| 【発明の名称】 |
保温式腰痛帯 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 洋一
【氏名】辻井 彰司
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| 【要約】 |
【課題】腰痛治療に必要な血流量を改善する腰痛帯であって、電気方式あるいは懐炉または燃焼タイプの腰痛帯の煩わしさを回避し、また、インスタントの化学懐炉の欠点を補う保温腰痛帯を提供することを目的とする。
【解決手段】吸湿発熱機能を有する繊維を含有する加工品を腰背部に用いた保温式腰痛帯を提供する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸湿発熱機能を有する繊維を含有した加工品を腰背部に用いる保温式腰痛帯。 【請求項2】 該吸湿発熱機能を有する繊維が、アクリレート系繊維またはセルロース系繊維である請求項1に記載の保温式腰痛帯。 【請求項3】 該加工品が、不織布、編織物又は綿状である請求項1又は2に記載の保温式腰痛帯。 【請求項4】 該吸湿発熱繊維を有する繊維の含有率が、加工品全重量に対して20重量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の保温式腰痛帯。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、腰痛の予防や治療に用いる腰痛帯に関するものであり、特に吸湿発熱素材を用いた腰痛帯に関するものである。 【0002】 【従来の技術】腰痛の予防や治療のため用いられる腰痛帯は、患部である腰部を固定し保護することを目的としている。そのため、伸縮性に優れたネオプレンやウレタンの発泡体をベースとした腰痛帯で腰部を締め付け固定したり、プラスチックプレートや金属プレートなどのステーで背骨を固定する構造を有したものが用いられている。 【0003】一方、患部の血流改善のため加温を行う形の腰痛帯としては、腰痛帯に電気又は燃焼タイプの懐炉を固定した物が知られている。また、患者自身が腰痛帯等の上から、または腰痛帯等と体表面の間に化学懐炉を設置または粘着添付する方法が取られている。 【0004】電気または燃焼タイプの懐炉を設置した腰痛帯類に付いては、装置が非常に大型で有ること、さらには温度を制御する装置を併設する必要があること、また、電池方式の懐炉または燃焼タイプの物は燃焼時間や電池の寿命により時間的に制限され、定期的な電池交換、充電または燃料の補給が必要である。 【0005】また、交流の家庭用の電気を使用するタイプのものに付いては、電気コードの接続が必要であり、生活行動が限定される。 【0006】一方、化学懐炉の問題点は、温度の制御が難しい点にあり、腰痛帯の使用状況、使用時間、皮膚の状態により、低温火傷の発生の危険性が指摘されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、腰痛治療に必要な血流量を改善する腰痛帯に関わるものであり、且つ、電気方式あるいは懐炉または燃焼タイプの腰痛帯の煩わしさを回避し、また、インスタントの化学懐炉の欠点を補う保温式腰痛帯に関わるものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、吸湿発熱機能を有する繊維を含有した加工品を腰背部に用いた腰痛帯が、該繊維の発熱作用によって、腰部を保温したり温めて血流を改善し、鬱血状態を緩解することのできることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本願は、以下の発明を提供するものである。 【0009】1.吸湿発熱機能を有する繊維を含有した加工品を腰背部に用いる保温式腰痛帯。 【0010】2.該吸湿発熱機能を有する繊維が、アクリレート系繊維またはセルロース系繊維である上記1に記載の保温式腰痛帯。 【0011】3.該加工品が、不織布、編織物又は綿状である上記1又は2に記載の保温式腰痛帯。 【0012】4.該吸湿発熱繊維を有する繊維の含有率が、加工品全重量に対して20重量%以上である上記1〜3のいずれかに記載の保温式腰痛帯。 【0013】本発明の腰痛帯は、患部である腰部を固定するだけでなく、簡便な方法で患部を保温したり温めて血流を改善し、鬱血状態を緩解するものである。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。 【0015】本願発明の保温式腰痛帯は、大きくは、腰背部及びその両側に達成された腹位部から構成される。また、本発明の保温式腰痛帯は、患部である腰部を固定し保護することを目的とした腰痛帯や、労働時等の腰痛を防護することを目的とした腰部保護ベルトを含むものであり、更に臀部を覆うスパッツ部などを含んでいるものでもよい。 【0016】吸湿発熱機能を有する繊維本発明で使用する吸湿発熱機能を有する繊維(以下、「吸湿発熱性繊維」という場合がある。)は、水分を吸収する事で繊維自体が発熱する繊維を意味する。即ち、発汗、例えば、液体状の汗だけでなく不感蒸泄として人体から出る水蒸気等により発熱する機能を持つ繊維である。 【0017】このような作用を有する該吸湿発熱性繊維は、公知であり、例えば、アクリル繊維のニトリル基を架橋させ、残ったニトリル基を加水分解させて、カルボン酸金属塩基を導入したアクリレート系繊維、あるいは、セルロース繊維にアクリル酸、メタクリル酸などをグラフト重合させてカルボン酸金属塩基を導入したセルロース系繊維などが知られている。 【0018】該吸湿発熱性繊維は公知の方法、例えば、乾式法、湿式法、溶融法などの方法があるが、具体的には、特開平5−132858号公報に記載の方法によって製造することができる。また、市販品であるエクス(東洋紡績株式会社製)、モイスケア(東洋紡績株式会社製)あるいはサーモストック(シキボー株式会社製)などを使用することも可能である。 【0019】吸湿発熱性繊維を含有する加工品本願発明においては、該吸湿発熱性繊維を、編織物、不織布又は綿状に加工したもの(加工品)を用いる。具体的には、該吸湿発熱性繊維を単独であるいは公知の天然繊維や合成繊維などと混紡、混繊、合撚などによって製糸し、編織物の形状としてもよい。また、吸湿発熱性繊維単独であるいは公知の天然繊維や合成繊維などと混紡、混繊、合撚などによって製糸した糸と、公知の天然繊維や合成繊維を製糸した糸との編織物としてもよい。 【0020】また、該吸湿発熱性繊維単独又は他の繊維材料とによって不織布としてもよい。さらに、該吸湿発熱性繊維単独又は綿を構成する他の繊維材料中に該吸湿発熱性繊維を混入させて綿状に加工してもよい。該綿状には、キルティング状だけでなく、フェルト状のものも含まれる。 【0021】公知の天然繊維としては、木綿、羊毛、麻、絹、羽毛などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。また、公知の合成繊維としては、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどが挙げられる。また、レーヨンやポリノジックなどの化学繊維を用いてもよいが、これらに限定されない。 【0022】不織布に加工する際の繊維材料、綿状に加工するための繊維材料も、特に限定されることなく、公知の材料を使用できる。 【0023】十分な発熱量を得るためには、吸湿発熱性繊維を加工品全重量に対して20重量%以上を含むことが望ましい。また、例えば編織物の場合80重量%を超えると糸強度が不足し形成し難くなることがあるため、80重量%以下であることが望ましい。不織布や綿状の場合は、上限は特に限定されないが、通常80重量%以下でよい。 【0024】また、加工品の目付は、必要とする発熱量や保温性により適宜選択することができるが、通常、100g/m2以上650g/m2程度以下であることが望ましい。 【0025】得られた該加工品を腰痛帯の腰背部に用いる。即ち、この吸湿発熱性繊維を含有する加工品を腰痛帯の腰背部に用いることで、人体から蒸散される水分や汗を吸収して加工品が発熱し、患部を保温し温める。そのため、発熱に必要な電源の必要が無く、また懐炉などの特別な付属品も不要となる。 【0026】腰背部における該加工品の位置及び範囲は、腰部を覆う程度の大きさ以上であって患部を保温することができれば、特に限定されないが、例えば、図1に示すごとく腰背部全体でもよいし、腰椎部分からその両脇の傍脊柱筋部分の至るまでの範囲程度であってもよい。 【0027】保温式腰痛帯本発明の保温式腰痛帯においては、上記加工品を腰背部に用いたものであれば、他の構成については、従来公知の各種腰痛帯のものが特に限定されることなく使用できる。一般に、本発明の腰痛帯は、おおきくは腰背部及びその両端に達成された腹位部から構成される。 【0028】該腰背部は、該加工品単独であってもよいし、現在市販されている腰痛帯の腰背部として使用されているものに該加工品を内張り材として張り付けたものであってもよい。具体的には、該加工品を、外材に張り付け内張り材としたものであってもよい(図2参照)。また、該加工品が綿状である場合には、更に綿を覆うものがあってもよい。 【0029】外材としては、公知の外材が使用できる。例えば、固定性および保温性をより改善する目的で、伸縮性あるいは非伸縮性の織布、不織布あるいは発泡性または未発泡性のゴム製のシートを用いることが可能である。該外材の両端は、そのまま、以下に示す腹位部に接続されていてもよい(図1参照)。 【0030】また、加工品の強度を保つために、ナイロンメッシュ、トリコットメッシュ生地等のような裏打ち材を加工品と外材との間に設置してもよい(図3、図4参照)。 【0031】また、体躯と接する加工品の上に綿、毛糸、アクリル編地などの裏地を積層してもよい(図4参照)。 【0032】また、腰椎部をより固定するためにステー(金属やプラスティック製の各種プレート)を、腰背部の外材の外又は内側に腰椎を挟む左右の位置にそれぞれ、例えば洗濯時に容易にはずせるような形式で配置させてもよい(図2、図3参照)。 【0033】また、腰部を強力に固定、保護するために、同様に伸縮性のあるベルトを腰背部の外材の外に腰椎部分からその両脇の傍脊柱筋部分の至る部分に積層してもよい。該ベルトの形態については、通常公知のものが適宜使用できる。 【0034】本発明の保温式腰痛帯は、腰背部を上記加工品単独または、必要に応じて裏打ち材や外材等を、加工品が体躯の内側に位置する様な形態で積層することによって、製造することができる。 【0035】本発明の保温式腰痛帯の腹位部は、腹圧を上げる機能を有するものであれば、特に限定されることなく、公知の形態、素材のものが使用できる。例えば、伸縮性を有するゴムを編み込んだ平ゴム状の形態を有するもの等が使用可能である。また、腰背部と腹位部の間に脇部を設け、該脇部に伸縮性を有する素材を使用してもよい。 【0036】また、腹位部に関しては、通気性のよいもの(例えば、メッシュ布等)を使用することも可能である。また、腹位部には更に固定するために固定ベルトをつけてもよい。該固定ベルトの腰痛帯への接続位置としては背中心でもよいし、各脇部でもよい。該ベルトの形態についても、通常公知のものが適宜使用できる。 【0037】また、適宜、面ファスナー等の手段によって左右の腹位部を相互に自在に留脱できるようにする。 【0038】具体的には、現在市販されている腰痛帯の腹位部として使用されているものを本発明の腰痛帯に腹位部として使用することができる。 【0039】本発明の保温式腰痛帯は、腰背部及び腹位部に加えて臀部を覆うスパッツ部を有していてもよい。 【0040】本発明の腰痛帯は、例えば、就寝時にはずすことによって、吸湿発熱性繊維が乾燥するので、その腰痛帯としての機能は維持される。 【0041】 【発明の効果】本発明の腰痛帯は、腰部に接する部分もしくは腰部に近い部分に吸湿性繊維を含有する加工品を用いているため、患部を固定し保護する腰痛帯本来の機能に加え、体から放出される水分などで加工品が発熱し、患部を保温、加熱し血行を良好にすることができる。 【0042】 【実施例】以下に実施例で本発明を詳述する。尚、吸湿発熱性繊維としてアクリレート系繊維(エクス、東洋紡績(株)製)およびセルロース系繊維(サーモストック、シキボー(株)製)を用いた。 【0043】実施例1エクス(30重量%)/アクリル繊維(エクスラン、日本エクスラン工業社製)(10重量%)/綿(60重量%)からなる30番手単糸を製し、この糸を用いて、目付200g/m2の編地とし、内張り用の原反とした。その原反を腰背部全体を覆う内張り材とし、腰背部のフレンチパイル素材の外材に該内張り材を積層し、該外材に、伸縮性のあるメッシュ素材を腹位部として接続した。更に、腰背部より腹位部を固定するための伸縮性の固定ベルトを接続し、また腹位部にマジックテープを取り付け相互に止脱自在になるようにし、保温式腰痛帯を作成した。 【0044】実施例2エクスをサーモストックに代える以外は、実施例1と同様にして保温式腰痛帯を作成した。 【0045】実施例3実施例1の保温式腰痛帯の前記内張り材の保温性を高めるために、発泡性のネオプレンラバーシートをさらに外材と内張り材の間に積層した保温式腰痛帯を作成した。 【0046】実施例4前記エクス含有糸を縦糸に、ナイロン/エスパー・ツーウェイ糸を横糸に用い原反を作成した。その原反を用い、実施例1と同様に製造した。 【0047】実施例5実施例1に於いて、エクス/アクリル繊維/綿の混率を50/10/40に代える以外は、実施例1と同様にして保温式腰痛帯を作成した。 【0048】比較例1腰部固定用伸縮性腰痛帯(ラクールガードVソフトタイプ:トーコー衛材(株)製造)、ラクール薬品販売(株)販売)を使用した。 【0049】比較例2実施例1におけるエクス含有糸に代えて、綿100%、30番手単糸を使用する以外は、実施例1と同様にして保温性腰痛帯を作成した。 【0050】試験例1実施例1〜5および比較例1〜2の腰痛帯を、各7名(7検体×7名の繰り返し測定)の腰部に装着し、30分後に取り外し、装着前後の腰部の表面体温を医療用サーモグラフ装置(サーモビュアJTG−5310:日本電子(株)製)を用いて測定した。 【0051】測定は25℃、75%相対湿度の恒温・恒湿室の中で行った。 【0052】測定結果を表1に示す。尚、各腰部温度の値は、被験者7名の平均温度である。 【0053】 【表1】
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| 【出願人】 |
【識別番号】391030789 【氏名又は名称】トーコー衛材株式会社 【識別番号】000003160 【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月27日(1999.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065215 【弁理士】 【氏名又は名称】三枝 英二 (外8名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−178760(P2001−178760A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月3日(2001.7.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−371213 |
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