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【発明の名称】 装身具
【発明者】 【氏名】野辺 龍一

【要約】 【課題】常時はアクセサリなどとして利用可能にし、一方、適時に熱源として利用可能にする。

【解決手段】温熱または冷熱を発生する熱源に対して、キャラクタデザイン物品3を一体的または着脱自在に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 温熱または冷熱を発生する熱源に、キャラクタデザイン物品が一体的にまたは着脱自在に設けられていることを特徴とする装身具。
【請求項2】 温熱または冷熱を発生する熱源自体がキャラクタデザインを有することを特徴とする装身具。
【請求項3】 前記熱源が懐炉であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装身具。
【請求項4】 前記熱源には、熱源材料を交換可能にする熱源材料収納カセットが着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装身具。
【請求項5】 前記熱源には、熱源の熱出力調整を行うための熱出力調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装身具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マスコットやアクセサリなどの装身具または服飾品として携帯され、必要に応じて身体を暖める暖房器具あるいは冷房器具として利用できる装身具に関する。
【0002】
【従来の技術】寒冷地や冬期において使用され、かつ人が歩行中や作業中に携帯しながら身体を暖めることができる暖房器具として、従来から懐炉が広く実用されている。この懐炉は、金属製の容器内に収納した吸水綿に燃料としてのベンジンを含浸させておき、この吸水綿の層上に着火、燃焼を促進するための石綿を配置し、前記容器の開口部に通気孔を持った蓋を被せたものからなる。
【0003】この懐炉では、容器内の石綿がこれの下層にある吸水綿に含浸されているベンジンを吸い上げるように機能するため、蓋を外して、この石綿にライター等の火炎を近づけることにより、この石綿上でベンジンが青い火炎を出して燃焼を開始する。そこで、前記容器に蓋を被せることによって、蓋に設けた通気孔から酸素を取り入れながら、火炎が容器の外に洩れることなく容器本体および蓋を加熱する。
【0004】また、この火炎の大きさは、人体や衣服を過熱または焼損することがない適正温度となるように、容器本体や蓋のサイズ、蓋に設けられた通気孔のサイズおよび数などが決定されている。なお、前記石綿には白金が微粒子状態にて付着されているため、この白金の触媒作用がベンジンの酸素との結合度を高めるように作用し、略密閉された空間内においても、安定的かつ継続的に火炎の発生を維持可能にしている。
【0005】一方、今日では、包袋内に収納した鉄粉、バーミキュライト、水などの化学反応を利用して発熱させる使い捨て懐炉が広く提供されている。この使い捨て懐炉は、歩行中に手軽に携帯でき、例えば下着に貼着するなどして身体を暖めることができ、その取り扱いも比較的簡単である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の金属製の容器からなる懐炉にあっては、全体的に所定の厚みを持った掌サイズの略矩形状をなし、これが、衣類、例えば上衣の懐中ポケットやズボンのポケットに収納されたり、別途用意された布袋の中に収納された後、身体の一部に下着等を介して接触するように設置されることもあって、デザイン的に何の変哲もない形態に作られている。つまり、この懐炉は、使用状態では人の目に触れない使われ方をしており、実用のみに重点が置かれ、例えば使用してみたいと思わせるように趣味的な感覚で使用されることはない。従って、一般需要者には、色々のデザインの中から自身の趣味に合ったものを選んで使用しようとする楽しさが生まれず、生産者および販売者側においては懐炉の販路が拡らず、結果的に需要が伸びず、販売利潤も低迷してしまい、結果的に懐炉の販売価格の低下を妨げるという悪循環を招くという問題があった。
【0007】一方、前記使い捨て懐炉は使い捨てであるが故に使い勝手が良好であり、使用中は体温との相乗作用により所定の発熱温度を維持するものの、大気中に直接晒された場合には表面温度が著しく低下してしまう。また、一旦、表面温度が低下した場合には、再使用するときの発熱温度の回復が遅く、身体が仲々暖まりにくいという問題があった。さらに、この使い捨て懐炉は、基本的に定常状態での発生温度が一定で低く、十分な高温度が長時間に亘って得られず、温度の調節機能を持たず、結果的に使用時間当りのコストが高いものについてしまうという課題があった。また、前記金属製の容器からなる前記懐炉の場合と同様に、形状が比較的大きく、従って衣服の小形のポケットには収納できず、さらに衣服の内部や内側に収納して用いられるため、デザイン的考慮は何ら払わされておらず、趣味性に欠けるという問題があった。
【0008】本発明は前記のような問題を解決するためになされたものであり、掌サイズより小形のものも作成でき、子供から大人までの広い年令層の人に自身の好みに合ったデザインのものを選んで常時はアクセサリやマスコットなどとして利用できるようにし、一方、適時に容器内に燃料や冷媒などを注入するのみで、シャツやズボンのポケットに収納した際に、高温熱源または冷却熱源として身体を長時間に亘って暖めたり冷やしたりすることができる維持経費の安い装身具を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的達成のため、請求項1の発明にかかる装身具は、温熱または冷熱を発生する熱源に、キャラクタデザイン物品を一体的または着脱自在に設けたものであり、これにより熱源の趣味性を高めて、商品価値を向上させることができる。
【0010】また、請求項2の発明にかかる装身具は、温熱または冷熱を発生する熱源自体がキャラクタデザインを有するものとしたので、キャラクタデザインそのものが熱源である商品自体に具現され、さらに熱源としての趣味性および商品価値の向上を図ることができる。
【0011】また、請求項3の発明にかかる装身具は、前記熱源を懐炉としたものであり、キャラクタデザインの付与によって懐炉の商品価値を高め、これにより購買力を高めることができる。
【0012】また、請求項4の発明にかかる装身具は、前記熱源に、熱源材料を交換可能にする熱源材料収納カセットを着脱自在に装着したものであり、これにより容器内の熱源材料としてのベンジンやガスの残量が減少した場合にも、これらの再充填を簡単かつ迅速に、しかも手を汚さずに行うことができる。
【0013】また、請求項5の発明にかかる装身具は、前記熱源に、該熱源の熱出力調整を行うための熱出力調整手段を設けたものであり、その熱出力調整により周辺環境の温度や熱源の設置位置に応じた温度にて、最適の状態で身体を暖めまたは冷やすことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を図について説明する。図1はこの発明の装身具を正面上方から見た状態の斜視図である。同図において、Aは熱源としての懐炉であり、これが懐炉本体を構成する下部の容器1の上方開口部に、蓋2を被せたものからなる。この懐炉Aの内部構成は基本的に従来のものと同様であり、例えば、金属製の容器1内に、ベンジンなどの液体燃料を含浸させた吸水綿と、この吸水綿の層上に燃料の着火および燃焼を促進するための石綿とを収納して、これらを着火用開口部を持った金属キャップで被った上で、容器1の上方開口部に通気孔を持った前記蓋2を被せるという構成を持つ。
【0015】また、前記蓋2にはキャラクタデザイン物品3が一体に取り付けられている。このキャラクタデザイン物品3は、図示のように、例えば「可愛いー」と思わせるような猫をデザインしたものであったり、その他の動物、鳥獣、植物、仮想動物、仮想人物を模倣したものであり、必ずしもキャラクタ・マーチャンダイジングの対象となる有名な漫画の主人公や実在の著名人の肖像などのデザインを採用する必要はなく(これらは著作権、商標権、意匠権などによって使用上制約がある)。一般の老若男女に広く喜ばれるデザインを任意に作成して採用することができる。従って、そのデザインには形状、模様および色彩に工夫がこらされることは言うまでもない。図1について言えば、猫のデザインのうち、猫の身体は全体を薄黄色、身体の縁どりは濃い黄、目とひげは黒、ハート形の右半分は黒色、羽根は薄い水色、羽根の縁どりは濃い水色、容器1および蓋2は橙色とされる。
【0016】このような猫などのキャラクタデザイン物品3に一体の懐炉Aにあっては、キャラクタデザインによって趣味性が高められて、例えば女子の小学生、中学生、高校生等の購買意欲が高められ、これを鎖を用いてペンダントやネックレスとして首から吊り下げたり、紐を用いて手提げカバンなどに吊り下げたり、携帯電話機のストラップに吊り下げたりすることができる。そして、冬期または寒冷地では、この懐炉をネックレスや手提げカバンや携帯電話機などの鎖、紐、ストラップなどから取り外し、洋服やズボンのポケット内に収めることで、懐炉の温熱を洋服やズボンの裏地などを介して、人体に効率的かつ効果的に伝えることができる。つまり、この猫形のキャラクタデザイン物品3を持った懐炉を、アクセサリやマスコットとして利用可能にするとともに、適時に人の身体を暖める暖房器具としての利用が可能になる。
【0017】なお、前記懐炉は、アクセサリやマスコットとしての使用上の趣味性や、温熱の目的、用途、使用箇所などに応じて形状、サイズが決定されるものであり、例えば、女性用の肌着、下着に付けて腹部、腰部、大腿部、肩などを暖める場合には、全体として薄形で、しかも肌着や下着、さらには身体に傷を与えない表面が円滑な形態とされる。従って、このような懐炉をブラジャーの肩紐に着けた場合は、肩の周辺を暖めて肩痛を和らげるという効果が得られ、腹部や腰部に着けた場合には、生理痛を和らげるという効果が得られる。また、腰痛を患っている患者の腰部に着けることで、その腰痛を和らげることができる。
【0018】なお、前記懐炉を身体の温熱に容易に使用できるようにするために、懐炉本体とこれが装着される衣服や肌着の一方または両方に、懐炉Aを保持させるための吊具、貼具、ファスナーなどが設けられる。図3は懐炉Aの容器1の背面側に安全ピン1aを吊具または取付具として設けた例を示し、これによれば、安全ピン1aを利用して、衣服、帽子、マフラーなどに保持させることができる。また、脚部を保温するスパッツや身体各部の保温用に用いられるプロテクタなどは本来弾性繊維で作られるものであるため、懐炉をこれらと肌着との間に挟んで保持させることもできる。
【0019】また、前記においては、キャラクタデザイン物品を懐炉Aの蓋2に設けた場合について述べたが、容器1または、容器1および蓋2の両方に設けてもよい。また、キャラクタデザイン物品3を容器1や蓋2に対して着脱自在とすることも任意であり、この場合には、懐炉Aに対する燃料の注入作業を容易化したり、懐炉Aに対し別のキャラクタデザイン物品を付け替えて用いたりすることもできる。
【0020】図2は本発明の実施の他の形態を示す。これは、懐炉Bの本体を、趣味性の高い「女の子」のキャラクタデザイン物品として一体形成したものであり、これが下半部の容器1に対し上半部の蓋2を被せたものからなる。このため、これらの容器1および蓋2は金属などの耐熱性材料により一体形成される。なお、図中、容器1および蓋2の相互の連結部(分離部)において、切断線Lが顕れるが、この切断線Lは視覚的に気になりにくい位置にくるようにデザイン的に工夫することが望ましい。
【0021】この形態においても、デザイン上「女の子」の形状、模様、色彩に工夫がこらされ、例えば顔は肌色、目と口は黒、帽子と服が赤地に黒の玉模様、髪の毛と衿が黄緑、頬と靴がピンク色、靴下と切り株の上面が黄色、切り株の模様が黄色、笛が水色とされる。
【0022】この実施の形態によれば、懐炉Aの本体がキャラクタを表現しているため、従来からの古い懐炉のイメージを払拭でき、しかも実際には身体を暖める懐炉として利用できるものであるから、小児から小学生、中学生の若者達にも違和感なく懐炉としての利用ができるようになり、キャラクタデザイン効果も相俟って、利用度が高まる。
【0023】また、熱源としてのこれまでの懐炉は、温度調節機能を持たない。しかし、懐炉の使用部位や利用の仕方によって、使用者の意志により任意に温度調節できるものが望まれている。図4はこのような温度調節機能を持った装身具としての懐炉を一部破断して概念的に示す背面図である。同図において、1は金属製の容器で、この容器1内のベンジンが含浸された吸水綿(図示省略)の層上には石綿4が収納されており、この石綿4の上部を被うキャップ部5には、通気孔6(ここでは、一個のみ示してあるが、複数個設けることは任意)が設けられている。このキャップ部5上には蓋2の外から摺動操作される通気孔7を持ったシャッタ板8が載置されている。
【0024】従って、このような懐炉では、容器1から蓋2を外し、熱出力調整機能を有する温度設定手段としてのシャッタ板8の通気孔7およびキャップ部5の通気孔6をそれぞれ通して、外部からマッチなどを用いて石綿4に付着しているベンジンに着火を行い、着火後火炎が安定した場合には、シャッタ板8を摺動させることによって、各通気孔6、7の重なり状態による開口量、つまり通気孔6、7を通しての通気量を任意に調節することができる。この結果、その通気量に応じた大きさの火炎を発生して、温度調節を行うことができる。これにより、懐炉の使用者が自身に最も適した温熱温度にて身体を暖めることができる。なお、ベンジンの着火はバッテリを電源とするニクロム線の赤熱によっても実現可能であり、このときの着火操作はスイッチによる。このため、マッチやライターを使用する必要がなくなり、着火作業が極めて迅速、容易となる。
【0025】また、図示しないが、懐炉外表面や火炎発生部位などの温度を検出する温度センサを設けて、この温度センサの出力にもとづいて懐炉の使用者が予め希望する(設定した)温度となるように、前記シャッタ板8を自動的に摺動させることもできる。この場合には、温度センサの出力にもとづいてシャッタ板8を駆動するための制御手段およびモータなどの駆動手段が別途用意される。また、懐炉外表面の温度を表示する液晶温度表示器を、ケース1等に設けることは任意である。
【0026】なお、懐炉がベンジンなどの液体燃料とは異なるガスを燃料とするものにあっては、市販のガスライタのように、指先によるガス調節バルブの開閉制御によって、ガス吐出量に応じた火炎量、つまり懐炉の温度調整を任意に行うことができる。また、前記と同様に、温度センサを設けて、この温度センサの出力にもとづいてガス調節バルブの開閉量をコントロールすることで、懐炉の温度を使用者の希望する設定値に保持させることができる。
【0027】また、従来の懐炉にあっては、ベンジンの補充の際には、容器1内の吸水綿にこのベンジンを含ませるために、容器1から蓋2を外し、別の容器に入ったベンジンをその容器1内に注入するという面倒な作業が必要であり、このときベンジンが指に付着したり周辺にこぼれたり、あるいは臭いが周辺に漂うなどの問題があった。この発明では、図5に示すように、熱源材料としてのベンジンが充填されている熱源材料収納カセット11を、使用済みのものに代えて容器1に装着すのみで、ベンジンの補充を手を汚さずに、また、臭いを周囲に洩らさずに、迅速かつ容易に行えるという利点が得られる。
【0028】なお、ガスを燃料とする場合にも、容器1内にガスボンベから直接ガスを注入する方法のほか、小型のガス収納カセットを容器に付け替えて使用する方法を採用することも任意である。また、前記実施の形態においては、熱源として温熱系の懐炉を中心に説明したが、冷熱を発生するものにも前記各構成および方法を採用でき、これをキャラクタデザイン化することで、例えば打撲症などの冷却を必要とする看部に当てがうようにしてすれば、治療効果を上げることができるとともに、商品化したときら趣味性を高めることができる。熱源としては、容器11内にドライアイス、氷を収納したものや、小形のヒートポンプシステムの少なくとも蒸発器などを容器1内に組み付けたものを用いることができる。
【0029】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、温熱または冷熱を発生する熱源に対して、キャラクタデザイン物品を一体的にまたは着脱自在に設けたので、熱源の趣味性を高めて、商品価値を向上させることができるという効果が得られる。また、温熱または冷熱を発生する熱源自体にキャラクタデザインを施すことにより、キャラクタデザインそのものが熱源となる商品本体に一体に趣味性高く具現され、さらに商品価値の向上を図ることができるという利点が得られる。
【0030】また、この発明によれば、前記熱源を懐炉としたことにより、キャラクタデザイン化された懐炉の商品価値を高め、これにより購買力を高めることができるという効果が得られる。また、前記熱源に、熱源材料を交換可能にする熱源材料収納カセットを着脱自在に装着することにより、熱源材料としてのベンジンやガスが不足した場合にも、これらの再充填を簡単かつ迅速に、しかも手を汚さずに行うことができるという効果が得られる。
【0031】さらに、熱源に、該熱源の熱出力調整を行うための熱出力調整手段を設けることにより、周辺環境の温度や熱源の設置位置に応じた最適の温度にて身体を暖めまたは冷やしたりすることができるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】599021284
【氏名又は名称】野辺 龍一
【出願日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−245914(P2001−245914A)
【公開日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【出願番号】 特願2000−108715(P2000−108715)