| 【発明の名称】 |
気のう型副木装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊藤 吉則
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空気又は空気以外の気体を充填する気のう本体を有し、患部を固定するために上肢又は下肢等を包むように取り付けて使用する気のう型副木装置であって、気のう本体を、互いに連通した、複数個の気室部によって形成し、かつ少なくとも1個の注気口を気のう本体に設けたことを特徴とする気のう型副木装置。 【請求項2】 連通した、複数個の気室部は上肢又は下肢等の長手方向に細長く形成されている請求項1に記載された気のう型副木装置。 【請求項3】 複数個の気室部は上肢又は下肢等を包むために、気のう本体を3分以上に分割した構造を有する請求項1に記載された気のう型副木装置。 【請求項4】 気のう本体は下肢のほぼ全体を包むように取り付けるものであって、足部に接する下端の部分は1気室とし、かつ破損防止のための補強シート材を有しており、下端の部分以外の部分に複数個の気室部を形成した構造を有する請求項1ないし3のいずれかに記載された気のう型副木装置。 【請求項5】 気のう本体を上肢又は下肢等を包むように取り付けるための手段として、スライドファスナーのかみ合い部を、気のう本体の長手方向の両側辺に設け、両かみ合い部をスライダーにより接合、分離可能とした構成を有する請求項1ないし4のいずれかに記載された気のう型副木装置。 【請求項6】 空気又は空気以外の気体を充填する気のう本体を有し、患部を固定するために上肢又は下肢等を包むように取り付けて使用する気のう型副木装置であって、ガスバリヤ性を有する樹脂より成るシート材の縁辺部分を気密に固着することにより気のう本体を形成し、上肢又は下肢の長手方向に細長い互いに連通した気室部を複数個形成するために、気のう本体を3分以上に分割するとともに、少なくとも1個の注気口を気のう本体に設け、気のう本体を上肢又は下肢等を包むように取り付けるための手段として、スライドファスナーのかみ合い部を、気のう本体の長手方向の両側辺に設け、両かみ合い部をスライダーにより接合、分離可能としたことを特徴とする気のう型副木装置。 【請求項7】 注気口より気室部に気体を加圧注入するためにガス容器を使用可能なように形成された請求項1〜6のいずれかに記載された気のう型副木装置。 【請求項8】 保管状態において、折り畳んで収納袋に収納可能な請求項1〜7のいずれかに記載された気のう型副木装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は空気又は空気以外の気体を充填する気のう本体を有し、患部を固定するために上肢又は下肢を包むように取り付けて使用する気のう型副木装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】気のう(曩)つまり気体の充満した袋状構造物を利用した副木の類は公知であり、例えば特開昭50−6194号や実公昭59−31226号及び同60−1685号、或いは実開平1−80119号のものを挙げることができる。これらは上肢や下肢を包むように取り付けることが可能とされているけれども、1気室の袋体又は2気室の袋体からなるため、全周で均等な接触感を得にくいという問題がある。また、止血作用を得るべく特定箇所を強く圧迫する必要がある場合、その目的を達成することができないか、又は非常に困難であるという欠点があった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の点に着目してなされたものであって、その課題は骨折や脱臼、打撲、創傷、裂傷或いは火傷等に対する応急処置として、上肢や下肢に短時間で必要な固定処置を施すことを可能にする点にある。 【0004】また本発明の他の課題は、特に、適格な止血効果を容易に得ることができる気のう型副木装置を提供する点にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するため、本発明は気のう本体を、互いに連通した、複数個の気室部によって形成し、かつ少なくとも1個の注気口を気のう本体に設けるという手段を講じたものである。 【0006】特に、本発明の気のう型副木装置では、ガスバリヤ性を有する樹脂より成るシート材の縁辺部分を気密に固着することにより気のう本体を形成し、上肢又は下肢等の長手方向に細長い互いに連通した気室部を複数個形成するために、気のう本体を3分以上に分割するとともに、少なくとも1個の注気口を気のう本体に設け、気のう本体を上肢又は下肢等を包むように取り付けるための手段として、スライドファスナーのかみ合い部を、気のう本体の長手方向の両側辺に設け、両かみ合い部をスライダーにより接合、分離可能とした構成を有するものとすることができる。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明に係る気のう型副木装置は、空気又は空気以外の不活性な気体を充填可能な気のう本体を有し、かつ患部を固定するために上肢又は下肢等を包むように取り付けて使用する点において、従来のものと共通する。 【0008】充填する気体として、最も簡便には、所謂ビニール製の浮き輪を膨らませるのと同様に呼気を吹き込むことができる空気を利用可能である。しかも、呼気でなく、ポンプを利用しても良いことは勿論である。また空気以外にはガスボンベなどに詰められた不活性の気体が利用可能であり、特に炭酸ガス、窒素ガスなどは好適である。 【0009】気のう本体は、気のうを形成し、かつ所要の内圧力を長時間保持する必要上、ガスバリヤ性の良好な樹脂より成るシート材を用いて形成する。この場合の樹脂としては天然及び人工のゴムのほか各種の合成樹脂が該当する。汎用樹脂の中では塩化ビニル樹脂、ポリエチレンその他のポリオレフィン系の樹脂、各種のナイロンに代表されるポリアミド樹脂、フッソ樹脂等、柔軟性と伸縮性のある樹脂が使用可能であり、ゴム材料としては天然ゴム、合成ゴム、シリコンゴム、フッソゴム等が使用可能である。 【0010】気のう本体を構成するシート材は単層でなければならない訳ではなく、耐久性の面から、或いは耐漏洩性の面から積層ないしは複層状の構造を備えることができる。さらに下肢用の副木装置の如く、身体のかなりの部分を占める下肢の荷重を負担し、かつまた場合によっては吊り上げや歩行などにおける荷重の集中に耐える必要もあるので、このような場合には、下肢の特に足部に補強シート材を併用し、破損防止を図ることができる。しかしながら、副木装置を着用したままでX線透過検査を実施することができるために、X線の透過を大きく妨げる金属材料や複合構造などを適用することは好ましくない。 【0011】このような気のう本体は、互いに連通した、複数個の気室部から成る構成とする。ここで気室部とは、気体を充填して膨らませることができる部分の意味であり、気体を抜けば扁平な状態とすることができる。気のう本体とその気室部とは前記のシート材の要所を接着して形成する。接着には接着剤を用いた狭義の接着のほか、加熱による融着又は溶剤による溶着、それらの併用を含む。 【0012】気のう本体には少なくとも1個の注気口が備わる。注気口は栓を一体に有する注気口栓や弁付のものでもよく、またあとから蓋や栓をすることで口を止める注気口だけのものであっても良い。気のう本体の各気室部は互いに連通しているので最小限1個の注気口で足りるが、複数個の注気口を同時に使用することも可能である。 【0013】気のう本体を上肢又は下肢等を包むように取り付けるための手段には様々な公知の手段、方法を採り得るが、どの手段を採っても、気のう本体により上肢又は下肢等を包むために概ね筒状の形状を保ち、使用時以外のときには扁平な形状に片付けておくことを妨げないものであることが望ましい。このような条件を満たす取り付け手段にはスライドファイスナーやホック等が好適である。しかし、気のう本体の縁辺部分に紐通し孔を設けて紐で締めるような方法でも良い。 【0014】ところで気のう本体は上肢又は下肢等を包むために適した構造の気室部を有している必要がある。包むために適した構造については、まず気室部の数が少なくとも3個又はそれ以上であることが望ましいということができる。他方、気室部の個数が多ければ多いほど、即ち、気室部を細分化すればするほど、充填する空気又はその他の気体の圧力を高くすることができ、また患部への圧迫強度を高くすることにもなる。この場合、耐久性も向上する。しかし細分化し過ぎて、充填する気体の圧力が高くなり過ぎても、副木の固定効果が弱くなる。このため下肢様の副木装置では3〜10個の気室個数が適当であり、4〜6個の範囲が好適である。 【0015】本発明の副木装置において、圧迫包帯としての効果を発現させる場合、充填気体の圧力が高過ぎれば血管を圧迫し過ぎとなり、血流を阻害するため逆効果となる。逆に気体の圧力が低過ぎれば目的とする患部の固定及び皮膚表層部の止血効果を得ることができない。効果が確認されている患部圧迫圧力は数十Pa/m2〜十数キロPa/m2 の範囲であり、好ましいのは100Pa/m2 〜10KPa/m2 の範囲である。 【0016】この発明の副木装置をより使用し易いものとするには、上肢、下肢及び胴体の長さ方向、つまり身体のほぼ上下方向に細長い気室部が形成されるようにすることが望ましい。しかし手先や足先及び首部に関係する気室部は1個の気室部で包み込むように患部を固定できるようにしても良い。このため、患部の形態に適した形状、構造を有する専用型の副木装置を用意するのは好ましいことである。 【0017】気のう本体を膨らませる手段は呼気の吹き込み、ガス容器に充填されたガスの注入、及びポンプによる空気の注入等である。ガス容器を使用する場合その内容量と内圧力は、気のう本体の内容積と患部圧迫圧力によって決まる。ガス容器を使用する場合、使い捨て用の内容量数十ミリリットル程度の小型ガス容器から、ガスボンベと称される十数リットル入りのガス容器までのものを適宜使用可能である。充填圧力範囲は、従って数百KPa/m2 から数十MPa/m2 まで使用可能であり、これを数十KPa/m2 から数百Pa/m2 に減圧して使用する。 【0018】 【実施例】以下図示の実施例を参照して本発明を詳細に説明する。図1は上肢用の気のう型副木装置10を示しており、透明な、軟質の塩化ビニル樹脂より成るシート材を2枚合わせ、全周縁部に加熱による枠状融着部11を形成して気のう本体12を形成するとともに、気のう本体12の上下方向に4筋の線状融着部13を形成したもので、枠状融着部11と線状融着部13との間に5個の上肢方向に細長い気室部14が形成したものである。 【0019】枠状融着部11はシート材の周縁部の内側にあって閉じており、線状融着部13は枠状融着部11の内側にあって途中で止まった端部を有するが、しかし一方の端部は枠状融着部11で終わっていても良い。途中で止まった端部には円形融着部15が形成され、応力分散を図り、破断を防止している。16は注気口であり、例示のものは自動開閉式の弁を内蔵した注気口栓となっている。 【0020】気のう本体12を患部を固定するために、上肢を包むように取り付ける手段としてスライドファスナー17とホック状の止め具8とが併設されている。スライドファスナー17は気のう本体12の長手方向の両側辺に設けられたかみ合い部17a、17bと、両かみ合い部17a、17bを接合、分離可能としたスライダー17cよりなるものである。ホックは雌雄嵌合構造を有する一対のもの18a、18bから成る。 【0021】故にスライドファスナー17を閉じると、筒状の上肢用気のう型副木装置10となる。図2(a)、(b)、図3、図4各参照。図2において図2(b)のものは図1の例に相当し、他方図2(a)は上肢全体用の気のう型副木装置10′に相当するものを示している。これは細長い気室部14の先に、手部Bの包み込みのための気室部19を有している。故に注気口栓16から空気を吹き込むことにより、図5に示すようなほぼ5角の筒状となり、上肢Aを圧迫し、患部を固定できる状態となる。 【0022】図7は下肢C用の気のう型副木装置20を示しており、半透明かつ軟質のポリエチレン樹脂より成るシート材を2枚合わせて、前記と同様の枠状融着部21を同様に形成し、その内側に線状融着部23を設けたもので、その間に上下に細長い気室部24が形成されている。線状融着部23は両端共、枠状融着部21から離れた位置にあり、円形融着部25とされている。取り付け手段であるファスナー27は線状融着部23の範囲において、気のう本体22の長手方向の両側辺部に設けられており、下方の部分は足部の包み込みのための気室部29となっており、ファスナー27を設けていない両側辺部下部は足先を出すことができる開口30のままとされる。 【0023】細長い気室部24と足部Dの包み込みのための気室部29との間には足首の固定のための止め部31としてホックが設けられている。このホックも前記と同様の雌雄嵌合構造の一対のもの31a、31bを有するが、より大型、強力なものとして足部に生じ得る外力に対応可能としている。なお、上記大型の止め具31のほかに、要所に止め具31が設けてあり、これらをより小型のホック28a、28bで構成している点は図1〜図5の例の場合と同様である。 【0024】下肢用の気のう型副木装置20において、足部の包み込みのための気室部29には補強材32を積層した構造として、摩耗等による破損のおそれに対処している。さらに、最も下に位置する下側辺部には強固な融着部33を設けており、足底部に履き物を着用したまま行動することによる破損の可能性の高い傾向に対処可能としている。図8(a)、(b)には大小2タイプの下肢用気のう型副木装置が例示されており、図8(a)は下肢全体用のもので図7の例に相当し、図8(b)の例は膝から下の部分用の小型の気のう型副木装置20′を示している。 【0025】これらの下肢用気のう型副木装置20、20′は図9、図10に示したように下肢に取り付けて固定するために使用される。気体の注入のために注気口26から注記するが、この場合図13又は図14に示すようにガス容器34、35内の圧縮ガスを使用することができる。34は封板式小型ガス容器を示しており、使い切り型のもので、封板開放器付きバルブ36とガス取り出し管37のカプラー38とを注気口26に接続すると、瞬時にガス充填を行なうことができる。図14に示したガス容器35入りのガスを使用する場合、減圧器39から伸びるガス取り出し管37に付属したカプラー38′を用いて注気口26に接続することにより、瞬時に所望圧力のガス充填が可能である。 【0026】このような気のう型副木装置10、10′、20、20′は、膨らませると内圧に応じた圧迫力で患部を望むとおりに押し、かつまた上肢、下肢等を固定することができる。図10、図11参照。このような副木装置を上肢、下肢等へ着用した場合、患部は最適の状態で加圧固定されると同時に、気体の断熱性により保温されることにもなる。そのため、保温によるむれを防止する目的で通気口40を要所に形成することができる。図6(a)、(b)は帯状の融着部13に点状に設けた通気口40を示す。 【0027】また本発明の気のう型副木装置は例えば上肢の全体と部分、下肢の全体と部分及び首部を主とする胴部分への着用のためのものなど、数種類又はそれ以上の種類のものから構成することができる。そこでこれら各種類のものを一まとめにしておけるようにすると良い。図12の収納袋41はそのためのものである。例示した収納袋41は患者頭部を支える枕などとして使用可能な密閉袋構造を有し、かつまた気体注入のための注気口42を有する。 【0028】故に、例えば下肢骨折の応急処置には図7に示した副木装置10を患者の下肢該当部分に当てがい、靴を脱がせる必要なくファスナー27を閉じ、ホック31を止めたのち、炭酸ガス容器35から減圧弁39を介してガスを瞬時に充填することができる。圧力の設定は付属の調節手段により自由に行なうことができ、従って骨折部は治療までの間、移動、変形が生じない状態に固定され、好適な状態で治療を受けることができることになる。また治療に先立って患部のX線写真の撮影をする場合、本発明の副木装置はX線を透過させるので、全く撮影の邪魔にならない。また本発明においては、空気部14、24の膨らみを患部またはその近くの必要な箇所に当てて加圧することで容易かつ的確に止血が可能であり、無菌状態で収納袋41に収め、常備することで応急処置の質を著しく向上させることとなる。 【0029】 【発明の効果】本発明は以上の如く構成されかつ作用するものであるから骨折や脱臼、打撲、創傷、裂傷或いは火傷等に対して質の高い応急処置を施すことを可能とし、しかも短時間で容易に上記の応急処置を施すことができ、かつまた数個の気室部を備えていることにより、患部を的確に押さえて止血することができるという効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】300001897 【氏名又は名称】株式会社サン・ライフ・セイビング
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| 【出願日】 |
平成11年12月27日(1999.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072039 【弁理士】 【氏名又は名称】井澤 洵
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| 【公開番号】 |
特開2001−178757(P2001−178757A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月3日(2001.7.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−369121 |
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