| 【発明の名称】 |
吸収性物品 |
| 【発明者】 |
【氏名】長原 進介
【氏名】木賀田 哲行
【氏名】福原 弥生
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| 【要約】 |
【課題】吸収性物品の風合いが低下すること無く吸収体の表面剥離が防止された吸収性物品を提供すること。
【解決手段】液透過性のトップシート2、液不透過性のバックシート3及び両シート2,3間に介在された液保持性の吸収体4を有する吸収性物品1において、吸収体4は、その平面視において、密度が疎の領域と密の領域とが規則的又は不規則に形成されて構成されており、トップシート2及び/又はバックシート3が、吸収体4に直接に又は他の部材を介して接合固定されており、トップシート2及び/又はバックシート3の吸収体4への接合固定の接合強度は、吸収体4の前記疎の領域の方が前記密の領域よりも大きい吸収性物品1。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を有する吸収性物品において、前記吸収体は、その平面視において、密度が疎の領域と密の領域とが規則的又は不規則に形成されて構成されており、前記トップシート及び/又は前記バックシートが、前記吸収体に直接に又は他の部材を介して接合固定されており、前記トップシート及び/又は前記バックシートの前記吸収体への接合固定の接合強度は、前記吸収体の前記疎の領域の方が前記密の領域よりも大きい吸収性物品。 【請求項2】 前記トップシート及び/又は前記バックシートが、ホットメルト粘着剤によって前記吸収体に接合固定されている請求項1記載の吸収性物品。 【請求項3】 請求項2記載の吸収性物品の製造方法であって、平面視において、密度が疎の領域と密の領域とが規則的又は不規則に形成されて構成された吸収体の少なくとも一方の面に、ホットメルト粘着剤を所定パターンで塗布し、次いで前記ホットメルト粘着剤の塗布面に前記トップシート及び/又は前記バックシートを直接に又は他の部材を介して配し、然る後に圧力又は熱を加えて、前記トップシート及び/又は前記バックシートを、前記ホットメルト粘着剤によって直接に又は前記他の部材を介して前記吸収体に接合固定する工程を有する吸収性物品の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、よれが少なく液漏れの起こりにくい吸収性物品に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】生理用ナプキン等の吸収性物品においては、その使用中に、吸収体がその他の構成材料と離れてよれ易くなり、液漏れが発生しやすくなる場合があり、特に吸液後の湿潤状態でこれが発生し易い。これを防止することを目的として、トップシートと吸収体との間及び/又はバックシートと吸収体との間に接着剤を塗布する手段が用いられてきた。 【0003】しかし、吸収体の内部には接着剤が浸透しにくいので、吸収体とその他の構成材料との表面剥離を十分に抑えることができなかった。また、接着剤を多量に塗布して吸収体の内部にまで接着剤を浸透させると、吸収体が硬くなることに起因して吸収性物品の風合いが悪化し、また吸収体の吸収性能が低下してしまう。 【0004】従って、本発明は、吸収性物品の風合いや吸収性能が低下すること無く吸収体の表面剥離が防止され、よれ及び漏れの発生が抑えられた吸収性物品を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を有する吸収性物品において、前記吸収体は、その平面視において、密度が疎の領域と密の領域とが規則的又は不規則に形成されて構成されており、前記トップシート及び/又は前記バックシートが、前記吸収体に直接に又は他の部材を介して接合固定されており、前記トップシート及び/又は前記バックシートの前記吸収体への接合固定の接合強度は、前記吸収体の前記疎の領域の方が前記密の領域よりも大きい吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。 【0006】また、本発明は前記吸収性物品の好ましい製造方法として、その平面視において、密度が疎の領域と密の領域とが規則的又は不規則に形成されて構成された吸収体の少なくとも一方の面に、ホットメルト粘着剤を所定パターンで塗布し、次いで前記ホットメルト粘着剤の塗布面に前記トップシート及び/又は前記バックシートを直接に又は他の部材を介して配し、然る後に圧力又は熱を加えて、前記トップシート及び/又は前記バックシートを、前記ホットメルト粘着剤によって直接に又は前記他の部材を介して前記吸収体に接合固定する工程を有する吸収性物品の製造方法を提供するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1及び図2には、本発明の吸収性物品の一実施形態としての生理用ナプキンの一部破断斜視図及びそのI−I線断面図がそれぞれ示されている。 【0008】本実施形態の生理用ナプキン1は、縦長の形状をしており、液透過性のトップシート2、液不透過性のバックシート3及び両シート2,3間に介在された液保持性の吸収体4を有している。トップシート2及びバックシート3は、吸収体4の両側縁及び前後端から延出しており、その延出部においてヒートシールやホットメルト粘着剤等の接合手段によって接合固定されている。 【0009】トップシート2及びバックシート3としては、従来の吸収性物品に用いられている材料と同様の材料を用いることができる。また、吸収体4としては、パルプ繊維の積繊体、パルプ繊維と高吸収性ポリマーとの積繊体、パルプ繊維をバインダー等でシート化した乾式パルプシート、不織布、吸収紙、2枚の吸収紙間に高吸収性ポリマーが三次元状に保持されてなり、該吸収紙同士が一体化されてなる吸収シート等が好ましく用いられる。特に前記吸収シートとして、嵩高性のセルロース繊維(例えば架橋セルロース繊維)及び熱溶融性接着繊維(例えばポリビニルアルコール繊維)を含む吸収紙から形成される吸収シートを用いることが、よれの一層の防止の点から好ましい。 【0010】本実施形態ナプキン1における吸収体4は、その平面視において、密度が疎の領域と密の領域とが規則的又は不規則に形成されて構成されている。詳細には、図1及び図2に示すように、吸収体4が、実質的に開孔が形成された領域(以下、開孔領域という)5と、これを取り囲む非開孔領域6とから構成されている。本実施形態では、開孔領域5は、吸収体4の平面方向においてほぼ均一に且つ規則的に形成されている。そして開孔領域5が前記疎の領域であり、非開孔領域6が前記密の領域である。ここで「実質的に」とは、開孔領域5に、開孔の形成過程において吸収体4を構成する繊維等が不可避的に残存する状態等を包含することを意味する。 【0011】そして、図2に示すように、トップシート2及びバックシート3が、所定の接合手段7によって、吸収体4とその疎の領域5及び密の領域6において、直接に接合固定されている。更にトップシート2とバックシート3とが、該接合手段7を介して接合固定されている。本実施形態における接合手段7は、ホットメルト粘着剤による接着である。これによって、トップシート2及びバックシート3とがホットメルト粘着剤により吸収体4と強固に固定されるので、ナプキン1の着用中に吸収体4に表面剥離が起きることが効果的に防止される。その結果、装着中のナプキン1のよれが防止され、液漏れが起こりにくくなる。また、ホットメルト粘着剤は、吸収体4における開孔領域5を通じて吸収体4の厚さ方向に極めて容易に浸透するので、少量のホットメルト粘着剤の使用で、トップシート2及びバックシート3を、吸収体4に強固に固定できる。その結果、吸収体が硬くならず、吸収性物品の風合いや吸収性能が低下することも無い。更に、製造経費も抑えられる。 【0012】従来、吸収性物品の吸収体に開孔を形成すること自体は知られていたが、開孔を形成する目的は液の案内・誘導にあり、本発明のようにトップシート及び/又はバックシートを接合固定する目的で開孔を形成した例は無い。 【0013】トップシート2及び/又はバックシート3の吸収体4への接合固定の接合強度は、吸収体4の疎の領域5の方が密の領域6よりも大きくなっている。これによって、吸収体4と、トップシート2及び/又はバックシート3とが表面剥離しにくくなり、これらの接合固定が確実となる。この場合、トップシート2及びバックシート3のうちの何れか一方の吸収体4への接合固定の接合強度に関して、疎の領域5の方が密の領域6よりも大きくなっていればよく、好ましくはトップシート2及びバックシート3の双方の吸収体4への接合固定の接合強度に関して、疎の領域5の方が密の領域6よりも大きくなっている。 【0014】疎の領域5の接合強度は、吸収体4とトップシート2及び/又はバックシート3との表面剥離の防止、吸収体4の風合い及び吸収性能の維持の点から、好ましくは50〜400cNであり、更に好ましくは70〜300cN、一層好ましくは100〜200cNである。同様の理由から、密の領域6の接合強度に対する疎の領域5の接合強度は2〜5倍、特に2.5〜4倍であることが好ましい。同様の理由から、密の領域6の接合強度は、40〜500cN、特に70〜300cNであることが好ましい。 【0015】疎の領域5と密の領域6とでの接合強度は、乾燥時(吸液前)において前記関係を満たしていれば十分であるが、湿潤時(吸液後)においても前記関係を満たしていると、吸収体4のよれ及びそれに起因する液漏れが一層効果的に防止される。 【0016】疎の領域5及び密の領域6の接合強度は、それぞれ次のように測定される。疎の領域5の接合強度は、ナプキン1において、疎の領域5及び密の領域6が平均的に形成されている部分を縦100mm、横15mmの大きさに切り出しこれを測定片とする。この測定片の左右の幅10mmの部分を切除する。次いで、この測定片を水中に5分間浸漬させる。水中から取り出した後、測定片の長手方向の一端における吸収体と、トップシート又はバックシートとをそれぞれ引張試験機(テンシロン引張試験機、東洋ボールドウイン製)のチャックに取り付け、300mm/minの速度で180度方向に引っ張る。この時の吸収体4における疎の領域5及び密の領域6に対応する箇所のそれぞれ最大の値をそれぞれの接合強度とする。 【0017】吸収体4の吸収性能が阻害されないようにするため、吸収体4と、トップシート2及びバックシート3との接合固定は間欠的であることが好ましい。 【0018】吸収体4における疎の領域(本実施形態では開孔領域)5は、その1つの領域の面積が1〜100mm2 、特に10〜50mm2 であることが、ホットメルト粘着剤が十分に浸透する点から好ましい。また、吸収体4の面積に対する疎の領域5の開孔面積は、5〜50%、特に10〜40%であることが、十分な接合強度を得る点から好ましい。また、これらと関係するが、疎の領域5の形成個数は、1〜50個/cm2 、特に5〜30個/cm2 であることが、十分な接合強度を得る点から好ましい。 【0019】疎の領域5は、吸収体4の全域に亘って形成されていなくても良く、或る特定の領域にのみ形成されていてもよい。特定の領域に疎の領域を形成する場合、該領域としては、吸収体4の中央領域及び/又は周縁領域が好ましい。疎の領域が吸収体4の中央領域に形成されていると、液の吸収性が良好となり、且つ吸収体4のよれが効果的に防止される。一方、疎の領域が吸収体4の周縁領域に形成されていると、吸収体4の周縁領域におけるよれが効果的に防止され、特に横漏れ防止に効果的である。 【0020】吸収体4に疎の領域5を形成する方法としては、疎の領域5が本実施形態のように開孔からなる場合には、加熱されているか又は加熱されていない穿孔ピンによる貫通穿孔が挙げられる。また疎の領域5が、後述のスリットからなる場合には、スリット刃による切断が用いられる。更に、疎の領域5が繊維材料の密度が低い領域からなる場合には、エア又は水流の噴射が用いられる。疎の領域5のその他の形成方法として、特開昭54−105893号公報や特開平5−253259号公報に記載方法等を用いることもできる。疎の領域5は、平面的構造及び立体的構造(凹凸構造)の何れの形態でもよい。 【0021】トップシート2とバックシート3と吸収体4との接合固定に用いられるホットメルト粘着剤は、吸収体4の一方の面又は両面に塗布される。塗布のパターン及び塗布量に特に制限は無く、ナプキン1の風合いの維持と、吸収体4の層間剥離防止と、吸収体4の吸収性能維持とのバランスで適宜決定される。吸収体4の吸収性能維持の点から、ホットメルト粘着剤は間欠的に、例えばスパイラル状に塗布されることが好ましい。特に、ホットメルト粘着剤は疎の領域5及びその近傍に塗布されることが好ましい。本発明ではホットメルト粘着剤の全体の塗布量は、2〜20g/m2 、特に5〜15g/m2 であることが好ましい。 【0022】吸収体4の両面にホットメルト粘着剤を塗布する場合には、各面の塗布量は低くしておき、また一方の面にのみホットメルト粘着剤を塗布する場合には、両面に塗布する場合によりも塗布量を多くすることが好ましい。 【0023】本実施形態のナプキン1は、次に述べる方法で好ましく製造される。先ず吸収体4の少なくとも一方の面に、ホットメルト粘着剤を所定パターンで塗布する。上述の通り塗布パターン及び塗布量は適宜決定される。次に、吸収体4の各面(ホットメルト粘着剤の塗布面)にトップシート2及びバックシート3をそれぞれ配する。引き続きこれら三者に圧力又は熱を加える。この手段には例えば、加熱されているか又は加熱されていない一対のロールが用いられる。そして、一対のロールによってこれら三者を押圧することで、トップシート2及びバックシート3が、吸収体4とその疎の領域5及び密の領域6において接合固定される。この場合、吸収体4に塗布されたホットメルト粘着剤が疎の領域5内を浸透することから、吸収体4と、トップシート2及びバックシート3との接合力は、疎の領域5の方が密の領域6よりも大きくなる。その後、通常用いられている工程に付されることによってナプキン1が製造される。 【0024】本発明は前記実施形態に制限されず、例えばトップシート2及びバックシート3と吸収体4との接合固定には、ホットメルト粘着剤の他に、ポリビニルアルコール等の水溶性バインダー、融着性繊維などを用いることもできる。 【0025】また、トップシート2及びバックシート3は、開孔領域5の他に、スリット(線状の切り込み)が形成された領域等を介して吸収体4と接合固定されていてもよい。 【0026】また、疎の領域として、吸収体4をその厚さ方向に貫通するような開孔領域以外に、非貫通状態の疎の領域、例えば吸収体4を構成する繊維材料の密度の低い領域を用いることもできる。 【0027】また前記実施形態では、トップシート2及びバックシート3の双方が吸収体4に接合固定されていたが、これに代えてトップシート2及びバックシート3の何れか一方のみが吸収体4に接合固定されていてもよい。 【0028】また、前記実施形態においては、ホットメルト粘着剤が浸透により疎の領域5に存在しているが、トップシート2及び/又はバックシート3が吸収体4に接合固定されれば、1つの疎の領域5においてホットメルト粘着剤が充満するほどに該ホットメルト粘着剤が存在する必要はない。 【0029】また、前記実施形態では、吸収体4とトップシート2及びバックシート3とがそれぞれ直接当接していたが、これに代えて吸収体4とトップシート2との間及び/又は吸収体4とバックシート3との間に、吸収紙や不織布等の部材を介在させて、これらの部材を介してトップシート2及び/又はバックシート3を吸収体4に接合させてもよい。この場合、吸収体4と前記部材との接合方法及び接合位置は、前記部材とトップシート2及び/又はバックシート3との接合方法及び接合位置と同じでも良く或いは異なっていてもよい。 【0030】また、これら各実施形態は相互に置換可能である。 【0031】 【発明の効果】本発明の吸収性物品によれば、風合いや吸収性能が低下すること無く、快適な使用状態を達成することができる。また、本発明の吸収性物品によれば、吸収体とトップシート及び/又はバックシートとの表面剥離が抑えられてよれが防止され、液漏れが起こりにくくなる。特によれが起こりやすい吸液後の湿潤状態においても、吸収体とトップシート及び/又はバックシートとの表面剥離が抑えられて、よれ及びこれに起因する液漏れが防止される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000918 【氏名又は名称】花王株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月13日(2000.3.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076532 【弁理士】 【氏名又は名称】羽鳥 修 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−252301(P2001−252301A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月18日(2001.9.18) |
| 【出願番号】 |
特願2000−69481(P2000−69481) |
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