| 【発明の名称】 |
椎体間スペーサ |
| 【発明者】 |
【氏名】栗林 厚介
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| 【要約】 |
【課題】チタン製ねじ構造の椎体間スペーサによる母床脊椎骨の破壊の危険性を減じ、しかも挿入後に脊髄側への移動、脱落を防ぐことのできる椎体間スペーサを提供する。
【解決手段】軸部の外周面にねじを設けたセラミック製の椎体間スペーサ1で、ねじをテーパねじ2とした。 セラミック製であるから、母床脊椎骨の破壊などの問題もなく、しかも、平行ねじと違うテーパねじ構造としたため、椎体Z、Z間における背面側へのねじ込み過ぎ、移動或いは脊髄側への脱落を防ぐ。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 椎体間に挿入される椎体間スペーサであって軸部の外周面にねじを備えたセラミック製のものにおいて、前記ねじをテーパねじとしたことを特徴とする椎体間スペーサ。 【請求項2】 前記テーパねじのテーパが、1/20〜1/4の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の椎体間スペーサ。 【請求項3】 前記テーパねじのねじ山が、略三角であり、ねじ山の角度が、70度以上あることを特徴とする請求項1又は2記載の椎体間スペーサ。 【請求項4】 前記テーパねじのねじ山が、略台形であり、ねじ山の角度が、70度以上あることを特徴とする請求項1又は2記載の椎体間スペーサ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、外科、脳神経外科或いは整形外科の医療分野で使用される椎体間スペーサに関し、詳しくは、変形性脊椎症等によって頚椎、胸椎又は腰椎の椎間板を切除した場合において、上下の椎体間に挿入されて補填される椎体間スぺーサ(以下、単にスペーサともいう)に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の椎体間スペーサとしては、特開平8−10275号公報記載の技術が知られている。このものは、円柱体の外周面にねじを設けたネジ構造のものであり、同公報にはチタン(チタン合金)製又はセラミック製のものなどが例示されている。 【0003】これらの椎体間スペーサは、椎間板を除去した後、調整器具にて上下の椎体間の間隔(椎間高さ)を適正値に調整し、その間隔を保持した状態もとで、リーマ等で椎体の端面に下孔加工を施し、ねじを立ててからねじ込むようにして挿入されるものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが前記従来の椎体間スペーサのうちチタン製のものは、その硬度が頚椎部脊椎(骨)より高すぎるため、補填された後、その母床脊椎骨の破壊が起こり、椎体間の間隔がくるうなどの問題があった。チタン製のものは、骨との直接の癒合力がないため、その硬度差により骨に食い込むためと考えられる。また、チタン製のものは、毒性はないとされているが、体内組織への拡散が報告されており、発ガン原因の疑いも指摘されている。さらに、レントゲンでは骨癒合の判定が困難であると共に、MRIでも画像が乱れるため、術後経過の評価が困難であるといった問題があった。 【0005】一方、前記従来の椎体間スペーサのうちセラミック製のものは、前記したチタン製のものにおける欠点はないし、チタン製のものに比べると、生体親和性ないし新生骨との癒合力(結合性)が極めて高く、したがってスペーサとして好ましい材質といえる。ところが、従来のこの種のスペーサの補填手術において、例えばこれを椎体間に、正面側から背面側にねじ込むようにして挿入する場合、スペーサの挿入時、或いは挿入後に、それが背面側に移動し、脊髄側に抜ける危険性があった。このような危険を回避するため、下孔をあけた後のタッピングにおいて貫通させないようにねじ孔を形成してねじ込むことが考えられる。しかし、このような母床に形成されるねじ孔は、椎間板を除去した後の上下の椎体間に設けられるため、そのねじ溝は円弧の一部であり、ねじ込み力次第で背面側に抜ける危険性がある。一方、小さめのトルクでねじ込めば十分な固定力は得られない。 【0006】本発明は、こうした問題点に鑑みてなされたもので、前記したチタン製のねじ構造の椎体間スペーサによる場合のような母床脊椎骨の破壊などの問題もなく、しかも挿入後に背面側に移動し、脊髄側に抜けたりする危険などの不具合の発生を未然に防ぐことのできる椎体間スペーサを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、椎体間に挿入される椎体間スペーサであって軸部の外周面にねじを備えたセラミック製のものにおいて、前記ねじをテーパねじとしたことにある。 【0008】前記した椎体間スペーサは、セラミック製であるから、母床脊椎骨の破壊などの問題点もなく、しかも、従来の通常のねじ(平行ねじ)と違うテーパねじ構造としたため、椎体間における背面側へのねじ込み過ぎを防止できるし、ねじ込み(挿入)後においても、背面側に移動し、脊髄側に抜ける危険性を小さくできる。加えてテーパねじ構造のため、強めにねじ込むことでねじの半径方向に大きな固定力が発揮され、早期の骨癒合が期待される。 【0009】前記手段において前記テーパねじのテーパ((最大ねじ径−最小ねじ径)/ねじ部の全長))は、1/20〜1/4であるとよい。 このテーパが、1/20より小さいと、平行ねじに近すぎ、椎体間スペーサがその挿入時又は挿入後において背面側へ抜ける恐れが高いためである。一方、このテーパが、1/4より大きいと、過度の生理的前わんをもたらす危険があるためである。 【0010】なお、前記テーパねじの大径側の端部(端面)には、回螺用すなわちねじ回し用に、スリワリ又は多角形の凹部、又は多角形のツマミなどの凸部を設けておくのが好ましい。またテーパねじは軸部の全体(全長)にわたって設けるのが好ましいが、一部又は大部分に設けることとしてもよい。 【0011】前記のいずれの手段(椎体間スペーサ)においても、前記テーパねじのねじ山は、略三角であり、ねじ山の角度が、70度以上となるようにするのが好ましい。セラミックとして製造し易いし、強度を高めることができるためである。また、前記のいずれの手段(椎体間スペーサ)においても、前記テーパねじのねじ山が、略台形であり、ねじ山の角度が、70度以上あるものとしてもよい。 【0012】なお、セラミックは、水酸アパタイト若しくはリン酸三カルシウム、又はこれらの複合材を主成分とする燐酸カルシウム系セラミックが好ましいが、アルミナセラミックやジルコニアセラミックとしてもよいなど、生体適合性のあるものであればその材質に限定されない。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明に係る椎体間スペーサを具体化した実施の形態について図1及び図2を参照して詳細に説明する。図1は本例のスペーサ1の正面図であり、図2はその大径側の端部(端面)3を示した端面図であり、例えば円柱状で長さLが11mm程度の全ねじ形状をなし、小径側の端部5のねじ(外)径D1が9mmで、大径側の端部3のねじ(外)径D2が10mmのテーパねじ2をなしている。ここに小径側の端部5のねじ(外)径D1は、補填しようとする上下の椎体における端面間の椎間板を除去した後の間隙よりやや大きめに設定されている。そして、その全長(軸線に沿う長さ)は、椎体の前後の厚さより小さめに設定され、椎体間に挿入され、大径側の端部3が椎体の端面の前縁と略一致するとき、小径側の端部(先端面)5が脊髄神経に触れない短めの長さとされている。 【0014】なお、テーパねじ2のテーパ((D2−D1)/ねじ部の全長)は、誇張して図示してあるが本形態では1/11とされている。また、テーパねじ2のねじ山は三角で山角度θは90度とされ、ねじのピッチは2.5mmとされ、山頂及び谷底の半径は0.5mmとされている。そしてねじの大径側の端部3の中央には回螺用に長円形(小判形)の凹部7が形成されている。なお、本形態のスペーサ1は、水酸アパタイトを主成分とするセラミック焼結体であり、原料粉体をプレス成形した後、焼成することで形成されたものである。 【0015】次にこのように構成された本形態のスペーサ1の用い方について、図3、図4を参照し、脊髄が圧迫される脊髄症状や神経根が圧迫される根症状を呈する頚椎症に対し、頚椎前方固定を行う場合で説明する。本形態のスペーサ1の使用にあたっては、上下の椎体Z、Z相互間の椎間板を除去し、さらに神経圧迫となっている脱出椎間板ヘルニア、靭帯、骨棘を除去する。そして図示しないが椎体固定、椎間孔調整器具にて、上下の椎体Z、Zを固定し、その間隔(椎間高さ)を適正値に調整する。 【0016】この状態の下で、例えば外径6.5mmの図示しない医療用切削具(ドリルやリーマ)で前部から下孔をあけ、その下孔にスペーサ1のテーパねじ2に対応するテーパ雌ねじが形成されるような切れ刃を備えたタップを立てて先細りテーパのねじ孔Nを形成する。ただし、このねじ孔Nは、スペーサ1をねじ込んだ時、スペーサ1の大径側の端部3がねじ孔Nの入り口の開口端と略一致するように形成する。なお、このように形成されたねじ孔Nは、椎体Z、Z相互間の椎間板が除去されているため、上下の椎体Z、Zの端面の表面の皮質骨を若干削るような形のものであり、正面視、円弧状のねじ溝となる(図3(B)参照)。またこの手術ではバランス確保のためスペーサ1を左右略対称に補填するのが普通であり、したがって図3(B)に示したように、左右2箇所についてねじ孔Nが形成される。 【0017】こうして、形成された椎体Z、Z相互間のねじ孔Nに本形態のスペーサ1をその小径側の端部5を臨ませ、その大径側の端部3の凹部7に手術用の専用ドライバーの先端を嵌合して回転する。すると、スペーサ1はそのねじ孔Nに螺合して回転しながら螺進(前進)し、挿入される。そして、図4に示したように、スペーサ1のテーパねじの作用により、所定のねじ込み状態となると、それ以上の螺進(ねじ込み)が規制され、ねじ込み過ぎが防止される。本形態では大径側の端部3がねじ孔Nの入り口の開口端と略一致するところで停止するように設定されているが、テーパねじ作用により、スペーサ1はねじ込み(挿入)後においても、それが背面側に移動したり、脊髄側に抜けることが防止される。 【0018】加えてスペーサ1は、テーパねじ構造のため、強めにねじ込むことで、ねじの半径方向に大きな固定力が発揮され、安定した固定力が保たれるため、併用固定器具や床上安静、長期の体外固定を要することもなく、早期の骨癒合が期待される。かくしてその手術後は、脊髄の圧迫原因が取り除かれ、同時にスペーサとしての働きにより椎間高さを回復でき、神経根が通る椎間孔が再現できる。また、このスペーサ1は、セラミック製であるから、チタン製のスペーサのように母床脊椎骨の破壊などの問題もない。 【0019】さらに本形態では、ねじ山の山角度θを90度としたため、通常の三角ねじの60度のものに比べると、その角度が大きい分、セラミック部材としても成形が容易であると共に、強度の低下を招き難く、しかも、骨側の強度劣化や骨への食い込み防止にも有効である。 【0020】前記形態では、ねじ山は三角で山角度は90度としたが、ねじ山は図示はしないが、台形としてもよい。そして、いずれの形状のねじ山とする場合でもその山角度は70度以上とするのが好ましい。 【0021】なお、上記においては、頚椎の椎体間に補填するものにおいて説明したが、本発明における椎体は、頚椎、胸椎、腰椎などのいずれの椎体においても適用できる。この際、椎体の端面の大きさ、椎間板の厚さに応じて、スペーサの長さや直径、さらにはテーパを設定すればよい。本発明は、前記形態のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更して具体化できる。 【0022】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明のスペーサによれば、セラミック製であるから、母床脊椎骨の破壊などの問題もなく、しかも、従来の通常のねじ(平行ねじ)と違うテーパねじ構造としたため、前方から挿入する場合には背面側へのねじ込み過ぎを防止できるし、ねじ込み後においても、背面側に移動し、脊髄側に抜ける危険性を小さくできる。しかもテーパねじ構造のため、強めにねじ込むことで、半径方向に大きな固定力が発揮され、早期の骨癒合が期待される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003311 【氏名又は名称】中外製薬株式会社 【識別番号】000004547 【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月13日(2000.1.13) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−190579(P2001−190579A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月17日(2001.7.17) |
| 【出願番号】 |
特願2000−4464(P2000−4464) |
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