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【発明の名称】 身体保冷具
【発明者】 【氏名】李 節

【要約】 【課題】装着が簡単で且つ身体屈曲部等に円滑に適合し、且つ装着時においても身体屈曲部が動かし易い身体保冷具を提供する。

【解決手段】保冷剤を封入した独立セルを左右方向に3個連結して組セルとしする。組セルを上下に2列並置して上組セル1aと下組セル1bとし、各上下の組セルの中央位置の上中央セルC1と下中央セルC2同士の相対する縁部を略直線状に連結し、身体に装着するときに連結部2aを身体の最も屈曲する位置に配置する。各独立セルは平面視略方形状とする。上・下組セル1a,1bのそれぞれの両端部間に身体装着用の伸縮紐4,4を付設する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 保冷剤を封入した独立セルを左右方向に3個連結して組セルとし、該組セルを上下に2列並置して上組セル1aと下組セル1bとし、該上・下組セル1a,1bの各々の中央位置の上中央セルC2と下中央セルC5のみを連結することを特徴とする身体保冷具。
【請求項2】 各独立セルを平面視略方形状とし、上中央セルC2と下中央セルC5の相対する縁部を直線状に連結することを特徴とする請求項1記載の身体保冷具。
【請求項3】 上・下組セル1a,1bのそれぞれの左右両端のコーナー部間と、上・下組セル1a,1bの同一側端のコーナー部間に、選択的に身体装着用の伸縮紐を掛止可能とすることを特徴とする請求項1又は2記載の身体保冷具。
【請求項4】 身体保冷具の外周部を構成する独立セルの縁部にエッジ部を形成させず、身体に当接する当接面から外表面に連続する曲面で形成し、且つコーナー部を湾曲部とすることを特徴とする請求項1〜3記載のいずれかの身体保冷具。
【請求項5】 独立セルの少なくとも身体当接面に凹凸面を形成することを特徴とする請求項1〜4記載のいずれかの身体保冷具。
【請求項6】 独立セルの少なくとも身体当接面に介装膜を配置することを特徴とする請求項1〜5記載のいずれかの身体保冷具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、医療用等に用いられる身体保冷具に関するもので、特に手足の関節部分に好適に用いられる保冷具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、例えば、特開平06−178792号公報に医療用保冷具として開示されているように、身体の冷却用に多数個の医療用保冷具を一体に接続し、接続部に切り取り用のミシン目を設けるような保冷具は公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような技術では、一応、身体の屈曲部に沿って保冷具を装着でき且つ密着性は高いと想定されるものの、この医療用保冷具は連結・屈曲部における連続する複数箇所で連結しているために、身体屈曲部に装着し難いばかりでなく、装着した後においても装着部の手脚が動かし難く、このことがこの身体保冷具がなかなか普及しない原因となっていると考えられる。本発明は、上記従来技術の問題点を解消すべく発明されたものであり、その課題とするところは、装着が簡単で且つ身体屈曲部等に円滑に適合し、且つ装着時においても身体屈曲部が動かし易い身体保冷具を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するために、請求項1記載の身体保冷具は、保冷剤を封入した独立セルを左右方向に3個連結して組セルとし、該組セルを上下に2列並置して上組セル1aと下組セル1bとし、該上・下組セル1a,1bの各々の中央位置の上中央セルC2と下中央セルC5のみを連結し、身体に装着するときに該連結部を身体の最も屈曲する位置に配置することを特徴とする。
【0005】請求項2記載の身体保冷具は、上記手段に加えて、各独立セルを平面視略方形状とし、上中央セルC2と下中央セルC5の相対する縁部を直線状に連結することで、身体装着時における上組セルと下組セルとの姿勢の安定性を図ることを特徴とする。
【0006】請求項3記載の身体保冷具は、上記請求項1又は2記載の手段に加えて、上・下組セル1a,1bのそれぞれの左右両端のコーナー部間と、上・下組セル1a,1bの同一側端のコーナー部間に、選択的に身体装着用の伸縮紐を掛止可能とすることで身体への装着を容易にし、装着状態における身体への負担を少なくすると共に、伸縮紐の係止位置を変更することによって、身体への装着方向を90度変更可能とすることを特徴とする。
【0007】請求項4記載の身体保冷具は、上記請求項1〜3記載のいずれか手段において、身体保冷具の外周部を構成する独立セルの縁部にエッジ部を形成させず、身体に当接する当接面から外表面に連続する曲面で形成し、且つコーナー部を湾曲部とすることことで、身体装着したときに独立セルの縁部が皮膚を強く刺激しないようにすることを特徴とする。
【0008】請求項5記載の身体保冷具は、上記請求項1〜4記載のいずれか手段において、独立セルの少なくとも身体当接面に凹凸面を形成することで、装着部の肌触りを良くし、皮膚への適合性を高めることを特徴とする。
【0009】請求項6記載の身体保冷具は、上記請求項1〜5記載のいずれか手段において、独立セルの少なくとも身体当接面に介装膜を配置することで、皮膚への刺激を少なくし、また、冷却の程度のコントロールを行わせることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説明する。図1に示すように、本発明の実施例に係る身体保冷具は、6個の独立セルからなる。各セルは、全て同一形状で、周部の連結部を含めて平面形状縦横6×4.5cmの大きさで、身体保冷具全体としては、縦横12×13.5cmの大きさであり、素材は可撓性で且つ不透水性素材としてのナイロン、ポリエチレン、無延伸ポリプロピレンが用いられる。
【0011】なお、独立セルの個々の縦横のスケールは、身体保冷具を使用する人の体格に合わせて大小自由に設計できるものとする。したがって、本発明は、上記縦横の値により限定されるものではない。また、図1及び後示の図7は、本実施例の平面側を表しているが、裏面側も同一形状となっている。
【0012】身体保冷具は、上下二枚の薄膜の間に扁平な袋状物を形成し、その周部連結部は重合されて密封状に溶着され、溶着されない密封空間内に、冷却しても全体として可撓性を有する保冷剤が封入されている。身体保冷具は2つの組セルからなり、図1に示すように、上組セル1aと下組セル1bとからなり、上組セル1aと下組セル1bは略同一形状である。
【0013】上組セル1aは、図1の上半分として示されており、上左セルC1、上中央セルC2及び上右セルC3とからなる。そして、上左セルC1と上中央セルC2との間、及び、上中央セルC2と上右セルC3との間には溶着部、即ち連結部2が形成されており、また、両端部にはエッジ部3,3が形成されている。連結部2以外の袋状部は5〜7mm程度の厚みとなっており、これは保冷剤の量によるものであるが、格別正確さを要する値ではない。また、本発明に用いる保冷剤の種類は、特に限定されるものではなく、公知のものでよい。
【0014】下組セル1bの形状は、基本的には上組セル1aと同一であり、下左セルC4、下中央セルC5及び下右セルC6とからなる。そして、上組セル1aの上中央セルC2の下縁と、下組セル1bの下中央セルC2の上縁とは、連結部2aにより連結されている。換言すれば、上組セル1aの下縁と下組セル1bの上縁との連結部は、連結部2aを除いて切断され、分離部2bが形成されている。
【0015】以上の構成により、身体保冷具は、全体として方形状の板体として形成され、左右縁部の中央位置を結ぶ中央線のうち、中央部の1/3を除いて、左右端部から1/3が切り込まれているといえる。なお、図1及び図7は、分離部2bを明りょうにするために、一定幅のスリットとして記載しているが、実際には、単に切り込みを入れれば良く、図面上は一本の切り込み線になる場合が多い。
【0016】更に、上組セル1aの上縁両端のコーナー部のエッジ部の取付孔には、取付リンク10と係止リンク11とが設けられ、取付リンク10に伸縮紐4が設けられている。また、係止リンク11は略同一形状の2つの円環からなり、このダブルリンクにより、一方向停止ファスナを形成している。この構成、即ち、下組セル1bの下縁に取り付ける伸縮紐4の取付手段についても同様で、取付リンク10の下方位置のコーナー部には係止リンク12が設けられ、また、係止リンク11の下方位置には、係止リンク13が設けられている。上記伸縮紐4,4の端部を係止する係止リンク11,13の選択によって、身体保冷具の装着姿勢を90度変更可能とすることができる。なお、上記伸縮紐4の種類としては、扁平状のゴム紐が望ましいが、これに限定されるものではない。
【0017】本実施例に係る身体保冷具を用いる場合を図5及び図6に示す。図5に示す使用例は、脚Lの膝の上部、即ち、膝の屈曲時に凸部となる部分に本実施例の身体保冷具を装着する場合であり、また、図6に示す使用例は、脚Lの膝の後部、即ち、膝の屈曲時に凹部となる部分に本実施例の身体保冷具を装着する場合であり、それぞれ膝の上部側に上組セル1aを伸縮紐4で取り付け、膝の下部側に下組セル1aを伸縮紐4で取り付ける。また、身体保冷具の装着姿勢を90度変更させたい場合には、係止リンク11と係止リンク13とを互いに変更することで対応させることが可能である。なお、当然のことながら、身体保冷具の使用に先だって、冷蔵庫等で身体保冷具の保冷剤を冷却しておく必要がある。
【0018】上記実施例によれば、保冷剤を封入した独立セルを左右方向に3個連結して組セルとし、該組セルを上下に2列並置して上組セルC1と下組セルC2とし、該上下の組セルC1,C2の中央位置の独立セル(上中央セルC2と下中央セルC5)同士のみを連結部2aにより連結したから、身体に装着するときに連結部2aを身体の最も屈曲する位置等に配置することで、屈曲する位置が膝、肘等の凹部或いは凸部であっても、十分に身体の表面に適合させることができる。
【0019】また、独立セルを平面視略方形状とし、中央位置の独立セル同士の相対する縁部を略直線状に連結することで、装着状態における上組セル1aと下組セル1bの姿勢の安定性を図ることができる。更に、上・下組セル1a,1bのそれぞれの左右両端のコーナー部間と、上・下組セル1a,1bの同一側端のコーナー部間に、選択的に身体装着用の伸縮紐を掛止可能とすることで身体への装着を容易にし、装着状態における身体への負担を少なくすると共に、伸縮紐の係止位置を変更することによって、身体への装着方向を90度変更可能とし、装着状態を円滑に保ちながら、手脚の屈曲が容易になる。
【0020】上記実施例の一部変形例として、図7,8及び図3,4に示すように、に示すように、身体保冷具の外周部を構成する独立セルの縁部にエッジ部を形成させず、且つコーナー部を湾曲部5とし、身体に当接する当接面から外表面に連続する曲面で形成することで、身体に装着したときに独立セルの縁部が皮膚を刺激しないことから、皮膚を傷つけることをなくし、装着時の感触を良くすることができる。更に、上記実施例において、独立セルの少なくとも身体当接面に凹凸面を形成する(図外)ことで、身体装着部の肌触りを良くすると共に、皮膚への適合性を高めることができる。
【0021】更に、上記実施例において、独立セルの少なくとも身体当接面に、肌触りが良く、ある程度断熱機能を有する綿、絹、羊毛、合成樹脂などを素材とする織布、或いは、不織布などの介装膜を配置することで、皮膚への冷刺激を緩和し、また、冷却の程度(強さ)をコントロールすることができる。なお、介装膜は、伸縮紐4を除く身体保冷具の全体が入る袋状物とするとよい。なお、特許請求の範囲には、図面との対応関係を明確にするために図面符号を付したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
【発明の効果】本発明は、上記構成により、下記の効果を奏する。
1.請求項1記載の発明によれば、保冷剤を封入した独立セルを左右方向に3個連結して組セルとし、該組セルを上下に2列並置して上組セルと下組セルとし、該上・下組セルの各々の中央位置の上中央セルと下中央セルのみを連結し、身体に装着するときに該連結部を身体の最も屈曲する位置等に配置することができ、屈曲する位置が凹部或いは凸部であっても、身体の表面に適合させることができる。
【0023】2.請求項2記載の発明によれば、上記効果に加えて、各独立セルを平面視略方形状とし、上中央セルと下中央セルの相対する縁部を直線状に連結することで、装着状態における上組セルと下組セルとの姿勢の安定性を図ることができる。
【0024】3.請求項3記載の発明によれば、上記請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、上・下組セルのそれぞれの左右両端のコーナー部間と、上・下組セルの同一側端のコーナー部間に、選択的に身体装着用の伸縮紐を掛止可能とすることで身体への装着を容易にし、装着状態における身体への負担を少なくすると共に、伸縮紐の係止位置を変更することによって、身体への装着方向を90度変更可能として、装着状態を円滑に保ちながら手脚の屈曲を容易にすることができる。
【0025】4.請求項4記載の発明によれば、上記請求項1〜3記載のいずれかの発明の効果に加えて、身体保冷具の外周部を構成する独立セルの縁部にエッジ部を形成させず、身体に当接する当接面から外表面に連続する曲面で形成し、且つコーナー部を湾曲部とすることで、身体に装着したときに身体保冷具の縁部が皮膚を強く刺激しないことから、独立セルの縁部が皮膚を傷つけることがなく、装着時の感触を良くすることができる。
【0026】5.請求項5記載の発明によれば、上記請求項1〜4記載のいずれかの発明の効果に加えて、独立セルの少なくとも身体当接面に凹凸面を形成することで、装着部の肌触りを良くし、皮膚への適合性を高める。
【0027】6.請求項6記載の発明によれば、上記請求項1〜5記載のいずれかの発明の効果に加えて、独立セルの少なくとも身体当接面に介装膜を配置することで、皮膚への冷刺激をソフトにし、また、冷却の程度のコントロールを容易に行なうことができる。
【出願人】 【識別番号】500004656
【氏名又は名称】李 節
【出願日】 平成11年12月24日(1999.12.24)
【代理人】 【識別番号】100105382
【弁理士】
【氏名又は名称】伴 正昭
【公開番号】 特開2001−178763(P2001−178763A)
【公開日】 平成13年7月3日(2001.7.3)
【出願番号】 特願平11−366349