| 【発明の名称】 |
電子解熱装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】瀬川 正嗣
|
| 【要約】 |
【課題】長時間にわたって継続して使用する場合にも、凍傷等の低温障害を生じることのない、ペルチェ素子を冷熱源とする氷のう型の電子解熱装置を提供する。
【解決手段】アームスタンド状の支持体5の先端に、ペルチェ素子41を用いた冷却ユニット4を設ける。機箱1に設けた制御装置2で、ペルチェ素子41を間欠的に駆動する。制御装置2は吸熱面の温度を検知するセンサー部55と、ペルチェ素子41のオン・オフタイミングを設定する設定部52と、これらからの入力信号に基づいてペルチェ素子41への通電を制御する制御部51とを有し、ぺルチェ素子41の温度変化パターンが鋸刃形になるようにして、冷え過ぎを防止しながら連続して解熱できるようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ペルチェ素子41を冷熱源とする冷却ユニット4と、冷却ユニット4を支持する支持体5と、ペルチェ素子41の作動状態を制御する制御装置2とを含み、制御装置2は、ペルチェ素子41の吸熱面の温度状態、および周囲温度を検知するセンサー部55と、ペルチェ素子41のオン・オフタイミングを設定する設定部52と、センサー部55および設定部52からの入力信号に基づいてペルチェ素子41を間欠的に駆動する制御部51とを含み、ペルチェ素子41の温度変化パターンを、設定部52で設定された下限温度と、周囲温度との間で鋸刃形に変化させて人体の冷却を行うことを特徴とする電子解熱装置。 【請求項2】 設定部52が、ペルチェ素子41の作動下限温度を設定する下限設定と、下限設定状態を維持する時間を設定する時間設定と、休止していたペルチェ素子41を再駆動するための作動上限温度を設定する上限設定とを行えるように構成してある請求項1記載の電子解熱装置。 【請求項3】 支持体5と、支持体5の基部を周辺構造物に装着固定する取付部70とを備えており、支持体5が、縦軸まわりに回転自在に軸支される第1軸15を備えたアームポスト10と、アームポスト10で水平の第2軸21を介して上下揺動自在に軸支された第1アーム11と、第1アーム11の先端に水平の第3軸25を介して揺動自在に軸支された第2アーム12と、第2アーム12の先端に設けられた姿勢調整具13とを含み、姿勢調整具13に冷却ユニット4が取り付けてある請求項1または2記載の電子解熱装置。 【請求項4】 冷却ユニット4が、ペルチェ素子41と、ペルチェ素子41の放熱面の側に順に密着配置される伝熱板42および放熱フィン43と、放熱フィン43に冷却風を送給するファン44と、これらの機器を収容し支持するケース39とを含み、ペルチェ素子41の吸熱面に密着配置した冷熱伝熱板47に対して、冷媒を内蔵する冷却パッド48が着脱可能に装着してある請求項3記載の電子解熱装置。 【請求項5】 冷却パッド48の片面に磁石49が固定されており、冷却パッド48が冷熱伝熱板47に対して磁石49を介して着脱可能に装着してある請求項4記載の電子解熱装置。 【請求項6】 制御装置2を内蔵する機箱1を備えており、機箱1には、冷却ユニット4および支持体5を収容する格納室3と、格納室3を開閉するドア6とが設けられており、第1アーム11および第2アーム12のそれぞれが、各アーム11・12の中途部に設けたヒンジ22を介して折りたたみ可能に構成されており、第3軸25、および各アーム11・12のヒンジ22の各部位において、第1アーム11および第2アーム12が、折りたたんだ状態で冷却ユニット4と共に格納室3に収容できて携行可能とした請求項3記載の電子解熱装置。 【請求項7】 アームポスト10と第1アーム11との間、および第1アーム11と第2アーム12との間に、冷却ユニット4の重量を相殺する釣合具14が設けてある請求項3または6記載の電子解熱装置。 【請求項8】 姿勢調整具13が、第2アーム12の先端に第4軸33を介して揺動可能に軸支された第1ブロック31と、第1ブロック31に設けた第5軸34で回動可能に軸支された第2ブロック32とからなり、第2ブロック32に冷却ユニット4が固定してある請求項3または7記載の電子解熱装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ペルチェ素子を冷熱源とする電子解熱装置に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の冷却装置として、特開平10−277080号公報が公知である。そこでは、ペルチェ素子の吸熱面の側にアルミニウム製の吸熱板と、ゲル状の保冷材が充填された冷却袋とを順に配置している。ペルチェ素子の放熱面の側には、放熱板とファンユニットを配置している。冷却袋を除く各部材はインナーケースに組み付けられて、さらに外装ケースに収容してある。使用時には、ケース外面に露出する吸熱板上に冷却袋を載置したのち、ペルチェ素子に通電して冷却袋を冷やす。この冷却装置は枕として構成してあって、専ら頸椎部や後頭部および側頭部を冷やすために用いられる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記の冷却装置は、冷却袋を長時間にわたって低温状態に維持することを企図している。そのため、解熱には効果的であるが、使用法が不適切であると凍傷等の低温障害を生じるおそれがある。それでも、解熱剤等の薬理化学的な解熱手法を使用できない場合には、物理的な解熱手法を採らざるを得ず、氷のうなどに比べて長時間の連続使用が可能なこの種の冷却装置において、凍傷等の低温障害を確実に避けながら、効果的に解熱を行えることが望まれている。 【0004】解熱時の低温障害に関して、特開平8−229061号公報には、冷却温度を5℃〜36℃(体温)に設定すること、さらに冷却パッドの冷媒温度をセンサーで検知し、その検知信号を制御部へフィードバックして、冷却パッドに供給される冷媒温度を、予め実験的に求めておいた設定温度に維持することが記載されている。しかし、解熱時の低温障害は、人体と接する冷却体をほぼ一定の低温状態に維持し続けることが原因であると考えられ、患者の体調や発熱サイクル、あるいは個々人の体温や皮膚の特異性等を考慮すると、冷却体の温度を一律に設定することに無理がある。 【0005】枕として構成した冷却装置は、仰臥姿勢や側臥姿勢で使用することになるが、冷却装置自体をベッド上に定置するので、冷却部位を例えば頸椎部に特定するような場合に、寝返りできない不便がある。激しい運動を行ったのちに、筋肉や関節を冷やす目的で使用するのにも適さない。 【0006】この発明の目的は、凍傷等の低温障害を生じることなく効果的に解熱を行え、従って、誰でもが安心して使用できる電子解熱装置を提供することにある。この発明の他の目的は、使用者の姿勢の如何にかかわらず、冷却ユニットを必要な冷却部位に当てつづけることができる氷のう型の電子解熱装置を提供することにある。 【0007】この発明の他の目的は、装置全体をコンパクトにまとめた状態で携行でき、従って、交通事故等の事故現場やスポーツ現場へ持ち込んで患部の冷却や解熱を行える、ポータブル式の氷のう型の電子解熱装置を提供することにある。この発明の目的は、冷却ユニットを支持する折りたたみ可能な支持腕と、冷却ユニットの重量を相殺する重量バランス機構とを備えていて、不使用時に冷却ユニットと支持腕を、携行ケース内にコンパクトに折りたたみ収納でき、冷却時には冷却ユニットの重みで患部が圧迫されることも防止できるポータブル式の氷のう型の電子解熱装置を提供することにある。この発明の目的は、5個の関節部を備えていて、冷却ユニットの使用姿勢を自由に変更できるポータブル式の氷のう型の電子解熱装置を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】この発明の解熱装置は、図1に示すごとくペルチェ素子41を冷熱源とする冷却ユニット4と、冷却ユニット4を支持する支持体5と、ペルチェ素子41の作動状態を制御する制御装置2とを含む。図10に示すように制御装置2は、ペルチェ素子41の吸熱面の温度状態、および周囲温度を検知するセンサー部55と、ペルチェ素子41のオン・オフタイミングを設定する設定部52と、センサー部55および設定部52からの入力信号に基づいて、ペルチェ素子41を間欠的に駆動する制御部51とを含み、図11に示すごとくペルチェ素子41の温度変化パターンを、設定部52で設定された下限温度と、周囲温度との間で鋸刃形に変化させて人体の冷却を行うことを特徴とする。 【0009】上記の設定部52は、ペルチェ素子41の作動下限温度を設定する下限設定と、下限設定状態を維持する時間を設定する時間設定と、休止していたペルチェ素子41を再駆動するための作動上限温度を設定する上限設定とを行えるように構成する。 【0010】具体的には、電子解熱装置は支持体5と、支持体5の基部を周辺構造物に装着固定する取付部70とを備えている。支持体5は、図1および図2に示すごとく縦軸まわりに回転自在に軸支される第1軸15を備えたアームポスト10と、アームポスト10で水平の第2軸21を介して上下揺動自在に軸支された第1アーム11と、第1アーム11の先端に水平の第3軸25を介して揺動自在に軸支された第2アーム12と、第2アーム12の先端に設けられた姿勢調整具13とを含み、姿勢調整具13に冷却ユニット4が取り付けてある。 【0011】冷却ユニット4は、図7に示すごとくペルチェ素子41と、ペルチェ素子41の放熱面の側に順に密着配置される伝熱板42、および放熱フィン43と、放熱フィン43に冷却風を送給するファン44と、これらの機器を収容し支持するケース39とを含む。ペルチェ素子41の吸熱面には、冷熱伝熱板47を密着配置し、この冷熱伝熱板47に対して、冷媒が内蔵された冷却パッド48を着脱可能に装着する。冷却パッド48の片面には磁石49を固定し、磁性体で形成した冷熱伝熱板47に対して冷却パッド48を磁石49を介して着脱可能に装着する。 【0012】電子解熱装置は、制御装置2を内蔵する機箱1を備えており、機箱1には、図1に示すごとく冷却ユニット4および支持体5を収容する格納室3と、格納室3を開閉するドア6とが設けてある。第1アーム11および第2アーム12のそれぞれは、各アーム11・12の中途部に設けたヒンジ22を介して折りたたみ可能に構成する。第3軸25、および各アーム11・12のヒンジ22の各部位において、第1アーム11および第2アーム12を折りたたんだ状態で、両アーム11・12を冷却ユニット4と共に格納室3に収容できるようにして、電子解熱装置の全体を携行可能とする。 【0013】アームポスト10と第1アーム11との間、および第1アーム11と第2アーム12との間には、冷却ユニット4の重量を相殺する釣合具14を設ける。 【0014】姿勢調整具13は、図6に示すごとく第2アーム12の先端に第4軸33を介して揺動可能に軸支された第1ブロック31と、第1ブロック31に設けた第5軸34で回動可能に軸支された第2ブロック32とからなり、この第2ブロック32に冷却ユニット4が固定されている。 【0015】 【作用および発明の効果】使用状態において、ペルチェ素子41は制御部51によって間欠的に駆動されて、その吸熱面側の温度変化パターンが、設定部52で設定された下限温度と、周囲温度(または上限設定温度)との間で、例えば図11に示すように鋸刃状に変化する。いま、室内が27℃、下限温度が15℃である場合には、ペルチェ素子41の吸熱面の温度が15℃まで低下した時点で、ペルチェ素子41への通電を停止し、あるいは通電状態を小きざみにオン・オフして下限温度を一定時間だけ維持した後、通電を停止して冷え過ぎを防ぐ。こののち、ペルチェ素子41の吸熱面の温度は緩やかに上昇する。そして、吸熱面の温度が室温に達し、あるいは予め設定しておいた上限設定温度に達すると、制御部51はペルチェ素子41への通電を再開して吸熱面を冷却する。以後は、上記の通電サイクルを繰り返すことにより、吸熱面の温度変化パターンは鋸刃形のパターンとなる。 【0016】上記のように鋸刃形の温度変化パターンに従って冷熱を発生させると、人体が過剰に冷やされるのを防止しながら、継続して人体冷却を行える。従って、解熱装置を長時間にわたって連続して使用する場合であっても、凍傷等の低温障害を生じることもなく効果的に解熱できる。なお、室温が異常に高い場合には、ペルチェ素子41に再通電する温度を室温より低く設定することもあり、その場合は再通電温度を設定部52で予め設定しておく。下限温度や下限温度を維持する時間、および再通電間隔は患者の体調の変化や発熱サイクル、あるいは体温、皮膚の特異性の有無等を考慮して、医療従事者が決定する。家庭で使用する場合にも、誤使用による低温障害を避けるために、医師の処方に従って使用するのが好ましい。上記のような、きめ細かな設定を可能とするために、下限設定、時間設定および上限設定等を設定部52で行えるようにしている。 【0017】支持体5が、互いに屈折可能に連結したアームポスト10、第1アーム11、第2アーム12および姿勢調整具13等で構成した氷のう型の電子解熱装置によれば、各アーム11・12や姿勢調整具13を患者の寝姿に合わせて調整することにより、冷却ユニット4を必要な冷却部位に当て続けることができる。つまり、患者は冷却ユニット4の位置や姿勢を気に止める必要もなく、身体を休めることができ、精神的、肉体的に安寧な状態を保つことができる。各アーム11・12や姿勢調整具13の位置や姿勢を変更し調整することにより、冷却ユニット4の位置および姿勢等を広い範囲にわたって変更調整できるので、他の医療機器等の邪魔にならない位置に解熱装置を設置でき、患者の近辺に解熱装置を配置できない状態であっても冷却ユニット4を患者に適用できる。 【0018】冷媒を内蔵する冷却パッド48を冷却ユニット4とは別に設けておき、これを冷熱伝熱板47に対して着脱可能に装着すると、冷却パッド48を冷却ユニット4から取り外して、洗浄し、あるいは消毒できるうえ、必要があれば、個々の患者ごとに冷却パッド48を専用品として供給することができるので、衛生的であり、院内感染等の予防にも役立つ。 【0019】第1アーム11と第2アーム12の中途部にそれぞれヒンジ22を設け、これらのヒンジ22と第3軸25とを介して各アーム11・12を折りたたみ、冷却ユニット4と共に機箱1の格納室3に収納できるようにした携行可能な解熱装置によれば、全体装置を一個のユニットとしてコンパクトにまとめることができるので、医療施設の外、例えば交通事故等の事故現場やスポーツ現場等への解熱装置を持ち込んで使用でき、その適用環境を広範に拡大できる点で有利である。使用時には、冷却ユニット4および各アーム11・12を、格納室3から引き出し、各アーム11・12を展開しながら、冷却ユニット4の位置および姿勢を調整するだけで使用できるので、各構成部材を使用可能な状態に組み上げる手間が減り、簡単にしかも迅速に冷却を開始できる。 【0020】ばねやガスダンパー等の釣合具14を用いて、冷却ユニット4の重量を相殺する解熱装置によれば、例えば、数個の鋼棒を支持要素とするスタンドで冷却ユニット4を支える場合とは異なり、第1、第2の各アーム11・12と冷却ユニット4の位置や姿勢を即座に変更できる状態を維持したままで、冷却ユニット4の重みやアーム重量等が人体に作用するのを防止して、冷却対象の患部が圧迫されるのを阻止でき、長時間にわたる使用時にも患者の負担を著しく軽減できるうえ、患者の寝姿の変化に即応して冷却ユニット4の姿勢や位置の変更を行える。 【0021】姿勢調整具13が、図6に示すごとく第4軸33および第5軸34とを含む第1ブロック31と第2ブロック32とで構成されていると、第1・第2・第3の各軸15・21・25を含めて、全体で5軸まわりに冷却ユニット4の位置および姿勢を変更できるので、その変更範囲が拡大し、患者の状況に良く適合した状態で冷却ユニット4を使用できる。姿勢調整具13これ自体が2軸まわりの自由度を持っているので、各アーム11・12で大まかな位置調整を行ったのち、姿勢調整具13の側で冷却ユニット4の位置および姿勢を微調整でき、従って調整作業を簡単にしかも迅速に行える。 【0022】冷却パッド48が磁石49を介して冷熱伝熱板47に着脱できるようにした冷却ユニット4によれば、冷却パッド48の着脱を迅速かつ簡単に行え、磁石49の吸着位置を冷熱伝熱板47の範囲で広い範囲にわたって変更できる。つまり、患者の状態に応じて冷却パッド4の位置変更を行える点で有利である。 【0023】 【実施例】図1ないし図11はこの発明に係る携行可能な電子解熱装置の実施例を示す。図1および図2において、電子解熱装置は、縦に長い直方体状の機箱1と、機箱1の下半内部に内蔵される制御装置2と、機箱1の上半部の格納室3に収容される冷却ユニット4および支持体5などで構成する。格納室3はドア6で開閉できる。ドア6はヒンジ7を介して揺動開閉でき、ドア6これ自体もその中途部に設けたヒンジ8まわりに折りたたむことができる。 【0024】支持体5は、アームポスト10、第1アーム11、第2アーム12、姿勢調整具13および各アーム11・12に設けられる釣合具14などで、折りたたみ可能なアームスタンドとして構成してある。 【0025】図3においてアームポスト10は、アルミダイキャスト成形品からなり、垂直の第1軸15の上部に第1アーム11を軸支するためのブラケット16を有し、ブラケット16の上部にばね用腕17とワイヤ用の連結腕18とを突設してなる。第1軸15は格納室3の底壁に固定した軸受19で軸支されて、垂直軸まわりに自由に回転できる。 【0026】第1アーム11は、金属管材からなる左右一対のアーム棒11aと、その両端に固定した二又状の連結具11bとからなり、図3に示すごとくブラケット16に挿通した水平の第2軸21で一方の連結具11bを上下揺動自在に軸支する。図4に示すようにアーム棒11aは中途部で分断されており、この分断部分をヒンジ22で折りたたみ可能に連結している。分断部分には、伸長状態のアーム棒11aを直線状に連続させるためのL字形の接合金具23が固定してある。アームポスト10に連結したアーム棒11aとばね用腕17との間には、引っ張りコイル形のばねからなる釣合具14が掛け止めてある。符号24は釣合具14のばね力を調整するための調整ボルトである。 【0027】第2アーム12は第1アーム11とほぼ同じ構造であるが、その全長が第1アーム11より短い点に違いがある。その構成部品であるアーム棒12aや連結具12bは、第1アーム11の対応する部品と同様に形成してある。アーム途中にヒンジ22と接合金具23とを設ける点も同じである。第2アーム12の基端は、水平の第3軸25を介して第1アーム11の先端に相対揺動可能に連結する。第3軸25には、図4に示すごとくばね用腕26とワイヤ用の連結腕27とを備えた中間レバー28が外嵌してある。 【0028】各アーム11・12の連結具11b・12bは、図5に示すように中間レバー28の左右側面の外側において第3軸25で連結されている。中間レバー28は第3軸25の角軸部に外嵌していて、第3軸25に対して相対回動できない。この中間レバー28のばね用腕26とアーム棒12aとの間にも、引っ張りコイル形のばねからなる釣合具14が掛け止め装着され、調整ボルト24でばね力を調整できる。中間レバー28の連結腕27と、先のアームポスト10の連結腕18とは、ワイヤー29を介して連結してある。従って、第1アーム11を図2に示すように展開して伸長した状態においては、中間レバー28は第1アーム11に対して、常に一定の姿勢を維持し、ワイヤー29がたるむ向きに限って第3軸25と共に回動できる。 【0029】図6において姿勢調整具13は、それぞれ金属ブロックからなる第1ブロック31と第2ブロック32とからなる。第1ブロック31は、第2アーム12の先端の連結具12bに対して水平の第4軸33を介して相対揺動可能に連結する。第2ブロック32は、第1ブロック31と一体に設けた第5軸34で回動可能に軸支され、止めねじ35で抜け止め保持してある。第5軸34は第4軸33に対して直交している。第2ブロック32には、舌片状のブラケット36を一体に設けてあり、このブラケット36に冷却ユニット4をビス止めしている。なお、第2軸21、第3軸25、第4軸33の両端には、各アーム11・12および姿勢調整具13を任意の揺動姿勢において締結固定するための締付ノブ37(図5参照)が設けてある。 【0030】図7において冷却ユニット4は、下向きに開口する金属製の角箱状のケース39と、これの下面を閉じる蓋40とを有する。蓋40の中央には、冷熱源となるペルチェ素子41を蓋壁を内外に貫通する状態で配置する。ペルチェ素子41の放熱面(上面)の側には、伝熱板42とこれの上に放熱フィン43とがそれぞれ順に密着配置してある。放熱フィン43の上面には、冷却風を送給する2個のファン(ファンユニット)44がビス止めしてある。伝熱板42は銅板からなり、ペルチェ素子41で生じる熱を放熱フィン43へ拡散させながら効果的に伝える。ファン44はケース39の上壁に通設した一群の吸風孔45を介して外気を吸い込み、放熱フィン43へ向かって冷却風を吹き出す。熱交換後の排風は、ケース39の四周壁に通設した排風口46を介してケース外へ排出される。 【0031】蓋40より下方に突出するペルチェ素子41の吸熱面には、冷熱を拡散伝導するための冷熱伝熱板47が密着配置してある。冷熱伝熱板47は鋼板等の磁性金属板、あるいは磁性を有するステンレス板材からなり、その左右両側の壁面に下向きに僅かに折れ曲がるパッド受47aを有する。冷熱伝熱板47は、テフロン製のスペーサ50および蓋40と共に、伝熱板42に対してビス止めしてある。 【0032】皮膚への肌触りを軟らかにし、かつ皮膚との密着度を増し、さらに冷熱をある程度蓄積するために、冷熱伝熱板47に冷却パッド48を装着して使用する。冷却パッド48は、軟質プラスチックシート製の袋の内部に、液体あるいはゲル状の冷媒を充填して形成してあり、その片面に固定したシート状の磁石49を介して、冷熱伝熱板47に着脱可能に取り付けることができる。 【0033】図2において支持体5は、機箱1から大きく突出した状態で使用する。この状態では機箱1に大きな傾動モーメントが生じて倒れやすい。そこで格納室3の底壁に沿って取付部70を設け、機箱1をベッドの枠体75等に固定できるようにしている。図8において取付部70は、機箱1の背面から格納室3内へ出し入れできるスライド枠71と、スライド枠71の後端に固定した保持枠72と、スライド枠71に設けたスライド溝73を介して格納室3の底壁にねじ込まれる左右一対の固定ねじ74などで構成する。スライド枠71を機箱1の背方へ引き出して枠体75に掛け、保持枠72と機箱背壁とで枠体75を前後に挟むことにより、先の傾動モーメントに抗して機箱1を安定して支えることができる(図2参照)。 【0034】図10において制御装置2は、制御部51と、設定部52と、表示部53と、電源部54と、ペルチェ素子41の吸熱面の温度状態と冷却ユニット4の周囲温度とをそれぞれ個別に検知するセンサー部55などで構成する。設定部52は、ペルチェ素子41の作動下限温度を設定する下限設定と、下限設定状態を維持する時間を設定する時間設定と、休止していたペルチェ素子41を再駆動するための作動上限温度を設定する上限設定とを行うことができる。そのために図1に示すように、機箱1の前面下部に複数個の設定ボタン56を備えている。各設定ボタン56を液晶表示体からなる表示部53のガイダンスに従って押すことによって、上記の各設定を行える。符号57は電源スイッチである。 【0035】制御部51は、設定部52およびセンサー部55からの入力信号に基づいてペルチェ素子41を間欠的に駆動する。これにより、ペルチェ素子41の吸熱面における温度変化パターンは、図11に示すように鋸刃形に変化する。詳しくは、電源投入後に必要な設定を行うと、制御部51はペルチェ素子41に大電流を供給してこれの吸熱面を迅速に冷却し、同時にファン44を駆動する。吸熱面の温度が下限設定温度に達すると(図11のa点)、ペルチェ素子41への通電を小きざみにオン・オフして、時間設定によって指定された時間が経過するまで、下限温度を例えば数分間維持(図11のb領域)する。設定時間が終了した時点(図11のc点)で、ペルチェ素子41への通電を停止して冷熱の供給を停止する。以後は、冷熱面の温度が緩やかに上昇して室温に達した時点(図11のd点)、あるいは上限設定で設定した温度と室温のいずれか低い方の温度で、再びペルチェ素子41への通電を再開して、吸熱面の温度が下限設定温度になるまで、冷熱を供給する。以後は、上記の通電サイクルを繰り返し行って、吸熱面の温度変化パターンを鋸刃形に維持しながら、冷え過ぎに伴う低温障害を避けつつ解熱を行う。なお、各図において、制御装置2と冷却ユニット4とを接続する給電線やリード線は、図面が煩雑になるのを避けるために省略したが、実際には、各アーム11・12に沿って配線してある。 【0036】上記のようにした解熱装置は、図1に示すように支持体5を機箱1の外へ振り出して使用し、患者の前頭部や側頭部、首回り等を冷却パッド48を介して冷却し解熱する。不使用時には、各締付ノブ37を緩めたうえで、図9に示すように第1アーム11および第2アーム12を第3軸25とヒンジ22の各部分において折りたたみ、垂直になるように変位操作した第5軸34で、冷却ユニット4を立姿勢に保持する。この状態でドア6を閉じることにより、装置全体を手に提げ持って携行することができる。そのために、機箱1の上面に手提ハンドルHが設けてある。手提げハンドルHを含む機箱1の全高寸法は40cm強に過ぎないので、設置時や輸送時における機箱の占有スペースは僅かでよい。 【0037】上記の実施例以外に、機箱1の格納室3を省略して、制御装置2の上壁上に冷却ユニット4と支持体5とを折りたたんでおくことができる。もちろん、支持体5の軸受19をクランプ金具(取付部)と一体に設けておいて、支持体5と制御装置2のユニットとを別設することができる。腋の下や首回りを冷却して解熱するために、別に冷却パッドを設け、冷却パッドに冷水を循環送給することができ、その場合はペルチェ素子を冷熱源とする冷水生成装置を付加し、生成された冷水をポンプで強制循環させればよい。 【0038】上記の実施例では支持体5をアームスタンドとして構成したが、例えばマイクロフォンスタンドや点滴スタンドのように複数個の金属棒や管材を用いてスタンドを構成し、その終段のアームで冷却ユニット4を支持することができる。冷却ユニット4は、これ単独で氷のうスタンドや点滴スタンド等の支持体に吊り下げて使用することもできる。第1ブロック31と第2アーム12とはボール継手を介して連結してもよい。冷熱伝熱板47は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の非磁性金属板で形成する場合には、その下面にシート状の磁石を固定しておき、これに冷却パッド48の磁石49を吸着させることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】500000234 【氏名又は名称】瀬川 正嗣
|
| 【出願日】 |
平成11年12月20日(1999.12.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077920 【弁理士】 【氏名又は名称】折寄 武士
|
| 【公開番号】 |
特開2001−170100(P2001−170100A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月26日(2001.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−361868 |
|