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【発明の名称】 膝関節プロテーゼのためのキット
【発明者】 【氏名】ヴァンサン ルクレールク

【要約】 【課題】移植される膝関節プロテーゼの種類を外科医が術中に選択することを可能とする膝関節プロテーゼのためのキットを提供する。

【解決手段】脛骨部分(1,1a)、大腿骨部分(4)、及び、該大腿骨部分(4)と該脛骨部分(1,1a)との間に配される半月板部分(3,3a)を備えた膝関節プロテーゼのためのキットであって、半月板部分(3a)が脛骨部分(1)に対して不動に固定されたプロテーゼ、ならびに半月板部分(3)が脛骨部分(1)に対して可動に設けられたプロテーゼの組み立てを可能とするキットは、プロテーゼの組み立て時に、脛骨部分(1,1a)ならびに半月板部分(3,3a)と係合して脛骨部分(1,1a)に対する半月板部分(3,3a)の可動性を規定するように形成された複数の案内要素(6,6a,6b)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脛骨部分(1,1a)、大腿骨部分(4)、及び、該大腿骨部分(4)と該脛骨部分(1,1a)との間に配される半月板部分(3,3a)を備えた膝関節プロテーゼのためのキットであって、異なる構成のプロテーゼ、すなわち、半月板部分(3a)が脛骨部分(1)に対して不動に固定されたプロテーゼ、ならびに半月板部分(3)が脛骨部分(1)に対して可動に設けられたプロテーゼの組み立てを可能とするキットにおいて、前記プロテーゼの組み立て時に、前記脛骨部分(1,1a)ならびに前記半月板部分(3,3a)と係合して該脛骨部分(1,1a)に対する該半月板部分(3,3a)の可動性を規定するようにそれぞれが形成された複数の案内要素(6,6a,6b)を含むキット。
【請求項2】 前記脛骨部分(1,1a)は前記大腿骨部分(4)に対向する面(12,12a)において孔(13,13a)を有し、該孔には切り欠き部(130a)が設けられることと、各前記案内要素(6,6a,6b)は、プロテーゼの組み立て時に脛骨部分(1,1a)の前記孔(13,13a)内に突出するピン(63,63a,63b)と、プロテーゼの組み立て時に半月板部分の対応する案内面と係合する案内部分(60,60a,60b)とを備えることと、前記ピンの内のあるもの(63a)は前記孔(13a)の切り欠き部(130a)内に位置する突起部(630a)を備え、別のあるもの(6,6b)はこうした突起部を持たないこととを特徴とする請求項1に記載のキット。
【請求項3】 前記半月板部分(3,3a)は長尺状の孔(30,30a)を有し、プロテーゼの組み立て時には該長尺孔(30,30a)に前記案内部分(60,60a,60b)が受容されることを特徴とする請求項2に記載のキット。
【請求項4】 長さの異なる案内部分(60,60a,60b)を有する案内要素(6,6a,6b)が与えられることにより、プロテーゼの組み立て時において、該案内部分(60,60a,60b)の長さに応じて、同一の半月板部分(3,3a)が並進運動を行うことが可能もしくは不可能であることを特徴とする請求項2または3に記載のキット。
【請求項5】 前記案内要素(6,6a,6b)のピン(63,63a,63b)は、プロテーゼの組み立て時において大腿骨部分(4)の顆(41)の間に突出する安定化要素(7)であって、内反−外反関係に基づいた安定化を与えるための手段(70)を有する安定化要素(7)のピン(71)を受容するための中空のピンとして構成されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のキット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は膝関節プロテーゼのためのキットに関し、より詳細には、脛骨部分、大腿骨部分、及び、該大腿骨部分と該脛骨部分との間に配される半月板部分を備えた膝関節プロテーゼのためのキットに関する。
【0002】
【従来の技術】膝関節プロテーゼとしては多岐にわたるものが今日市販されている。最近の傾向としては、必要な場合には手術中においても適当なプロテーゼの種類を選択するうえで外科医が患者の実際の解剖学的状態(例 骨の質、靭帯の質)を考慮することを可能とするため、プロテーゼはモジュールとして設計される方向にある。
【0003】大腿骨に対向した面に半月板部分が設けられた脛骨部分を有する膝関節プロテーゼにおいては、次の4種類のプロテーゼは、大腿骨に対向した脛骨部分の面に対する半月板の可動性の種類に基づいて原理的な区別される。すなわち、脛骨のこの面に対して動かないように設けられた半月板部分を有するプロテーゼ、脛骨のこの面に対して回転運動のみが可能である半月板部分を有するプロテーゼ、脛骨のこの面に対して並進運動のみが可能である半月板部分を有するプロテーゼ、及び、脛骨のこの面に対して、回転運動と並進運動の両方を行うことが可能な半月板部分を有するプロテーゼである。
【0004】こうした膝関節プロテーゼの個々のタイプはそれ自体では既に知られているものであるが、大腿骨に対向した脛骨部分の面に対して動かないように設けられた半月板部分は、一般に脛骨部分に対して堅固かつ解放不能に連結されるか、もしくは、例として欧州特許公開公報EP−A−0,923,916号に示されるようなスナップ連結を利用するなどして、非常な困難を伴って解放可能に連結される。半月板が、大腿骨に対向した脛骨部分の面に対して並進運動を行うことのみが可能であるようなプロテーゼは、例として欧州特許公開公報EP−A−0,913,132号に開示されている。半月板が、大腿骨に対向した脛骨部分の面に対して回転運動及び並進運動の両方を行うことが可能であるようなプロテーゼは、例として欧州特許公開公報EP−A−0,519,873号に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、半月板部分がスナップ連結などによって脛骨部分に堅固に連結(固定)されるプロテーゼと、半月板部分が脛骨部分に対して、いかなる形態にしろ運動することが可能であるプロテーゼとでは異なる脛骨部分を要するという難点がある。固定された半月板部分に対して用いられる脛骨部分では、半月板部分を固定するための更なる手段(例 半月板部分の対応する突起部とともにスナップ連結部に嵌まり込む突起部)を有するため、脛骨部分及び半月板部分の製造が煩雑となるばかりでなくコストが嵩み、更には、半月板部分が置かれる脛骨部分の脛骨板が薄くなることがしばしばである。更に、半月板部分はその外縁、すなわち、脛骨部分の突起部上に置かれる部分においてより小さな厚みを有するように形成されるが(スナップ連結部を構成するため)、これは技術的に複雑かつコスト高となるばかりでなく、半月板部分のこうした領域において部分的に大きな応力が作用することになる。
【0006】したがって本発明の目的は、上記の難点の解消が図られていると同時に、手術を行う外科医が、術中において、移植する膝関節プロテーゼの種類を柔軟に使用することを可能とする膝関節プロテーゼのためのキットを提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記に挙げられた目的は、独立請求項の特徴部分の記載によって特徴付けられるような膝関節プロテーゼのためのキットによって達成される。本発明に基づくキットの特に有利な実施形態は従属請求項に記載の特徴によって与えられる。
【0008】本発明に基づいたキットは、プロテーゼの組み立て時に、脛骨部分ならびに半月板部分と係合して脛骨部分に対する半月板部分の可動性を規定するようにそれぞれが形成された複数の案内要素を含む。したがって、与えられた半月板部分に対して対応する案内要素を選択することによって、プロテーゼの組み立て時に半月板部分が脛骨部分に対して不動に固定されるか、あるいは半月板部分が脛骨部分に対して可動に設けられ、したがって脛骨板上で動くこととが可能であるか(可動性)を決めることが可能である。この場合、脛骨板上での可動性とは、半月板部分が、回転運動のみを行うことが可能であるか、並進運動のみを行うことが可能であるか、あるいは、回転運動及び並進運動の両方を行うことが可能であるか、ということを意味するものである。
【0009】更に、可動性が案内要素によって決定されることにより、異なる種類の膝関節プロテーゼに対して1種類の脛骨部分(サイズの異なるものであっても、異なる種類のものは必要としない)を必要とするのみである。これにより、異なる種類の脛骨部分を製造する必要がなくなるために製造にかかるコスト及び製造の煩雑さは大幅に低減される。更にスナップ連結によって半月板部分を固定するための突起物などを形成するうえで必要とされる技術的な製造コスト及び煩雑さもなくなる。半月板部分についても同様のことが云える。すなわち、半月板部分が脛骨部分に対して固定されている膝関節プロテーゼ用に特別に半月板部分を製造する必要がない。目下のところ問題となっている残りの問題点(脛骨板の厚さが小さくなること、及び/または半月板部分の外周領域に部分的に大きな応力が作用すること)も解消される。
【0010】同時に、手術中に手術を行う外科医が移植される膝関節プロテーゼの種類を柔軟に使用することが可能であるという柔軟性も完全に保たれている。すなわち外科医が実際の解剖学的所見に基づき、術中に、必要に応じて、術前に予定されていたものとは異なる種類の、その患者にとって理想的な膝関節プロテーゼを使用することが可能であり、その際、キットに含まれていない更なるプロテーゼ部品を必要としない。
【0011】本発明に基づいたキットの有利な一例示的実施形態においては、脛骨部分は大腿骨部分に対向する面において孔を有し、この孔には切り欠き部が設けられる。個々の案内要素は、プロテーゼの組み立て時にこの脛骨部分の孔の内部に突出するピンを有する。案内要素は、プロテーゼの組み立て時に対応する案内面と係合する案内部分を更に有する。これらのピンの内のあるものは孔の切り欠き部内に位置することになる突起部を有し、別のあるものはこうした突起部を有さない。
【0012】突起部を有するピンを備えたこれらの案内要素は、ピンが脛骨部分の孔内に導入されることにより回転不能に孔内に配置されることになる。このことは各案内要素の案内部分及び案内部分と係合する半月板部分についても同様である。これに対し、こうした突起部を有さない案内要素は回転可能に孔内に受容されるが、これはその案内部分及び案内部分と係合する半月板部分についても同様である。半月板部分の案内部分に沿った並進運動の可能性について下記に述べる。
【0013】更なる別の有利な一例示的実施形態においては、半月板は長尺状の孔を有し、プロテーゼの組み立て時にはこの長尺孔内に案内部分が受容される。この例示的実施形態は、術中に極めて容易に組み立てることが可能であるという利点を有する。通常、まず脛骨部分が脛骨に、大腿骨部分が大腿骨にそれぞれ固定され、次いでプロテーゼの種類に応じて脛骨部分の孔内に対応する案内要素が挿入される。これが完了した時点で、半月板部分を案内要素の案内部分の上方から押し込んで最後に膝関節を再位置決めする。
【0014】案内部分の長さが異なる案内要素がキットに含まれていることにより、案内部分の長さによって、同一の半月板部分において、プロテーゼの組み立て時における半月板部分の並進運動が可能または不可能となる。このことは、与えられた1個の半月板部分(所定の長さの長尺孔を有する)に対し、案内要素のみを選択することによって案内部分に沿った半月板部分の並進運動が可能であるか否かを決定することが可能であることを意味する。この決定は靭帯部分の状態に基づいてしばしば行われる。こうした並進運動を可能とする場合には、案内部分の長さとして長尺孔の長さよりも小さい長さが選択される。これとは逆に、案内部分に沿った半月板部分の並進運動を不可能とする場合には、案内部分の長さとして長尺孔の長さと同じ長さが選択される。
【0015】本発明に基づいた更なる有利な一例示的実施形態においては、案内要素のピンは安定化要素のピンを受容するために中空のピンとして形成される。この安定化要素はプロテーゼの組み立て時には大腿骨部分の顆の間に突出し、内反−外反関係に基づいた安定化を与える。こうした内反−外反関係に基づいた安定化のための手段とは、例えば、対応する反作用面と協働する安定化面である。また、中空ピンを有する案内要素を単独で使用することも可能である。このように形成された案内要素により必要に応じてこの種の安定化要素を受容することが可能となり、必要でない場合には中実のピンとして形成されたピンを有する案内要素とまったく同様に機能する。
【0016】本発明に基づいたキットの更なる有利な実施形態を以下に図面を参照しながら詳細に説明する。図は部分的に簡略化され、断面図にて示されている。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に基づいたキットによって組み立てることが可能な膝関節プロテーゼの特定の一実施形態を展開図にて示したものである。脛骨部分1の作用部10には、特に再手術などの、脛骨の状態によって必要とされる場合に、固定シャフト2を設けることが可能である。脛骨部分1の下側面には、例として2個の固定ピン11が設けられる。図1ではこのうちの一方のみが見える。これらの固定ピン11は、脛骨に形成された対応する孔内に案内され、脛骨部分1が脛骨に対して回転することを防止する。作図上の都合により後十字靭帯の切り欠き部は脛骨部分1の図では省略されているが、こうした切り欠き部は靭帯の状態とは独立した脛骨部分1の普遍的な使用を可能とするため、脛骨部分1に標準的に設けられる(図2参照)。
【0018】更に図1に示されるように、大腿骨部分4には、特に再手術などの、大腿骨の状態に応じて必要とされる場合に、固定シャフト5を設けることが可能である。例示的な本実施形態においては、大腿骨部分4は、2個の顆41の間に配された安定化ボックス40を有する。更に、大腿骨部分4の接合移植において大腿骨に大腿骨部分4を固定するための骨セメントが置かれるセメントポケット42が示されている。
【0019】更に、図1には、大腿骨部分4と脛骨部分1との間に配された半月板部分3が示されている。半月板部分3は長尺の孔30及び図1では一方のみが示されている2個のベアリング殻31を有する。大腿骨部分4の顆41は、プロテーゼの組み立て時には半月板部分3のベアリング殻31に収容される。大腿骨部分4に対向する脛骨部分1の面12は、摺動半月板の摺動面としばしば呼ばれ、平面状に形成されるとともに通常は研磨されている。半月板部分3の下側面32は平滑であり、半月板部分3が脛骨部分1に対して並進運動及び回転運動を行うことが原理的に可能となっている。脛骨部分1の大腿骨部分4に対向した面12には孔13が更に設けられている。
【0020】更に図1には、プロテーゼの組み立て時には脛骨部分1の孔13内に突出するピン63を有する案内要素6が示されている。更に案内要素6はプロテーゼの組み立て時に半月板部分3の長尺の孔30に受容される案内部分60を有する。案内要素のピン63を中空のピンとして形成することも可能である。その場合、ピン63は、本実施形態においてはプロテーゼの組み立て時に安定化要素7のピン71が受容される孔61を有する。
【0021】例示的な本実施形態においては、プロテーゼの組み立て時に大腿骨部分4の顆41の間から安定化ボックス40内に安定化要素7が突出する。安定化要素7は、安定化ボックス40内において安定化ボックス40の内側壁と協働して内反−外反関係に基づいた安定化を与える2つの安定化面70を有する。
【0022】図2は、後十字靭帯用の切り欠き部14aが標準的に設けられる脛骨部分1aの一実施形態を示したものである。脛骨部分1aもやはり同様に、必要に応じて固定シャフト(図2には示されていない)を受容する作用部10aを有する。更に、大腿骨部分(図に示されていない)に対向する脛骨部分1aの面12a上に配された半月板部分3aが示されている。
【0023】更に、図2では、脛骨部分1aの孔13a内に突出するピン63aを有する案内要素6aが示されている。案内要素6aのピン63aはここでは中空のピンとして形成されている。ピン63aは例として安定化要素(図1参照)を受容することが可能な孔61aを有する。しかし、安定化要素を実際に受容することは必ずしも必要ではなく、この種の安定化部材を用いることなく案内要素6aをプロテーゼの他の部材に対して同様に用いることが可能である。
【0024】案内要素6aの案内部分60aは半月板部分3aの長尺状の孔30aに受容され、案内部分が半月板部分の少なくとも1つの案内面と係合する(長尺状の孔の側壁において)。例示的な本実施形態においては、長尺状の孔30aには、案内要素6aが長尺孔30aを通じて上方に脱出することはできないが、半月板部分3aを案内部分60aの上方より被せることが可能であるように段差が設けられている。
【0025】図2に示されるように、案内部分60aの長さL(図3を参照)は長尺孔30aの長さに(少なくとも案内部分が配される長尺孔の部分において)等しい。このため半月板部分3aを案内部分60aに沿って変位させることはできない。したがって、脛骨部分1a上において半月板部分3aが案内部分60aに沿って並進運動することはない。
【0026】ピン63aは、脛骨部分1aにおいて孔13aの切り欠き部130a内に位置する突起部630aを更に有する。この突起部の幅b(図3)は切り欠き部130aの幅に適合されている。ピン63aの挿入時には、ピン63aは、突起部630aが孔13aの切り欠き部130a内に収容されるように脛骨部分1aの孔13aに挿入される。したがってピン63aは脛骨部分1aに対して回転不能に配置される。
【0027】長尺孔30aを有する半月板部分3aを、案内要素6aの案内部分60aの上方から押し込むと、案内要素6aの幅B(図3を参照)が長尺孔30aの幅に適合させられているために半月板3aも脛骨部分1aに対して回転することはなくなる。案内部分60aの長さLが長尺孔30aの長さに適合させられているため、案内要素60aに沿った並進運動も同様に防止される。
【0028】図2に示された例示的実施形態では、半月板部分3aは脛骨部分1aに対して並進運動及び回転運動のいずれも行うことができない。半月板部分3aは脛骨部分1aに対して動くことがないように設けられる。
【0029】同じ脛骨部分1aを使用して、半月板部分3aが脛骨部分1aに対して異なる動き方にて動くことが可能な、異なる構成のプロテーゼを組み立てることが可能である。この目的のため、図3に示される案内要素6a及び図4に示される別の案内要素6bをそれぞれ考察する。案内要素6a及び6bはいずれも底面図にて示されている。ただし半月板部分全体の寸法はともかく、少なくとも半月板部分の長尺孔の寸法は変わっていないものとする。
【0030】まず図3の案内要素6aを参照する。案内要素6aは上記に述べたようにピン63a上の突起部630aによって脛骨部分1aに対して回転不能に配設される。図3に破線にて示される上記の構成と比較して小さな長さLと同じ幅Bを有する連結ロッドを選択することにより、半月板部分は案内部分に沿って(図2における前方/後方に)並進運動することが可能となるが、回転運動を行うことは依然不可能である。
【0031】脛骨部分上において半月板部分が並進運動は不可能であるが回転運動は行えることが望ましい場合、図4に示されるような案内要素6bを選択すればよい。この案内要素4bの長さL及び幅Bも長尺孔の長さ及び幅に適合されているため、半月板部分は脛骨部分に対して回転運動を行うことは可能であるが、並進運動を行うことはできない。ピン63bは突起部を有さず、脛骨部分の孔内に回転可能に受容される。このように脛骨部分の孔内においてピン63bが回転可能であることにより、案内要素6bひいては半月板部分が脛骨部分に対して回転運動を行うことが可能である。
【0032】最後の場合として、脛骨部分に対して半月板部分が回転運動及び並進運動のいずれをも行えることが望ましい場合を考える。これは特に靭帯部分が完全である場合に考慮の対象となる。この目的では、図4に破線にて示される、より小さい長さを有する図4の案内要素6bを選択する。この案内要素6bは脛骨部分に対して回転運動を行うことが可能であり、したがって半月板部分も脛骨部分に対して回転運動を行うことが可能である。案内部分60bは半月板部分の長尺孔と比較して小さな長さを有するため、半月板部分は案内部分60bに沿って並進運動を行うことも可能である。
【0033】並進運動に関しては、案内要素の代わりに半月板部分を置き換えることも可能である点は明らかである。その場合、半月板部分の長尺孔は、その寸法が案内部分の長さに適合されているか(並進運動は行えない)、あるいは案内部分よりも大きな長さを有する(並進運動を行うことが可能)ようなものが選択される。
【0034】回転運動に関しては、必要に応じて、孔13aの切り欠き部130aの幅に対するピン63aの突起部630a(図3)の幅を変化させることによって制限された回転運動を可能とすることが可能である。
【0035】以上まとめると、脛骨部分に対する半月板部分の可動性の範囲について、すべての可能性を同一の脛骨部分によって賄うことが可能である。この可動性の範囲とは、脛骨部分に対して固定される半月板部分から脛骨部分に対して回転運動及び並進運動のいずれをも行うことが可能な半月板部分までを含むものである。これは、プロテーゼの組み立て時に脛骨部分及び半月板部分の両者と協働する案内要素として上記のように異なる案内要素を使用することによって容易に実現することが可能である。また、並進運動性に関しては、異なる長さを有する長尺孔が設けられた異なる半月板部分を提供することも可能である。
【0036】個々の部品の材料についてはそれ自体公知の材料であっても考慮を要する。脛骨部分に関しては、基本的にはコバルト−クロム合金にて形成することが可能である。無セメント移植を行う場合、骨と接触する部分、特に、脛骨部分の下側面、作用部、固定ピンなどの部分を、骨成長に特に適当な多孔性のチタン層にてコーティングすることが可能である。半月板部分は、例としてポリエチレン、特に、優れた劣化特性(実用上劣化しない)を有する超高分子量ポリエチレンにて形成することが可能である。案内要素もコバルト−クロム合金にて形成することが可能である。これは安定化要素及び大腿骨部分についても同様である。無セメント移植においては、大腿骨部分の骨と接触する部分をやはり多孔性のチタン層にてコーティングすることが可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明に基づくキットによれば、異なる種類の膝関節プロテーゼに対して1種類の脛骨部分を使用することが可能であるので製造コストの低減及び製造プロセスの簡素化が実現されるばかりでなく、外科医が実際の解剖学的所見に基づき、術中に必要に応じてその患者にとって理想的な膝関節プロテーゼを使用することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】596152822
【氏名又は名称】ズルツァー オーソピーディクス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SULZER ORTHOPAEDIE AG
【出願日】 平成12年12月13日(2000.12.13)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
【公開番号】 特開2001−190578(P2001−190578A)
【公開日】 平成13年7月17日(2001.7.17)
【出願番号】 特願2000−379052(P2000−379052)