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【発明の名称】 吸収性物品
【発明者】 【氏名】水谷 聡

【氏名】田村 竜也

【氏名】野田 祐樹

【要約】 【課題】従来の生理用ナプキンでは防漏側壁に経血が付着すると、そこに滞留し横漏れの原因になり、また装着者の肌に対してばたつき感を生じさせる欠点があった。

【解決手段】生理用ナプキンの幅方向の両側に防漏側壁5が設けられている。防漏側壁5は、側壁シート6を自由端5cで二つ折りして形成されている。側壁シート6は凹凸皺7を有し、基端5bと自由端5cとの中間部に平坦部8aが設けられている。凹凸皺7と平坦部8aとの境界部に穴11が形成されており、この穴11から防漏側壁5内に経血が入る。これにより防漏側壁5の内側の表面で経血が滞留しにくくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持シートと、液吸収層と、前記液吸収層を覆う透液性シートと、受液側表面の幅方向の両側に基端が接合されて縦方向へ延び自由端が受液側に離れて位置する防漏側壁とが設けられている吸収性物品において、前記防漏側壁は、前記基端から延びる側壁シートが自由端で折り返されて前記基端に至ることにより、または基端から延びる複数の側壁シートが前記自由端または他の領域で縦方向に接合されることにより少なくとも2枚の側壁シートにより形成されており、吸収性物品の幅方向内側に面している前記側壁シートには、前記2枚の側壁シート内に通じる穴が形成されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】 前記幅方向内側に面している前記側壁シートには、凹凸皺が形成されており、この凹凸皺の少なくとも凸部に前記穴が形成されている請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】 前記幅方向内側に面している前記側壁シートの少なくとも一部分には、頂部と底部が前記基端から自由端に向って延び縦方向へ規則的に並ぶ波形状の凹凸皺と、この波状の凹凸皺を横断する平坦部とが形成されており、前記波の凸部と前記平坦部との境界部に前記穴が形成されている請求項2記載の吸収性物品。
【請求項4】 前記穴は、波状の凹凸皺と前記平坦部とが成形される際に前記シートが破断されることで形成されている請求項3記載の吸収性物品。
【請求項5】 前記平坦部が縦方向に向って延び、前記2枚の側壁シートの間では、前記平坦部に縦方向へ弾性収縮力を発揮する弾性部材が接合されている請求項4記載の吸収性物品。
【請求項6】 前記平坦部は、前記防漏側壁の自由端での前記側壁シートの折り返し部に形成されている請求項3ないし5のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項7】 前記平坦部は、前記防漏側壁の前記基端と前記自由端との中間領域に形成されている請求項3ないし5のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項8】 前記平坦部は、前記防漏側壁の前記基端と前記自由端との間に形成されており、前記防漏側壁は前記平坦部で曲げられ、この曲げ部から自由端に延びる部分が幅方向の外側に向けられている請求項3ないし5のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項9】 前記防漏側壁の基端または基端近傍に前記穴が形成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項10】 前記防漏側壁の基端は、前記液吸収層の側方に延びる前記透液性シートの上面、または前記液吸収層の上に位置する前記透液性シートの上面に接合されている請求項1ないし9のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項11】 前記側壁シートの重なり側の内面は撥水性である請求項1ないし10のいずれかに記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に経血などの排泄液を吸収保持する吸収性物品に係わり、特に受液側において幅方向の両側に防漏側壁が設けられた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、生理用ナプキン、尿取りパッド、使い捨ておむつなどの吸収性物品が種々開発されている。これらの吸収性物品では、着用中において排泄液を液吸収層で確実に吸収し、排泄液が吸収性物品の外へ漏れないようにすることが求められる。そこで、吸収性物品の受液側表面において幅方向の両側に縦方向に延びる防漏側壁を形成したものがある。
【0003】従来の前記防漏側壁の構造は、吸収性物品のトップシート上に縦方向に延びる疎水性シートが接合されており、この疎水性シートに、吸収性物品の縦方向に延びる弾性部材が接合されたものが一般的である。前記弾性部材の縦方向の弾性収縮力により、吸収性物品に縦方向に向かう湾曲力が作用するとともに、前記防漏側壁が吸収性物品の受液側に立ち上がり、これにより経血などの横漏れを防止できるようにしている。
【0004】また、特開平8−215244号公報には、非平面形状に成形した合成樹脂フィルムにより前記防漏側壁を形成した吸収性物品が開示されている。この吸収性物品では、縦皺状の非平面加工が施された防漏側壁が装着者の肌に対して面で当接するものとなっている。
【0005】しかし、前記従来の吸収性物品では、防漏側壁の表面に経血などが付着すると、これを液吸収層側へ確実に導くことができないことが多く、前記防漏側壁に滞留した経血により装着者に違和感を与え、また横洩れの原因にもなる。前記特開平8−215244号公報に開示されたものは、縦皺が加工された防漏側壁が肌に対して面で当たる構造であるため、装着者の肌と防漏側壁との密着性が良いが、前記縦皺の間に経血などが滞留しやすい。また経血が滞留した防漏側壁が装着者に面で接触するため装着時の不快感が大きくなる。
【0006】本発明は上記従来の課題を解決するものであり、付着した液を吸収層側に導きやすくして、防漏側壁での経血などの滞留を抑止できるようにして、装着感触を向上させるとともに横洩れを有効に防止できる吸収性物品を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持シートと、液吸収層と、前記液吸収層を覆う透液性シートと、受液側表面の幅方向の両側に基端が接合されて縦方向へ延び自由端が受液側に離れて位置する防漏側壁とが設けられている吸収性物品において、前記防漏側壁は、前記基端から延びる側壁シートが自由端で折り返されて前記基端に至ることにより、または基端から延びる複数の側壁シートが前記自由端または他の領域で縦方向に接合されることにより少なくとも2枚の側壁シートにより形成されており、吸収性物品の幅方向内側に面している前記側壁シートには、前記2枚の側壁シート内に通じる穴が形成されていることを特徴とするものである。
【0008】本発明の吸収性物品では、防漏側壁を構成する側壁シートの表面に経血あるいは尿などが付着したときに、これら液体が前記穴から2枚の側壁シートの間に入り込み、そのまま側壁シートの間で基端側へ導かれる。よって側壁シートに付着した液が側壁シートに滞留せず、横洩れを有効に防止できる。また、防漏側壁として自由端が幅方向の外側へ向けて傾斜しており、防漏側壁が装着者の肌に面で当接するものである場合には、肌に当接する側壁シートの面に液体が滞留しにくくなるため、装着者に不快感を与えにくいものとなる。
【0009】例えば、前記幅方向内側に面している前記側壁シートには、凹凸皺が形成されており、この凹凸皺の少なくとも凸部に前記穴が形成されていることが好ましい。
【0010】このように構成すると、前記液体が前記穴から側壁シートの重ね合わせ間に入ったときに、液体が側壁シートの凸部の内側に保持され、または凸部の内側に沿って基端側へ導かれるため、側壁シートの表面に液体が残りにくくなり、前記穴から側壁シートの間に液が入りやすくなる。
【0011】前記側壁シートは、疎水性繊維で形成されまたは疎水処理された不織布や疎水性の樹脂シートで、凹凸加工が施されていないシートで形成されて、弾性部材の収縮力などで自然の凹凸が形成されたものでもよいが、以下のように波状の凹凸形状が形成されたものを使用することが好ましい。
【0012】例えば、前記幅方向内側に面している前記側壁シートの少なくとも一部分には、頂部と底部が前記基端から自由端に向って延び縦方向へ規則的に並ぶ波形状の凹凸皺と、この波状の凹凸皺を横断する平坦部とが形成されており、前記波の凸部と前記平坦部との境界部に前記穴が形成されているものが好ましい。
【0013】このように頂部と底部が基端から自由端に向かって延びる波状の凹凸皺が形成され、この凸部の端部に穴が形成されていると、経血などはこの穴から前記凸部の中に入りこの凸部の内面に沿って基端側に導かれるようになる。
【0014】なお、前記平坦部とは、前記凹凸皺が完全に潰された文字通りの平坦部であってもよいし、前記凹凸皺よりも低い皺が残っていてもよい。
【0015】例えば、前記穴は、波状の凹凸皺と前記平坦部とが成形される際に前記シートが破断されることで形成されている。破断により前記穴を形成すると、側壁シートの凹凸加工と同じ工程で前記穴を形成することができる。
【0016】また、前記平坦部が縦方向に向って延び、前記2枚の側壁シートの間では、前記平坦部に縦方向へ弾性収縮力を発揮する弾性部材が接合されているものであってもよい。
【0017】例えば、前記平坦部は、前記防漏側壁の自由端での前記側壁シートの折り返し部に形成され、あるいは前記平坦部は、前記防漏側壁の前記基端と前記自由端との中間領域に形成されている。または、前記平坦部は、前記防漏側壁の前記基端と前記自由端との間に形成されており、前記防漏側壁は前記平坦部で曲げられ、この曲げ部から自由端に延びる部分が幅方向の外側に向けられているものであってもよい。
【0018】さらに、前記防漏側壁の基端または基端近傍に前記穴が形成されていることが好ましい。防漏側壁の基端側に穴が形成されていると、側壁シートと側壁シートとの間に導かれた経血などが、基端側の穴から液透過性シートさらには液吸収層に導かれるようになる。
【0019】また、側壁シートと側壁シートの間に入った液を基端部内から前記液透過性シート上に確実に逃がすためには、前記防漏側壁の基端は、前記液吸収層の側方に延びる前記透液性シートの上面、または前記液吸収層の上に位置する前記透液性シートの上面に接合されていることが好ましい。
【0020】また、前記側壁シートの重なり側の内面が撥水性であると、側壁シートと側壁シートの間に入った液が基部側へ速やかに導かれるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照して説明する。図1は、本発明の吸収性物品の第1の実施の形態として生理用ナプキンを受液側から示す斜視図、図2は図1のII−II線断面を含む部分斜視図、図5は図2に示す防漏側壁の自由端を示す部分拡大図である。
【0022】図1と図2に示す生理用ナプキン1は、主として下着などの外部装着体へ対面する支持シート2と、装着者側へ位置して排泄液を吸収する液吸収層3と、液吸収層3の受液側表面を覆う透液性シート4を有している。前記透液性シート4の幅方向(X方向)に向く側端部4aは、液吸収層3の側方において前記支持シート2の表面に接合されている。
【0023】前記生理用ナプキン1の幅方向(X方向)に向く両側部では、縦方向(Y方向)に延びる対を成す防漏側壁5,5が設けられている。この実施の形態では、それぞれの防漏側壁5が1枚の側壁シート6により形成されている。
【0024】前記側壁シート6は、疎水性の不織布などで形成されている。側壁シート6の一端部5aは支持シート2上および透液性シート4の側端部4aの上に接合されており、側壁シート6は透液性シート4の側端部4aの上面を基端5bとして支持シート2から離れる方向へ延び自由端5cで折り返されている。さらに支持シート2側へ戻り、前記透液性シート4の側端部4a上に基端5dが接合された状態で、側壁シート6の他端部5eは、前記支持シート2の上面に接合されている。よって、前記防漏側壁5は、2枚の側壁シート6が幅方向(X方向)に重ねられた2重構造である。
【0025】前記側壁シート6には、波形状の凹凸皺7が形成されている。この凹凸皺7は頂部7aと底部7bが縦方向(Y方向)へ繰り返す波形状であり、前記頂部7aと底部7bは、防漏側壁5の基端5b,5dから自由端5cの方向へ延びるように形成されている。
【0026】また図2と図5に示すものでは、前記凹凸皺7が完全に潰された、または前記凹凸皺7よりも凹凸が制限された平坦部8が形成され、この平坦部8が、前記自由端5cで折り返されている。そして、この平坦部8が折り返されている前記自由端5cには、内側に弾性部材9が接合されている。なお、弾性部材9は前記自由端5c以外の箇所、例えば防漏側壁5の基端5b,5dと自由端5cとの間に配置されてもよい。
【0027】前記凹凸皺7が形成された側壁シート6はそれ自体で縦方向(Y方向)へ弾性収縮力を発揮する。また前記弾性部材9によっても縦方向(Y方向)へ弾性収縮力が発揮される。生理用ナプキン1の縦方向(Y方向)の両端部では、防漏側壁5が幅方向の外側へ倒された状態で受液側表面に接合されている。よってY方向の弾性収縮力により、生理用ナプキン1は図1に示すように縦方向(Y方向)に向けて受液側が凹状になるように湾曲し、また防漏側壁5は自由端5cが支持シート2から離れるように立ち上がる。なお、図2に示す実施の形態では、基端5b,5dに対して自由端5cが幅方向の外側へ向くように、防漏側壁5,5は斜めの向きに立ち上がる。
【0028】そして、図2および図5に示すように、2枚の側壁シート6のうちの幅方向内側に位置する側壁シート6では、前記凹凸皺7と平坦部8との境界部において、前記凹凸皺7の凸部の端部に穴(開孔)11が形成されている。経血は透液性シート4を透過して液吸収層3に吸収されるが、防漏側壁5の前記液吸収層3側に面する側壁シート6に経血が与えられたとき、経血が側壁シート6の表面では凹凸皺7の底部7bを伝わって透液性シート4上に導かれる。また側壁シート6の表面を滞留しようとする経血は、前記穴11から、防漏側壁5を構成する側壁シート6と側壁シート6との間に入り込み、側壁シート6と側壁シート6の間に入った経血が、凹凸皺7の内面に沿って基端5b側へ伝わり、透液性シート4に与えられる。
【0029】ここで、液吸収層3側に向けられている幅方向内側の側壁シート6では、基部5bまたはその近傍においても、凹凸皺7を横断する平坦部が形成され、基端5bにおいても自由端5c側と同様の穴が形成されていることが好ましい。経血は、側壁シート6と側壁シート6との間を基端5b側へ伝わり、基端5bに開口している穴から透液性シート4に与えられ、透液性シート4を伝わって液吸収層3に吸収される。
【0030】なお、図1と図2に示す実施の形態では、液吸収層3の側方に延びている透液性シート4の側端部4a上に防漏側壁5が接合されているため、前記のように、側壁シート6と側壁シート6との間を基端側に伝わった経血は前記透液性シート4に与えられて、前記液吸収層3に導かれやすくなっている。また、前記防漏側壁5が、液吸収層3の上を覆う透液性シート4の上面から立ち上がる構造にすると、側壁シート6と側壁シート6の間を伝わった経血が前記液吸収層3に吸収されやすくなる。
【0031】図6は、側壁シート6に凹凸皺7および平坦部8を形成し、同時に凹凸皺7と平坦部8との境界部に穴11を形成するための熱プレス工程の説明図である。
【0032】この熱プレス工程では、熱可塑性繊維で形成されたまたは熱可塑性繊維を含むメルトブロン不織布などの不織布を成形ロール21と22とで挟んで熱プレスする。成形ロール21と22は、互いに噛み合った状態でα方向とβ方向へ回転する。
【0033】成形ロール21の表面には成形面が形成されている。図7(A)は成形ロール21の表面の成形面を平面に展開して示している。成形ロール21の成形面は、ロールの軸方向に延びるストライプエンボス状の成形リブ23と溝24とが回転方向(α方向)へ一定のピッチで繰り返して形成されている。成形ロール21の軸方向の中央部分には、前記成形リブ23の上面と連続し且つ回転方向(α方向)へ連続する凸周面25が形成されている。
【0034】図7(B)は他方の成形ロール22の表面の成形面を展開して示している。成形ロール22の表面の成形面では、ロールの軸方向に延びるストライプエンボス状の成形リブ26と溝27とが回転方向(β方向)へ一定のピッチで繰り返して形成されている。成形ロール22の軸方向の中央部では、溝27の底部に連続する凹周面28が回転方向(β方向)に沿って連続して形成されている。
【0035】成形ロール21と成形ロール22とが噛み合うと、成形ロール21の成形リブ23が成形ロール22の溝27内に、成形ロール22の成形リブ26が成形ロール21の溝24に入り込むように成形リブ23と26とが噛み合う。このとき成形ロール21の凸周面25が、成形ロール22の凹周面28内に噛み込む。
【0036】図6に示すように、不織布6Aを成形ロール21と22との間に挟んで、ロール回転により繰り出すと、成形ロール21、22の成形面により、波状の凹凸皺7と平坦部8および穴11が形成された側壁シート6が得られる。
【0037】側壁シート6は、メルトブロン不織布、エアースルー不織布、メルトブロン不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、エアレイド不織布などである。ただし不織布と樹脂フィルムとのラミネート材であってもよいし、低密度のプラスチックシートなどであってもよい。
【0038】これらは熱可塑性樹脂で形成されたものであり、不織布の場合には、PE、PP、PET繊維、またはPE/PP、PE/PETなどの芯鞘型やサイドバイサイド型の複合合成繊維が使用される。
【0039】図8(A)は、成形ロール22の成形面を示す図7(B)のA−A線の断面図、図8(B)は、図7(B)のB−B線の断面図である。成形ロール21と22の成形面は例えば前記シートを形成する熱可塑性樹脂の融点から10℃から50℃低い温度に設定することが好ましい。
【0040】図8(A)では、成形リブ26の回転方向(β方向)での配列ピッチをβ1、前記配列ピッチβ1間において成形リブ26と溝27とを通過する延べ寸法をβ2で表している。成形ロール21と22とで不織布6Aが挟持されて繰り出されるときに、不織布6Aには、成形歪{(β2−β1)/β1}が与えられる。このときの成形歪は、不織布の繰り出し方向への破断伸度(破断歪)よりも小さく設定される。これにより不織布6Aには波状の凹凸皺7が破断されることなく形成される。
【0041】図8(B)において、前記凹周面28の開口端のロール軸方向の距離をO1、前記凹周面28の幅方向の凹凸を加味した延べ寸法をO2とすると、不織布6Aには、ロール軸方向(不織布6Aの幅方向)へ成形歪{(O2−O1)/O1}が与えられる。この成形歪を、不織布6Aの幅方向への破断伸度(破断歪)よりも大きく設定しておくと、成形ロール21と22により不織布6Aの幅方向の中央部に繰り出し方向に延びる平坦面8が形成されるとともに、凹凸皺7と平坦面8との境界部、すなわち凹凸皺7の凸部の端部に、不織布の破断による穴11が形成される。
【0042】このように、図6に示す成形ロール21と22を用いることで、凹凸皺7と平坦面8および穴11を同時に形成することができる。図9は、前記不織布破断により形成された穴11が拡大して示されている。
【0043】なお、不織布に破断を生じさせて前記穴11を形成するためには、前記凹周面28の幅方向両側部の立ち上がり角度θが90°以上で135°以下であることが好ましい。
【0044】前記波状の凹凸皺7では、波の頂部7aと底部7bにおいて繊維密度が高く、波の側壁7cにおいて繊維密度が低くなっている。よって凹凸皺7はクッション性を有している。また図2に示すように防漏側壁5を形成する側壁シート6では、前記頂部7aと底部7bとが基端5b,5dから自由端5cの方向へ延びているため、穴11から側壁シート6と側壁シート6との間に入った経血は、前記頂部7aと底部7bの高密度部分に沿って基端に導かれる。
【0045】前記頂部7aと底部7bの高密度部分の密度は0.1g/cm3程度が好ましい。また1つの穴11の開口面積は0.0012cm2以上であることが好ましい。穴11の開口面積が前記値以上であると、経血が穴11から防漏側壁5の内部に入りやすくなる。
【0046】なお、図2において防漏側壁5を形成している側壁シート6と側壁シート6との対向内面に、撥水処理が施されていると、側壁シート6と側壁シート6との間に入った経血が基端側へ速やかに導かれるようになる。撥水処理としては前記側壁シート6の内面に撥水性ホットメルト剤を塗布してもよいし、あるいは側壁シート6の内面に撥水性フィルムをラミネートしてもよい。
【0047】図8(A)に示すピッチβ1すなわち凹凸皺7のピッチは、0.5〜1mm程度であることが、装着者の肌への接触感触を良好にするために好ましい。また防漏側壁5の基端5bから自由端5cまでの立ち上がり高さ寸法は5〜25mmの範囲が好ましい。
【0048】前記防漏側壁5の自由端5cに取付けられる前記弾性部材9は天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体から形成でき、その形状としては、糸状、フィラメント状、フィルム状、帯状(ベルト状)などの形態を取り得る。またはエラスチックスパンボンド不織布やエラスチックメルトブロン不織布などの伸縮性不織布から切断したものなども使用可能である。
【0049】弾性部材9が設けられた一対の側壁シート6は、1.2〜1.8倍程度伸長させた状態で、生理用ナプキン1に接合されている。
【0050】支持シート2は不透液性のシートで形成されることが好ましい。この支持シート2は、通気性の樹脂フィルム、撥水処理されたスパンボンドまたはスパンレースなどの不織布、あるいは不織布の裏面に通気性の樹脂フィルムが接合されたものである。なお支持シート2の裏面には、下着などの外部装着体などに掛止させるための粘着層が設けられ、生理用ナプキンの使用時まで粘着層を保護するための離型紙が設けられることが好ましい。
【0051】前記透液性シート4は、親水処理されたPE繊維、PP繊維、PET繊維、またはこれらの複合繊維などで形成された不織布であり、スパンボンド不織布、スパンレース不織布などである。あるいは開孔処理が施された樹脂シートである。
【0052】液吸収層3は、粉砕パルプあるいは粉砕パルプと高吸水性ポリマーの混合物などにより形成され、粉砕パルプあるいは粉砕パルプと高吸水性ポリマーとの混合物がティッシュなどの吸収性シートで包まれたものである。
【0053】図3と図4は図2に示す生理用ナプキンの変形例である。図3に示すものでは、防漏側壁5の液吸収層3側の側壁シート6において、前記基端5bと自由端5cとの中間に、縦方向に延びる平坦部8aが形成されており、この平坦部8aとその上下に位置する凹凸皺7との境界部に穴11が形成されている。この場合に基端5bにも穴11が形成されていることが好ましく、また自由端5c部分において図2と同様に穴11が形成されていてもよい。
【0054】図4は図3に示す生理用ナプキンの変形例である。図4に示す変形例では、図3と同様に、基端5bと自由端5cとの中間に平坦部8aが形成され、この平坦部8aとその上下の凹凸皺7との境界部に穴11が形成されている。そして平坦部8aの内側には弾性部材9aが接合されており、防漏側壁5はこの平坦部8aの部分を境としてくの字形状に折り曲げられ、折り曲げ部となる平坦部8aから自由端5cに向う部分が幅方向の外側に向けられている。この場合も、基端5bおよび/または自由端5cに穴11が形成されていてもよい。
【0055】図3と図4では、内側の側壁シート6の表面に経血が付着したときに、この経血が中腹部に開口する穴11から防漏側壁5の内部に浸透しやすくなる。
【0056】なお、図2から図4に示す実施の形態では、1枚の側壁シート6が自由端5cで折り返されて防漏側壁5が2枚の側壁シート6で形成されているが、基端5bから立ち上がる側壁シートと、基端5dから立ち上がる側壁シートが自由端5cまたは他の領域において縦方向(Y方向)に延びる接合部により接合されてもよい。
【0057】また防漏側壁5において幅方向の外側に向く側壁シートは、内側の側壁シート6と同様に凹凸皺7が形成されてもよいし、凹凸皺7が形成されていなくてもよい。また外側に向く側壁シートには穴11が形成されていないことが好ましい。
【0058】また前記穴11は不織布の破断で形成されたものではなく、ピンプレスなどで開口加工されたものであってもよい。
【0059】以上、本発明の吸収性物品が生理用ナプキンである実施例について述べたが、本発明の吸収性物品は使い捨ておむつ、尿吸収パッドや他の吸収性物品にも適用可能である。
【0060】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、防漏側壁に付着した液が防漏側壁内に導かれるため、防漏側壁表面に液が残ることがなく、横洩れを防止でき、また防漏側壁と肌との当接感触を良好にできる。
【出願人】 【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
【出願日】 平成12年3月13日(2000.3.13)
【代理人】 【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
【公開番号】 特開2001−252305(P2001−252305A)
【公開日】 平成13年9月18日(2001.9.18)
【出願番号】 特願2000−68297(P2000−68297)