| 【発明の名称】 |
水解性の吸収性物品及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】今井 茂夫
【氏名】鈴木 祥代
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| 【要約】 |
【課題】吸収性物品に用いられる水解性の離型シートにおいて、水解性や剥離性および耐水性の全てにおいて優れたものがなかった。
【解決手段】水解性のトップシート10と、水解性のバックシート12と、トップシート10とバックシート12との間に挟まれる水解性の吸収コア11とからなる水解性の吸収性物品1において、バックシート12には粘着層15a、15bが設けられ、さらに粘着層15a、15bに対面する水解性の離型シート20が設けられている。離型シート20は、粘着層15a、15bに対面する離型層22と、水解性の繊維シート24と、離型層22と繊維シート24との間に挟まれる水溶性高分子層23とからなる。離型層22の坪量が0.05g/m2以上0.3g/m2未満であり、離型層22の表面における水の滴下から2分経過した平衡時の水の接触角が100°以上である。この離型シートは水解性に優れ且つ経時の剥離性にも優れている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水解性のトップシート、水解性のバックシート、前記トップシートとバックシートとの間に挟まれる水解性の吸収コア、および前記バックシートに設けられて外部装着体に係止させる粘着層とを有する吸収本体と、前記粘着層に対面して前記粘着層を使用時まで保護する水解性の離型シートと、が設けられた吸収性物品において、前記離型シートは、前記粘着層に対面する離型層と、水解性の繊維シートと、前記離型層と前記繊維シートとの間に挟まれる水溶性高分子層とを有し、前記離型層の坪量が0.05g/m2以上0.3g/m2未満であり、前記離型層の表面における水の接触角が平衡時において100°以上であることを特徴とする水解性の吸収性物品。 【請求項2】 前記離型層がシリコーン層であり、その坪量が0.15g/m2以下である請求項1記載の水解性の吸収性物品。 【請求項3】 前記水溶性高分子層の厚みが20μm以下で5μm以上である請求項1または2記載の水解性の吸収性物品。 【請求項4】 前記水溶性高分子層は、ポリビニルアルコール層であり、ポリビニールアルコールのけん化度が70%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の水解性の吸収性物品。 【請求項5】 前記離型シートが、前記吸収本体の全体を梱包する包装シートであり、この包装シートの縁部が、前記ポリビニールアルコール層を介して熱シールされている請求項4記載の水解性の吸収性物品。 【請求項6】 親水性で且つ非水溶性繊維で形成された水解性の繊維シートの表面に、水溶性高分子層を20μm以下で5μm以上の厚みで溶融押出ししてラミネートする工程と、前記水溶性高分子層の表面に、離型性材料を坪量が0.05g/m2以上0.3g/m2未満となるように形成する工程と、前記離型性材料を架橋させて、表面における水の接触角が平衡時において100°以上となる離型層を有する離型シートを形成する工程と、水解性のトップシート、水解性のバックシート、前記トップシートとバックシートとの間に挟まれる水解性の吸収コア、および前記バックシートに設けられて外部装着体に係止させる粘着層とを有する吸収本体の、前記粘着層に前記離型シートの離型層を対面させる工程と、を有することを特徴とする水解性の吸収性物品の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、パンティライナー、生理用ナプキン、尿取りパッド、おむつなどとして用いられる水解性の吸収性物品に関する。 【0002】 【従来の技術及び解決しようとする課題】近年、パンティライナーや生理用ナプキン、尿取りパッド、おむつなどの吸収性物品として、水洗トイレに流し捨てることができる水解性の吸収性物品が存在する。水解性の吸収性物品は、装着者側に向けられる水解性のトップシートと、下着などの外部装着体側に向けられる水解性のバックシートと、前記トップシートとバックシートとの間に挟まれる水解性の吸収コアとから構成される。一般的に、バックシートには、下着などの外部装着体に係止させるための粘着層が設けられ、その粘着力を使用時まで低下させない為に粘着層の表面は離型シートで覆われている。使用時には離型シートを剥離して粘着層を露出させて吸収性物品を外部装着体に係止させる。 【0003】水解性の吸収性物品は、使用中にはその形状を保つ強度を持ち、使用後にはトイレに流し捨てられて、容易に水解する。しかし、吸収性物品の使用開始時に剥がされる離型シートは樹脂シートや厚紙にシリコーンが厚く塗付されたシートなどで形成されているため、ゴミとして処理しなければならず大変面倒であった。離型シートも水解性の素材で構成されていればトイレに流し捨てることができ、ゴミとして処分する必要が無くなるので便利である。 【0004】そこで、特開平11―47187号公報には、水解性の離型シートを用いた水解性の個装吸収性物品が開示されている。ここでは、水解性の離型シートとして、水溶性樹脂フィルムや水溶紙に、シリコン系またはテフロン系の剥離処理を施したものが開示され、この離型シートが吸収性物品を梱包する個装袋として使用されている。 【0005】しかし、水溶性樹脂フィルムに剥離処理が施されたものでは、高湿度環境下などで長期間保管すると、前記水溶性樹脂フィルムが水分を吸収して膨潤し、個装袋としての強度が低下するのみならず、前記水溶性樹脂フィルムの膨潤により、表面のシリコン系などの剥離処理部分にピンホールなどの欠陥が生じやすい。この欠陥が生じると、吸収性物品の粘着層から離型シートを剥がすときにひっかかりが生じ、離型シートを粘着層から軽く剥がすことが困難になる。また耐湿強度を高めるために前記水溶性樹脂フィルムを厚くすると、水洗トイレットに流し捨てたときに前記水溶性樹脂フィルムが水中でゲル状に固まって、排水口などに詰まりやすくなる。また、前記水溶紙に剥離処理が施されたものでは、シリコン系などの疎水性で3次元元架橋性を有する剥離処理層が水溶紙の繊維どうしを固定してしまい、離型シートの水解が遅くなり、または水解しにくくなる。 【0006】また、特開平8−48950号公報には、水解性紙を水溶性目止め剤により目止めし、その表面にシリコーンを塗布した剥離紙が開示されている。しかしこの公報に記載のものは、故紙回収したときの再生紙としての利用を主眼としたものであり、迅速な水解と、シリコーンの処理膜の表面の欠陥を防止する着眼に基づいたものではない。また特開平6−218006号公報には、ポリビニルピロリドンを含む溶液を塗布乾燥させた水崩壊性紙に剥離性シリコーン層を形成した水崩壊性剥離性ライナーが開示されている。しかし、この公報に開示されたものでは、ポリビニルピロリドンが熱融着可能な高分子材料ではないため、前記ライナーを用いて吸収性物品を包装する包装体を形成したときにポリビニルピロリドンを介してライナーどうしを熱溶着して袋体とすることができない。 【0007】さらに前記特開平6−218006号公報や前記特開平8−48950号公報に記載のものは、水解紙の繊維間に水溶性樹脂を含浸させたり、水解紙に水溶性樹脂の溶液を塗工することによって前記水解紙に目止めしている。しかし、前記のような水解紙への含浸や水溶液塗工の手法で水解紙と水溶性樹脂との複合体を形成したものでは、水解紙の繊維の凹凸の影響を受けて前記複合体の表面に凹凸が形成されやすい。この凹凸の表面にシリコーン層などの剥離層を形成すると、この剥離層の下地が平坦でないために剥離層が均一な厚みで形成できなくなる。よって水溶性樹脂が水分を吸収して膨潤したときに前記剥離層にピンホールなどの欠陥が生じやすい。また、水解紙の表面に水溶性樹脂の溶液を塗工したものでは、塗工後の乾燥工程において、水解紙と水溶性樹脂との水分膨張率の違いにより、前記複合体に反りが発生しやすい。その結果、前記複合体に前記シリコーン層などの架橋させて剥離層を形成した後に、前記反りにより前記剥離層にクラック(ひび割れ)やピンホールなどの欠陥が生じやすい。 【0008】この剥離層の欠陥が生じると、この欠陥箇所から前記水溶性樹脂層に水分が浸透し、水溶性樹脂が膨潤しまたはゲル化して前記ピンホールから剥離層の表面に現われ、その結果粘着層に対する剥離性が劣ることになって、剥離紙を粘着層から簡単に剥がすことが難しくなる。 【0009】本発明は上記従来の課題を解決するものであり、水解性の吸収性物品に粘着層を設け、この粘着層に水解性の離型シートを取付けたものにおいて、前記離型シートの離型層を、平坦で且つ耐水力に富むように形成できるようにし、粘着層に対する剥離性能を長期間維持でき、しかも水解性に優れたものとすることを目的としている。 【0010】本発明の他の目的は、前記離型シートを包装材として機能させたときに離型層の下地となる水溶性高分子を用いて剥離シートを熱シールできる水解性の吸収性物品を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は、水解性のトップシート、水解性のバックシート、前記トップシートとバックシートとの間に挟まれる水解性の吸収コア、および前記バックシートに設けられて外部装着体に係止させる粘着層とを有する吸収本体と、前記粘着層に対面して前記粘着層を使用時まで保護する水解性の離型シートと、が設けられた吸収性物品において、前記離型シートは、前記粘着層に対面する離型層と、水解性の繊維シートと、前記離型層と前記繊維シートとの間に挟まれる水溶性高分子層とを有し、前記離型層の坪量が0.05g/m2以上0.3g/m2未満であり、前記離型層の表面における水の接触角が平衡時において100°以上であることを特徴とするものである。 【0012】また好ましくは、前記離型層がシリコーン層であり、その坪量が0.15g/m2以下である。 【0013】本発明の水解性の吸収性物品の離型シートでは、水解紙または水解性の不織布などの水解性の繊維シートの上に、水溶性高分子層を介してシリコーン層などの離型層が設けられている。よって繊維シートの繊維間へ離型層が侵入して繊維間を固定することがなく、離型シートの水解性が低下することがない。この離型シートがトイレに流し捨てられると、繊維シートと離型層との間の水溶性高分子層へ水が侵入し水溶性高分子層が溶け、水流によって離型層が水溶性高分子層側から容易に剥離される。 【0014】ここで離型層の坪量を前記範囲に設定し、しかもその表面における水の接触角を平衡時において100°以上とすることにより、前記離型層の表面が平滑化するとともに耐水圧を持つ。そのため、高湿度条件下で長期間保管され、または製造工程で水分が付着し、または水溶性の粘着剤と離型層とが接触し続ける際に、離型層が形成されている部分から前記水溶性高分子層へ水が浸透しにくくなる。よって、前記の浸透した水分により水溶性高分子が膨潤したりゲル化するのを防止でき、離型層にピンホールなどの欠陥が生じにくくなる。よって粘着層に対する剥離性能を長期間維持できる。また、前記離型層の坪量の上限を前記範囲に設定しておくことにより、水中で剥離層が均一に分散しやすくなる。 【0015】また前記水溶性高分子層の厚みは20μm以下で5μm以上であること好ましい。また、前記水溶性高分子層がポリビニルアルコール層である場合に、前記ポリビニルアルコールのけん化度が70%以上であることが好ましい。 【0016】水解性シートの表面に前記厚みの範囲の水溶性高分子層を形成すると、前記水解性シートの繊維の凹凸が水溶性高分子層に与える影響を従来よりも少なくでき、水溶性高分子層の表面に離型層を安定した状態で形成しやすくなる。また水溶性高分子層を前記厚みで形成すると、離型シートに生じようとする反りを軽減しやすい。 【0017】さらに前記離型シートが前記吸収本体の全体を梱包する包装シートであり、この包装シートの縁部が、前記ポリビニールアルコール層を介して熱シールされていることが好ましい。 【0018】また、本発明の吸収性物品の製造方法は、親水性で且つ非水溶性繊維で形成された水解性の繊維シートの表面に、水溶性高分子層を20μm以下で5μm以上の厚みで押出ししてラミネートする工程と、前記水溶性高分子層の表面に、離型性材料を坪量が0.05g/m2以上0.3g/m2未満となるように形成する工程と、前記離型性材料を架橋させて、表面における水の接触角が平衡時において100°以上となる離型層を有する離型シートを形成する工程と、水解性のトップシート、水解性のバックシート、前記トップシートとバックシートとの間に挟まれる水解性の吸収コア、および前記バックシートに設けられて外部装着体に係止させる粘着層とを有する吸収本体の、前記粘着層に前記離型シートの離型層を対面させる工程と、を有することを特徴とするものである。 【0019】このように水溶性高分子層を溶融押出しして、繊維シートにラミネートすることにより、前記水溶性高分子層の厚みを前記範囲に設定しやすくなる。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の水解性の吸収性物品を表側(装着者に対面する側)から見た斜視図、図2は図1に示す吸収性物品のII−II線の断面図、図3は図1に示す吸収性物品が包装された状態を示す斜視図である。なお、吸収性物品の長手方向をY方向とし、Y方向とほぼ直交する幅方向をX方向とする。 【0021】図1に示す吸収性物品はパンティライナーまたは生理用ナプキンとして使用される本発明の水解性の吸収性物品である。この吸収性物品1では、図2に示すように、装着者側に向けられる水解性で且つ液透過性のトップシート10と、水解性で且つ液不透過性のバックシート12と、トップシート10とバックシート12との間に挟まれる水解性の吸収コア11とで吸収本体1aが形成されている。吸収本体1aの周縁1eでは、トップシート10とバックシート11とが、水溶性接着剤や熱エンボスを用いた水素結合などによって接合されている。 【0022】バックシート12の裏側には、使用時に吸収性物品1の吸収本体1aを下着などの外部装着体に係止させる水溶性の粘着層15a、15bが設けられている。15a、15bは、吸収性物品1のY方向へ、吸収性物品1の縦寸法の1/2〜9/10にわたって延びている。さらに、粘着層15a、15bの下には、粘着層15a、15bに対面し、使用時まで粘着層15a、15bの粘着力を保護する離型シート20が設けられている。 【0023】離型シート20は、粘着層15a、15bに対面する離型層22と、繊維シート24と、離型層22と繊維シート24との間に挟まれる水溶性高分子層23との3層構造である。 【0024】離型シート20の最下層である繊維シート24は、パルプやレーヨンなどの水分散性繊維を抄紙したものや、水分散性繊維のウエッブ層にウォータージェット処理やエアースルー処理して不織布としたもの等である。繊維シート24を形成する水分散性繊維は、前記繊維の他、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル、ポリエステル系繊維などを添加してもよい。 【0025】前記繊維シート24を構成する繊維は、非水溶性繊維であることが好ましい。繊維シート24が水溶性繊維を含むと、この繊維が水を吸収して膨潤化しやすい。そのため、水溶性高分子層23を形成する高分子が膨潤したときに前記水溶性繊維の膨潤にしたがって流動しやすい。また、水中に捨てられたときは容易に水解するように、繊維シート24を構成する繊維は親水性であることがさらに好ましい。 【0026】その他、繊維シート24には、カルボキシル基を有して繊維どうしを水素結合によって結合させるカルボキシメチルセルロースなどの合成高分子や天然化合物、その他バインダーとして多糖誘導体を添加して繊維シート24の強度を高めてもよい。カルボキシメチルセルロースを添加する場合、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩を繊維に対して0.1〜15質量%添加することができる。 【0027】繊維シート24の上に設けられる水溶性高分子層23を形成する化合物は、水溶性のポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースやデンプンなどの多糖誘導体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸とその誘導体、ポリエチレングリコールなどのポリエーテル系化合物をあげることができる。この中でも、水溶性に優れ熱融着性をもつポリビニルアルコールやその誘導体が好ましい。ポリビニルアルコールの場合、ケン化度が高いと水溶性が高くなる為、ケン化度は70%以上であることが好ましい。また、ポリビニルアルコールは水酸基が分子内や分子間において互いに水素結合し、ポリビニルアルコールの水溶性が低下することがあるので、親水性の高いオキシエチレンやオキシプロピレンのような官能基をポリビニルアルコールの主鎖にグラフト化もしくは共重合させたものが好ましい。このような化合物の場合、冷水においても高い水溶性を示す。 【0028】前記水溶性高分子層23の坪量は、水溶性高分子どうしがゲルブロッキングを起こさないで容易に水解させるために、5g/m2以上15g/m2以下であることが好ましい。また、前記水溶性高分子層23の厚みは5μm以上で20μm以下であることが好ましい。 【0029】前記水溶性高分子層23は、水溶性高分子を溶融し押出しダイで所定の厚みでフィルム状に押出し、繊維シート24上にフィルム状の水溶性高分子をラミネートすることにより形成される。この溶融押出しによるラミネート工程では、繊維シート24の表面に前記水溶性高分子層23を前記厚みの範囲で形成しやすくなる。また、本発明では水溶性高分子層23を前記厚みの範囲で形成できれば、その形成工程はどのようなものであってもよく、例えば高粘度の水溶性高分子の溶液を繊維シート24上にラミネートするなどの工程も可能である。 【0030】水溶性高分子層23の坪量および水溶性高分子層23の厚みが前記各範囲を超えると、水中に廃棄され水溶性高分子層23が繊維シート24から剥離されたときに、ゲル状の大きなかたまりとなるゲルブロッキングが生じやすくなり、溶解するまでに長時間を要する。また前記各範囲よりも小さいと、繊維シートの表面での繊維の凹凸が、水溶性高分子層23の表面に与える影響が大きくなって、その上に形成される離型層22の表面を平滑化しにくくなる。その結果、離型層22に欠陥が生じやすくなって耐水圧を保つことができず、後に述べるように平衡時における水の接触角を100°以上の条件に設定しにくくなる。 【0031】また水溶性高分子層23の厚みを前記範囲にすると、離型シート20に反りが発生しにくくなり、この反りによる離型層22のクラックやピンホールの発生を防止できるようになる。 【0032】上記水溶性高分子層23の上の離型層22は、フッ素化合物やシリコーン化合物で形成される。形成のしやすさを考慮すると、シリコーン化合物を用いることが好ましい。離型層22の坪量は、0.05g/m2以上0.3g/m2未満であることが好ましい。また、離型層22を前記坪量で形成することにより表面における水の接触角を平衡時において100°以上となるように形成することが可能である。前記接触角を得る離型層22は、ピンホールなどの欠陥が生じておらず、しかも表面が平滑なものとなる。また前記坪量の範囲で形成すると、水中で水溶性高分子層23が溶融し繊維シート24から分離したときに、前記水中において前記離型層22が短時間で分散しやすくなる。前記接触角を得ることができ、且つ水中で分散しやすくするためのさらに好ましい坪量の範囲は0.05g/m2以上0.15g/m2以下である。 【0033】ここで平衡時における水の接触角とは、協和界面科学株式会社製の接触角計「CA−Sミクロ2型」を使用し、図5に示すように水50を離型層22の表面に滴下し、平衡時に達したとき(滴下後の2分後)の水の離型層22に対する接触角θを測定したものである。同様に後の実施例での表3の瞬間接触角は、水の滴下から10秒経過時に測定した前記接触角である。 【0034】離型層22にピンホールやクラッキング(ひび割れ)などの欠陥が生じており、その下の水溶性高分子層23が離型層22の表面に露出していると、水50は離型層22の前記欠陥を透過して下層の水溶性高分子層23に徐々に浸透し吸収されるため、前記接触角θが平衡に達することなく0になってしまう。このような状態の離型層22を用いると、吸収性物品の長期保管後に離型層22を剥がすときに引っ掛かりが生じ、うまく剥離できなくなる。 【0035】また、離型層22をシリコーン化合物で形成するには、シリコーン化合物を水溶性高分子層23上にグラビア塗工、フレキソ塗工、スプレー塗付することができる。この中でも、塗工量を容易に調整することができさらに均一に塗工することができるグラビア塗工を用いることが好ましい。なお、シリコーン化合物を塗工または塗布した後、シリコーン化合物を架橋処理して、シリコーン化合物を水溶性高分子層との界面に固着させる。架橋処理としては、1〜2分100℃以上で加熱する方法と、紫外線(例えば350nm、120W/cm)を1〜2秒程度照射する方法がある。なお、本発明において水溶性高分子としてポリビニルアルコールを用いる場合、加熱処理を施すとポリビニルアルコールの結晶性が高くなり、水溶性高分子層の水溶性が著しく低下する為、後者の紫外線による架橋処理を用いることが好ましい。 【0036】以上のようにして得られる離型シート20は、図1に示すように吸収本体1aよりひとまわり大きな長方形である。吸収本体1aと離型シート20が一体とされた状態において、図1に示す折り曲げ位置30−30で吸収本体1aどうしが対面するようにして折り曲げる。さらに折り曲げ位置31−31で吸収本体1aどうしが対面するように折り曲げる。この状態において離型シート20の両側縁部20e、20e(ハッチングされている部分)において対面する離型シート20どうしを接合する。このとき、少なくとも前記両側縁部20e,20eの部分に離型層22を形成せず、この両側縁部にポリビニルアルコールなどの熱溶着性の水溶性高分子層23を露出させておくことにより、この水溶性高分子層23を介して離型シート20どうしを熱シールまたは超音波シールすることができ、接着剤を用いる必要がない。 【0037】さらに離型シート20の端部20fに設けられた粘着テープ28をもう一方の端部20gに係止させると、図3に示すように離型シート20の繊維シート24が外側に位置して吸収本体1aを包み込んだ個別包装体40となる。この場合、離型シート20が吸収性物品の包装シートとしても機能するので、使用時にでるゴミが少なくて済む。 【0038】使用時には、図3に示す包装体40の粘着テープ28を外し、折り畳まれた状態を解除して図1に示す状態とする。そして、離型シート20を剥がして、粘着層15a、15bを露出させて、バックシート12が下着などの外部装着体に面するように吸収本体1aを外部装着体に係止させて使用する。このとき、不要部分として生じる離型シート20(包装シート)は、トイレに流し捨てられる。離型シート20では、繊維シート24が容易に水解し、且つ繊維シート24と離型層22との間の水溶性高分子層23へ水が侵入し水溶性高分子層23が溶け、水流によって離型層22が水溶性高分子層23側から容易に分離し水中で分散する。さらに、吸収本体1aの使用後には、吸収本体1aも水解性であるためトイレに流し捨てることが可能である。 【0039】なお、トップシート10は、例えば水解性のスパンレース不織布である。または、水解性の不織布に複数枚の水解紙を積層させて形成しても良い。この場合、不織布及び水解紙は水素結合やニードリング処理によって一体化させても良い。また、トップシート10は排泄液をトップシート10の下の吸収コア11へと導くため、図1に示すように複数の開孔部が全面的に設けられることが好ましい。 【0040】吸収コア11は、例えば水解紙やパルプや不織布から形成できる。例えば、エアレイドパルプなどを目付50〜70g/m2程度を用いて形成できる。水解紙で形成する場合、比較的厚みの薄い水解紙を複数枚重ねて形成すると水解性が良好であり好ましい。例えば、目付が10〜20g/m2である水解紙を4〜8枚程度重ねて吸収コア11を形成する。また、ポリビニルアルコールなどの水膨潤性樹脂を塗布した水解紙を積層させて形成してもよい。 【0041】バックシート12は、水洗トイレに流したときにその水流によって、あるいは浄化槽内で容易に分散されるものであり、水分散性繊維を含む水解紙や、水解性不織布等で形成できる。例えば、(1)原料としてパルプを用い、パルプ繊維どうしの水素結合でシート状に形成した水解紙、(2)原料としてパルプやレーヨンなどの水分散性繊維を用い、繊維を結合させる水溶性のバインダーを含有させてシート状に形成した水解紙、(3)水分散性繊維を交絡させてシート状に形成した水解紙、(4)比較的短い繊維長をもつ水分散性繊維をウォータージェット処理により交絡させた水解性の不織布などをあげることができる。なお、バックシート12の外側(外部装着体に対面する側)または内側(吸収コア11側)には、ポリビニルアルコールや不飽和カルボン酸からなる共重合体などの水溶性樹脂を塗工して、不透液性となるように処理することが可能である。 【0042】図4は、本発明の吸収性物品の他の実施の形態を示す断面図である。図4に示した吸収性物品1Aでは、離型シート20Aが粘着層15a、15bを覆う。この場合、吸収性物品1Aを包む包装材は、離型シート20Aとは別の部材で構成され、例えば水解性の繊維シート、水溶性樹脂もしくは水解しないシートで構成することができる。 【0043】 【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 【0044】(実施例1)本発明の実施例として、図1および図2に示す離型シート20を形成した。繊維シート24は、パルプ及びレーヨンからなる水解紙を使用した。また、水溶性高分子層23には、ポリビニルアルコールを使用し、これを溶融押出しして、繊維シート24上にラミネートした。さらに、離型層22としてシリコーン化合物を用いて、前記水溶性高分子層23上にグラビア塗工し、紫外線を照射して架橋・固定させた。得られた実施例について、繊維シートと水溶性高分子層の水解性テストの測定を行なった。結果を表1に示す。また、比較例についても実施例同様に試験を行なった。 【0045】(水解性) JIS P 4501の水解性試験方法に準じて測定した。詳細を述べると、サンプルを縦10cm横10cmに切断したものを、イオン交換水300mlが入った容量300mlのビーカーに投入して、回転子を用いて撹拌を行った。回転数は600rpmである。この時のサンプルの分散状態を経時的に観察し、分散されるまでの時間を測定した。 【0046】 【表1】
【0047】(実施例2)実施例1と同様にして離型シートを形成した。ただし、水溶性高分子層23と繊維シート24におけるそれぞれの厚みと坪量が異なる。さらに、水解時の水溶性高分子層23が残留した場合、それらの面積も測定した。 【0048】 【表2】
【0049】(実施例3)実施例1と同様にして離型シートを形成した。ただし、離型層22の坪量が実施例ごとに異なる。また、それぞれの実施例において、離型層22上に水滴を落とし、協和界面科学株式会社製の接触角計「CA−Sミクロ2型」を用いて図5に示す接触角θを測定した。ここで瞬間接触角とは水滴を滴下してから10秒経過時の前記θであり、平衡時の接触角とは、水滴を滴下した後の2分経過時の前記θである。 【0050】また離型層22を粘着層15a,15bに接触させた状態で、気温40℃相対湿度90%の環境下で一週間放置した後、気温20℃相対湿度60℃の環境下で2時間経過させた後における経時剥離強度(JIS Z0237に準じる)を測定した。さらに剥離時に引っ掛かりが生じるかどうか(ジッピング)についても試験を行なった。なお、このとき粘着層15a,15bとして用いた粘着剤はアクリル系樹脂である。 【0051】 【表3】
【0052】以上の結果から、本発明に用いられる離型シートでは経時後も引っ掛かりが生じること無く、吸収性物品の粘着層を保護することができることがわかる。なお、実施例3において、離型シートは互いにヒートシールにより接合可能であった。よって、この離型シートを吸収性物品の包装シートとして用いれば、吸収性物品をヒートシールより簡単に包装することができることがわかる。 【0053】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明の水解性の吸収性物品では、離型シートも水解性であるため、離型シートを使用時にゴミとして廃棄する必要が無く、便利である。さらにこの離型シートは、優れた水解性を持ちながらも、耐水圧を有するために、ピンホールなどの欠陥が生じにくく、またクラッキングや前記ピンホールの拡大などが生じにくくなり、長期間の保管後も粘着層に対する剥離性能に優れたものとなる。 【0054】なお、本発明の吸収性物品の包装シートを前記離型シートを用いて形成すると、使用時に生じる不要部分が少なく、且つトイレに流し捨てることができるので大変便利である。特に、水溶性高分子層が熱可塑性樹脂で構成されている場合、包装材で吸収性物品を包むときにヒートシールによって接合できるので、製造するのが簡単である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000115108 【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月21日(2000.1.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085453 【弁理士】 【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
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| 【公開番号】 |
特開2001−198160(P2001−198160A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月24日(2001.7.24) |
| 【出願番号】 |
特願2000−12699(P2000−12699) |
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