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【発明の名称】 水解性の吸収性物品
【発明者】 【氏名】倉田 信弘

【氏名】和田 充弘

【氏名】鈴木 祥代

【要約】 【課題】従来の水解性の吸収性物品では、裏側からの漏れを防止することが難しかった。

【解決手段】水解性の裏面層12と、水解性で且つ液透過性の表面層10と、裏面層12と表面層10に挟まれる水解性の吸収層11を有する水解性の吸収性物品1である。吸収層11は、水溶性または水膨潤性の高分子化合物層21と、水解性の繊維層20とが積層され一体化された少なくとも1枚以上のシートで形成され、繊維層20が表面層10側に位置している。排泄液はまず、繊維層20において吸収、拡散されるため、高分子化合物層21へは、排泄液が一個所に集中して移行することがない。よって、裏側への漏れが効果的に防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水解性の裏面層と、水解性で且つ液透過性の表面層と、前記裏面層と前記表面層とで挟まれる水解性の吸収層と、を有する水解性の吸収性物品において、前記吸収層は、水溶性または水膨潤性の高分子化合物層と、水解性の繊維層とが積層され一体化された少なくとも1枚以上のシートで形成され、前記表面層に最も近い前記シートでは、前記水解性の繊維層が表面層側に位置していることを特徴とする水解性の吸収性物品。
【請求項2】 前記吸収層は2枚以上の前記シートで形成され、表面層の内側に位置する2枚の前記シートは、表面層側から、水解性の繊維層、高分子化合物層、水解性の繊維層、高分子化合物層の順となるように重ねられている請求項1記載の水解性の吸収性物品。
【請求項3】 前記吸収層は、1枚の前記シートから折り曲げられ、表面層側から、水解性の繊維層、高分子化合物層、高分子化合物層、水解性の繊維層の順となるように配置されている請求項1記載の水解性の吸収性物品。
【請求項4】 前記水溶性または水膨潤性の高分子化合物層がポリビニルアルコール層である請求項1〜3のいずれかに記載の水解性の吸収性物品。
【請求項5】 前記ポリビニルアルコール層は目付が10g/m2以上である請求項4記載の水解性の吸収性物品。
【請求項6】 前記ポリビニールアルコール層はフィルムであり、前記繊維層にラミネートされて一体化されている請求項4または5記載の水解性の吸収性物品。
【請求項7】 前記シートと表面層との間に、前記シートとは別の吸収層が設けられている請求項1〜6のいずれかに記載の水解性の吸収性物品。
【請求項8】 水解性の裏面層と、水解性で且つ液透過性の表面層と、前記裏面層と前記表面層とで挟まれる水解性の吸収層と、を有する水解性の吸収性物品において、前記吸収層は、水解性の繊維層と水解性の繊維層との間に、水溶性または水膨潤性の高分子化合物層が介在するものであることを特徴とする水解性の吸収性物品。
【請求項9】 前記水溶性または水膨潤性の高分子化合物層がポリビニルアルコールのフィルムである請求項8記載の水解性の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パンティライナー、生理用ナプキン、尿取りパッド、おむつなどとして用いられる水解性の吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パンティライナー、生理用ナプキン、尿取りパッド、おむつなどの吸収性物品として、水洗トイレに流し捨てることができる吸収性物品が研究されている。水解性の吸収性物品としては、例えば特開平8−38547号公報や、特開平8−19571号公報に開示されており、水解性の吸収層と、それを挟む水解性の表面層と裏面層とから構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これら水解性の吸収性物品では、水解性の裏面層が使用されているため、吸収層により吸収された排泄液が裏面層に与えられたときに、裏面層の強度が低下し、さらには排泄液が裏面層の外側へ滲み出る心配がある。
【0004】そのために、水解性の裏面層に水不溶性(不透水性)フィルムを重ね、これにより裏面層の外側への液の滲みを防止しているもの、または裏面層として溌水紙を使用しているものがある。しかし、水不溶性フィルムや溌水紙が吸収性物品に含まれていると、吸収性物品の水解性が極端に低下してしまう。
【0005】また、特開平6−101154号公報には、裏面層を形成する水解性素材の上に水溶性の高分子化合物であるポリビニールアルコール(PVA)のフィルムが設置され、このフィルムの上に吸収層が設置された吸収性物品が開示されている。この公報に記載のものは、前記PVAフィルムにより裏面層側への排泄液の漏れを防ごうというものである。しかし、吸収層の下にPVAフィルムを配置し、また吸収層とPVAフィルムとが別体のものであるため、吸収層を透過した排泄液がPVAフィルムに局部的に集中して与えられることがあり、この部分でPVAフィルムが溶解されてフィルムに局部的な穴や破れが発生して、十分な防漏効果を得られないことがある。
【0006】また、吸収層の厚みを大きくし、排泄液の大部分を吸収層に吸収させ、裏面層に多量の液が接触しないようにすることも可能である。しかし、吸収層の厚みを大きくすると、吸収性物品が硬くなってしまい、装着感が悪くなる。
【0007】本発明の目的は、上記従来の課題を解決するものであり、装着感を低下させることなく、漏れを効果的に防止でき、しかも水解性に優れた水解性の吸収性物品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題及び目的は、水解性の裏面層と、水解性で且つ液透過性の表面層と、前記裏面層と前記表面層とで挟まれる水解性の吸収層と、を有する水解性の吸収性物品において、前記吸収層は、水溶性または水膨潤性の高分子化合物層と、水解性の繊維層とが積層され一体化された少なくとも1枚以上のシートで形成され、前記表面層に最も近い前記シートでは、前記水解性の繊維層が表面層側に位置していることを特徴とする水解性の吸収性物品によって達成される。
【0009】本発明の吸収性物品では、吸収層を構成する繊維層に、水溶性または水膨潤性の高分子化合物層が一体化されたシートが含まれている。排泄液が吸収されると繊維層に接触し、排泄液が前記繊維層に沿って拡散された状態で前記繊維層と面接着している高分子化合物層へと移行する。その結果、水溶性または水膨潤性の高分子化合物層に、排泄液が局部的に集中して与えられることがなくなる。よって前記繊維層と高分子化合物層が剥がれることがなく、また高分子化合物に孔や破れが発生するのを防止できる。よって、吸収層に設けられた前記高分子化合物層によって、排泄液が裏面層側へ漏れるのを抑制できる。また、この高分子化合物は水溶性または水膨潤性であるため、吸収性物品が水中に廃棄されたときに容易に分解する。
【0010】本発明での前記繊維層は、ティッシュ(水解紙)、エアレイドパルプ、水解性の不織布などである。
【0011】前記吸収層は2枚以上の前記シートで形成され、表面層の内側に位置する2枚の前記シートは、表面層側から、水解性の繊維層、高分子化合物層、水解性の繊維層、高分子化合物層の順となるように重ねられていることができる。
【0012】または、前記吸収層は、1枚の前記シートから折り曲げられ、表面層側から、水解性の繊維層、高分子化合物層、高分子化合物層、水解性の繊維層の順となるように配置されているものである。
【0013】上記のようにティッシュ(水解紙)などの繊維層と、これと一体化された高分子化合物層とが交互に重ねられていると、表面層側に近い高分子化合物層が液によって分解された後も、その下にさらに繊維層や高分子化合物層が配置されているため、裏面層から外側への液の滲みなどを防止する効果が高まる。
【0014】また、前記水溶性または水膨潤性の高分子化合物層は、例えばポリビニルアルコール層であり、前記ポリビニルアルコール層の目付は10g/m2以上であることがさらに好ましい。また前記ポリビニールアルコール層はフィルムであり、前記繊維層にラミネートされて一体化されているものとすることができる。ただし、前記ポリビニールアルコールの層が前記繊維層に塗工されて一体化されていてもよい。
【0015】また本発明では、前記シートと表面層との間に、さらに前記シートとは別のパルプ層やティッシュ(水解紙)などの吸収層が設けられていてもよい。
【0016】次に本発明は、水解性の裏面層と、水解性で且つ液透過性の表面層と、前記裏面層と前記表面層とで挟まれる水解性の吸収層と、を有する水解性の吸収性物品において、前記吸収層は、水解性の繊維層と水解性の繊維層との間に、水溶性または水膨潤性の高分子化合物層が介在するものであることを特徴とするものである。
【0017】この発明が、吸収層においてティッシュや水解性不織布やエアレイドパルプなどで形成される繊維層と繊維層との間に、PVAなどの高分子化合物層が挟まれて介在している。よって表面層側に向く前記繊維層に排泄液が与えられ、繊維層を透過して高分子化合物層に与えられることにより、裏面層への浸透を抑制できる。この場合に、高分子化合物層が溶解してさらに排泄物が高分子化合物層を透過してもその下に位置する繊維層に吸収されることになり、裏面層への液漏れを抑制できる。
【0018】この発明での高分子化合物層は、少なくとも一方の繊維層に塗工され、またはフィルム状の高分子化合物が少なくとも一方の繊維層にラミネートされているものであってもよいし、またはPVAなどの高分子化合物のフィルムが、繊維層と繊維層と間に接合されることなく単に挟まれているものであってもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面を参照しながら説明する。図1は、吸収性物品を表側(装着者に対面する側)から見た斜視図、図2は図1に示した吸収性物品のII−II線の断面図である。なお、吸収性物品の長手方向をY方向とし、Y方向とほぼ直交する幅方向をX方向とする。
【0020】図1に示す吸収性物品はパンティライナーまたは生理用ナプキンとして使用される、本発明の水解性の吸収性物品である。この吸収性物品1は、図2に示すように装着者側に向けられる水解性で且つ液透過性の表面層10と、水解性の裏面層12と、表面層10と裏面層12との間に挟まれる水解性の吸収層11とで構成されている。そして、吸収性物品の吸収層11が存在しない領域である外周領域1eでは、表面層10と裏面層12とが接合されている。この接合は水解性接着剤による接着、熱可塑性の水解性接着剤を用いたヒートシール、あるいは水素結合などである。
【0021】表面層10は、例えば水解性のスパンレース不織布である。または、水解性の不織布に複数枚の水解紙を積層させて形成しても良い。この場合、不織布及び水解紙は水素結合やニードリング処理によって一体化させても良い。また、表面層10は排泄液を表面層10の下の吸収層11へと導くため、図1に示すように複数の開孔部が全面的に設けられることが好ましい。この開孔部は前記ニードリング処理によって形成することが可能である。
【0022】裏面層12は、水洗トイレに流したときにその水流によって、あるいは浄化槽内で容易に分散されるものであり、水分散性繊維を含む水解紙や、水解性不織布等で形成できる。例えば、(1)原料としてパルプを用い、パルプ繊維どうしの水素結合でシート状に形成した水解紙、(2)原料としてパルプやレーヨンなどの水分散性繊維を用い、繊維を結合させる水溶性のバインダーを含有させてシート状に形成した水解紙、(3)水分散性繊維を交絡させてシート状に形成した水解紙、(4)比較的短い繊維長をもつ水分散性繊維をウォータージェット処理により交絡させた水解性の不織布などをあげることができる。なお、裏面層12の外側(外部装着体に対面する側)には、ポリビニルアルコールや不飽和カルボン酸からなる共重合体などの水溶性樹脂を塗工して、不透液性となるように処理することが可能である。
【0023】吸収層11は、ティッシュ(水解紙)または水解性の不織布またはエアレイドパルプなどの繊維層20の表面に、ポリビニールアルコール(PVA)などの水溶性または水膨潤性の高分子化合物層(ゲル化化合物層)21が塗工された複合シート、または前記高分子化合物層21としてPVAなどの高分子化合物のフィルムが使用され、このフィルムが前記繊維層20にラミネートされて一体化された複合シート(ラミネートシート)で構成されている。
【0024】図2に示す実施の形態では、繊維層20と高分子化合物層21とが一体化された複合シートが1枚で吸収層11を構成している。この場合に、繊維層20は表面層側に面するように上向きとなっている。図2に示す実施の形態では、繊維層20と裏面層12との間に高分子化合物層21が介在している構成であるが、特開平6−101154号公報などに示される従来例と異なり、高分子化合物層21が前記繊維層20に接合されて一体化されている。このため、排泄液が吸収層11に移行したとき、排泄液はまず繊維層20において吸収、拡散され、排泄液は広く拡散された状態で高分子化合物層21へと移行する。よって、排泄液が一個所に集中した状態で高分子化合物層21へと移行することがなく、高分子化合物層21に孔や破れが生じにくい。そのため繊維層20と高分子化合物層21とが容易に剥がれることもない。したがって、高分子化合物層21により、裏面層12側への液の漏れを効果的に防止できる。さらに、高分子化合物層21は水溶性または水膨潤性であるため、使用後に水中で容易に分解される。繊維層20により分散された排泄液を高分子化合物層21により留めるためには、前記高分子化合物層21の目付が10g/m2以上であることが好ましい。
【0025】繊維層20を形成する繊維は、天然繊維及び化学繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種の繊維を使用することができる。天然繊維としては、針葉樹パルプや広葉樹パルプなどの木材パルプ、マニラ麻、リンターパルプなどがあげられる。これらの天然繊維は生分解性である。これらの中でも、針葉樹晒クラフトパルプや広葉樹晒クラフトパルプは特に水分散性がよいので好ましい。また、再生繊維であるレーヨンなどの合成繊維や、生分解性合成繊維やポリエチレンなどからなる合成パルプなどがあげられる。この中では、生分解性をもつレーヨンが好ましい。なお上記のべた繊維以外の繊維であっても、水分散性をもつ繊維であればどのようなものも使用できる。
【0026】繊維層20は、これら繊維を抄紙した水解紙(吸収紙)や、これら繊維にウォータージェット処理を施した水解性不織布や、これらの繊維のかたまりである繊維ウェッブ(例えばエアレイドパルプ)などである。例えば、エアレイドパルプを目付50〜70g/m2程度用い、繊維層20を形成することができる。なお、繊維層20において、繊維どうしはカルボキシメチルセルロースやアルキルセルロースなどの水溶性のバインダーによって接合されていてもよい。
【0027】高分子化合物層21は、前記繊維層20の表面に塗工され、繊維層20の表面と面接着している。またはフィルム状であり、前記繊維層20にラミネートされている。高分子化合物としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸エーテル、ポリビニルピロリドン、イソブチレンと無水マレイン酸との共重合体のような水溶性高分子、デンプン、デキストリンなどをあげることができる。このなかでも、ポリビニルアルコールが好ましく、さらには冷水可溶性のPVA誘導体を用いることが好ましい。
【0028】ポリビニルアルコールを繊維層20にラミネートする場合、目付10〜30、好ましくは15〜25g/m2程度のポリビニルアルコールフィルムを繊維層20に積層した状態で熱溶着または熱圧着させ、高分子化合物層21を形成する。または高分子化合物層21を形成するフィルムを水溶性接着剤などによって繊維層20に面接合させても良い。
【0029】図3及び図4は、それぞれ本発明の他の実施の形態を示す断面図である。図3及び図4に示す吸収性物品1A、1Bは、吸収層について図2に示す吸収性物品1と異なる。
【0030】図3に示す吸収性物品1Aでは、水溶性または水膨潤性の高分子化合物層と、水解性の繊維層とが積層(塗工またはラミネート)され一体化された複合シートが2枚重ねられて、吸収層11Aが形成されている。その重なり順は、表面層10側から水解性の繊維層20、高分子化合物層21、繊維層22、高分子化合物23の順である。
【0031】このような構造にすると、排泄液が最上部の繊維層20から高分子化合物層21に与えられ、この繊維層20を透過した排泄液で上側の高分子化合物層21が溶解した場合に、その排泄液はその下に位置する繊維層22によってさらに広く拡散され、拡散された排泄液がその下の高分子化合物層23に与えられることになるため、裏面層12への漏れが阻止される。よって、吸収性物品1Aでは、図2に示す吸収性部品1より高い防漏性が期待できる。
【0032】なお、図3において、繊維層と高分子化合物層とが一体化された2枚の複合シートが互いに接合され、すなわち高分子化合物層21と繊維層22とが接合されていてもかまわない。この場合には、4層のラミネート複合材となる。もしくは、吸収層11Aの保形性を維持するため、周縁部付近のみにおいて前記2枚の複合シートが接合されていてもよい。
【0033】図4に示す吸収性物品1Bでは、図3に示す吸収性物品1Aと同様に、吸収層11Bにおいて繊維層20に高分子化合物層21が積層(塗工またはラミネート)された1枚の複合シートが、吸収性物品のY方向に沿う折り曲げ線30で2つに折り曲げられて吸収層11Bが構成されている。その結果、吸収層11Bでは表面層側から、水解性の繊維層20、高分子化合物層21、高分子化合物層21、水解性の繊維層20の順となっている。
【0034】この場合、吸収された排泄液はまず上側に位置する繊維層20によって吸収、拡散され、その後高分子化合物層21へと移行するが、高分子化合物層21が2層設けられているため、排泄液が裏面層12側へ透過するのを防止する効果が高くなる。例えば上側の繊維層20と高分子化合物層21とが排泄液により剥がれ、上側の高分子化合物層21に破れなどが生じても、さらにその下に存在する高分子化合物層21によって排泄液の漏れを防止できる。また2層の高分子化合物層21,21を液が透過した場合にも、下側の繊維層20により吸収でき、裏面層12への漏れを防止できる。
【0035】なお、図3および図4に示すように、吸収層11A、11Bの構成として、繊維層と繊維層との間に高分子化合物層が介在する場合には、繊維層と高分子化合物層とが必ずしも一体化されている必要はなく、例えば繊維層と繊維層との間に、PVAなどの水溶性または水膨潤性の高分子化合物のフィルムが、いずれの繊維層にも接合されることなく介在しているものであってもよい。この構成の他の一例としては、表面層10側から、繊維層、高分子化合物層、繊維層の順で配置された3層構造の吸収層であってもよい。
【0036】吸収層の構成として、繊維層と繊維層との間に高分子化合物のフィルムが前記繊維層に接合されることなく介在しているものでは、上側の繊維層を透過した排泄液が、中間の高分子化合物層によって防漏される。また高分子化合物層が排泄液によって破れた場合であっても、その下側の繊維層で排泄液を吸収することができる。
【0037】図5は、本発明のさらに他の実施の形態を示す断面図である。図5に示す吸収性物品1Cでは、図2に示す吸収性物品1と吸収層が異なっている。吸収性物品1Cでは、高分子化合物層21がラミネートされた繊維層20からなる複合シートの表面層10側に、水解性ティッシュ30a、30bが積層されて、吸収層11Cを構成している。この場合、排泄液は水解性ティッシュ30a、30bで吸収、拡散され、その後さらに繊維層20において吸収、拡散される為、高分子化合物層21の一個所に多量の排泄液が集中して移行することがない。よって、高分子化合物層21の防漏性が低下しにくい。
【0038】このように、本発明の水解性の吸収性物品においては、吸収層の高分子化合物層がラミネートされた繊維層からなるシートと、表面層との間に、その他の吸収性素材を設けることができる。この場合、ティッシュなどの水解紙のほか、パルプなどからなる繊維ウェッブや、水解性不織布であってもよい。
【0039】なお、図3と図4の実施の形態などにおいても、最上部の繊維層のさらに上に前記ティッシュなどの別体の吸収層を配置してもよい。
【0040】なお本発明においては、好ましくは吸収性物品の本体の裏側、すなわち裏面層12の裏面(外部装着体に対面する側)には、その全面に粘着部が設けられ、さらに粘着部の粘着力を使用直前まで保護する離型紙が設けられる。この剥離紙は水解性であることが好ましい。さらには、吸収性物品の包装袋なども水解性であることが好ましい。
【0041】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】本発明の実施例として、図2、図3または図4に示す吸収性物品としてパンティライナーを作成した。このパンティライナーの長手寸法は140mm、幅寸法は55mmである。
【0043】実施例1は図2、実施例2は図3、実施例3は図4に示す構成をもつ。このとき、表面層10は目付45g/m2の湿式スパンレース不織布、裏面層12は目付45g/m2の湿式スパンレース不織布である。また、吸収層のシートは、繊維層20、22として目付60g/m2のエアレイドパルプを用い、高分子化合物層21、23として目付20g/m2のポリビニルアルコールフィルムを用いた。
【0044】また、比較例1では、吸収層が、目付60g/m2のエアレイドパルプからなる繊維層のみで形成されており、比較例2では、吸収層が目付20g/m2のポリビニルアルコールフィルムのみで形成されている。
【0045】得られた実施例と比較例のパンティライナーについて、それぞれ着用テスト、浄化槽テスト、水解性テストの測定を行なった。結果を表1に示す。また、比較例についても実施例同様に試験を行なった。
【0046】(着用テスト) サンプルをパネラー10人に使用してもらう。使用後、サンプルの状態を目視にて観察する。評価方法は次のとおりである。○:破れなし。×:破れ発生。
【0047】(浄化槽テスト) サンプルを便器から浄化槽へ流し入れ、その後のサンプルの挙動を目視にて観察した。評価方法は次のとおりである。○:浄化槽へ入った瞬間に各層がバラバラになる。×:各層間が分離しない。
【0048】(水解性テスト) JIS P 4501の水解性試験方法に準じて測定した。詳細を述べると、サンプルを縦10cm横10cmに切断したものを、イオン交換水300mlが入った容量300mlのビーカーに投入して、回転子を用いて撹拌を行った。回転数は600rpmである。この時のサンプルの分散状態を経時的に観察し、分散されるまでの時間を測定した。評価方法は次の通りである。○:100秒以内に水解。×:水解しない。
【0049】
【表1】

【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の水解性の吸収性物品においては、裏側からの漏れを効果的に防止できる。これは、吸収層の目付を多くして防止する訳ではなく、高分子化合物層によるものなので、吸収性物品の装着感を低下させることがない。また、水洗トイレに流し捨てたときは、吸収性物品が容易に且つ確実に水解する。
【出願人】 【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
【出願日】 平成12年1月6日(2000.1.6)
【代理人】 【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
【公開番号】 特開2001−190597(P2001−190597A)
【公開日】 平成13年7月17日(2001.7.17)
【出願番号】 特願2000−577(P2000−577)