| 【発明の名称】 |
使いすておむつ |
| 【発明者】 |
【氏名】武末 聡美
【氏名】寺島 夏樹
【氏名】朝井 欣哉
|
| 【要約】 |
【課題】着脱が簡便で、着脱に用いる接合手段の繰り返し使用が可能であり、着用性に優れ、かつ容易に廃棄することができる使いすておむつを提供する。
【解決手段】おむつ本体を着用者に当てて保持するためのファスニングテープがフック材とループ材とから構成されるメカニカルファスニングシステムを有してなり、おむつ本体の後身頃の両側縁部にフック材を有するファスニングテープを取り付け、後身頃側端部の中央領域には、トップシートとは別体でループ材を有するシートを配設し、おむつを廃棄する際には、おむつ本体の腹側より丸め、ループ材を有するシートを丸めたおむつのバックシート上に引き出し、このループ材にファスニングテープのフック材を係合させることにより、おむつ本体を包み込み固定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シート間に配置された吸収体とを有するおむつ本体と、該おむつ本体の後身頃の両側縁部に装着時におむつ本体を着用者に当てて保持するファスニングテープを備えた使いすておむつにおいて、該ファスニングテープはメカニカルファスニングシステムを構成するフック材を有し、前記おむつ本体後身頃の端部領域には、前記トップシートとは別体のループ材を有するシートが配設されており、おむつを廃棄する際には、おむつ本体を前身頃より丸め、該ループ材を有するシートを丸めたおむつのバックシート上に引き出し、該ループ材にファスニングテープのフック材を係合させて、おむつ本体を包み込み固定できることを特徴とする使いすておむつ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は乳幼児用、失禁者用、大人用の使いすておむつに関する。さらに詳しくは、本発明は、着脱が簡便で、着脱に用いる接合手段の繰り返し使用が可能であり、着用性に優れ、かつ容易に廃棄することが出来る使いすておむつに関する。 【0002】 【従来の技術】使いすておむつを着用者に止着固定する手段としては、おむつ背側の両側縁部より延出した止着テープをおむつ腹側の所定領域に貼付る方法が知られている。また近年、特に成人用おむつの使用現場においては、要介護者の身体移動の負担軽減とおむつ費用の効率化等の目的から、止着固定手段を設けたおむつの内部に比較的低コストの交換可能な吸収性使いすてパッドを重ねて使用する方法が主流となっている。そのため、従来の粘着剤を用いたファスニングテープを腹側の剥離処理した所定領域へ貼付する方法では、パッド取り換え時に寝具や衣服の繊維が粘着部分へ付着する等の理由により、繰り返し使用可能な回数が少ないという問題点があった。そこで、止着固定部分としてフック材とループ材を係合させるメカニカルファスニングシステムを採用することにより、繰り返し使用回数が大幅に増加した。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】メカニカルファスニングシステムのフック材は、凸状に成形された部品からなっており、これを、例えば編布のようなループを形成した素材に絡ませることにより、一時的に係合させておむつを着用者へ固定するものであり、粘着テープタイプのファスニングテープと比較すると、バックシートへ誤って貼付してしまったり、寝具や衣服に粘着テープが付いて接着力が大幅に低下することもない。一方、使用後、排泄物を包み込んで廃棄するには、おむつの端から丸めてファスニングテープで止着する方法が一般的であり、粘着テープタイプのファスニングテープはバックシートのどの部分にも接着するので廃棄が簡易であるが、メカニカルファスニングテープタイプのファスニングテープは、フック材に対応するループ材に当たる部分でのみ係合するために、廃棄時の処理が難しい。 【0004】これらを解決するために、特開昭63−309606号公報、特開平1−61501号公報、特開平9−38138号公報、特開平10−234779号公報では、フック材取付部に同時に少量の仮止め用接着剤を露出させ、廃棄時にはおむつを丸めて、この部分をバックシートに貼り付ける方法が開示されているが、着用時に、該部分が誤ってバックシートのフィルム部分に付着した場合は破れが生じ、使用時に漏れが発生する原因となる可能性がある。また、特開平9−192170号公報、特開平11−42252号公報では、おむつ腹側にループ材に相当するシートを貼り付ける方法が開示されているが、一般的にはおむつは腹側から丸めることが多いために、これらの方法では手間取ってしまう可能性がある。さらに、特開平9−308648号公報では、ファスニング部分にはメカニカルファスニングテープを構成するフック材と粘着テープが重ねて設けられているが、廃棄時に粘着部を露出させるべくテープを剥がすのに手間取る上に、素材構成も複雑であるために、製造コストが高いという問題点がある。 【0005】従って、本発明の目的は、上記従来の製品の有する問題点を克服し、着脱が簡易で、繰り返し使用が可能であり、かつ廃棄時には素早く簡便に処理を行うことができる使いすておむつを提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シート間に配置された吸収体とを有するおむつ本体と、該おむつ本体の後身頃の両側縁部に装着時におむつ本体を着用者に当てて保持するファスニングテープを備えた使いすておむつにおいて、該ファスニングテープは、メカニカルファスニングシステムを構成するフック材を有し、前記おむつ本体後身頃の端部領域には、前記トップシートとは別体のループ材を有するシートが配設されており、おむつを廃棄する際には、おむつ本体を前身頃側より丸め、該ループ材を有するシートを丸めたおむつのバックシート上に引き出し、ループ材にファスニングテープのフック材を係合させて、おむつ本体を包み込み固定できることを特徴とする使いすておむつに関する。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の使いすておむつは、おむつ装着時におむつ本体を着用者に当てて保持するために、おむつ本体の後身頃の両側縁にフック材を備えたファスニングテープが配置され、一方、このファスニングテープのフック材と係合させるためのループ材がおむつの前身頃側に配置されている。このループ材としては、ループ材を有するフロントパッチを前身頃のバックシート上に配置してもよいが、バックシートがその表面に不織布を貼り合わせた複合シートとして形成されている場合には、この不織布をそのままループ材として用いてもよい。さらに、おむつ本体の後身頃端部領域に、トップシートとは別体で、ループ材を有するシート(ループ材により構成されたシート、あるいは上層にループ材を備えたシート)が配置されており、おむつを廃棄する際には、おむつ本体を前身頃側より丸め、該ループ材を有するシートを丸めたおむつのバックシート上に引き出し、このシートのループ材にファスニングテープのフック材を係合させて、おむつ本体を包み込み固定することができる。 【0008】このような構成の廃棄手段を有する本発明の使いすておむつは、おむつを交換する際に、使用済みおむつを着用者の前身頃側に当たる部分を持って取りはずし、そのまま端より丸め、後身頃側端部のループ材を有するシートをバックシート上に引き出し、ファスニングテープのフック材と該シートのループ材とを係合させることによって、簡単に素早くおむつ本体を包み込み、廃棄することが可能である。また、ファスニングテープやその他の止着部分には粘着材を露出させることがないために、装着時等に、誤ってバックシートを破損することを減少できる。 【0009】以下、図面を参照して本発明の使いすておむつについて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等制限されるものではない。図1は、本発明の使いすておむつの一部切り欠き平面図であり、一方のファスニングテープが展開された状態を示している。図1において、使いすておむつ1は、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート3と、これら両シートの間に配置された吸収体4によりおむつ本体が構成され、さらに吸収体4の長手方向に沿った両側縁から外側へ延出するサイドフラップ部5を有している。また、おむつ1の後身頃9におけるサイドフラップ部5の両側縁部にはファスニングテープ7が取り付けられている。おむつ1の後身頃9の端部の中央領域には、トップシート2とは別体のループ材を有するシート(ループ材シートという)11が配設されている。このループ材シート11は後身頃9の端部に接着固定された固定部12と、トップシート2から離れて位置する自由部13からなる。自由部13の両側部は、トップシート2に仮止めしておくと着用時にじゃまにならずに快適であるが、特に限定するものではなく、仮止めはあってもなくても良い。さらに、おむつ1の前身頃10には、おむつ装着時にファスニングテープのフック材8と係合して固定するためのループ材を有するフロントパッチ6が配設されている。 【0010】フック材8はホットメルト接着剤やヒートシール等によりファスニングテープ7のサイドトップシート14側の一部または全面に貼付られ、更に、ファスニングテープ7の挟持部15において、ホットメルト接着剤やヒートシール等によりサイドトップシート14とバックシート3を挟み込むように取り付けられている。 【0011】また、ループ材シート11は、ホットメルト接着剤やヒートシール等により、おむつ1の後身頃9端部のトップシート2上に、固定部12の部分で取り付けられている。自由部13の両側部を仮止めする場合にも、同様にホットメルト接着剤やヒートシール等により容易に剥がせる程度に貼り付ける。 【0012】図2はおむつの廃棄形態を示す斜視図である。図2においては、使用後、おむつ1の前身頃10から丸めはじめ、後身頃9の端部に接着固定されたループ材シート11を丸めたおむつ上に引き出し、ファスニングテープ7に配設されたフック材8を係合させて廃棄する状態を示す。 【0013】本発明において使用されるトップシートは親水化処理を施した不織布、織布、多孔性プラスチックフィルム等であり、その構成繊維は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロンまたは、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等の2成分以上からなる複合繊維等でもよく、特にはポリエステル/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましいが、特に制限を受けるものではない。 【0014】また、トップシートは、1枚のシートで形成しても良く、あるいは吸収体上に位置するセンタートップシートとサイドフラップ部上に位置するサイドトップシートのように複数枚のシートで形成しても良い。センタートップシートとサイドトップシートは、同一の素材で形成して良く、あるいは異なる素材で形成しても良いが、センタートップシートは親水性であるのに対して、サイドトップシートは親水性であっても良いが撥水性であることが好ましく、さらに、サイドトップシートに熱可塑性樹脂からなるフィルムをラミネートして液不透過性にしても良い。 【0015】本発明に使用されるバックシートとしては液不透過性のポリエチレン製のフィルムなどを採用することができる。より好ましくは、蒸れを防止するために液体分子を透過させない程度の多数の微孔を設けたポリエチレン製フィルムや、熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した透湿性のあるフィルム、あるいはこれらのフィルムの外側に不織布を貼り合わせた複合シートを用いると、おむつ内の余分な水分がおむつ外に放出されるため、むれやかぶれが起こりにくくなり、透湿性や肌触りなどの点でより快適なものとすることができる。 【0016】吸収体は主に綿状パルプ、高吸水性物質からなっているが、特に制限されるものではなく、吸水性スポンジ、吸水性シートでもよく、吸水性の性質を持っていればいずれも使用可能であり、全体をティッシュで包み込んだ積層構造とすることが好ましい。また、吸収体の形状は砂時計型、矩形等でも良いが、砂時計型の方がより良好なフィット性が得られる。本発明における綿状パルプは化学パルプ、機械パルプ、あるいは化学機械パルプのシートを粉砕機で綿状にしたものである。パルプ原料としては、針葉樹に限らず、広葉樹、わら、竹、およびケナフも適用される。このパルプの使用量は目的とする吸収体により、例えば単独で用いるか、複数積層して用いるか、他の吸収体を併用するかなどにより異なるが、一般的には50〜400g/mにされる。また、綿状パルプとともに合成繊維、熱融着成分、接着剤等が入っていても構わない。 【0017】高吸収性物質としては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系等のものが使用できるが、自重の20倍以上の水を吸収するもので、ポリアクリル酸系のものが吸収性能の点から最も適当である。また、形状も、繊維状、粒状、シート状等特に制限はない。 【0018】本発明の使いすておむつは、腰回り部と脚周り部に弾性部材が配置される。弾性部材はウレタンフィルム、ウレタン糸、ウレタンフォーム、糸ゴム等の通常の使いすておむつに使用される伸縮弾性体を使用することができ、これらの伸縮弾性体は伸張状態で配置され、ホットメルト、澱粉系またはCMC(カルボキシメチルセルロース)などの水溶性の糊または流動性の高い接着剤、もしくは熱や超音波による接着により接着固定されている。 【0019】本発明における、廃棄時に用いるループ材シートは、シート全体がループ材から構成されていてもよいし、フック材と係合する上層部分にループ材が配置されていてもよい。ループ材としてはナイロン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレンまたはその組み合わせからなる織布、不織布等が挙げられる。ここでループ材シートは、着用者の後身頃側の端部に配設されるために綿、レーヨン等の吸湿性の素材を用いると、吸汗シートにもなり快適である。 【0020】本発明において、おむつ装着時に用いるフロントパッチは、ファスニングテープのフック材と係合可能なループ材を有して形成されており、廃棄時に用いるループ材シートと同様のものが使用できる。尚、フロントパッチは、バックシートが熱可塑性樹脂からなるフィルムで形成されている場合には、別途バックシート表面に取り付ける必要があるが、バックシートがその表面に不織布を貼り合わせた複合シートとして形成されている場合には、この不織布をそのままフック材として用いれば良い。 【0021】また、本発明において使用されるファスニングテープの素材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びこれらのコポリマー等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系の樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリ乳酸、脂肪酸ポリエステル等の生分解樹脂等が挙げられる。 【0022】本発明で使用されるフック材としては、クラレ社製のマジックテープ(登録商標)、YKK社製のクイックロン(登録商標)等、鉤状やキノコ形状、錨形状などの係合部材が多数配置されたシート状の市販のメカニカルホックテープのフック部材を挙げることができる。また、フック材のファスニングテープへの取付は、ホットメルト接着剤やヒートシールにより行うことができる。 【0023】ここでフック材とループ材との組み合わせは係合力およびせん断力のバランスにより選択され、初期剥離係合力が50〜400g/25mm幅、せん断力が3000g/25mm幅以上であることが好ましい。ここで、初期剥離係合力は25mm幅のフック材とループ材を重ね合わせ、2kg荷重のローラーを1往復させて圧着し、2kg、2秒間のせん断荷重を加えた後、係合面に対し135度の角度をなす方向にフック材(またはループ材)を引っ張り、この時の剥離荷重を測定し、単位幅当たりの荷重として表示したものである。また、せん断力は25mm幅のフック材とループ材を重ね合わせ、2kg荷重のローラーを1往復させて圧着した後、せん断方向(フック材とループ材の接合面に沿う方向)へ剥離する際の荷重を測定し、単位幅当たりの荷重として示したものである。 【0024】 【発明の効果】本発明の使いすておむつは、上述のような構成の廃棄手段を有するために、おむつを交換する際に使用済みおむつを着用者の前身頃に当たる部分を持って取りはずし、そのまま端より丸め、後身頃端部に配置したループ材シートをバックシート上に引き出し、このシートのループ材にファスニングテープのフック材を係合させることによって、簡単に素早くおむつ本体を包み込み、廃棄することが可能である。また、ファスニングテープやその他の止着部分には粘着材を露出させることがないために、装着時等に、誤ってバックシートを破損することを減少できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000122298 【氏名又は名称】王子製紙株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年1月19日(2000.1.19) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2001−198159(P2001−198159A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月24日(2001.7.24) |
| 【出願番号】 |
特願2000−9774(P2000−9774) |
|