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【発明の名称】 温感シート
【発明者】 【氏名】細川 稔

【氏名】柏田 利信

【要約】 【課題】痛みや冷え症緩和のための貼付剤、薬剤の吸収拡散性向上のための薬物放出剤、使い捨てカイロ等に用いられる温感シートを提供する。

【解決手段】任意の部分で切断自在となるシート体を備え、該シート体には少なくとも金属粉末を含有する発熱粉末体が保持されていることを特徴とする温感シート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 任意の部分で切断自在となるシート体を備え、該シート体には少なくとも金属粉末を含有する発熱粉末体が保持されていることを特徴とする温感シート。
【請求項2】 シート体が繊維からなる織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種からなり、発熱粉末体が織布、不織布、編地の繊維間に保持されている請求項1記載の温感シート。
【請求項3】 シート体は繊維内に発熱粉末体の一部又は全部を含有した粉末体含有繊維から構成される請求項1又は2記載の温感シート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、痛みや冷え症緩和のための貼付剤、薬剤の吸収拡散性向上のための薬物放出剤、使い捨てカイロ等に用いられる温感シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、温感シートとしては、例えば、トウガラシエキスやニコチン酸ベンジル等の化学刺激により温感を付与するものや、塩化カルシウムやポリオール等が水に溶解するときの水和熱により温感を付与するものや、鉄粉などの金属の酸化熱を利用したものが知られている。
【0003】しかしながら、化学刺激による温感付与では、トウガラシエキスやニコチン酸ベンジル等の化学刺激に対する感受性の個体差が大きいことから、人によって温感が感じられなかったり、刺激が強すぎる場合などがあり、刺激物質の配合量の設定が難しい点に課題がある。また、水和熱を利用した温感シートでは、発熱量が小さく、十分な温感が得られない点に課題がある。
【0004】一方、金属(粉末)の酸化熱を利用したタイプでは、適度の温感が得られ、かつ、温感の持続性が良好であることから、使い捨てカイロ等に利用されており、温感付与の方法としては有効であると考えられる。この金属粉末の酸化熱を利用した温感付与製品は、一般に、金属粉末と保水剤、反応助剤、水を練って混合し、袋体に封入したものである。この形態では、袋体周辺部をシールすることにより袋体内部の発熱物質がこぼれ出ることがないようにしている。この袋体を切断すると、切断面より発熱物質がこぼれ出てしまい、所望の温感が得られないと共に、製品それ自体や製品周囲を汚してしまうこととなる。従って、使用者が使用部位に合わせて温感シートを切断することはできず、製品形態の自由度が少なく、そのため、指関節などの小さな部位への適用が困難であるという課題があり、いかなる部分で切断しても、内容物がこぼれ出ることのない温感シートが望まれているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、いかなる部分で切断しても内容物である発熱物質等がこぼれ出ることはなく、指関節などの小さな部位から腰等の大きな部位までも適用することができる使用形態の自由度を向上させた温感シートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、少なくとも金属粉末等の発熱粉末体を繊維に接着又は練りこむこと、あるいは、織布、不織布、編地の繊維間に金属粉末等を保持させることによって任意の部分で切断しても発熱粉末体のこぼれ落ちがない温感シートを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。すなわち、本発明は、(1)〜(3)に存する。
(1) 任意の部分で切断自在となるシート体を備え、該シート体には少なくとも金属粉末を含有する発熱粉末体が保持されていることを特徴とする温感シート。
(2) シート体が繊維からなる織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種からなり、発熱粉末体が織布、不織布、編地の繊維間に保持されている上記(1)1記載の温感シート。
(3) シート体は繊維内に発熱粉末体の一部又は全部を含有した粉末体含有繊維から構成される上記(1)又は(2)記載の温感シート。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。本発明の温感シートは、任意の部分で切断自在となるシート体を備え、該シート体には少なくとも金属粉末を含有する発熱粉末体が保持されていることを特徴とするものであるなお、温感の付与は、少なくとも金属粉末を含有する発熱粉末体を保持したシート体に水を添加等することにより、空気中の酸素との反応によって発熱することによる。
【0008】本発明における発熱粉末体としては、少なくとも金属粉末を含有し、これに反応助剤や保水剤等の任意成分を含有したものが使用できる。本発明で用いる金属粉末としては、従来より発熱用組成物に用いられている金属粉末であれば、特に限定されず、例えば、鉄粉末が一般に使用される。この鉄粉末としては、鋳鉄粉末、還元型鉄粉末、電解鉄粉末等を使用することができる。 また、反応助剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄等の金属ハロゲン化物、または硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の金属硫酸塩等を使用することができる。更に、この反応助剤に加えて、二酸化マンガン、酸化第二銅等を反応促進剤として用いることもできる。
【0009】保水剤としては、活性炭素、ゼオライト、バーミキュライト、ヒル石、シリカゲル、木粉、吸水性ポリマー等が挙げられ、これらのうち、活性炭素の使用が好ましく、活性炭素と他の保水剤とを組み合わせて使用することもできる。また、発熱粉末体中に、水性増粘剤を含有せしめることができる。水性増粘剤としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、寒天、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。本発明で用いる発熱粉末体には、上記金属粉末を主成分とし、その他、活性炭素、ゼオライト、バーミキュライト、ヒル石、シリカゲル、木粉、吸水性ポリマー等を任意に含有することができる。
【0010】本発明におけるシート体は、任意の部分で切断自在となるシート体であれば、特に限定されるものではなく、例えば、繊維からなる織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種からなるものが挙げられる。この織布、不織布、編地の素材としては、天然繊維、合成繊維、再生繊維等、特に制限を受けず、単一の材質であっても良く、また、複数の材質からなる場合でも良い。また、この織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種のシート体にはフィルムを使用したものであってもよい。フィルムは、合成高分子を含み、これに他の成分が含有されていても良い。更に、シート体は、1種又は2種以上の織布、不織布、編地、フィルムからなる積層構造を有するものであってもよい。例えば、不織布と小孔をもつ非通気性熱溶融性樹脂フィルムとを重ね合わせて通気量調節面を有する非通気性樹脂フィルムよりなるシート体や、織布もしくは不織布に、通気部の設けられた樹脂層がラミネートまたはコーティングされたシート体が挙げられ、フィルムとして通気量が透湿度で制御されている透湿性フィルム等を用いることができる。
【0011】本発明において、発熱粉末体をシート体に保持、すなわち、発熱粉末体をシート体に保持して、こぼれにくくする方法としては、例えば、発熱粉末体を織布、不織布、編地等から選ばれる一種又は2種以上に接着する方法が挙げられる。ここでいう「接着」とは、接着剤や粘着剤を用いて行うことをいう。例えば、二つの不織布シートを用意し、図1に示すように、一方の不織布シートの片面10に、合成ゴム系等の接着剤を塗布し、該接着剤塗布面11に活性炭素粉末12を十分に接着せしめると共に、他方の不織布シート20の片面に、上記と同様に合成ゴム系等の接着剤を塗布し、該接着剤塗布面21に鉄粉末からなる発熱粉末体22を十分に接着せしめ、この2枚の不織布を活性炭素粉末面及び鉄粉末面が互いに内側になるように両不織布シート同士を接着せしめることにより温感シートAを製造することができる。
【0012】また、織布、不織布、編地を用いることにより、例えば、図2(a)及び(b)に示すように、繊維間30,30……に発熱粉末体31,31……を保持させ、該繊維30,30……が発熱粉末体の移動を抑制し、該粉末体をこぼれ落ちなくした構造の温感シートBが挙げられる。このような織布、不織布、編地の繊維間に発熱粉末体を埋め込む場合は、孔がないか又は孔径が小さい織布、不織布、編地、フィルムを用いてサンドイッチする形状とすることが好ましい。この時の孔径としては発熱粉末体を通しにくいことが必要な点から、最大孔径が100μm以下であることが好ましく、更に、最大孔径が50μm以下であることがより好ましい。
【0013】この時に用いられる織布、不織布、編地の材質としては、好ましくは、親水性繊維を含有した織布、不織布、編地を使用することが望ましい。親水性繊維としては、例えば、綿、麻、羊毛、パルプ、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテート、ポリアクリル酸塩−アクリル繊維複合繊維等を用いることができる。親水性繊維を含有した織布、不織布、編地を使用することにより、保水剤の一部または全部を代替することが可能であり、保水剤として用いる粉体量を減量することができる。また、織布、不織布、編地の材質としては、活性炭素繊維を含有した繊維を用いることができる。活性炭素繊維は天然繊維や合成繊維、再生繊維を加熱炭化、更に賦活化することにより得ることができる。活性炭素繊維を用いることにより、保水剤である活性炭素の一部または全部を代替することができ、粉体を減量することができる。
【0014】また、高分子原料に、発熱粉末体を混合、溶融し、粉末体と共に紡糸した合成繊維で、粉末体の一部が繊維表面に表れている粉末体含有繊維、例えば、図3(a)及び(b)に示すように、繊維40に金属粉及び/又は活性炭素粉末41を含有した粉末体含有繊維Sを使用して織布、不織布、編地などとすることにより〔図3(b)は不織布からなる〕温感シートCを製造することができる。この製造の際に、繊維を延伸することによって、単位重量当たりの表面積を高め、繊維表面に表れる粉末体量を増加することができる。
【0015】更に、上記粉末体含有繊維として、図4に示すように、芯鞘構造を有する繊維50で、鞘部51に金属粉及び/又は活性炭素粉末52を含有せしめ、芯部53に粉末体を含まない構造とする繊維を使用して織布、不織布、編地などとすることにより温感シートを製造してもよい。この芯鞘構造を有する繊維を用いることににより、繊維強度の著しい低下を伴わずに繊維表面の粉末体量を増加することもできる。このとき、芯部と鞘部に用いる繊維素材(繊維種)は同一であってもよく、異なっていてもよい。なお、本発明では、上記芯鞘構造を有する繊維の他、接合構造、分散構造、中空構造、分割構造の粉末体含有繊維を使用して織布、不織布、編地などとすることにより温感シートを製造したものであってもよい。
【0016】本発明において、温感を効率的に対象物に伝えるためには、図5に示すように、温感シート体60の片面に粘着層61が存在する温感シートDとすることが好ましい。この粘着層61によって、平らな面ばかりでなく、身体などの湾曲した面にも全体に温感付与することができる。また、対象物に粘着することによって、対象物が動いても、温感シートがずれ落ちることがなく、テープ等で固定する必要がないことから、使用が簡便であり好ましい。粘着層61としては、対象物に対する粘着性が良好であり、かつ、剥離の際に対象物への残りのないものが好ましい。このような粘着層61を形成する物質としては、例えば、含水系粘着剤、非水系粘着剤のいずれでも良い。身体に用いる場合には、汗等の水分による粘着性の低下が小さいことが望まれることより、含水系粘着剤が好ましい。更に、含水系粘着剤としては、ポリアクリル酸塩を含有するものが好ましい。粘着層61の厚みは、対象物に効率良く温感を伝えるために2mm以下であることが好ましく、より好ましくは、1mm以下であることが望ましい。上記粘着層61は薬剤を含有したものであってもよいものである。
【0017】本発明の温感シートは、上述のように構成されるものであるが、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の形態に変更して使用することができる。例えば、上述の温感シートA〜Cの組み合わせであってもよいものである。すなわち、温感シートAにおいて、発熱粉末体を接着剤等で保持すると共に、更に、不織布シート10、20を発熱粉末体含有繊維から構成したもの、または、不織布シート10、20の繊維間に発熱粉末体を保持したものであってもよい。また、シート体の一部または全部を、活性炭素繊維及び/又は活性炭素粉末を繊維内に含有した芯鞘構造等の活性炭素粉末含有繊維を使用したものから構成し、該シート体に発熱金属粉末体を接着剤等で保持する温感シート、並びに、このシート体の繊維間に発熱金属粉末体を保持した温感シートであってもよい。
【0018】このように構成される温感シートは、任意の部分で切断自在となるシート体を備え、該シート体には少なくとも金属粉末を含有する発熱粉末体が保持されているので、温感シートを、はさみ(又はシート体に形成したミシン目)等によりいかなる部分で切断しても内容物である発熱粉末体はこぼれ出ることはなく、指関節などの小さな部位から腰等の大きな部位までも適用することができる使用形態の自由度を向上させた温感シートが得られることとなる。
【0019】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。なお、本発明は下記実施例に何ら限定するものではない。
【0020】〔実施例1〜5及び比較例1〕下記に記載の方法により実施例1〜5及び比較例1の温感シートを作製した。得られた各温感シートについて、下記方法により粉体こぼれ落ち評価及び発熱温度等を測定した。
【0021】(粉体こぼれ落ちの評価方法)45×60mmの温感シートを作製し、このシートを45×30mmの2枚のシートとなるようにはさみで切断した。切断したシート2枚を紙の上で切断面を下にして指で2回弾き、紙の上に落ちた粉体を集め、その重量を測定した。温感シート中の粉体量に対するこぼれ落ちた粉体量の割合を求めた。この値より以下の評価基準により評価した。
評価基準:こぼれ落ちた粉体の割合 0以上〜1%未満:きわめて良好1%以上3%未満:良好3%以上10%未満:やや良好10%以上:不良【0022】(発熱温度の測定)温度測定器(本体;DATA COLLECTOR AM-7002,センサー;529EP:いずれもアンリツ社製)を用いて測定した。センサーを発泡スチロール板上に固定し、センサー上に粉体こぼれ落ち評価の終了した温感シートの一片を載せ、温度測定を行った。測定インターバル12sec/回、分解能0.1℃で行い、その最高温度を求めた。
【0023】(実施例1)45×60mmのポリプロピレン製メルトブロー不織布(50g/m2)にスプレーのり55(合成ゴム系接着剤:住友スリーエム社製)を20cmの距離から5秒間スプレーした。この不織布の接着剤面に活性炭素粉末を一面に撒き、その上から紙を当てて圧着した。この不織布をピンセットで摘み上げ、指で不織布を2回弾いて十分に接着していない活性炭素粉末を落とした。このとき、不織布に接着した活性炭素粉末量は0.07gであった。これと同様の操作を活性炭素粉末の変わりに鉄粉を用いて行った。このとき、不織布に接着した鉄粉量は0.38gであった。活性炭素粉末を塗布した面に7%塩化ナトリウム水溶液を0.21g噴霧した。この2枚の不織布を活性炭素粉末面および鉄粉面が内側になるように合わせて、ホッチキスにて固定し(図1参照)、アルミ蒸着した非通気性袋体に入れ密封した。1日放置後非通気性袋体を開封し、上述の方法により粉体こぼれ落ち評価及び発熱温度の測定を行った。その結果、粉体こぼれ落ち評価は、こぼれ落ちた粉体の割合が0.8%ときわめて良好であった。また、発熱最高温度は38.3℃を示し、平均温度37℃で発熱時間は10分であった。
【0024】(比較例1)45×60mmのポリプロピレン製メルトブロー不織布(50g/m2)2枚を重ねて3辺を熱シールし、袋体を作製した。この袋体に、活性炭素粉末0.17g、鉄粉0.6g、塩化ナトリウム0.03gを入れ、袋体の残りの一辺を熱シールした(図6参照)。次いで、袋体面に水を0.38g噴霧し、アルミ蒸着した非通気性袋体に入れ密封した。1日放置後、非通気性袋体を開封し、上述の方法により粉体こぼれ落ち評価及び発熱温度の測定を行った。その結果、粉体こぼれ落ち評価はこぼれ落ちた粉体の割合が73.6%と多く不良であった。また、発熱最高温度は27.0℃(室温は25℃)であり、目的の発熱は得られなかった。
【0025】(実施例2)100×140mmのポリエチレン製不織布(70g/m2)に下記記載の配合組成となる粘着剤組成物Aを16g塗布し、これを45×60mmの大きさに切断した。一方、45×60mmの活性炭フィルター不織布(300g/m2)上に鉄粉をのせ、振動を与えて鉄粉をフィルター中に埋め込んだ。この時、活性炭フィルター不織布中の鉄粉量は0.51gであった。上記粘着剤を塗布した不織布の不織布面に変性シリコーン系化学反応形接着剤を薄く塗り、鉄粉を含む活性炭フィルター不織布を重ねて貼り合わせた。その上に45×60mmのナイロン製フィルムを、変性シリコーン系化学反応形接着剤を用いて貼り合わせた。シート側面より活性炭フィルター不織布中に、シリンジを用いて7%塩化ナトリウム水溶液0.6gを注入し、これを温感貼付剤とした。この温感貼付剤をアルミ蒸着した非通気性袋体に封入した。3日放置後非通気性袋体を開封し、上述の方法により粉体こぼれ落ち評価及び発熱温度の測定を行った。その結果、粉体こぼれ落ち評価は、こぼれ落ちた粉体の割合が1.7%と良好であった。また、発熱最高温度は40.7℃を示し、平均温度38℃で発熱時間は10分であった。
【0026】(実施例3)芯鞘構造を有し、芯部がポリプロピレン、鞘部がポリエチレンであり、鞘部に活性炭素粉末が含有されている繊維を調製した。この時、ポリエチレンと活性炭素粉末の重量比は85:15であり、芯部と鞘部の重量比は70:30であった。この芯鞘構造繊維を用いて不織布(150g/m2、100×140mm)を作製した。この不織布を45×60mmの大きさに切断し、鉄粉とシリカゲルを重量比3:1で載せ、振動を与えて鉄粉とシリカゲルを不織布中に埋め込んだ。この時、活性炭フィルター不織布中の鉄粉とシリカゲルの総量は0.66gであった。これに、上記実施例2と同様に粘着剤を塗布した不織布及びナイロン製フィルムを貼りつけ、7%塩化ナトリウム水溶液0.7gを注入し、温感貼付剤とした。この温感貼付剤をアルミ蒸着した非通気性袋体に封入した。3日放置後非通気性袋体を開封し、上述の方法により、粉体こぼれ落ち評価及び発熱温度の測定を行った。その結果、粉体こぼれ落ち評価は、こぼれ落ちた粉体の割合が2.1%と良好であった。また、発熱最高温度は37.4℃を示し、平均温度37℃で発熱時間は10分であった。
【0027】(実施例4)100×140mmのポリプロピレン製不織布(50g/m2)に下記記載の配合組成となる粘着剤組成物Bを14g塗布し、これを45×60mmの大きさに切断した。一方、45×60mmのレーヨン製立体織布上に鉄粉及び活性炭素粉末を載せ、振動を与えて鉄粉及び活性炭素粉末を立体織布中に埋め込んだ。この時、立体織布中の鉄粉および活性炭素粉末量は0.87gであった。上記粘着剤を塗布した不織布の不織布面に変性シリコーン系化学反応形接着剤を薄く塗り、鉄粉と活性炭素粉末を含む立体織布を重ねて貼り合わせた。その上に45×60mmのナイロン製フィルムを、変性シリコーン系化学反応形接着剤を用いて貼り合わせた。次いで、シート側面より活性炭フィルター不織布中に、シリンジを用いて7%塩化ナトリウム水溶液0.8gを注入し、これを温感貼付剤とした。この温感貼付剤をアルミ蒸着した非通気性袋体に封入した。3日放置後非通気性アルミ袋体を開封し、上述の方法により、粉体こぼれ落ち評価及び発熱温度の測定を行った。その結果、粉体こぼれ落ち評価は、こぼれ落ちた粉体の割合が2.4%と良好であった。また、発熱最高温度は46.3℃を示し、平均温度41℃で発熱時間は15分であった。
【0028】(実施例5)150×180mmのポリエステル製フィルムに下記記載の配合組成となる粘着剤組成物Cを5g塗布し、これを45×60mmの大きさに切断した。この粘着剤塗布した不織布の不織布にスプレーのり55(合成ゴム系接着剤:住友スリーエム社製)を20cmの距離から3秒間スプレーした。この不織布の接着剤面に活性炭素粉末0.04gを撒き、さらに、鉄粉0.15g、塩化ナトリウム0.01gを撒いた。接着剤塗布、活性炭素粉末散布、鉄粉散布、塩化ナトリウム散布のサイクルを合計4回おこない、最後に接着剤塗布した上にポリプロピレン製不織布(120g/m2)のせて接着した。この不織布上に精製水0.4gを噴霧し、アルミ蒸着した非通気性袋体に入れ密封した。1日放置後非通気性袋体を開封し、上述の方法により、粉体こぼれ落ち評価及び発熱温度の測定を行った。その結果、粉体こぼれ落ち評価は、こぼれ落ちた粉体の割合が0.5%ときわめて少なく良好であった。また、発熱最高温度は47.9℃を示し、平均温度42℃で発熱時間は15分であった。
【0029】上記実施例2、4、5で使用した粘着剤組成物の配合組成は、以下のとおりである。
(粘着剤組成物A)
l−メントール 1.0(%)
dl−カンフル 0.5サリチル酸グリコール 2.0酢酸トコフェロール 0.3ハッカ白油 0.01ポリアクリル酸 5.0ポリアクリル酸Na 1.5カルボキシメチルセルロースNa 4.5ポリビニルアルコール 3.0カオリン 3.0酸化チタン 0.5合成ヒドロタルサイト 0.05アルミニウムグリシネート 0.1グリセリン 15.0プロピレングリコール 3.0d−ソルビトール液70% 10.0ポリソルベート80 0.5POE(20)硬化ひまし油 0.5ヒマシ油 1.0EDTA・2Na 0.05精製水 バランス合 計 100.0【0030】(粘着剤組成物B)
l−メントール 0.5(%)
インドメタシン 0.5ポリアクリル酸Na 5.0カルボキシビニルポリマー 1.5ゼラチン 0.6カルボキシメチルセルロースNa 3.0ポリビニルアルコール 1.0カオリン 2.0酸化チタン 0.5ケイ酸アルミン酸マグネシウム 0.3グリセリン 20.0d−ソルビトール液70% 20.0POE(4)モノステアレート 1.0ヒマシ油 1.0EDTA・2Na 0.1精製水 バランス合 計 100.0【0031】(粘着剤組成物C)下記組成のブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリスチレンブタジエンゴム、スチレンイソプレン・スチレンブロック共重合体、流動パラフィン、二酸化ケイ素を加熱加圧下で混合し、これに、下記組成のロジンエステル樹脂、高吸水性ポリマー、酢酸トコフェロールを添加して粘着剤組成物Cを調製した。
ブチルゴム 5.0(%)
ポリイソブチレン 5.0 ポリスチレンブタジエンゴム 5.0 スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体 25.0 流動パラフィン 15.0 二酸化ケイ素 0.6 ロジンエステル樹脂 42.0 高吸水性ポリマー 1.4 酢酸トコフェロール 1.0 合 計 100.0【0032】上記実施例1〜5及び比較例1の結果から明らかなように、本発明となる実施例1〜5の温感シートは、任意の部分で切断しても、発熱金属粉末体のこぼれ落ちはきわめて少なく良好であり、良好な発熱温度、発熱時間を有するものであることが判明した。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、いかなる部分で切断しても内容物である発熱粉末体はこぼれ出ることはなく、指関節などの小さな部位から腰等の大きな部位までも適用することができる使用形態の自由度を向上させた温感シートが提供される。
【出願人】 【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
【出願日】 平成11年12月27日(1999.12.27)
【代理人】 【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介 (外2名)
【公開番号】 特開2001−178761(P2001−178761A)
【公開日】 平成13年7月3日(2001.7.3)
【出願番号】 特願平11−371383