| 【発明の名称】 |
眼の房水の排出を改善する方法とそのための装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】グリースハーバー,ハンス,エル.
【氏名】ステグマン,ロバート
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| 【要約】 |
【課題】房水排出を改善する方法と生物分解性支持要素の利用。
【解決手段】第1層板を切開して第1強膜弁10を形成し、それを角膜4方向に持ち上げ第1陥凹部11を作り、そこで第2層板を切開して第2強膜弁12を形成しそれを第1強膜弁10方向に持ち上げ露出された部分を通じて拡張媒体をシュレム管5に注入する段階を含む方法を提供する。またシュレム管5の管腔19に、シュレム管組織または房水で分解する生物分解性材料で作られた各種形状の支持要素30を移植し、改善された房水の排出を実現し維持する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前眼房Vの虹彩角膜角V′の野にある眼の房水を小柱網8を経由してシュレム管5に、また最終的には自然のチャネルシステムに導くことにより生体の眼の房水の排出を改善する一つの方法であって、前記方法は以下のステップ、すなわち第1強膜弁10を形成するために、強膜3の第1層板部分を切開し、第1強膜弁10を角膜4の方向に持ち上げ、これにより強膜3に第1陥凹部11を創り、第1陥凹部11の野で第2層板部分を切開し、これにより第2強膜弁12と第2強膜弁12を跳ね上げる支持面14を形成し、第2強膜弁12を第1強膜弁10の方向に持ち上げ、これにより第2陥凹部13を創りまたシュレム管5の一部を露出し、第2陥凹部13の両側面のそれぞれにあるシュレム管5の管腔19に、また選択肢としてシュレム管5の露出部18に、少なくとも1個の支持要素を移植し、前記各支持要素はシュレム管5の組織と房水よりなるグループから選択された少なくとも1個の成分により分解する材料から作られ、第2強膜弁12切断後支持面14への配置のために第1強膜弁10を折りたたみ、これにより第1強膜弁10に隣接する強膜下腔13′を閉じ込め、粘液性媒体を強膜下腔13′に注入し、また、第1強膜弁10を強膜3に再接合するステップを含むことを特徴とする方法。 【請求項2】 請求項1記載の方法であって、ここで前記移植ステップが、シュレム管5の露出部18の両側のそれぞれに拡張位置でシュレム管5の管腔19を保持するために少なくとも2個のほぼリング形の支持要素30を離隔配列で移植することを含み、支持要素30は生物分解性材料で作られることを特徴とする方法。 【請求項3】 請求項1記載の方法であって、ここで前記移植ステップが、シュレム管5の露出部18の両側のそれぞれに拡張位置でシュレム管5の管腔19を保持するために少なくとも2個のほぼ球形支持要素33を離隔配列で移植することを含み、支持要素33は生物分解性材料で作られることを特徴とする方法。 【請求項4】 請求項1記載の方法であって、ここで支持要素35が拡張位置でシュレム管5の管腔19を保持するために細長管形状を有し、支持要素35は生物分解性材料で作られることを特徴とする方法。 【請求項5】 請求項1記載の方法であって、ここで支持要素45が、拡張位置でシュレム管5の管腔19を支持するために細長形状の編組メッシュであり、編組メッシュは生物分解性材料で作られることを特徴とする方法。 【請求項6】 請求項1記載の方法であって、ここで支持要素50が、拡張位置でシュレム管5の管腔19を保持するために細長つる巻ばねの形状に設計され、つる巻ばねは生物分解性材料で作られることを特徴とする方法。 【請求項7】 請求項1記載の方法であって、ここで前記移植ステップが、シュレム管5の露出部18の両側のそれぞれに、少なくとも2個のほぼリング形状支持要素30およびもしくは球形支持要素33をシュレム管5の管腔19に離隔配列で移植し、またシュレム管5の露出部18に細長支持要素35,45,50を拡張位置でシュレム管5の管腔19と露出部18を保持するために移植することを含み、各支持要素は生物分解性材料で作られることを特徴とする方法。 【請求項8】 請求項1記載の方法であって、さらにシュヴァルベ線7の野でその部分に沿って第2強膜弁12をギャップ形状開口部21を形成するために部分的に房水浸透デスメー膜6から切り離し、またシュレム管5の露出部18に配列された支持要素40から突出する突出部により開放配列で第2強膜弁12の切り離し部分を保持するステップを含むことを特徴する方法【請求項9】 生体の眼15の房水の排出を改善し房水の排出を維持するための一つの装置であって、シュレム管5の管腔19に移植のための支持要素30,33,35,45,50よりなり、前記支持要素はリング形球形および円筒形よりなるグループから選択された形状を持ちまた生物分解性材料で作られることを特徴とする装置。 【請求項10】 請求項9記載の装置であって、ここで材料がシュレム管5組織および房水よりなるグループから選択される少なくとも1個の成分で分解されることを特徴とする装置。 【請求項11】 請求項9記載の装置であって、ここで支持要素30が円いリング形および楕円形よりなるグループから選択された断面で規定された貫通孔32を持ち、支持要素の材料はシュレム管5の断面に合致するよう変形でき、また生物分解性であることを特徴とする装置。 【請求項12】 請求項9記載の装置であって、ここで支持要素30が移植支持要素の傾斜を予防するためにほぼ楕円形のシュレム管5の高さを上回る幅31を持つことを特徴とする装置。 【請求項13】 請求項9記載の装置であって、ここで支持要素33が少なくとも1個の貫通孔34を持ちまた生物分解性材料で作られた球体であることを特徴とする装置。 【請求項14】 請求項9記載の装置であって、ここで支持要素33が円周上で離隔された複数の貫通孔34を持ち生物分解性材料で作られた球体であることを特徴とする装置。 【請求項15】 請求項9記載の装置であって、ここで支持要素35が貫通孔36を持ち円いリング形と楕円リング形よりなるグループから選択された断面により規定された管であり、前記管は離隔された複数の開口部37で形成されまたその配列と配向に適合するように理論的長尺軸Xに関して自由に可動で可撓性の生物分解性材料で作られることを特徴とする装置。 【請求項16】 請求項9記載の装置であって、ここで支持要素40が貫通孔41′を持ちまた広側面と狭側面を規定する楕円管41であり、前記管の広側面は軸方向に相互に離隔された複数の開口部42,42′を形成され、また前記管の狭側面は軸方向で相互に離隔され半径方向で外側に突出する少なくとも2個の突出部43,43′,43″を形成されることを特徴とする装置。 【請求項17】 請求項16記載の装置であって、ここで管41が生物分解性材料で作られることを特徴とする装置。 【請求項18】 請求項9記載の装置であって、ここで支持要素45が細長形状を持ち、またその配列と方向に適合するように自由に可動である編組メッシュで作られることを特徴とする装置。 【請求項19】 請求項18記載の装置であって、ここで細長支持要素45が生物分解性材料で作られることを特徴とする装置。 【請求項20】 請求項9記載の装置であって、ここで支持要素50が細長形状の可撓性つる巻ばねとして形成されその配列と配向して適合するように自由に可動であることを特徴とする装置。 【請求項21】 請求項20記載の装置であって、ここで細長支持要素50が生物分解性材料で作られることを特徴とする装置。 【請求項22】 請求項9記載の装置であって、ここで支持要素30,33,35,45,50が、移植の2乃至12ヶ月後の期間内にシュレム管5組織および房水よりなるグループから選択された少なくとも1個の成分により生物分解性である材料で作られることを特徴とする装置。 【請求項23】 請求項22記載の装置であって、ここで各支持要素30,33,35,45,50が架橋ヒアルロン酸ナトリウムで作られることを特徴とする装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、一般に生体の眼の房水の排出を改善する方法に関し、また房水の排出の改善を維持するための装置に関する。 【0002】もし小柱網が閉塞、詰まり、病理的変化に起因して部分的あるいは完全に機能しなくなると、房水の自然の流れが制限され、これにより血液循環と視神経機能にマイナスの影響を与える眼内圧力を上昇させる。起こり得る疾病は眼の失明に導く「緑内障」の名で周知である。 【0003】 【従来の技術】合衆国特許番号第5360399号は、シュレム管の上流に位置し病理的変化により房水の流出を部分的あるいは完全に遮断する小柱網が高い粘度の水溶液の水圧により僅かに拡げられ、その水溶液がシュレム管に注入された時にそれをいくつかの地点で開き水溶液の流出を可能にする方法と装置を記載する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】かくして、この発明の目的は眼内房水の流水を高め前記の障害を予防する改善された方法を提供することである。 【0005】とりわけこの発明の目的は、眼の流出経路を経る水溶液の必要な排出を実現しそれにより眼内圧力の調節のために眼内の水溶液の改善された循環を実現する改良された方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記課題は請求項1およびその従属項に記載の方法により、またこの方法を実行するため請求項9およびその従属項に記載の装置により解決される。すなわち、この手段は以下のように構成される。 【0007】(1)前眼房Vの虹彩角膜角V′の野にある眼の房水を小柱網8を経由してシュレム管5に、また最終的には自然のチャネルシステムに導くことにより生体の眼の房水の排出を改善する一つの方法であって、前記方法は以下のステップ、すなわち第1強膜弁10を形成するために、強膜3の第1層板部分を切開し、第1強膜弁10を角膜4の方向に持ち上げ、これにより強膜3に第1陥凹部11を創り、第1陥凹部11の野で第2層板部分を切開し、これにより第2強膜弁12と第2強膜弁12を跳ね上げる支持面を形成し、第2強膜弁12を第1強膜弁10の方向に持ち上げ、これにより第2陥凹部13を創りまたシュレム管5の一部を露出し、第2陥凹部13の両側面のそれぞれにあるシュレム管5の管腔19に、また選択肢としてシュレム管5の露出部18に、少なくとも1個の支持要素を移植し、前記各支持要素はシュレム管5の組織と房水よりなるグループから選択された少なくとも1個の成分により分解する材料から作られ、第2強膜弁12切断後支持面14への配置のために第1強膜弁10を折りたたみ、これにより第1強膜弁10に隣接する強膜下腔13′を閉じ込め、粘液性媒体を強膜下腔13′に注入し、また、第1強膜弁10を強膜3に再接合するステップを含むことを特徴とする方法。 【0008】(2)前記(1)記載の方法であって、ここで前記移植ステップが、シュレム管5の露出部18の両側のそれぞれに拡張位置でシュレム管5の管腔19を保持するために少なくとも2個のほぼリング形の支持要素30を離隔配列で移植することを含み、支持要素30は生物分解性材料で作られることを特徴とする方法。 【0009】(3)前記(1)記載の方法であって、ここで前記移植ステップが、シュレム管5の露出部18の両側のそれぞれに拡張位置でシュレム管5の管腔19を保持するために少なくとも2個のほぼ球形支持要素33を離隔配列で移植することを含み、支持要素33は生物分解性材料で作られることを特徴とする方法。 【0010】(4)前記(1)記載の方法であって、ここで支持要素35が拡張位置でシュレム管5の管腔19を保持するために細長管形状を有し、支持要素35は生物分解性材料で作られることを特徴とする方法。 【0011】(5)前記(1)記載の方法であって、ここで支持要素45が、拡張位置でシュレム管5の管腔19を支持するために細長形状の編組メッシュであり、編組メッシュは生物分解性材料で作られることを特徴とする方法。 【0012】(6)前記(1)記載の方法であって、ここで支持要素50が、拡張位置でシュレム管5の管腔19を保持するために細長つる巻ばねの形状に設計され、つる巻ばねは生物分解性材料で作られることを特徴とする方法。 【0013】(7)前記(1)記載の方法であって、ここで前記移植ステップが、シュレム管5の露出部18の両側のそれぞれに、少なくとも2個のほぼリング形状支持要素30およびもしくは球形支持要素33をシュレム管5の管腔19に離隔配列で移植し、またシュレム管5の露出部18に細長支持要素35,45,50を拡張位置でシュレム管5の管腔19と露出部18を保持するために移植することを含み、各支持要素は生物分解性材料で作られることを特徴とする方法。 【0014】(8)前記(1)記載の方法であって、さらにシュヴァルベ線7の野でその部分に沿って第2強膜弁12をギャップ形状開口部21を形成するために部分的に房水浸透デスメー膜6から切り離し、またシュレム管5の露出部18に配列された支持要素40から突出する突出部により開放配列で第2強膜弁12の切り離し部分を保持するステップを含むことを特徴する方法(9)生体の眼15の房水の排出を改善し房水の排出を維持するための一つの装置であって、シュレム管5の管腔19に移植のための支持要素30,33,35,45,50よりなり、前記支持要素はリング形球形および円筒形よりなるグループから選択された形状を持ちまた生物分解性材料で作られることを特徴とする装置。 【0015】(10)前記(9)記載の装置であって、ここで材料がシュレム管5組織および房水よりなるグループから選択される少なくとも1個の成分で分解されることを特徴とする装置。 【0016】(11)前記(9)記載の装置であって、ここで支持要素30が円いリング形および楕円形よりなるグループから選択された断面で規定された貫通孔32を持ち、支持要素の材料はシュレム管5の断面に合致するよう変形でき、また生物分解性であることを特徴とする装置。 【0017】(12)前記(9)記載の装置であって、ここで支持要素30が移植支持要素の傾斜を予防するためにほぼ楕円形のシュレム管5の高さを上回る幅31を持つことを特徴とする装置。 【0018】(13)前記(9)記載の装置であって、ここで支持要素33が少なくとも1個の貫通孔34を持ちまた生物分解性材料で作られた球体であることを特徴とする装置。 【0019】(14)前記(9)記載の装置であって、ここで支持要素33が円周上で離隔された複数の貫通孔34を持ち生物分解性材料で作られた球体であることを特徴とする装置。 【0020】(15)前記(9)記載の装置であって、ここで支持要素35が貫通孔36を持ち円いリング形と楕円リング形よりなるグループから選択された断面により規定された管であり、前記管は離隔された複数の開口部37で形成されまたその配列と配向に適合するように理論的長尺軸Xに関して自由に可動で可撓性の生物分解性材料で作られることを特徴とする装置。 【0021】(16)前記(9)記載の装置であって、ここで支持要素40が貫通孔41′を持ちまた広側面と狭側面を規定する楕円管41であり、前記管の広側面は軸方向に相互に離隔された複数の開口部42,42′を形成され、また前記管の狭側面は軸方向で相互に離隔され半径方向で外側に突出する少なくとも2個の突出部43,43′,43″を形成されることを特徴とする装置。 【0022】(17)前記(16)記載の装置であって、ここで管41が生物分解性材料で作られることを特徴とする装置。 【0023】(18)前記(9)記載の装置であって、ここで支持要素45が細長形状を持ち、またその配列と方向に適合するように自由に可動である編組メッシュで作られることを特徴とする装置。 【0024】(19)前記(18)記載の装置であって、ここで細長支持要素45が生物分解性材料で作られることを特徴とする装置。 【0025】(20)前記(9)記載の装置であって、ここで支持要素50が細長形状の可撓性つる巻ばねとして形成されその配列と配向して適合するように自由に可動であることを特徴とする装置。 【0026】(21)前記(20)載の装置であって、ここで細長支持要素50が生物分解性材料で作られることを特徴とする装置。 【0027】(22)前記(9)記載の装置であって、ここで支持要素30,33,35,45,50が、移植の2乃至12ヶ月後の期間内にシュレム管5組織および房水よりなるグループから選択された少なくとも1個の成分により生物分解性である材料で作られることを特徴とする装置。 【0028】(23)前記(22)記載の装置であって、ここで各支持要素30,33,35,45,50が架橋ヒアルロン酸ナトリウムで作られることを特徴とする装置。 【0029】 【作用】これらの目的および他のものはこれから明らかにされるが、この発明に基づく方法により達成され、その方法は以下のステップ、すなわち第1強膜弁を形成するために強膜の第1層板部分を切開し、第1強膜弁を角膜方向に持ち上げ、これにより強膜に陥凹部を創り、陥凹部の野で第2層板部分を切開し、これにより第2強膜弁と強膜弁を跳ね上げる支持面を形成し、第2強膜弁を第1強膜弁の方向に持ち上げこれにより第2陥凹部を創りシュレム管の一部を露出し、第2陥凹部の両側それぞれにあるシュレム管管腔にまた選択肢としてシュレム管の露出部分に少なくとも1個の支持要素を移植し、各支持要素はシュレム管の組織およびもしくは房水で分解する材料で作られており、第2強膜弁切断後支持面への配置のために第1強膜弁を折りたたみ、これにより第1強膜弁に隣接する強膜下腔を閉じ込め、粘液性媒体を強膜下腔に注入し、また第1強膜弁を強膜に再接合するステップを含む。 【0030】この発明のも一つの特徴に従って、支持要素は生物分解性材料で適切に作られ、管腔を拡張位置で保持するためにリング形あるいは球面形状を有し、もしくは細長管状形状を持つ。支持要素は更に細長形状の編組メッシュとして、あるいは細長つる巻ばねとして形成される。 【0031】更に、この発明のも一つの特徴に従って、僅かに圧力をデスメー膜に加えて間隙状開口部(窓口)を形成することにより部分的房水透過性デスメー膜からシュヴァルベ線の野で部分に沿って第2強膜弁を分離することができる。第2強膜弁の分離部分は支持要素から出る突出部により開かれた配列で保持することができ、そのため前眼房はデスメー膜と強膜下腔の間隙状開口部を経由して虹彩角膜角の野で流体接続される。このようにして、小柱網からシュレム管に自然に流れる房水は更に前眼房から部分的に房水透過性デスメー膜を通じまた間隙状開口部を通じて強膜腔にシュレム管と流体接続して強膜腔に導入される。 【0032】更にこの発明の目的は、高められた眼の房水の流れを実現し維持する改善された装置を提供することである。 【0033】この目的は、シュレム管の管腔に移植する支持要素を提供し、この支持要素がリング形状,球面形状あるいは円筒形状を有し、また分解性材料、とりわけシュレム管の組織およびもしくは房水で分解することのできる材料で作られることによりこの発明に基づいて達成される。 【0034】この発明の前記および他の目的、特性、利点は添付の図面を参照してこの発明の望ましい実施例について下記の説明を読むことで容易に明らかになるであろう。 【0035】 【発明の望ましい実施の形態】図面に戻り、とりわけ図1に関して、眼15の房水の排出を改善する第1プロセスステップが示されており、眼15は虹彩2の部分、角膜4、強膜3、円形シュレム管5(強膜静脈洞)の部分切開部、および房水を導く多数のチャネルよりなるチャネルシステム3′により概略図でのみ示される。この発明に基づくプロセスの当初の段階において、ほぼ放物線状の第1切開が強膜弁10を形成するため強膜3で行われ、この強膜弁10は円周方向に伸びる側壁11′に結合する対応第1陥凹部11を露出するために角膜4の方向に持ち上げられる。強膜弁10は、単純化のためここでは示されていないが当業者に周知の器具あるいは他の手段で上方に折りたたまれた位置で保持される。 【0036】眼15の部分の断面図である図2は、強膜3の部分、デスメー膜6とシュヴァルベ線7を持つ角膜4の部分、虹彩2の部分、小帯繊維9′により強膜3と接続するレンズ9の部分を示す。更に示されているのは、矢印16の方向に持ち上げられた第1強膜弁10と対応する陥凹部11、加えてその前部に配設された小柱網8を持つシュレム管5である。 【0037】図2での矢印1と1′は基本的に房水の循環とその自然排出を示している。健康な眼では連続的に再生する房水は矢印1に従って後眼房Hから前眼房Vに流れ、虹彩角膜角V′で矢印1′の方向で小柱網8を経由してシュレム管5に導かれ、そこから自然のチャネルシステム3′(図1)を経由して自然静脈系(図示されていない)に流れる。小柱網8が詰まりあるいは閉塞などにより部分的にあるいは完全に機能しない場合には房水の自然排出は制限されその範囲で眼15の内圧は上昇して血液循環を制約しかくして視神経(図示されていない)の機能も同じく制限する。この結果生じる疾病は「緑内障」の名で周知であり影響を受けた目の失明に導かれる。 【0038】図1で示されたやり方で強膜3を切開する前に、顕微手術手続が行われ、これにより強膜3の十分な部分を露出するために結膜(図示されていない)が適当な器具で引き込まれる。最初の切開の後、形成された強膜弁10が角膜4の方向に向けて上方に折りたたまれ、これにより第1陥凹部11をその外周側壁11′に露出する。第1切開は例えばある深さで3mm×3mmの野をカバーし、その深さはそのように選択されて図2で示されるように第1強膜弁10の厚さはこの領域で強膜3の自然の厚さの約1/3である。この第1段階ではシュレム管5はまだ露出されていない。 【0039】図3で示されるように次のステップでは、第2放物線状強膜弁12を形成するために第1切開の野で第2切開が行われ、第2強膜弁12は次いで角膜4の方向に持ち上げられ(図4)そのため第2陥凹部13は第2強膜弁と一致して定義され、支持面14により結合される。第2切開の深さはシュレム管5がここで第2陥凹部13の全幅にわたり露出されるように選ばれる。この段階では、第2陥凹部13に対向して配設されたシュレム管5の入口部17と17′が図5で示されるようにプローブにより拡張媒体の注入に利用できる。 【0040】図3で示されるように、第2強膜弁12は、シュレム管5が、ほぼ溝状形状を示しまた第2強膜弁12の全幅にわたり延びる陥凹部5′を含むように形成される。 【0041】図4は眼15の部分を示し、これは図3のIV−IV線に沿って取られ、2個の強膜弁10,12が矢印16,16′の方向に上向きに折りたたまれ、適切な手段(図示されていない)で適所に保持されていることを示している。第2切開は第2強膜弁12の厚さ12′を生じ、それは入口部17,17′と露出部18を経由してシュレム管5の十分な露出と接近可能性を許すことになる。これはシュレム管5の部分5′が第2強膜弁12の内側に留るやり方で第2切開の深さを選択することにより基本的には実現される。図3で示されるように、添付部分5′は第2強膜弁12の全長にわたり伸び事実上グルーブ形状を持つ。 【0042】図5は図3の眼の拡大図であり、強膜3の部分と2個の上向き折りたたみ強膜弁10,12、同じく第2陥凹部13とチャネルシステム3′を持つ強膜3の横方向支持面14を示し、また次のプロセスの段階を示し、ここで適切な媒体、望ましくは高粘度ヒアルロン酸ナトリウム溶液がシュレム管5の管腔19を拡大するために一般に参照符号25で指定された注入ユニットによりシュレム管5の2個の横方向入口部17と17′に注入される。注入ユニット25はプローブ24を含み、これは限定されない実施例においてアーチ形アダプター29に接続され高粘度ヒアルロン酸ナトリウム溶液を注入し少なくとも挿入プローブ24の軸長以上にシュレム管5の管腔19を拡大するためにシュレム管5の露出開口部の一つでここでは入口部17に挿入される。シュレム管5の管腔19を拡大した後に、プローブ24を持つ注入ユニット25は入口部17から引き出され拡張媒体の注入と管腔19拡大のためにシュレム管5の対向入口部17′への挿入に向けることができる。 【0043】注入ユニット25は単一チャンバ注射器あるいは類似の装置により形成される供給コンジット28を経由して図形のみで示される圧力源26と接続される。注入媒体は管腔19拡大のために手動あるいは電気操作圧力源26により矢印27の方向で供給コンジット28、アダプター29、プローブ24を経由してシュレム管5の管腔19に強制的に入れられる。シュレム管5の拡大の後、注入ユニット25は除去される。このような注入ユニット25の操作と構造は一般に当業者には公知であり、この発明の一部を形成するものとはならず、従って、その説明は単純化のために省略されていることを当業者は理解するであろう。 【0044】図6および図7では、シュレム管5の拡張と注入ユニット25の引出しの後にシュヴァルベ線7の野で角膜4の内表面からのデスメー膜6の分離のための次のプロセスステップが示される。デスメー膜6の分離は図6で概略拡大して示されるように、第2強膜弁12とデスメー膜6の間の開口部(窓)21を創り出すようにスワブ20もしくは類似の装置を使用することで実現される。図7で示されているように、開口部21はほぼ間隙形状であり、ここでは示されてはいないが露出部18あるいは第2陥凹部13の全幅を横切るようなやり方で伸びる(図8)。開口部21は図7で示されるように、更に眼15の前眼房Vと第2陥凹部13の間の結合を提供し、そのため房水は自然の流出から矢印1′の方向で小柱網8を経由し、また矢印1″の方向で房水を部分的に透過するほぼ透明なデスメー膜6を経由し、また開口部21を経由してシュレム管5と流体接続する第2陥凹部13へと排出することができる。第2強膜弁12と基本的に一致する第2陥凹部13は貯蔵所形成第2陥凹部13から横方向入口部17,17′両方を経由してシュレム管5に、またそこからチャネルシステム3′を経由してシュレム管5に排出される房水の貯蔵所あるいは強膜下腔13′を形成する(図12)。 【0045】第2強膜弁12は、小さな残存部12.1を除いて、次いで図7および図8で示されるように適切な手術用器具(図示されていない)を用いて切断される。第2強膜弁12の分離が同じく間隙形状開口部21を形成するためにスワブ20でデスメー膜6の分離の前に行われることは従来の技術に習熟した当業者により評価されるであろう。 【0046】図8および図9を参照すると、第2強膜弁12切断後の眼の15の概略図と、シュレム管5の露出部18および対向入口部17,17′両方の図が示される。露出部18の両側それぞれのシュレム管5の管腔19には離隔して並んで配列される2個の支持要素30が移植される。図8の限定されない実施例において、2個のほぼリング形状支持要素30が露出部18の一方の側に配設され、また2個の球体支持要素33が露出部18の他の側に配設される。図9は更に実施例の移植用支持要素を示し、それは編組メッシュ形態の支持要素45が露出部18の一方の側に配設され、つる巻ばね形の支持要素50が露出部の他の側に配設されることを示している。 【0047】図10Aは支持要素30の拡大された詳細斜視図を示す。支持要素30は貫通孔32を有し、望ましくは円いリング形あるいは楕円形リング形を示す。支持要素30はシュレム管5の管腔19に自動的に一致する材料で適切に作られる。支持要素30は、支持要素30が管腔19に安定した位置で移植することができ管腔19の軸方向で倒れないように選択される幅31を持つ。 【0048】図10Bは球体支持要素33の拡大された詳細図を示す。支持要素33は少なくとも1個の貫通孔34、望ましくは円周方向で離隔されるいくつかの孔34を持つ。 【0049】図10C乃至10Eは更にこの発明に基づく支持要素の実施例を示す。ここで説明された支持要素の各種の形状がシュレム管5の管腔19での移植にいずれか望ましいやり方で組合させることができるということは当業者に理解されるであろう。かくして、図8と図9で移植される支持要素の型は単に説明目的のために示される。 【0050】図10Cは可撓性管で作られ、円いリング状あるいは楕円形の外形を有する支持要素35を示す。支持要素35は軸方向で離隔された複数の注入開口部37と連通する貫通孔36により軸方向で横断する。理論的縦方向軸Xと関連して、支持要素35は破線により図形で示されるように配設と配向で自由に可動であり、かくしてその可撓性の結果としてシュレム管5に挿入された時管腔19の内部形状に容易に一致することができる。可撓性はしかし限定されたものでよじれは排除される。 【0051】図10Dは支持要素40を示しこれもまた細長可撓性管から作られ軸方向で相互に離隔された複数の開口部42,42′と連通する貫通孔41′により軸方向で横断する。支持要素40は更に軸方向で相互に離隔された複数の突出部43,43′,43″を配列、望ましくはその上に形成する。貫通孔41′と連通する開口部42,42′は望ましくは支持要素40の長尺側で正反対に対向する配列で配設される。図10Eで示されるように、支持要素40はシュレム管5の形状にほぼ一致する外部楕円形状を持つ。この型の支持要素40は、主として強膜3の第2陥凹部13の野でシュレム管5の露出部18での移植に使用される。支持要素40の機能は図11と図12に関連してより詳細に記載されるであろう。 【0052】図10Fは編組メッシュの形態での支持要素45をより詳細に示す。支持要素45は編組メッシュを形成するためにつる巻状に撚り合わされた複数の糸46(フィラメント)から作られ、それは房水の排出のために糸46の間で形成された離隔部47,47′,47″を持つ。支持要素35と同じように支持要素45はシュレム管5の管腔19の外部形状にそれ自身を一致させることができる。 【0053】図10Gは支持要素50をより詳細に示し、これは例えば1本のつる巻状に巻かれた糸51(フィラメント)から形成される。房水は支持要素50の個別巻線の離隔部52,52′の間で排出される。支持要素35と同じように、支持要素50はシュレム管5の管腔19の外部形状にそれ自身を一致させることができる。 【0054】図10C,10F,10Gで示される細長支持要素35,40,45あるいは50は、シュレム管5の管腔19の場合と同じく、強膜3の第2陥凹部13の野に露出されたシュレム管5の部分18に移植し得る。シュレム管の露出部への細長支持要素35,45,50の移植も図13と図14と関連してより詳細に記載されるように可能である。 【0055】図11はシュレム管5の管腔19にある第2陥凹部13の両側で離隔されたリング形状支持要素30の移植を示し、一方支持要素40はシュレム管の露出部18にある強膜3の第2陥凹部13の野に配置される。支持要素40はシュレム管5の露出部18にそのように配設されているため、第2強膜弁12から離れて第2陥凹部13の全幅を横切って延びる残存部12.1は支持要素40の突出部43,43′,43″に基礎を置く。 【0056】第2強膜弁12の切断と支持要素の内選択されたものの移植の後、第1強膜弁10は折りたたまれ、また図12で示されるように放射上支持面14に配置される。続いて第1強膜弁10はそれ自身既知のやり方で強膜3に縫合される。第2強膜弁12は既に分離されているので、強膜下腔間隙部13′は第1強膜弁10の後の第2陥凹部13の形態で創られ、第1強膜弁10に完全に再結合する前に高粘性媒体、例えばヒアルロン酸ナトリウムで望ましくは注射器(図示されていない)により充填される。これは再配置された第1強膜弁10の内表面10″が図12で示されるように第2陥凹部13の内表面13″と接触することを防ぐ。 【0057】図12は折りたたまれた第2強膜弁10と、デスメー膜6から分離され突出部43,43′,43″に配置された第2強膜弁12の残存部12.1を持つ拡大されたXII-XII切断線に沿った図11に基づく移植支持要素40を示す。突出部43,43′,43″の配設はシュレム管5の露出部18の全幅を横切る間隙形状開口部21の閉鎖を予防する。 【0058】更に図12で示されるように、間隙形状開口部21は前眼房Vの虹彩角膜角V′と第2陥凹部13の間で追加の接続を提供する。かくして房水は自然排出を加えて小柱網8を経由して矢印1′の方向でまたほぼ透明で部分透過性デスメー膜6と間隙形状開口部21を経由して矢印1′の方向で第2陥凹部13に排出することができる。第2強膜弁12に近い形状を持つ第2陥凹部13は、強膜弁10が折りたたまれた時に強膜下腔間隙13′あるいは房水の貯蔵所を形成する。この強膜下腔間隙13′から房水は強膜下腔間隙13′と流体連続する2個の入口部17,17′を経由してシュレム管5の管腔19に排出され、そこからチャネルシステム3′に流れる。 【0059】図13はシュレム管5の管腔19にある第2陥凹部13の両側にある図10Aに基づく離隔されたリング形状支持要素30の移植を示す。支持要素30の代りに、あるいは支持要素30と組合わせて、いくつかの離隔された球体支持要素33が管腔19での移植に使用することができる。図13で示されるように、図10Fに基づきシュレム管5の露出部18に支持要素45を移植する選択肢も存在する。 【0060】図14は管腔19の一つ側面で図10Aに基づく2個の離隔されたリング状支持要素30の移植を示し、一方図10Bに基づく2個の離隔された球体支持要素33は管腔19にある他の対向側に配置される。この限定されない実施例は更にシュレム管の露出部18での図10Gに基づく支持要素50の移植を含む。 【0061】前記図には示されていないが、他の利用できる選択肢、例えば露出部18の一側面での2個もしくはそれ以上のリング形状支持要素30、およびシュレム管5の管腔19への対向側での1個もしくはそれ以上の細長支持要素35,45,50の移植の選択肢である。加えて、シュレム管5の露出部18で図10Dと図10Eに基づく細長支持要素40を移植することは適切である。 【0062】支持要素30,33,35,45と50は分解性材料、とりわけシュレム管5の組織およびもしくは房水により生物分解性となる材料から適切に使用される。とりわけ適切であるのは、移植の2ヶ月乃至12ヶ月内に生物的に分解できる材料である。支持要素30,33,35,45,50に使用される材料の例は架橋結合ヒアルロン酸ナトリウムを含む。しかしシュレム管5の露出部18に移植できる支持要素、とりわけ細長支持要素35,40,45,50を生物的分解性材料、例えばプラスチック材料、さびなしスチールあるいは銀、金、プラチナなどの特殊鋼から作る選択肢もある。 【0063】この発明は眼の中の房水の流れを改善するための方法と装置で例示されたように図示され説明されてきたが、それは示されてきた細目に限定するように意図したものではなく、何故なら各種の変形と構造的変化がこの発明の精神から反することなく行えるからである。 【0064】 【発明の効果】生体の眼の房水排出を改善する方法とそのためのシュレム管の管腔に移植された各種形状の支持要素により長期にわたり改善された房水排出の実現と維持が行われる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】595152117 【氏名又は名称】グリースハーバー ウント コンパニー アーゲー シャフハウゼン
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| 【出願日】 |
平成13年2月8日(2001.2.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066061 【弁理士】 【氏名又は名称】丹羽 宏之
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| 【公開番号】 |
特開2001−245916(P2001−245916A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月11日(2001.9.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−32379(P2001−32379) |
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