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【発明の名称】 吸収性物品
【発明者】 【氏名】長原 進介

【氏名】古田 一光

【氏名】手塚 晴美

【氏名】黒田 睦

【氏名】中西 稔

【要約】 【課題】柔軟性及び剛性が必要な部位に十分に付与されており、フィット性が良好で、液の滲み性を十分に制御可能な吸収性物品を提供すること。

【解決手段】液保持性の吸収層2及び液不透過性の防漏層3を有し、実質的に縦長であり、生理用ナプキン1の長手方向に沿って多数の凹部62を断続的に線状に配して形成された防漏溝61が設けられており、凹部62の線状方向の長さL1は、凹部62間の間隔T1に比べて長く形成されている、吸収性物品1。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液保持性の吸収層及び液不透過性の防漏層を有し、実質的に縦長の吸収性物品において、前記吸収性物品の長手方向に沿って多数の凹部を断続的に線状に配して形成された防漏溝が設けられており、前記凹部の線状方向の長さは、凹部間の間隔に比べて長く形成されている吸収性物品。
【請求項2】 前記凹部間の間隔と各凹部の線状方向の長さの比(間隔/長さ)が0.1〜0.9である請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】 前記吸収性物品は、更に該吸収性物品の幅方向に多数の凹部を断続的に線状に配して形成された幅方向防漏溝が設けられている請求項1記載の吸収性物品。
【請求項4】 前記防漏溝の各凹部の線状方向の長さは、前記幅方向防漏溝の各凹部の線状方向の長さよりも大きい請求項3記載の吸収性物品。
【請求項5】 前記幅方向防漏溝は、前記防漏溝と連結されている請求項3又は4記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漏れ防止性に優れ、しかも装着感にも優れた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来より、漏れ防止性を向上させるために、液保持性の吸収層に防漏溝が形成された吸収性物品は、種々提案されている。例えば、特開平9−108262号公報においては、低圧搾部と高圧搾部とを交互に並列して配設することにより、防漏溝を形成してなる吸収性物品が提案されている。しかし、このような従来提案されている防漏溝を有する吸収性物品では、しなやかであるべき部位が柔軟でなかったり、剛性を必要とする部位が十分な剛性を有していなかったりするため、フィット性が十分でなく、液の滲み性を十分に制御できないという問題がある。
【0003】従って、本発明の目的は、柔軟性及び剛性が必要な部位に十分に付与されており、フィット性が良好で、液の滲み性を十分に制御可能な吸収性物品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、液保持性の吸収層及び液不透過性の防漏層を有し、実質的に縦長の吸収性物品において、前記吸収性物品の長手方向に沿って多数の凹部を断続的に線状に配して形成された防漏溝が設けられており、前記凹部の線状方向の長さは、凹部間の間隔に比べて長く形成されている吸収性物品を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい一実施形態について説明する。第1の実施形態の吸収性物品としての生理用ナプキン1は、図1に示すように、液保持性の吸収層2及び液不透過性の防漏層3を有し、実質的に縦長である。
【0006】本実施形態の生理用ナプキン1は、吸収層2が液透過性の表面シート21と液保持性の吸収体22とからなる。また、表面シート21は、その左右両側が、第1吸収体23の裏面側に巻き込まれている。また、防漏層3は、液不透過性の防漏シート31からなる。吸収層2と防漏層3とは、接着剤を介して接着されている。
【0007】また、本実施形態の生理用ナプキン1は、防漏層3を幅方向外方に延出させて形成された左右一対のフラップ8が前方部側に偏寄されている。また、図示しないが、フラップ8の裏面側及び吸収層2が接着された防漏層3の裏面側には、粘着剤が塗布されて、物品固定部が形成されている。
【0008】而して、本実施形態の生理用ナプキン1は、図1及び2に示すように、生理用ナプキン1の長手方向両側部に沿って多数の凹部62(図示する都合上、図1では特に示さずに、図2の拡大図において示す)を断続的に線状に配して形成された防漏溝61が設けられており、凹部62の線状方向の長さL1は、凹部62間の間隔T1に比べて長く形成されている。これにより、防漏効果や、長手方向へ曲がりやすい構造及び幅方向への可撓軸の形成によるフィット性の向上効果が、互いにバランス良く得られる。
【0009】更に詳述すると、凹部62間の間隔T1及び凹部62の線状方向の長さL1の比(間隔/長さ)は、防漏効果及びフィット性の観点から、0.1〜0.9であることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.7である。
【0010】また、更に生理用ナプキン1の幅方向に多数の凹部を断続的に線状に配して幅方向防漏溝64、64’が形成されている。図3に幅方向防漏溝64の拡大図を示したように、幅方向防漏溝64においても防漏溝61と同様に凹部の長さL2は間隔T2より長く形成されていることが、防漏性、フィット性の点から好ましい。本実施形態においては、2本の防漏溝61は、長手方向両側部に沿って、長手方向両側にそれぞれ、フラップ8が位置する部位において生理用ナプキンの内方側にくの字状に湾曲されて、形成されている。また、前方部側の幅方向防漏溝64’は、防漏溝61の湾曲された折曲点の近傍に端部が位置し、連結しないように湾曲形成されており、後方部側の幅方向防漏溝64は、防漏溝61の後方部側の端部61a,61aを連結するように、湾曲形成されている。このように、幅方向防漏溝64、64’を設けることにより、幅方向の剛性を上げてヨレを防ぐことができる。また、防漏溝61と幅方向防漏溝64とを連結することは、防漏性の観点で好ましい。ここで、防漏溝61は、吸収性物品の長手方向に沿って形成された溝の部分を意味し、具体的には、長手方向中心線と溝の接線とのなす角度が45°未満である溝を意味し、幅方向防漏溝64は、長手方向中心線と溝の接線とのなす角度が45°以上となる溝を意味する。
【0011】防漏溝61の各凹部62の線状方向の長さL1は、幅方向防漏溝64の各凹部65の線状方向の長さL2よりも大きいのが好ましい。L1をL2よりも大きくすることにより、生理用ナプキン全体の剛性のバランスが良く、フィット性、装着感が良好になる。また、長さL1は、0.5〜6mmとするのが、防漏性及び適度な折り曲げ性によるフィット性向上の観点から好ましい。長さL2は、0.2〜4mmとするのが、防漏性、幅方向における剛性によるヨレ防止、及び使用者の肌への感触の点から好ましい。
【0012】また、防漏性と適度な可撓性との観点から、防漏溝61における各凹部62間の間隔T1は、0.5〜6mmであるのが好ましく、より好ましくは1〜4mmであり、幅方向防漏溝64における各凹部65間の間隔T2は、0.2〜4mmであるのが好ましく、より好ましくは0.5〜3mmである。防漏溝61における各凹部62間の間隔T1と幅方向防漏溝64における各凹部65間の間隔T2との差は、0.3〜3mmであるのが好ましい。
【0013】各凹部62,65は、図2及び3に示すように、それぞれ、防漏溝61及び幅方向防漏溝64の長さ方向に対して並列に形成されている。各凹部62,65は、防漏溝61及び幅方向防漏溝64の長さ方向に対して平行方向に向けて形成されている。即ち、各凹部62,65は、それぞれ、矩形形状となされている。また、各凹部62,65間に位置する間隙部63,66は、それぞれ、凹部62,65と同様に矩形形状である。また、凹部62及び凹部65の深さは、1〜10mmであるのが好ましい。更に間隙部63,66も、防漏溝及び幅方向防漏溝以外の部位に比して窪んでいるのが好ましい。なお、各凹部の長さ及び幅、並びに凹部の間隔は、肉眼で定規等を使って計測してもよいが、好ましくは、光学顕微鏡を用いて計測する。本実施形態においては、OLYMPUS社製光学顕微鏡(商品名「SZH10」)にSONY製CCDカメラ(商品名「CCD−IRIS」)を接続して10〜20倍程度に拡大撮影し、更にSONY製カラービデオプリンター(商品名「UP−5100A」)を接続して印刷した写真から計測した。ここで、凹部の長さ及び幅は、防漏溝の凹部底面で計測したものである。凹部の間隔は、防漏溝の線状方向に沿って、凹部の底面の端部から隣接する凹部の底面の端部までの長さを計測したものである。また、防漏溝の深さは、防漏溝の断面を前述の装置により計測したものである。
【0014】また、本実施形態において、防漏溝61の幅は、幅方向防漏溝64の幅より広い。具体的には、吸収性物品における使用時の排泄点を中心として長手方向に好ましくは3〜15cm、より好ましくは3〜10cm、さらに好ましくは5〜8cmの領域の部分に位置する防漏溝61の幅を、幅方向防漏溝64の端部の幅よりも広くすることが好ましい。また、防漏溝61の幅は、広い部分から狭い部分へ徐々に変化するか、狭い部分は、一定の幅であることが好ましい。そして本実施形態においては、これ以外の部位においては、幅の大小は制限されない。このように、防漏溝61は、その全部の幅が幅方向防漏溝64の端部幅より広い必要はなく、その一部が幅広であれば良い。防漏溝61の幅を幅方向防漏溝64の幅よりも広くすることにより、使用時の溝の上部位置あるいは中央位置において、溝の両サイド部が接触または接近して、排泄された液が移動しやすくなることがなく、溝の液止め効果が十分に発揮される。また、幅方向防漏溝64に比べ防漏溝61の防漏効果に対する印象が弱まることがなくなる。このような効果は、パルプやレーヨン等の親水性繊維、吸収性ポリマー、親水処理された合成繊維、発泡体/集合体等から構成された吸収構造体の厚さが厚いもしくは坪量が高い場合に、より顕著なものとなる。
【0015】防漏溝61、幅方向防漏溝64の幅は、溝の底面における幅を意味し、具体的には、防漏溝61の最大幅を2〜12mmとすることが好ましく、より好ましくは、4〜8mmであり、幅方向防漏溝64は、1〜8mmが好ましく、より好ましくは、2〜4mmである。また、防漏溝61の幅と幅方向防漏溝64の幅との差は、1〜6mmとすることが好ましい。液止め効果と装着感及びこれらの効果の使用者への見た目の印象の観点から、上記範囲内とするのが好ましい。また、排泄点とは、吸収性物品の大きさ用途によって異なるが、当業者にとって一般的である防漏溝の前後の中心位置、ウイングや吸収体の括れの形成中心位置等で、排泄位置にあわせるよう形成されていることが多い。
【0016】本実施形態の生理用ナプキンの各構成部材は、通常の生理用ナプキンと同様の形成材料を用いて、形成することができる。
【0017】本実施形態の生理用ナプキンは、通常の生理用ナプキンと同様にして使用することができる。そして、本実施形態の生理用ナプキンは、上述の如く構成されているので、しなやかであるべき部位を柔軟とし、剛性を必要とする部位に十分な剛性を付与することができる。このため、本実施形態の生理用ナプキンは、柔軟性及び剛性が必要な部位に十分に付与されており、フィット性が良好で、液の滲み性を十分に制御可能なものである。
【0018】本実施形態の生理用ナプキンは、常法に従って、吸収層2と防漏層3とを形成した後、両者を貼り合わせ、次いで、吸収層2の表面側からエンボス処理を施す等して、防漏溝61及び幅方向防漏溝64を形成する等して製造することができる。
【0019】なお、本発明の吸収性物品は、上述の実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、生理用ナプキンの他、使い捨ておむつや失禁パッド等に適用可能である。また、上述の実施形態においては、防漏溝61及び幅方向防漏溝64の全体が前述の比をもって形成されている例を例示して説明したが、これに制限されず、防漏溝61及び幅方向防漏溝64の少なくとも一部において該比を満足すればよい。また、幅方向防漏溝64は、防漏溝61と連結されている必要はなく、両者の端部が近傍する位置に位置づけられるように設けてもよい。
【0020】また、図4に示すように、溝を、防漏溝61の1本とすることもできる。この場合には、図4に示すように、溝の幅を2〜15mmの範囲内とするのが好ましい。また、防漏溝61の端部61aよりも中央部61b(最大幅となる部分)の方を幅太とするのが好ましい。即ち、端部61aから中央部61bに向かうに従って、防漏溝の幅が太くなるようにするのが好ましい。この際、最も幅の太い位置は、吸収性物品の前方部側の端縁から、8〜15cmの長さの部位に位置するようにするのが好ましく、最も幅の太い位置の幅は、端部61aの幅よりも2〜6mm太くするのが好ましい。前方部側の端部61aは、吸収性物品の前端から3〜10cmの部位に位置するようにするのが好ましい。
【0021】
【発明の効果】本発明の生理用ナプキンは、柔軟性及び/又は剛性が必要な部位に十分に付与されており、フィット性が良好で、液の滲み性を十分に制御可能なものである。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成11年12月27日(1999.12.27)
【代理人】 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修 (外1名)
【公開番号】 特開2001−178768(P2001−178768A)
【公開日】 平成13年7月3日(2001.7.3)
【出願番号】 特願平11−369243