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【発明の名称】 発熱組成物および発熱体
【発明者】 【氏名】伊藤 繁樹

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属粉末、水、保水剤及びカリウム塩を含有する発熱組成物であって、当該発熱組成物を発熱体として利用した後、土壌改良剤として利用可能であることを特徴とする発熱組成物。
【請求項2】 請求項1記載の発熱組成物を通気性袋に収納してなる発熱体。
【請求項3】 請求項1記載の発熱組成物を発熱体として利用した後、土壌改良剤として用いることを特徴とする土壌の改良方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素又は空気の存在下で発熱する発熱組成物及び発熱体に関するものであり、さらに詳しくは、発熱体として使用した後、その廃物を土壌改良剤として利用できる発熱組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】金属粉末、水、保水剤及び鉱酸塩等からなる発熱組成物を、通気孔を有する通気性袋に収納してなる発熱体は、使い捨てカイロとして広く普及している。かかる発熱体は暖を取るために人体に装着されたり、又最近では粘着剤を設けたシート状の粘着発熱体が出現し、医療用具的に使用することが可能となって重宝されている。ところで、地球環境保護の意味から省資源や資源のリサイクルが指摘されている昨今、使い捨てカイロの大部分を占める発熱組成物については、その使用後の廃物を有効利用できるものが求められつつある。しかしながら、このような観点からみて発熱組成物は改善に着手されておらず、廃物が有効利用され得るものは未だに提案されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発熱体として利用した後の廃物を土壌改良剤として利用できる発熱組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、かかる発熱組成物を通気性袋に収納してなる発熱体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、金属粉、水、保水剤及びカリウム塩を含有する発熱組成物を発熱体として利用した後の廃物が土壌改良剤として利用できることを見出し本発明に到達した。
【0005】即ち本発明は、金属粉末、水、保水剤及びカリウム塩を含有する発熱組成物であって、当該発熱組成物を発熱体として利用した後、土壌改良剤として利用可能であることを特徴とする発熱組成物、この発熱組成物を通気性袋に収納してなる発熱体、並びにこの発熱組成物を発熱体として利用した後、土壌改良剤として用いることを特徴とする土壌の改良方法に関する。
【0006】本発明の発熱組成物は、(イ)鉄粉等の金属粉末、(ロ)水、(ハ)保水剤、(ニ)カリウム塩を含有し、酸素又は空気の存在下で発熱し、発熱体として利用した後の廃物が土壌改良剤として利用されるものである。これらの成分のうち(イ)〜(ハ)の成分については、従来使用のものが適用できる。保水剤としてはヒル石、木粉、活性炭及び吸水性ポリマー等が好ましく用いられ、これらは単独又は2種以上配合できる。
【0007】(イ)〜(ハ)の成分の重量配合比は、通常、(イ)成分100重量部に対して(ロ)成分15〜60重量部、及び(ハ)成分6〜60重量部の範囲である。
【0008】本発明の成分(ニ)のカリウム塩は、土壌改良剤の有効成分となるものである。当該カリウム塩としては、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カルシウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、ケイ酸カリウム及び重炭酸カリウムからなる群より選ばれる1以上の塩類が適用され、好ましくは塩化カリウム、リン酸二水素カリウム及び重炭酸カリウムからなる群より選ばれる1以上の塩類が挙げられる。
【0009】カリウム塩は、要素形K2Oとして0.1〜10重量%好ましくは1〜5重量%の範囲となるように発熱組成物に含有せしめる。
【0010】本発明の発熱組成物は、さらに窒素含有化合物及びリン酸塩を含有することができる。
【0011】窒素含有化合物は、尿素、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、石灰窒素、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム等から選ばれ、特に尿素が好ましく用いられる。
【0012】リン酸塩としては、リン酸二水素カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム及び過リン酸石灰が挙げられる。
【0013】窒素含有化合物及びリン酸塩は、要素形N及びP25としてそれぞれ0.01〜10重量%好ましくは0.1〜5重量%の範囲となるように発熱組成物に含有せしめる。
【0014】そして窒素含有化合物、リン酸塩及びカリウム塩を、P251重量部に対してN1〜10重量部、K2O1〜15重量部の範囲となるように配合するのが好ましい。
【0015】必要ならば、本発明の発熱組成物に、ハロゲン化カリウム、硫酸カリウム以外の酸化助剤及び/又はリン酸カリウム塩以外の水素抑制剤などの他の成分を含有せしめることができる。かかる酸化助剤としては、従来使用のハロゲン化金属塩又は硫酸金属塩等が適用できる。かかる水素発生抑制剤としては従来使用の弱酸塩が適用できる。
【0016】本発明の発熱組成物を開口部を有する通気性袋に収納し、次いでその開口部をシールすれば、発熱体を作製することができる。
【0017】通気性袋はその両面を通気性包材で構成することができるが、通常は、片面を通気性包材でそして他面を非通気性包材で構成する。
【0018】通気性包材は発熱組成物への空気の供給又はその空気の供給速度の調整を司る包材であり、(a)不織布類、(b)多孔質シート類(商品名NFシート(徳山曹達社製)、商品名セルポア(積水化学社製)、商品名ブレスロン(日東電工社製)等)、(c)不織布類と多孔質シート類との積層シート、(d)不織布類にプラスチックフィルムをラミネートした積層シートに刃型等により機械的に穿孔したもの、又は(e)不織布類又は多孔質シート類に、あらかじめ通気孔を設けたプラスチックフィルムをラミネートしたもの等が適用される。
【0019】特に好ましい通気性包材としては、シート状発熱体となるような適度な通気度を有する多孔質シート類、該多孔質シート類と不織布類との積層シート又はポリエチレン繊維を積層して加熱加圧して作られる通気性シート(商品名タイベック(デュポン社製))等が挙げられる。シート状発熱体とは、体の湾曲部に沿ってフィットするように柔軟性に富み、発熱組成物の移動や偏りを防止したものである。
【0020】非通気性包材としては、内面がポリエチレンフィルム等のヒートシール性の良いプラスチックフィルム又はシートで構成され、これに他のフィルム類、不織布類、多孔質シート類及び発泡シート類からなる群より選ばれる単一もしくは複数の素材が積層された複合シートが適用されるが、複数のプラスチックフィルムからなる複合シート及びプラスチックフィルムと不織布類からなる複合シートが好ましい。複合シートの外面に粘着剤が塗布されたものも非通気性包材として用いることができる。
【0021】外面に粘着剤を塗布した複合シートと、前述の特に好ましい通気性包材とからなる通気性袋に本発明の発熱組成物を収納すれば、体の湾曲部に沿ってフィットするように柔軟性に富み、発熱組成物の粉漏れがない上、発熱組成物の移動や偏りを防止しうる粘着発熱体を形成することができる。
【0022】外面に粘着剤を塗布した複合シートは、通常、内面から複合シート/粘着剤/剥離シートからなり、複合シート外面の所望の部分に粘着剤及び剥離シートが設けられたものである。剥離シートには離型紙又は離型フィルムが適用される。包装体のシール強度がそれほど要求されていない用途のものにあっては、複合シートの内面の所望の部分に接着剤層を設けて用いてもよい。
【0023】通気性袋を製造するにあたって、2枚の通気性包材を又は1枚の通気性包材と1枚の非通気性包材とをシールする方法としては、ヒートシールする方法、接着剤による方法及びこの両者を組み合わせた方法が挙げられる。
【0024】本発明の発熱組成物を発熱体として利用した後、発熱組成物の廃物を土壌改良剤として用いる方法には、廃物を粉砕し用土と混合して元肥的に用いる方法、廃物を粗砕して追肥的に用いる方法などが挙げられる。用土に対する廃物の使用割合は、通常、用土1リットル当たり約3〜60gの範囲である。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
【0026】実施例1通気性袋の片面を構成する通気性包材にナイロンスパンボンド不織布とポリエチレン系多孔質フィルムを積層した多孔質包材を用い、袋のもう一方の面を構成する非通気性包材には、表面に粘着剤及び離型紙を設けたポリエチレン系多層フィルムを用いた。それぞれの包材を長辺13cm、短辺10cmの方形に切り取り、フィルム面を内側にして重ね合わせ、端縁3方を6mm巾でヒートシールして通気性袋を作製した。この通気性袋に表1に示す重量比の成分を混合してなる発熱組成物を40g充填し、残りの端縁をヒートシールして粘着発熱体として使用される包装体を作製した。これをガスバリアー性の外袋に収納した。粘着発熱体の発熱性能をJIS S 4100−1992に定める測定法に準じて測定した。その結果の平均値(粘着発熱体の測定個数=5)を表2に示す。発熱性能は正常であった。次いで、発熱性能測定後の組成物を粉砕したものを土壌改良剤として用い、かいわれ大根に対する栽培試験を行った。その結果を表3に示す。
【0027】栽培試験法底部に排水口を有する4号鉢サイズのポリポット(直径12/8cm、高さ10cm)にやま土を約300cc入れ、前記土壌改良剤10gをその表面の土に分散させるように配合し、その上に再びやま土を約300cc被せた。この土壌の表面にかいわれ大根の種を8粒分散させて撒き、覆土し、充分灌水した。その後は2〜3日毎に、朝もしくは夕方、1個の鉢につき約200ccずつ灌水し成育状況を観察した。表3に、種播後3週間目の成育状況を示す。
【0028】実施例2〜5表1の実施例2〜5に示す重量比の発熱組成物を用いた以外は、実施例1と同様に行った。それらの結果を、表2及び表3に示す。
【0029】比較例1かいわれ大根の栽培試験において、土壌改良剤(即ち、実施例1の発熱組成物を発熱体として用いた後の廃物)を配合することを除き、実施例1と同様にして栽培試験を行った。その結果を表3に示す。
【0030】比較例2窒素含有化合物、リン酸塩及びカリウム塩を含有しない表1の重量比の発熱組成物を用いた以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表2及び表3に示す。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
【表3】

【0034】備考:本葉の大きさは葉の長手方向の長さを示す。
【0035】
【発明の効果】本発明の発熱組成物は、通気性袋に収納して発熱体として利用でき、さらに、発熱体として利用した後、その廃物を土壌改良剤として利用することができる。本発明の発熱体は、かかる発熱組成物を用いているので、使い捨てカイロとして有用なものであり、その使用後の組成物を土壌改良剤として利用できるものである。
【出願人】 【識別番号】000167646
【氏名又は名称】広栄化学工業株式会社
【出願日】 平成5年12月20日(1993.12.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−224622(P2001−224622A)
【公開日】 平成13年8月21日(2001.8.21)
【出願番号】 特願2000−386418(P2000−386418)