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【発明の名称】 靭帯補強材
【発明者】 【氏名】小関 智明

【要約】 【課題】自家組織の強度を補い、簡便で結果が安定し、体内組織に合致した引っ張り伸度を持ち、任意の位置に断端が固定でき、固定材料の体内埋没体積を軽減し、手術時間を短縮し、残存創傷を少なくし、骨トンネル容積を減少させ、自家組織の損傷を防ぐ靭帯補強材を提供する。

【解決手段】組紐製造器具により、輪、直線、分岐部(直部分と環状部分)の三構成を各々組み上げ、あるいは柔軟な金属を用いて直線部と接合し、あるいはシートを用いて端部を固定する工夫を行った。エンドプレート、エンドスクリュー、エンドストッパーの靭帯補強材への装着は手術時間を短縮し、残存創傷を少なくし、骨トンネル容積を減少させる。回転体の取り付けは自家組織の損傷を防ぐ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】靭帯再建手術の際、代用自家組織の強度を補うために装着する紐であり、輪(1)の一端に一本の直線状の紐(2)が接続し、その後端が複数に分岐しており、分岐した各々の直線状の紐(3,4,5,6)にステープル(コの字型釘)、スクリュー(螺子)又は釘を打ち込むための穴(7,8,9,10)が一個又は複数個一定間隔で連続して形成され、穴の内周にはハトメ等の補強を施し、輪から直線状への分岐及び後端の各々の分岐にねじれ防止の補強材(11,12)が施してあり、中央部直線状の紐の引っ張り伸度が自家組織(13)のそれと同等に設定されており、一端の輪(1)及び他端の分岐した直線部分(3,4,5,6)の引っ張り伸度は限りなくゼロに近い値に設定された靭帯補強材。
【請求項2】上記靭帯補強材で、分岐したあとの直線部分(3,4,5,6)及びステープル、スクリュー又は釘を打ち込むための穴(7,8,9,10)が形成されている部分が柔軟な金属(14)で作られている請求項1記載の靭帯補強材。
【請求項3】上記靭帯補強材で、骨トンネル内では二葉の金属片が閉じた状態になっており、骨トンネル途中或いは骨表面に到達した時点で二葉の金属片が開き、表面逆方向には戻らない構造を持つエンドプレート(15)を片端の輪(1)に装着した請求項1又は2記載の靭帯補強材。
【請求項4】上記エンドプレート付きの靭帯補強材を骨トンネル内に挿入する時、骨トンネル内ではエンドプレートを閉じた状態に保ち、骨表面に到達した時点でエンドプレートが開くよう先端はエンドプレート下部を押し上げる突起(19)を持ち、手元側には上記靭帯補強材の分岐した紐のステープル又は釘を打ち込むための穴(7,8,9,10)に差し込む突起(20)を持ち、更にこの突起が前後にスライドし、バネによりエンドプレートを開くよう作用するエンドプレート付き靭帯補強材挿入器具。
【請求項5】上記靭帯補強材で、骨トンネル内腔と同じ外径の螺子であり、中空構造のエンドスクリュー(21)を片端の輪に装着した請求項1又は2記載の靭帯補強材。
【請求項6】上記靭帯補強材で、縦長リング状平板の両端に骨トンネル表面に刺入するための鋭い突起を持ち、リング穴部分を骨トンネル内で引き戻すように力を加えると片端の突起が骨表面に刺さり、全体が平行方向になるよう倒れこみ、他端の突起も反対側に刺さり挿入逆方向には戻らない構造を持つエンドストッパー(24)を片端の輪に装着した請求項1又は2記載の靭帯補強材。
【請求項7】上記靭帯補強材で、環状に縫着された自家組織の両端接触部分にパイプ状の回転体(23)を取り付けた骨トンネル挿入部分をもつ請求項3、5、又は6記載の靭帯補強材。
【請求項8】上記靭帯補強材で、中央直線状の紐部分(2)の両端に請求項7記載のパイプ状の回転体(23)を取り付けた骨トンネル挿入部が装着されており、さらにエンドプレート(15)、エンドスクリュー(21)又はエンドストッパー(24)のいずれかの組み合わせがその端部に接続されている靭帯補強材。
【請求項9】上記靭帯補強材で、中央直線状の紐部分(2)の一端の断端部に金属の輪等によりステープル等の固定具を打ち込むための柔らかいシート(26)を装着できる構造を持つ請求項8記載の靭帯補強材。
【請求項10】組紐製造器具を用いて上記靭帯補強材の輪(1)の部分を編み込まず直線に近い状態で合わせ、中央部直線状の紐部分(2)は断面が円状に形成されるように編み、更に分岐させた直線状部分(3,4,5,6)は編み込まず、ステープル、スクリュー又は釘を打ち込むための穴(7,8,9,10)は環状に編み込んで形成する請求項1、2、3、5、6、7、8又は9記載の靭帯補強材の紐部分の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は靭帯再建手術の際、代用自家組織の強度を補うべく装着する靭帯補強材に関する。
【0002】
【従来の技術】損傷した前十字靭帯(大腿骨と頚骨を繋ぐ靭帯)を再建するには一般的にセミテン(半腱様筋腱)、グラシルス(薄筋)等代用自家組織を採取し環状に縫着し、その輪を二本のテープ(17)又は紐等の人工物で二方向に引っ張り、骨トンネル内を通過させた後、片端をエンドボタン(16)を用いて大腿骨側に、他端をステープル等を用いて頚骨表面に各々固定している。
【0003】内側膝蓋大腿靭帯(膝蓋骨と大腿骨を繋ぐ靭帯)を修復再建する手術は膝蓋骨内に上横二方向から穴を明けて貫通させ、人工靭帯(テープ状の帯)を通し、ステープル等でテープを上から挟み込むようにして大腿骨に固定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前十字靭帯は人体の中でも負荷の大きくかかるところであるが、これをすべて人工の代用物で置き換えようとすると、強度は充分であるが骨との親和性が悪い、強すぎて骨の角を削ってしまう等の問題点を有していた。
【0005】現在ではハイブリッド法(前述の自家組織の両端をテープで骨に固定する方法)が主流となっているが、上記問題点は解決するものの中央部分の自家組織を環状に縫着するため煩雑で、下肢の血行を遮断して行う限られた時間内の手術に支障をきたしている。
【0006】また縫着部分の面積が広いため、術者のテクニックにより結果が大きく左右され、強度不足や縫い過ぎによる血行不全等の問題も発生している。
【0007】テープを大腿骨側に固定するためのエンドボタン(16)は一枚板の形状をしているので骨表面に到達した際、軟部組織を挟み込むことがあり、この場合組織壊死を招く。また大腿骨側から引き出そうとするため大腿部にも創傷を残すことになる。
【0008】テープを頚骨側に固定する際、ステープルをテープに挟み込むように打ち込み固定する方法が現在主流であるが、負荷が大きいため体内に埋没する体積の大きなステープルを使用せざるを得ない。異物の体内埋没体積が大きいと疼痛や感染の原因となる。内側膝蓋大腿靭帯の再建術もステープル等でテープを上から挟み込むようにして大腿骨に固定しているため同様の問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】靭帯補強材を中央部分と接続した両端部分の三構成として考え、中央部分に自家組織(13)を環状に離脱しない程度に縫着することにより強度は確保され、さらにより簡便で結果の安定した手術を行うことができる。
【0010】靭帯補強材の中央部分は自家組織(13)と連動するので、引っ張り伸度は自家組織と等しい値が好ましい。また両端部分は骨トンネル内で内部壁面と安定して固着することが望ましく、引っ張り伸度はゼロに近い値に設定することが理想的である。
【0011】靭帯補強材の複数に分岐した後端はステープル等を打ち込むための穴が形成されており、ステープル等の固定材料の脚部に通すことにより、テープを挟み込んで固定する際に発生する滑り抜けがなく、固定力はより大きなものとなる。これにより固定材料の体内に埋没させる体積を軽減することができる。また従来術者は断端の固定材料としてコの字型のステープルしか選択肢がなかったが、状況判断によりスクリュー、釘の選択が可能となった。
【0012】エンドボタン(16)は一枚板の形状をしているので骨表面上に出る際大きく上下し、軟部組織を挟み込みやすい。これを骨トンネルの中を通過するときは閉じた状態、骨表面に到達した時点で展開するエンドプレート(15)及びエンドプレート付き靭帯補強材挿入器具を用いれば軟部組織の挟み込みは避けられる。また大腿骨側からの切開が不要となるので残存創傷を少なく留めることができる。
【0013】エンドスクリュー(21)を用いると回転させる手間が発生するが、固定力が安定しており、大腿骨側の骨トンネルも表面まで空ける必要がない。骨トンネル容積は少ない方が骨強度の確保及び組織学上好ましいことは改めて記述するまでもない。また中空構造は骨組織の誘導を促す。
【0014】エンドストッパー(24)は骨トンネル内での任意の位置での固定が可能である。挿入後、少し引くと両端の鋭い突起がトンネル両側に突き刺さり固定される。突起の刺入方向を変えて複数枚装着するとより固定力は高まる。また挿入するのみの作業なので大幅な手術時間短縮が可能となる。
【0015】エンドプレート(15)、エンドスクリュー(21)、エンドストッパー(24)のいずれかを大腿骨側と頚骨側の双方の骨トンネルに固定した場合、膝中央部分(ドリル挿入部分)のみの切開となり、残存創傷はさらに減少する。低侵襲治療が叫ばれている昨今であるが、靭帯損傷は若年層に多いため、特に大きな手術痕を残してはならない若い女性に対しても福音である。
【0016】シート(26)を装着することにより任意の位置にステープル、スクリュー、釘等の固定材を打ち込むことができる。骨と金属の直接の接触を避けることにより圧迫による組織壊死を回避する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は請求項1及び請求項2に係る靭帯補強材の外観図を例示している。輪(1)の一端に一本の直線状の紐(2)が接続し、その後端が二股に分岐しており、分岐した各々の紐にステープル、スクリュー又は釘を打ち込むための穴(7,8,9,10)が連続して2個形成されている。穴の内周にはハトメ等の補強を施しておくと引っ張られた状態でも穴形状が確保され、ステープル、スクリュー又は釘を打ち込む際の繊維の保護にもなる。ハトメ等の補強は生体適合性の高いSUS316Lステンレス又は純チタン等の金属性材料が好ましい。輪と二股の分岐を通すように環状に自家組織(13)を縫着する。自家組織両端部が接触する輪(1)から直線状への分岐部及び後端の分岐部にねじれ防止の補強材(11,12)が施してあり、全体のねじれによる自家組織の損傷を防いでいる。ねじれ防止補強材はSUS316Lステンレス又は純チタン等の金属を用いてバリのないよう、丸みを帯びた状態で装着するとよい。又はEPTFE(エクスパンデッドポリテトラフルオロエチレン)のような生体適合性が高く表面平滑性の高い素材を縫着すると、摩擦による自家組織の損傷を防ぐことができる。
【0018】繊維は長手方向に目を詰まらせて多く編むと引っ張り伸度は大きくなり、逆に目を緩く縦糸が直線に近い状態に編むと引っ張り伸度は小さくなる。この原理を応用し、中央の直線部分の引っ張り伸度を自家組織と同等に、一端の輪(1)及び他端の分岐した直線部分(3,4,5,6)の引っ張り伸度をゼロに近い値に設定することが可能となる。材質は強度があり、生体適合性の高い繊維であるポリエステル、ポリエチレン又はEPTFE(エクスパンデッドポリテトラフルオロエチレン)が好ましい。特にポリエチレン及びEPTFEは高強度、低伸度であり当該発明の靭帯補強材としての素材に適している。
【0019】請求項2に係る図1右側の図は分岐部から下の部分が柔軟な金属製(14)である場合を示している。直線状の紐(2)との接続は筒状の中央部分の内側に横棒を付け、ここに小さな環状に形成された直線状の紐(2)の下端を通す。強度を保つためにはこの横棒を溶接せず、円柱から削り出すほうがよい。左右に分岐した先の部分は左側の図と同様にステープル、スクリュー又は釘を打ち込むための穴が連続して2個づつ形成されている。この部分は術者の手の力により簡単に変形できる厚さ寸法を設定しておく。これにより頚骨表面上の傾斜や湾曲に対応し固定できる。素材は軟質ステンレス又は純チタンが適している。金属製であるので当然引っ張り伸度はゼロに近い。
【0020】図2は請求項3に係るエンドプレート(15)が骨トンネルを通過する時及び大腿骨表面に到達した時の外観図及び断面図である。大腿骨側に押し上げられる時は閉じており骨トンネルの幅に納まっている。二葉の金属片の裏側にはエンドプレート付き靭帯補強材挿入器具の先端(19)が納まるよう半球状に凹んでいる。材質は強度を確保するためにチタン6−4合金がよい。ステンレスの場合SUS316Lが適している。
【0021】図3はエンドボタン(16)が骨トンネルを通過する時及び大腿骨表面に到達した時の外観図及び断面図である。骨トンネル内では縦向きになっており、大腿骨表面に出たとき横になるよう操作する。大腿骨側から紐で引き上げて設置するため大腿骨側に切開創を加えなければならない。また引き上げた後、下へ引く際に軟部組織を挟み込みやすい。
【0022】図4は請求項4に係るエンドプレート付き靭帯補強材挿入器具の外観図を例示している。先端はエンドプレート下部を押し上げる突起(19)を持ち、手元側には靭帯補強材の分岐した紐のステープル、スクリュー又は釘を打ち込むための穴に差し込む突起(20)を持つ。更にこの突起が前後にスライドし、バネによりエンドプレート(15)を開くよう作用する。この突起のスライドの動きによりエンドプレートの大腿骨表面到達を確認することができる。
【0023】図5左は請求項5に係るエンドスクリュー(21)付靭帯補強材の例示である。円柱状の内側が中空、外側はネジ切りが施してある。外側の外径は骨トンネル内径に等しく設計されている。ネジ切り下部は専用ドライバーで回せるよう2箇所に切り欠きがある。中空の内側下部を横断する形で棒を渡し、請求項1又は2記載の靭帯補強材をまたがせて接続する。
【0024】図5右は請求項7に係るパイプ状回転体(23)付き挿入部分を持つエンドスクリュー(21)付靭帯補強材を例示している。自家組織を繊維でなく金属に縫着する場合、強度もありねじれの心配もないのだが、膝の屈伸により自家組織が金属表面と擦れ、繊維質が破壊され断裂の恐れがある。梯子型に組まれた削り出しの6−4チタン合金の中央円柱状横棒部分(22)に回転体(23)を巻き付け縫着する。この上に自家組織(13)をまたがせる。自家組織は膝の屈伸に合わせて中央円柱状横棒部分(22)を軸に引っ張られるが、回転体(23)はこれに連動、回転し、自家組織(13)が金属面と直接擦れ合うことを防ぐ。中央横棒部分(22)だけではなく、隣接する上下の縦棒にも回転体を巻き付け縫着しておくと複雑な膝の動きにも対応する。回転体の材質は生体適合性が高く、抗血栓性があり、耐圧、耐磨耗性、適度なクッション性をもつEPTFE(エクスパンデッドポリテトラフルオロエチレン)が最も適している。全体を専用ドライバーで回転させ、トンネル内に固定する。
【0025】図6は請求項6、7に係るパイプ状回転体(23)付き挿入部分を持つエンドストッパー(24)を装着した靭帯補強材を例示している。縦長リング状平板の上端には嘴状の鋭利な突起が付いており、下端には上端とは逆方向に先端を向けた尾状の鋭利な突起が付いている。これを2枚用いて背中合わせにして、逆U字型の軸に通す。リングの穴は下端の尾状突起反対側にやや膨らみを持つ。大腿骨側に靭帯補強材全体を押し上げていく時、逆U字型の軸はリング穴のうち嘴状突起側の隅に位置しており、この状態では下端の尾状突起が僅かに骨トンネルの壁に接触するのみである。逆に頚骨側に靭帯補強材全体を引き下げようとする時、逆U字型の軸はリング穴下端の膨らみを持った部分へ入るため、尾状突起はこれに押され骨トンネル壁面へ刺入する。同時に上端嘴状突起側が反対側骨トンネル壁面に倒れこみ刺入する。背中合わせの他の一枚は逆の動きで連動し、下方向への力が増加するほど4つの突起の骨トンネルへの刺入は深くなる。
【0026】図7は請求項10に係る組紐製造器具の外観図を例示している。まず中央の穴から下へおもりを吊るし、糸の束に接続する。組む前にエンドプレート、エンドスクリュー、エンドストッパー等大腿骨側固定具を取りつける場合は予め糸の束に通しておく。請求項1記載の靭帯補強材を製造する場合、骨トンネル挿入分を編みこまず輪(1)にし、次に中央直線部分(2)を組み始める。この部分は前十字靭帯と同じ引っ張り伸度になるよう目数を調節する。丸八つ等の断面が円形になる組み方をすると骨トンネル内を通過しやすい。次に分岐部でまた糸の束を組まずに直線状態(3,4,5,6)のまま少し間隔を置く。ステープル、スクリュー又は釘を打ち込むための穴の部分(7,8,9,10)は丸八つ又は平八つ等の組み方で環状に形成する。輪の後ろはほつれ防止のため尻尾状に少し組んでおく。糸の束を組まずに直線状態のままの部分(1,3,4,5,6)は蜜蝋等でコーティングし束ねておくとバラけない。請求項2記載の靭帯補強材を製造する場合は中央直線部分(2)を組みこんだ後、金属接続用の小さな輪を金属棒に通しながら組む。輪の後ろは前述のように尻尾状に組む。請求項7、8記載の回転体付き骨トンネル挿入部分をもつ靭帯補強材を製造する場合は、中央直線(2)の両端に金属接続用の小さな輪を作り金属棒に通しながら組む。輪の後ろはやはり前述のように尻尾状に組む。最後端は超音波カッターで溶着するとほつれずにきれいに仕上がる。
【0027】図8はきのこ型のドリル穴用のエンドプレートを骨トンネルに装着している図である。骨トンネル途中では二葉のプレートは閉じた状態である。骨トンネル頂点に達した時、レバー(29)を引くと押し出し穴(28)から挿入された専用器具の先端(30)により押し上げ棒(25)が押され、二葉のプレートは開かれる。
【0028】図8下端は請求項9に係るステープル等の固定具を打ち込むための柔らかいシート(26)を装着した図である。金属リングに通したシートはステープル等を任意の位置に打てるように端部が広がっている。ステープルの幅より大きめに設定しておくと、ステープルの又の間からのすり抜けは防止できる。左右に分け、広げて打つとあらゆる方向からの引っ張りにも対応し固定力が増す。一方を仮固定し、他方を引きながら本固定すると靭帯の緊張を手の感触により確認することができる。強い緊張で引っ張られステープルが倒れ込んでもシートがクッションとなり、圧迫による組織壊死を防ぐ。素材は生体適合性が高く、高強度で適度なクッション性があるEPTFEが適している。
【0029】図9は図8に示したきのこ型ドリル穴用エンドプレートの挿入器具を例示している。先端に全体の下端(27)を包み込む二股の腕を持ち、その中から押し上げ棒(25)を押し出すための部材(30)が仕込まれている。レバー(29)を引くことにより部材(30)は押し出され、エンドプレートの二葉の先端は開く。
【0030】図10は手術の全体図である。上部が大腿骨、下部が頚骨、中央部が前十字靭帯部分である。縫着された自家組織は少しづつ大腿骨側頚骨側双方に挿入されていると骨融合が起こりやすい。
【0031】
【発明の効果】本発明の靭帯補強材は請求項1、及び2により自家組織の強度が確保され、より簡便で結果の安定した手術を行うことができる。さらに体内組織に合致した引っ張り伸度を提供し、自家組織と骨の固着を安定させる。分岐した頚骨側打ち込み部分或いは請求項9記載の柔らかいシートの採用は湾曲部等、従来固定しにくかった位置に靭帯補強材断端を固定でき、あらゆる方向からの負荷に対し強度を保持することが可能となる。また金属の直接接触による圧迫組織壊死を防ぐ【0032】靭帯補強材の下端が環状に形成されているか或いは請求項9記載の柔らかいシートの採用により、ステープル、釘、スクリュー等術者の判断で様々な固定具の使用が可能となる。またテープの挟み込みより固定力が上がるため、体内に埋没する部分の体積を軽減することが可能となる。
【0033】請求項3により大腿骨側のエンドボタンによる軟部組織の挟み込みを避けられる。また大腿骨側からの切開が不要になるので残存創傷を少なく留めることができる。請求項4により容易にエンドプレート付き靭帯補強材を骨トンネル内に挿入できる。
【0034】請求項3、5及び6により骨トンネル途中での固定が可能となり、骨トンネル容積を少なくすることができる。さらに請求項6により大幅な手術時間短縮が可能となる。
【0035】請求項7により膝の屈伸により自家組織が金属表面と擦れ、繊維質が破壊され断裂することを防ぐ。
【0036】請求項8により膝中央部分(ドリル挿入部分)のみの切開となり、残存創傷はさらに減少する。
【0037】請求項10により上記特徴を持つ当該靭帯補強材の紐部分を製造することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】399019205
【氏名又は名称】松田医科株式会社
【出願日】 平成12年1月17日(2000.1.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−198147(P2001−198147A)
【公開日】 平成13年7月24日(2001.7.24)
【出願番号】 特願2000−43481(P2000−43481)