定・保持する天然繊維及び/又は合成繊維からなるシート状部材からなり、前記高吸水性ポリマーは、前記吸収体中に50〜95重量%配合されており、且つ、少なくとも第1の高吸水性ポリマーと第2の高吸水性ポリマーからなり、両者の配合比率が第1:第2=25:75〜75:25であり、前記第1の高吸水性ポリマーは、飽和膨潤状態での生理食塩水の通液性が50ml/min/cm2以上、生理食塩水の吸収倍率が35〜70g/g、及び、生理食塩水の最大吸収速度が0.1ml/sec/g以上であり、前記第2の高吸水性ポリマーは、吸収倍率が前記第1の高吸水性ポリマーの1.1倍以上であり、及び/又は、最大吸収速度が前記第1の高吸水性ポリマーの1.2倍以上であることを特徴とする吸収性物品に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の吸収性物品は、使用される吸収体が、少なくとも高吸水性ポリマーと、これを固定・保持する天然繊維及び/又は合成繊維からなるシート状部材から形成されており、且つ、高吸水性ポリマーは吸収体中に50〜95重量%配合されている。この場合高吸水性ポリマーは、少なくとも第1の高吸水性ポリマーと第2の高吸水性ポリマーからなり、両者の配合比率が第1:第2=25:75〜75:25であり、また、第1の高吸水性ポリマーは、飽和膨潤状態での生理食塩水の通液性が50ml/min/cm2以上、生理食塩水の吸収倍率が35〜70g/g、及び、生理食塩水の最大吸収速度が0.1ml/sec/g以上であり、さらに、第2の高吸水性ポリマーは、吸収倍率が前記第1の高吸水性ポリマーの1.1倍以上であり、及び/又は、最大吸収速度が前記第1の高吸水性ポリマーの1.2倍以上である。このように、高吸水性ポリマーとして、比較的通液性が良く、特定の吸収倍率と最大吸収速度を有する第1の高吸水性ポリマーと、これよりも大きい吸収倍率及び/又は最大吸収速度を有する第2の高吸水性ポリマーの2種類の高吸水性ポリマーを特定の割合で配合したものを用いることにより、シート状の薄型吸収体を形成した場合でも、ブロッキングを発生することなく良好な通液性を示し、且つ、良好な吸収性能を有する吸収体を得ることができる。
【0008】本発明の吸収性物品において、吸収体は少なくとも高吸水性ポリマーと、これを固定・保持する天然繊維及び/又は合成繊維からなるシート状部材により形成されている。この場合、吸収体は、高吸収性ポリマーのみを、あるいは、高吸水性ポリマーにパルプなどの天然繊維を配合したものを、ティシュあるいは不織布などの天然繊維及び/又は合成繊維からなるシート状部材により、全体を包まれているか、あるいは、複数のシート部材の間に挟まれている構成とすることができる。また、パルプなどに強度保持などの目的で長繊維や熱融着性の合成繊維などを混合してもかまわない。
【0009】また、高吸水性ポリマーは、吸収体中に50〜95重量%配合されている。高吸水性ポリマーの配合比率が50重量%未満では、パルプなどの配合比率が多くなるため、高吸水性ポリマーが著しいブロッキング現象を生じることはないが、吸収性能が低下する。また、高吸水性ポリマーの配合比率が95重量%を越えると、高吸水性ポリマーを固定、保持するシート状部材の比率が少なくなり、高吸水性ポリマーが脱落し易くなり、又吸収体の形成が困難になる。
【0010】本発明において、高吸水性ポリマーは第1の高吸水性ポリマーと第2の高吸水性ポリマーからなり、これらはいずれも架橋構造を有し、重合体の構成成分としてカルボキシル基及び/又はカルボキシレート基を有する高吸水性物であればいかなるものでも使用でき、重合体の種類及び重合法は問わない。中でもポリアクリル酸塩架橋物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体架橋物、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体架橋物の加水分解物、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体の加水分解物、アクリル酸塩−アクリルアミド共重合体架橋物及びポリアクリロニトリル架橋体物の加水分解物が好適な例として挙げられる。上記以外でもアクリル酸で架橋されたポリエチレンオキサイド、ナトリウムカルボキシセルロースの架橋物、無水マレイン酸塩−イソブチレン、アクリル酸にマレイン酸塩、イタコン酸塩、2−アクリルアミド−2メチルスルホン酸塩、2−アクロイルエタンスルホン酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート等のコモノマーを共重合させたものを例示することができる。また、形状も特に制限はなく、球状、球状を複数結合した葡萄状、不定形、繊維状などが使用できる。通液性が必要とされる第1の高吸水性ポリマーについては、不定形の方がより好ましい。
【0011】第1の高吸水性ポリマーは、飽和膨潤状態での生理食塩水の通液性が50ml/min/cm2以上である。更に好ましくは、65ml/min/cm2以上である。通液性が50ml/min/cm2未満では、第1の高吸水性ポリマーがブロッキング現象を生じてしまい、好ましくない。なお、飽和膨潤状態での生理食塩水の通液性は次のようにして求めた。即ち、上底部に開閉自在のコックが設けられた円筒に、円筒断面に対して高吸水性ポリマー0.06gを、前記コックを閉鎖して生理食塩水(0.9wt%/vol%塩化ナトリウム水溶液)と共に充填し、前記生理食塩水により前記高吸水性ポリマーを飽和状態に達するまで膨潤させ、膨潤した前記高吸水性ポリマーが沈降した後、前記コックを開き、生理食塩水を通過させ、前記生理食塩水50mlが通過するのに要した時間を測定し、通液性=50×60/通過時間(秒)/円筒断面積(cm2
で算出される【0012】また、第1の高吸水性ポリマーは、生理食塩水の吸収倍率が35〜70g/gである。更に好ましくは吸収倍率40〜65g/gである。吸収倍率が35g/g未満では、通液性は非常に優れたものが得られるが、吸収性能が低下する。また、吸収倍率が70g/gを越えると、通液性が悪くなり、ブロッキングを生じやすくなる。なお、生理食塩水の吸収倍率は、次のようにして求めた。即ち、高吸水性ポリマーを精秤し、ナイロン袋に入れ、生理食塩水に30分浸漬した後、ナイロン袋を引き上げ、15分水切りした後、重量を測定し、吸収倍率=(吸収後の重量−高吸水性ポリマー重量)/高吸水性ポリマー重量で算出される。
【0013】また、第1の高吸水性ポリマーは、その生理食塩水の最大吸収速度が0.1ml/sec/g以上である。更に好ましくは、最大吸収速度が0.2ml/sec/g以上である。最大吸収速度が0.1ml/sec/g未満では、尿などの排泄物の排出速度に対して吸収が間に合わず漏れてしまうため、好ましくない。また、一般に吸収速度は0〜30秒などの初期速度で評価されるが、排泄物の漏れにつながるのは、初期速度よりもいくらか吸収した後の吸収速度が強く関係しているため、より実際に近い、最大吸収速度で評価する方が高吸水性ポリマーの吸収性能をより正確に評価できる。なお、生理食塩水の最大吸収速度は次のように求めた。即ち、DEMANDWETTABILITY TESTERを用い、生理食塩水の液面を等水位にセットした散布台上に、高吸水性ポリマーを散布し、30秒ごとに、生理食塩水の水位低下量をビュレットの目盛りで測定し、吸収速度=30秒間の生理食塩水低下量(ml)/30(秒)/高吸水性ポリマー重量(g)
で算出される吸収速度を5分間測定した中の最大値を最大吸収速度とした。
【0014】前記高吸水性ポリマーを構成するもう一方の成分である第2の高吸水性ポリマーは、吸収倍率が前記第1の高吸水性ポリマーの1.1倍以上であり、及び/又は、最大吸収速度が前記第1の高吸水性ポリマーの1.2倍以上である。更に好ましくは、吸収倍率が前記第1の高吸水性ポリマーの1.2倍以上、及び、最大吸収速度が前記第1の高吸水性ポリマーの1.3倍以上である。すなわち、第2の高吸水性ポリマーの配合の目的は、吸収体としての吸収量の増加あるいは同じ吸収量で高吸水性ポリマー量を減量するための場合と、吸収体としての吸収速度の増加あるいは同じ吸収速度で高吸水性ポリマー量を減量するための場合があり、もしくは、両方の場合があるが、第2の高吸水性ポリマーの吸収倍率が第1の高吸水性ポリマーの1.1倍未満では、第1の高吸水性ポリマー100%で使用する場合に比較して、吸収体としての吸収量増加効果がほとんど見られなくなるため好ましくない。また、第2の高吸水性ポリマーの最大吸収速度が第1の高吸水性ポリマーの1.2倍未満では、第1の高吸水性ポリマー100%で使用する場合に比較して、吸収体としての吸収速度増加効果がほとんど見られなくなるため好ましくない。また、第1の高吸水性ポリマーを25%以上配合することによって、吸収体のブロッキング現象を防止できるため、第2の高吸水性ポリマーの通液性は、特に限定されるものではない。即ち、第2の高吸水性ポリマーを用いる目的は、吸収性能を向上するためであり、通液性については、第1の高吸水性ポリマーよりも低いものであっても良い。
【0015】本発明において、高吸水性ポリマーは、第1の高吸水性ポリマーと第2の高吸水性ポリマーの配合比率が第1:第2=25:75〜75:25である。即ち、第1の高吸水性ポリマーが25〜75%、第2の高吸水性ポリマーが75〜25%配合されて構成されている。第1の高吸水性ポリマーが25%未満(第2の高吸水性ポリマーが75%超)では、通液性の効果がほとんど見られず、ブロッキング現象を生じてしまい好ましくない。また、第2の高吸水性ポリマーが25%未満(第1の高吸水性ポリマーが75%超)では、吸収体の吸収量、あるいは、吸収速度の改善効果がほとんど見られず好ましくない。また、高吸水性ポリマーは、第1の高吸水性ポリマー及び第2の高吸水性ポリマーが上記範囲内で配合されていれば、高吸水性ポリマー以外の成分が含まれていても何ら問題はないが、高吸水性ポリマーの効果を出すためには、高吸水性ポリマー以外の成分は、高吸水性ポリマーの20%未満が好ましい。
【0016】本発明において、吸収体の坪量は、40〜800g/m2であり、厚さは0.3〜5.0mmであることが好ましい。また、吸収体には、前記高吸水性ポリマーの他に天然繊維を配合しても良く、その配合比率は吸収体中に0〜45重量%であることが好ましい。
【0017】このような天然繊維としては、パルプ繊維の他、綿、麻、羊毛、絹、等の繊維を用いることができるが、この中でパルプ繊維が有利に用いられる。パルプ繊維としては、化学パルプシートや機械パルプシートを粉砕機で解繊することにより得られる5mm以下の繊維長のものが好ましい。また、パルプ原料としては、針葉樹に限らず、広葉樹、わら、竹、ケナフの他、古紙パルプなども使用することができる。
【0018】本発明において、高吸水性ポリマーを固定、保持するために用いられる、前記天然繊維及び/又は合成繊維からなるシート状部材は、特に限定されるものではないが、ティシュ、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、パルプなどの繊維あるいはそれらの複合物からなる不織布などのシート状物が利用できる。更に、親水性の材料あるいは親水化処理されたものが好ましい。
【0019】本発明の吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シート間に配置された吸収体から基本的に形成されている。
【0020】本発明において、トップシートは親水性あるいは疎水性の不織布、織布、多孔性プラスチックフィルムなどで形成され、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロンなどの繊維や、あるいはポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンなどの繊維あるいは2種類以上組み合わせた複合繊維などで形成することができる。特に、ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0021】本発明において、バックシートはポリエチレンなどの液不透過性フィルムで形成したり、液不透過性フィルムと不織布あるいは織布とを貼り合わせたもので形成することができ、通気性もしくは透湿性を持った材料を採用することが好ましい。
【0022】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1通液性が85ml/min/cm2、吸収倍率が50g/g、及び、最大吸収速度が0.30ml/sec/gの第1の高吸水性ポリマー(三菱化学社製、試作品1)と吸収倍率が60g/g、及び、最大吸収速度が0.42ml/sec/gの第2の高吸水性ポリマー(三菱化学社製、試作品2)を50:50の比率で混合し、さらに混合された高吸水性ポリマーとパルプ繊維を60:40の比率で混合して坪量370g/m2の吸収マットを成形した。得られた吸収マットを、坪量20g/m2のティシュで包んで、吸収体を形成し、トップシートとバックシートの間に挟んで吸収性物品を得た。得られた吸収性物品の吸収体中の高吸水性ポリマーの配合比率は、53重量%であった。
【0023】得られた吸収性物品を用いて、ブロッキングの有無、及び、人形による漏れテストについて評価した。各評価法は以下の通りである。
ブロッキングの有無吸収体をφ80mmに切り出し、人工尿を充分吸収させた後、金網上に乗せ、生理食塩水を5ml/secの速度で20秒間、吸収体上に滴下し、吸収体内を通過してきた生理食塩水量を測定し、次の3段階で評価した。
ブロッキング○・・・・10ml以上△・・・・4〜9ml×・・・・3ml以下なお、使用した人工尿の組成は以下の通りである。
尿素 1.94%塩化ナトリウム 0.80%塩化カルシウム 0.08%硫酸マグネシウム 0.20%純水 96.97%【0024】人形漏れテスト吸収性物品をダミー人形に装着させ、うつぶせ状にし、人工尿を30分間隔で2回、10ml/secの速度で10秒間注入し、人工尿が漏れ始めるまでの吸収量を測定し、次の3段階で評価した。得られる値が低下すれば、吸収体の吸収量及び/又は吸収速度が低下していることを示す。
○・・・・185ml以上△・・・・170〜184ml×・・・・169ml以下【0025】実施例2通液性が100ml/min/cm2、吸収倍率が40g/g、及び、最大吸収速度が0.21ml/sec/gの第1の高吸水性ポリマー(三菱化学社製、試作品3)と吸収倍率65g/g、及び、最大吸収速度が0.50ml/sec/gの第2の高吸水性ポリマー(三菱化学社製、試作品4)を70:30の比率で混合し、さらに混合された高吸水性ポリマーを坪量360g/m2になるように、坪量20g/m2の不織布上に散布した後、これを包んで吸収体を形成した。得られた吸収体をトップシートとバックシートの間に挟んで吸収性物品を得た。得られた吸収性物品の吸収体中の高吸水性ポリマーの配合比率は、90重量%であった。
【0026】実施例3通液性が100ml/min/cm2、吸収倍率が40g/g、及び、最大吸収速度が0.21ml/sec/gの第1の高吸水性ポリマー(三菱化学社製、試作品3)と吸収倍率55g/g、及び、最大吸収速度が0.38ml/sec/gの第2の高吸水性ポリマー(三菱化学社製、試作品5)を30:70の比率で混合し、さらに混合された高吸水性ポリマーとパルプ繊維を60:40の比率で混合して坪量370g/m2の吸収マットを成形した。得られた吸収マットを、坪量20g/m2のティシュで包み、吸収体を形成し、トップシートとバックシートの間に挟んで吸収性物品を得た。得られた吸収性物品の吸収体中の高吸水性ポリマーの配合比率は、53重量%であった。
【0027】比較例1第1の高吸水性ポリマーと第2の高吸水性ポリマーの配合比を20:80にした以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を得た。
【0028】比較例2第1の高吸水性ポリマーと第2の高吸水性ポリマーの配合比を85:15にした以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を得た。
【0029】比較例3第1の高吸水性ポリマーとして通液性が25ml/min/cm2、吸収倍率が72g/g、及び、最大吸収速度が0.50ml/sec/gである高吸水性ポリマー(三菱化学社製、試作品6)を使用した以外は、実施例2と同様にして吸収性物品を得た。
【0030】比較例4第1の高吸水性ポリマーとして通液性が120ml/min/cm2、吸収倍率が35g/g、及び、最大吸収速度が0.08ml/sec/gである高吸水性ポリマー(三菱化学社製、試作品7)を使用した以外は、実施例2と同様にして吸収性物品を得た。
【0031】比較例5第2の高吸水性ポリマーとして吸収倍率が43g/g、及び、最大吸収速度が0.25ml/sec/gである高吸水性ポリマー(三菱化学社製、試作品8)を使用した以外は、実施例2と同様にして吸収性物品を得た。
【0032】各実施例及び比較例で得られた吸収性物品の性能を評価した結果を表1に示す。表1からわかるように、各実施例の本発明の吸収性物品は、人形漏れテストで十分な吸収量を示し、また、高吸水性ポリマーによるブロッキング現象も発生していないのに対して、比較例の吸収性物品は、ブロッキング及び漏れテストのうち少なくとも一方が劣っており、本発明の効果が確認された。
【0033】
【表1】

【0034】
【発明の効果】以上、本発明の吸収性物品は、通液性に優れる第1の高吸水性ポリマーと吸収性能(吸収速度、吸収倍率)に優れる第2の高吸水性ポリマーを特定割合で混合することにより、高吸水性ポリマーによるブロッキングの発生を防止し、優れた吸収特性を有する吸収体が得られるため、高吸水性ポリマーを吸収体中に高濃度で配合することが可能になり、薄型で、漏れ防止に優れた効果を有する吸収性物品を安価に提供することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子製紙株式会社
【出願日】 平成12年3月13日(2000.3.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−252307(P2001−252307A)
【公開日】 平成13年9月18日(2001.9.18)
【出願番号】 特願2000−68466(P2000−68466)