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【発明の名称】 視覚障害者用方位指示装置
【発明者】 【氏名】澤田 哲則

【氏名】青木 光子

【氏名】阿部 龍雄

【氏名】入谷 幸司

【要約】 【課題】視覚障害者に対して簡便に方位を報知することができる視覚障害者用方位指示装置を提供する。

【解決手段】大気よりも透磁率が高い材料で形成され、第1の端部10から第2の端部11に向かって断面積が次第に減少するホーン6の該第2の端部11を、磁気センサ1の磁気入力部5に密着して設ける。磁気センサ1の検出電圧から認識される方位が真北であるときにブザーの出力音を最も高くし、磁気センサ1の検出電圧から認識される方位が真北からずれるに従ってブザーの出力音を低くして報知する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】方位に応じて変化する地磁気の磁束密度を検出する磁気検出手段と、該磁気検出手段の検出結果から認識される方位を報知する報知手段とを有して、視覚障害者に備えられる視覚障害者用方位指示装置において、前記磁気検出手段の検出結果から認識される方位と所定の基準方位との差に応じて、前記報知手段による報知内容を変えることを特徴とする視覚障害者用方位指示装置。
【請求項2】前記報知手段としてブザーを用い、前記磁気検出手段の検出結果から認識される方位と所定の基準方位との差に応じて該ブザーの音を変えることを特徴とする請求項1記載の視覚障害者用方位指示装置。
【請求項3】大気よりも透磁率が高い材料で形成され、第1の端部から第2の端部に向かって断面積が次第に減少するホーンの該第2の端部を、前記磁気検出手段の磁気入力部に接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の視覚障害者用方位指示装置。
【請求項4】前記第1の端部を長方形とし、該第1の端部の短辺が地表と平行な状態で、前記磁気検出手段により地磁気の磁束密度を検出するようにしたことを特徴とする請求項3記載の視覚障害者用方位指示装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、視覚障害者に携帯され、方位を検出して歩行者に報知する視覚障害者用方位指示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】視覚障害者に方位を報知する方位指示装置として、例えば視覚障害者が自身が現在向いている方向を知るために携帯する蓋付きのケースに入った方位磁石が知られている。かかる方位磁石は、蓋が閉じられているときは磁針が回動自在であり、蓋を開けると該磁針はケースに固定される構造となっている。そして、視覚障害者は、方位を知りたいときには、磁針が水平となるように数秒間ケースを保持した後に静かに蓋を開ける。このとき、磁針は北を指したまま固定されるので、視覚障害者は、この磁針を触手することにより北方位を把握することができる。
【0003】しかし、上記方位磁石を使用した場合、磁針を水平としてから磁針が安定するまでにはある程度時間を要し、また、磁針が動かないように慎重に蓋を開けなければならないという扱い難さがあり、さらに、磁針を触手したときに誤って磁針を動かしてしまうおそれがあった。
【0004】そこで、磁石ではなく、ホール素子等の磁気センサを用いて方位を検出し、検出した方位を音声で報知するようにした視覚障害者用方位指示装置が提案されている。しかしこの方位指示装置を用いた場合には、視覚障害者は、音声の出力を待って方位を認識し、認識した方位に応じて自身が向いた方位を修正し、再び音声の出力を待って方位を確認するという一連の処理を行なわなければならないという不便さがあった。
【0005】また、報知手段としてバイブレータを用い、磁気センサにより検出した方位に応じた振動数で該バイブレータを振動させるようにした視覚障害者用方位指示装置も提案されている。しかし、この方位指示装置を使用するには、視覚障害者は予め方位と振動数との関係を学習しておかなければならないという煩わしさがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記背景を鑑みてなされたものであり、視覚障害者に対して簡便に基準方位を報知することができる視覚障害者用方位指示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、方位に応じて変化する地磁気の磁束密度を検出する磁気検出手段と、該磁気検出手段の検出結果から認識される方位を報知する報知手段とを有して、視覚障害者に備えられる視覚障害者用方位指示装置において、前記磁気検出手段の検出結果から認識される方位と所定の基準方位との差に応じて、前記報知手段による報知内容を変えることを特徴とする。
【0008】かかる本発明によれば、前記視覚障害者は、前記報知手段からの報知内容の変化を確認しながら、自身が向いている方位と前記基準方位とのずれを修正することによって、前記基準方位を簡易且つ確実に向くことができる。そのため、前記視覚障害者は、自身が向かっている方位がわからなくなったときに、自身の向かう方向の確認と修正を容易に行なうことができる。
【0009】また、前記報知手段としてブザーを用い、前記磁気検出手段の検出結果から認識される方位と所定の基準方位との差に応じて該ブザーの音を変えることを特徴とする。
【0010】かかる本発明によれば、例えば前記磁気検出手段の検出結果から認識される方位と前記基準方位との差が小さいほど前記ブザーの音が高くなるようにした場合は、使用者は前記ブザーの音が最も高くなるように自身の向きを変えることで、前記基準方位を向くことができる。
【0011】また、大気よりも透磁率が高い材料で形成され、第1の端部から第2の端部に向かって断面積が次第に減少するホーンの該第2の端部を、前記磁気検出手段の磁気入力部に接続したことを特徴とする。
【0012】かかる本発明によれば、前記第1の端部に到達した地磁気の磁力線は大気よりも透磁率が大きい前記ホーンにより大気から遮蔽され、前記第2の端部を介して前記地磁気検出手段の磁気入力部へと収束される。そのため、使用者の手振れ等により前記磁気検出手段が地表面に対して傾いた状態となったときに、前記磁気検出手段の磁気入力部に導かれる磁力線の本数が減少することが抑制される。これにより、前記磁気検出手段の感度低下を防ぎ、精度良く地磁気の磁束密度を検出して方位を報知することができる。
【0013】また、前記第1の端部を長方形とし、該第1の端部の短辺が地表と平行な状態で、前記磁気検出手段により地磁気の磁束密度を検出するようにしたことを特徴とする。
【0014】かかる本発明によれば、検出しようとする方位方向の地磁気の磁力線のみを前記第1の端部内に収束させることができる。そのため、前記磁気検出手段による方位の検出精度を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例について、図1〜図4を参照して説明する。図1は本実施の形態における視覚障害者用方位指示装置(以下、方位指示装置という)のブロック構成図、図2は磁気センサに取付けられたホーンの作用の説明図、図3は図1に示した方位指示装置に備えられた磁気センサの作動説明図、図4は磁気センサの入出力特性図及びブザーの鳴動周波数の対応図である。
【0016】図1を参照して、本実施の形態の方位指示装置は視覚障害者に携帯されるものであり、方位に応じて変化する地磁気の磁束密度を検出する磁気センサ1と、磁気センサ1から出力される磁束密度の検出信号を増幅等する信号処理回路2と、信号処理回路2からの出力により鳴動するブザー3とからなる。
【0017】磁気センサ1は、ホール素子4を用いて構成され、地磁気の磁束密度を検出して磁束密度の大きさに応じた電圧VSを磁束密度検出信号として信号処理回路2に出力する。そして、磁気センサ1の磁気入力部5には、ホーン6が密着して接続されている。
【0018】図2(a)を参照して、ホーン6は大気よりも透磁率が高く残留磁気が少ない無垢の鋼鈑(例えばパーマロイや珪素鋼鈑等)を材料とし、第1の端部10から第2の端部11に向かって断面積が次第に減少するように形成されている。そして、このように形成されたホーン6を磁気センサ1の磁気入力部5に密着して接続することで、図2(b)に示したように、ホーン6の第1の端部10内に入った磁力線を大気よりも透磁率が高いホーン6の側面によって大気から遮蔽して第2の端部11に向かって収束させることができる。
【0019】ここで、ホーン6を接続しない場合は、図3(a)に示したように、磁気センサ1が地表と平行であるときは問題ないが、図3(b)に示したように、磁気センサ1が地表に対してθ傾いた状態にあるときは、以下の式(1)に従って磁気センサ1の感度Sが低下する。
【0020】S=Asinθ ・・・・・(1)
ただし、Aは比例定数である。
【0021】そこで、図2(b)に示したように、磁気センサ1の磁気入力部11にホーン6を密着して接続することにより、視覚障害者が方位指示装置を手に持って方位を知ろうとしたときに、手振れによって磁気センサ1が地表に対して傾いた状態となった場合に、磁気センサ1に入力される磁力線の本数が減少することを抑制し、磁気センサ1の感度Sが低下することを防止することができる。
【0022】また、本実施の形態では、図2(a)に示したように、第1の端部10を長方形とし、視覚障害者は、自身が向いた方位を知ろうとするときに、該長方形の短辺が地表とほぼ平行となるようにする。これにより、視覚障害者が向いた方位の磁力線のみをホーン6を介して第1の端部10内に導くことができ、方位の検出精度をより向上させることができる。
【0023】次に、図4(a)は、磁気センサ1の出力電圧から把握される地磁気の磁束密度と磁気センサ1が向いた方位との関係を示したグラフであり、横軸は真東の方位を0度として時計回転方向で表した方位の角度を示し、縦軸は地磁気の磁束密度を示している。グラフから明らかなように、磁気センサ1の出力電圧から把握される地磁気の磁束密度は、真東から真北に向かって増加し、真北から真南に向かって減少し、真南から真東に向かって増加する。すなわち、磁気センサ1の出力電圧から把握される地磁気の磁束密度は、磁気センサ1が向いた方位に応じて変化する。
【0024】そして、本実施の形態の方位指示装置は、磁気センサ1が真北(90度)±15度の範囲内の方位に向いたときに、図4(b)に示したように真北(本発明の基準方位に相当する)をピークとして、磁気センサ1の真北からのずれ角の大きさ(磁気センサ1が向いた方位と真北方位との差)に応じて減少する周波数でブザーを鳴動させる。以下、図1及び図4を参照して本実施の形態の方位指示装置の作動について説明する。
【0025】図1を参照して、磁気センサ1から出力される地磁気の磁束密度に応じた検出電圧VSは、電圧増幅器20で増幅されるが、検出電圧VSが負であったときは負電圧カット回路21でカットされる。これにより、図4(a)で示したように、真東から真西(0〜180度)の範囲の方位に応じた検出電圧を増幅した増幅電圧VPが、V/F変換器22に入力される。V/F変換器22は、入力された増幅電圧VPの大きさ(真北からの方位のずれ角の大きさに対応する)に応じた周波数のパルス信号f0を出力する。
【0026】すなわち、真北(90度)に対応した増幅電圧VPが入力されたときは周波数1Kヘルツのパルス信号f0がV/F変換器22から出力され、真北からずれるに従ってV/F変換器22から出力されるパルス信号f0の周波数が減少する。そして、パルス信号f0は、ハイパスフィルタ23に入力されて、周波数10ヘルツ未満のパルス信号f0はカットされる。
【0027】これにより、磁気センサ1から、真北±15度の範囲の方位に対応した検出電圧VSが出力されたときにのみ、ハイパスフィルタ23からブザー増幅器24にパルス信号fHが入力される。そして、ブザー増幅器24で増幅されたパルス信号fPがブザー3に出力されてブザー3が鳴動する。
【0028】このように、磁気センサ1が真北を向いたときにブザー3から出力される音の周波数が最も高くなり、ブザー3の出力音が最も高くなる。そして、磁気センサ1の向きが真北からずれるに従って、ブザー3から出力される音の周波数が低くなって、ブザー3の出力音が低くなる。そのため、方位指示装置を持った視覚障害者は、ブザー3から出力される音が最も高くなるように自身の向きを変えることで、容易に真北を向くことができる。
【0029】なお、本実施の形態では、磁気センサ1の向いた方位と基準方位(真北)との差に応じてブザー3から出力する音の高さを変えるようにしたが、音量を変えるようにしてもよい。また、ブザー3を断続的に鳴動させるようにし、磁気センサ1の向いた方位と基準方位(真北)との差に応じてブザー3の鳴動間隔を変えるようにしてもよい。
【0030】また、報知手段としてバイブレータを用い、磁気センサ1の向いた方位と基準方位(真北)との差に応じて、例えば磁気センサ1が真北を向いたときに該バイブレータの振動周波数が最大となるようにし、磁気センサ1の向きが真北からずれるに従って該バイブレータの振動周波数が低下するようにしてもよい。
【0031】また、ホーン6は、図2に示したように中実構造とすることがより好ましいが、中空構造としても本発明の効果を得ることができる。
【0032】また、本実施の形態では、第1の端部10を長方形としたホーン6を磁気センサ1の磁気入力部5に接続することで本発明の最良の効果を得たが、第1の端部10を楕円形としたり、或いはホーン6を接続しない場合にも本発明の効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】591190955
【氏名又は名称】北海道
【識別番号】000106483
【氏名又は名称】サンポット株式会社
【出願日】 平成11年12月27日(1999.12.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−178765(P2001−178765A)
【公開日】 平成13年7月3日(2001.7.3)
【出願番号】 特願平11−370404