| 【発明の名称】 |
足関節装具 |
| 【発明者】 |
【氏名】松村 近代
【氏名】鮎川 宏
【氏名】菅井 智明
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| 【要約】 |
【課題】足関節への強固な支持固定性を減少させ、最低限の固定と運動のバランスをとり、他の関節への影響を少なくし得ると共に、足関節の種々の疾患に要求される多様な固定力を生成し得る足関節用装具を提供する。
【解決手段】下腿部から足部を覆い前面は閉じられ後方又は側方が開放可能で伸縮性の素材からなる本体1と、本体1の内側又は外側の外側面に一端が取り付けられ足裏を通り本体の外側又は内側の外側面まで延びる足底ベルト17とを備え、足底ベルト17は他端が二股に分岐され、その両端部21、22が本体1上に着脱可能に取り付けられる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下腿部から足部を覆い前面は閉じられ後方又は側方が開放可能で伸縮性の素材からなる本体と、本体の内側又は外側の外側面に一端が取り付けられ足裏を通り本体の外側又は内側の外側面まで延びる足底ベルトとを備え、足底ベルトは他端が二股に分岐され、その分岐された両端部がそれぞれ本体上に着脱可能に取り付けられることを特徴とする足関節装具。 【請求項2】 下腿部から足部を覆い前面は閉じられ後方又は側方が開放可能で伸縮性の素材からなる本体と、本体の内側又は外側の外側面に一端が取り付けられ足裏を通り本体の外側又は内側の外側面まで延びる足底ベルトとを備え、足底ベルトは他端が三叉に分岐され、その分岐された各端部がそれぞれ本体上に着脱可能に取り付けられることを特徴とする足関節装具。 【請求項3】 本体は後方又は側方を面ファスナーで着脱可能になっていることを特徴とする請求項1又は2記載の足関節装具。 【請求項4】 足底ベルトの一端は本体上に固定され、他端は面ファスナーにより本体上に着脱可能になっていることを特徴とする請求項1又は2記載の足関節装具。 【請求項5】 足底ベルトの両端が面ファスナーにより本体上に着脱可能になっていることを特徴とする請求項1又は2記載の足関節装具。 【請求項6】 足底ベルトの二股に分岐された部分は装着状態において踝の下部で分岐していることを特徴とする請求項1記載の足関節装具。 【請求項7】 足底ベルトの三叉に分岐された部分は装着状態において踝の下部で分岐していることを特徴とする請求項2記載の足関節装具。 【請求項8】 足底ベルトが5〜90度の角度で開いていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の足関節装具。 【請求項9】 本体の両側に装着状態において踝に相当する位置に配置された柔軟性でドーナツ状の踝パッドを備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の足関節装具。 【請求項10】 本体の両側面にステーを備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の足関節装具。 【請求項11】 装着状態において本体の下肢前面に位置するフロントカバーに連結され本体の下肢外周上に締め付け可能なベルトよりなる下腿ベルトを備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の足関節装具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、足関節の各種疾患の予防ないし予後の治療のために足関節部に装着する装具に関する。 【0002】 【従来の技術】足関節部位の障害には種々のものがあるが、最も多いのは捻挫である。捻挫には、足首を内側に捩りその結果外側の靭帯が伸びて痛める内反捻挫と、足首を外側に捩る外反捻挫とがあるが、多くは内反捻挫である。この内反捻挫を予防するための装具の多くは、紐による編上げ又は面ファスナーによって前面を開閉し得る構造の本体を有しており、それにベルト、ステー等を付加したものである。その1つの例として特表平7-503879号公報に記載されている足首用装具によれば、本体が前面開閉構造になっているため足関節の背屈がし難く、本体前面の屈曲部に窓が開いているため足首の屈曲時に本体が足に食い込み易く、踵部分の固定調整にストラップを使用しているため操作が面倒であり、足底を通るストラップが複数あるため足底に凹凸が多く生じ歩行時不快感を感じ、更にステーが単体の平板と下部の半円状発泡体との組合せから形成されているためステーが足に追従し難く、且つ本体がそのためずれるといった問題点がある。更に従来の装具は全体的に固定力の強いものが多く、予防用として用いるには運動制限が過剰な傾向がある。この足関節の運動制限が強いことは足関節の保護に繋がるが、外傷時には足関節が固定されているため膝関節等の他の関節に外力の影響が加わる点が問題視されており、装具の固定力の程度を考慮する必要がある。また捻挫にも種々多様な症状があり、捻挫以外の足関節の疾患に対しても多様な固定力が要求されるが、現在までにそれらの要求に応え得る足関節装具は開発されていない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、足関節への強固な支持固定性を減少させ、最低限の固定と運動のバランスをとり、他の関節への影響を少なくし得ると共に、足関節の種々の疾患に要求される多様な固定力を生成し得る足関節用装具を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するため、本発明によれば、下腿部から足部を覆い前面は閉じられ後方又は側方が開放可能で伸縮性の素材からなる本体と、本体の内側又は外側の外側面に一端が取り付けられ足裏を通り本体の外側又は内側の外側面まで延びる足底ベルトとを備え、足底ベルトは他端が二股に分岐され、その分岐された両端部がそれぞれ本体上に着脱可能に取り付けられる。 【0005】また本発明によれば、下腿部から足部を覆い前面は閉じられ後方又は側方が開放可能で伸縮性の素材からなる本体と、本体の内側又は外側の外側面に一端が取り付けられ足裏を通り本体の外側又は内側の外側面まで延びる足底ベルトとを備え、足底ベルトの他端は三叉に分岐され、その分岐された各端部がそれぞれ本体上に着脱可能に取り付けられる。 【0006】本体は、伸縮性のあるジャージー生地や起毛のあるパイル生地等をクロロプレンゴム等のゴム系発泡体、ウレタンやエチレン・酢酸ビニル共重合体の発泡体、又はそれらを圧縮した発泡体などをラミネートしたものを素材として使用することができ、後方又は側方を面ファスナーで着脱可能に形成するのが好ましい。 【0007】足底ベルトはその一端を本体上に固し、他端を面ファスナーにより本体上に着脱可能にするか、両端を面ファスナーにより本体上に着脱可能に形成してもよい。足底ベルトの二股又は三叉に分岐された部分は装着状態において踝の下部で分岐し、5〜90度の角度の範囲で開いているのがよい。足底ベルトには、例えば合成皮革等の非伸縮性素材又は伸縮性素材が使用される。 【0008】二股に分岐された足底ベルトに対しては種々の装着形態があり、一つは二股に分岐された部分の一方が足底から垂直方向に下腿の側面を上方に延び、他方は足底から足背上を下腿部に向け斜め方向に延びるように装着される。他の一つは二股に分岐された部分の一方が足底から垂直方向に下腿の側面を上方に延び、他方は足底から後方踵上を通って下腿の反対側の側面上に延びるように装着される。他の一つは二股に分岐された部分の一方が足底から足背上を下腿部に向け斜め方向に延び、他方は足底から後方踵上を通って下腿の反対側の側面上に延びるように装着される。更に今一つは二股に分岐された部分の両者が足底からほぼ垂直方向に下腿の側面を上方に延びるように装着される。 【0009】三叉に分岐された足底ベルトに対しては種々の装着形態があり、一つは三叉に分岐された部分の中央と後方の部分が足底からほぼ垂直方向に下腿の側面を上方に延び、前方の部分が足底から足背上を下腿部に向け斜め方向に延びるように装着される。他の一つは後方の部分が足底から後方踵上を通って下腿の反対側の側面上に延び、中央の部分が足底からほぼ垂直方向に下腿の側面を上方に延び、前方の部分が足底から足背上を下腿部に向け斜め方向に延びるように装着される。他の一つは後方の部分が足底から後方踵上を通って下腿の反対側の側面上に延び、中央の部分及び前方の部分が足底から足背上を下腿部に向け斜め方向に延びるように装着される。更に他の一つは三叉に分岐された部分の前方と中央の部分が足底からほぼ垂直方向に下腿の側面を上方に延び、後方の部分が足底から後方踵上を通って下腿の反対側の側面上に延びるように装着される。更に今一つは三叉に分岐された部分のいずれもが足底からほぼ垂直に下腿の側面を上方に延びるように装着される。 【0010】本体の両側に装着状態において踝に相当する位置に柔軟性でドーナツ状の踝パッドを配置することができる。パッドとしては例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体の発泡体が使用される。この踝パッドの上方にそれぞれ縦方向に複数に分割された柔軟性で非伸縮性の素材からなるステーを配置することができる。 【0011】装着状態において本体の下肢前面に位置するフロントカバーに連結され本体の下肢外周上に締付け可能なベルトよりなる下腿ベルトを設けてもよい。この下腿ベルトは本体と結合されていてもよいし、本体と分離されていてもよい。前者の方法によれば下腿ベルトの紛失の惧れがなく、後者の方法によれば洗濯の際便利である。下腿ベルトとしては、合成皮革等の非伸縮性素材、又は伸縮性素材を使用することができる。 【0012】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例について説明する。 【0013】図1は本発明の一実施例を示し、aは開いた状態の正面図、bは開いた状態の背面図、cは装着時の形態の左側面図、dは装着時の形態の右側面図、eは下腿ベルトの正面図である。この実施例は足関節内反捻挫防止用装具の右足に装着するものを示す。1は本体で2mm厚のクロロプレンゴムの両面にナイロンジャージをラミネートした材料からなり、下腿部から足首を経て足部に至る範囲を覆うように形成され、前面2は閉じられており、後方が開かれ、後方の両側縁3、4にはそれぞれ雄雌の面ファスナー5、6、7が取り付けられている。本体1は伸縮性で腰のある素材を使用することにより、足への密着感と固定支持性が得られ、前方が閉じていることにより足関節の背屈を妨げないようになっている。側縁3の下部に設けた面ファスナー6をほぼ踵の位置に置くことによってテーピング理論によるヒールロック機能を持たせることができる。本体1の高さは下腿三頭筋より遠位で腱、筋への圧迫を避け得るような値に選定するのが好ましい。8は足先を挿入するために本体1に設けた開口である。 【0014】本体の両側にはそれぞれ中心部に穴の開いたドーナツ状のエチレン・酢酸ビニル共重合体製の発泡体よりなる踝パッド9、10が、装着状態において中心部の穴に各踝が嵌るような位置で本体1にカバー11、12で覆われて固定されている。このパッドは装着状態において踝がパッドの穴に嵌まり込むことにより本体のずれを防止し支持性を高めると共に、後述するステー端部の踝への当たりを防止する。パッドの形状について、その上部を直線状に形成することによりステーとの対向面を大きくとり、支持性を高めることができる。パッドの穴は若干縦長に形成することにより個人差による踝位置のずれにも対応させることができる。踝の内側、外側の生体位置に基き、踝パッドの内側のものは前方で高い位置に、外側のものは内側に比べて後方で低い位置に設けられる。パッドカバー11、12は本体側縁に設けた面ファスナー6、後述する足底ベルトの面ファスナーの着脱が可能な性質のものに形成するのが有利である。 【0015】各パッドカバー11、12の上部には、2mm厚の低密度ポリエチレン製のプレートからなる3枚のステー13、14が縦方向に並設され、3個のポケットを有するカバー15、16内に挿入され覆われている。このステーは側方支持と高さ方向のずれ防止の機能を有し、その厚み、材質を変えることにより支持性に変化を持たせることができる。ステーカバーの形状は上方へ行くに従い広がり、円錐状の下腿形状に合うようにするのが好ましく、表面は踝パッドカバーと同様に後述する足底ベルト、下腿ベルトの面ファスナーの着脱が可能な性質のものに形成するのが有利である。 【0016】17は本体1の左側面の踝パッド9のカバー11の下端に一端18が固定された足底ベルトで、例えば合成皮革製の幅30mm以上、厚さ0.8〜1.5mmのベルト材からなり、装着状態において足裏を通り本体の反対側の側面まで延びる長さを有し、その側面側において他端は二股に分岐され、その各端部19、20には本体上に着脱可能なように面ファスナーベルト21、22が取り付けられ、両面ファスナーベルト21、22間の角度は5〜90度の間で開いている。その角度は各個人の足の大きさ、症状に応じて決定することができる。なお二股の分岐点は装着状態において踝の下端に相当する位置である。 【0017】23は下腿ベルトで、厚さ2mm程度の合成皮革等の非伸縮性又は伸縮性素材から成るフロントカバー24に面ファスナーベルトから成る2本のベルト25、26がフロントカバー24の両側から突出するように取り付けられ、その一端27、28は自由端で、他端にはプラスチック製のカン29、30が設けられている。フロントカバー24の下縁31は上方に向け湾曲させることにより背屈時の下腿の運動を妨げないようにすることができる。 【0018】足底ベルト、下腿ベルトは、非伸縮性素材、伸縮性素材のいずれも使用することができるが、伸縮性素材を使用する場合にはバックストレッチが強すぎると、圧迫しすぎたりして疲労感に繋がることがあるのでその点を考慮する必要がある。下腿ベルトのフロントカバーは非伸縮性素材、伸縮性素材のいずれでもよいが、安定性から非伸縮性素材の方が好ましい。 【0019】次に図1に示す本発明の装具の装着方法を図2について説明する。先ず図2aに示すように、本体1の後方を開いた状態、即ち後方の両側縁3、4の面ファスナー5、6、7を外した状態で足先Aを開口8に挿入し、面ファスナー5、6、7及び本体1の踝パッドカバー12の表面を利用して両側縁3、4を相互に結合し、本体1を下腿部から足部に亘る領域に適切な圧迫力が加わるように固定する。この場合、踝パッド9、10の中央の穴に踝が嵌まり込み、ステー13、14が下腿部の側面に当るように本体1を位置せしめる。次いで図2bに示すように、足底ベルト17をその固定側の側面から足底を通り他方の側面にまで延ばし、二股に分岐した後側の面ファスナーベルト21を上方へほぼ垂直に延ばし、踝パッドカバー12、ステーカバー16上に面ファスナーで固着する。この面ファスナーベルト21はテーピング理論によるスターアップ機能を有する。また二股に分岐した前側の面ファスナーベルト22を足背の上を通り下腿部に向かい斜め上に延ばし、本体1の他方の側面の踝パッドカバー11、ステーカバー15上に固着する。この場合、面ファスナーベルト22の自由端はベルトの長さ、ベルトの固定すべき傾斜角によって、踝パッドカバー11及びステーカバー15の両者に跨る場合と、踝パッドカバー11上にのみ位置する場合とがあり得る。この面ファスナーベルト22はテーピング理論によるフィギュアエイト機能を有する。この際二股の分岐位置はほぼ踝の下端に位置する。次に図2c、dに示すように下腿ベルト23のフロントカバー24が本体1の上部前面に位置するようにして2本のベルト25、26を横方向に本体1の周りに回し、その端部27、28をカン29、30に通して折り返し、適切な固定力が加わるように自己同志ないしステーカバー15上に固着する。この場合、カン29、30に通した後折り返した端部27、28を斜め上方に開いた角度(5度程度)で固定すると、ベルトが下腿形状に追従し、有効な固定支持が行われる。なお、カンの位置は装着状態においてステーに重なるようにすると、下腿部への片当たりを防ぎ、痛みを感じることがない。 【0020】図3は図1の実施例の別の装着方法を示す。先ず図3aに示すように、図2に示す装着方法と同様に本体1を面ファスナー5、6、7により下腿部から足部に亘る領域に適切な圧迫力が加わるように固定する。次いで図3b、c、dに示すように、足底ベルト17をその固定側の側面から足底を通り他方の側面にまで延ばし、二股に分岐した前側の面ファスナーベルト22を上方へほぼ垂直に延ばし、踝パッドカバー12、ステーカバー16上に面ファスナーで固着する。この面ファスナーベルト22はテーピング理論によるスターアップ機能を有する。また二股に分岐した後側の面ファスナーベルト21を後方踝上に延ばし、踝パッドカバー11、ステーカバー15上に面ファスナーで固着する。この場合、面ファスナーベルト21の自由端はベルトの長さ、ベルトの固定すべき傾斜角によって、踝パッドカバー11及びステーカバー15の両者に跨る場合と、踝パッドカバー11上にのみ位置する場合とがあり得る。この面ファスナーベルト21はテーピング理論によるヒールロック機能を有する。この際二股の分岐位置はほぼ踝の下端に位置する。下腿ベルトについては図示されていないが、図2の装着方法に従い本体1上に固定することができる。 【0021】図4は図1の実施例の更に別の装着方法を示す。先ず図4aに示すように、図2に示す装着方法と同様に本体1を面ファスナー5、6、7により下腿部から足部に亘る領域に適切な圧迫力が加わるように固定する。次いで図4b、c、dに示すように、足底ベルト17をその固定側の側面から足底を通り他方の側面にまで延ばし、二股に分岐した前側の面ファスナーベルト22を足背の上を通り下腿部に向かい斜め上に延ばし、本体1の他方の側面の踝パッドカバー11、ステーカバー15上に固着する。この面ファスナーベルト22はテーピング理論によるフィギュアエイト機能を有する。また二股に分岐した後側の面ファスナーベルト21を後方踝上に延ばし、踝パッドカバー11、ステーカバー15上に面ファスナーで固着する。この面ファスナーベルト21はテーピング理論によるヒールロック機能を有する。この場合、前側の面ファスナーベルト22、後側の面ファスナーベルト21の各自由端はベルトの長さ、ベルトの固定すべき傾斜角によって、踝パッドカバー11及びステーカバー15の両者に跨る場合と、踝パッドカバー11上にのみ位置する場合とがあり得る。この際二股の分岐位置はほぼ踝の下端に位置する。下腿ベルトについては図示されていないが、図2の装着方法に従い本体1上に固定することができる。 【0022】図5は図1の実施例の更に別の装着方法を示す。先ず図5aに示すように、図2に示す装着方法と同様に本体1を面ファスナー5、6、7により下腿部から足部に亘る領域に適切な圧迫力が加わるように固定する。次いで図5b、c、dに示すように、足底ベルト17をその固定側の側面から足底を通り他方の側面にまで延ばし、二股に分岐した両面ファスナーベルト21、22をそのまま上方へほぼ垂直に延ばし、両ベルト21、22を踝パッドカバー12、ステーカバー16上に面ファスナーで固着する。この面ファスナー21、22はテーピング理論によるスターアップ機能を有し、2つのベルトを使用することによりスターアップ機能を強化する。下腿ベルトについては図示されていないが、図2の装着方法に従い本体1上に固定することができる。 【0023】上述の実施例は足関節内反捻挫に対応した装具であるが、足底ベルトを本体の側面に関し逆向きにする、即ち足底ベルトの二股に分岐していない方を本体の外側外側面に固定し、二股に分岐した方を内側外側面に位置せしめ得るようにすると、足関節外反捻挫に対応した装具を得ることができる。なお、この足底ベルトは、上述の実施例では一端を本体に固定し、他端を面ファスナーで着脱可能に形成したが、両端を面ファスナーで本体に着脱可能に形成することも可能である。 【0024】上述の実施例では下腿ベルトは本体と分離したものを示したが、下腿ベルトの一部を本体と連結してもよく、そのような構成によって下腿ベルトの紛失を防止することができる。 【0025】また上述の実施例では踝パッド、ステー、下腿ベルトを装備したものについて説明したが、これらは必ずしも使用する必要はなく、疾患の症状に応じてそれぞれ使用するか否かを選択することができる。ステーを使用する場合は必ずしもこの形態に止まらず、従来足関節装具に使用されている各種のステーを使用してもよい。 【0026】図6は本発明の異なる実施例、即ち足底ベルトの一方の端部が三叉に分岐された実施例を示し、aは開いた状態の正面図、bは開いた状態の背面図、cは装着時の形態の左側面図、dは装着時の形態の右側面図で、図1と同等部分には同符号を付してある。その本体1の構成については図1の実施例と変るところはない。足底ベルト32は本体1の左側面の踝パッド9のカバー11の下端に一端33が固定され、例えば合成皮革製の幅30mm以上、厚さ0.8〜1.5mmのベルト材からなり、装着状態において足裏を通り本体の反対側の側面まで延びる長さを有し、その側面側において他端は三叉に分岐され、その各端部34、35、36には本体上に着脱可能なように面ファスナーベルト37、38、39がそれぞれ取り付けられ、最外側の両面ファスナーベルト37、39間の角度は5〜90度の間で開き、中央の面ファスナーベルト38はその間の適当な角度で延びている。それらの角度は各個人の足の大きさ、症状に応じて決定することができる。なお三叉の分岐点は装着状態において踝の下端に相当する位置である。下腿ベルトについては図示されていないが、必要に応じ図2の装着方法に従い本体1上に固定することができる。 【0027】次に図6に示す本発明の装具の装着方法の一つを図7について説明する。先ず図7aに示すように、本体1を面ファスナー5、6、7により下腿部から足部に亘る領域に適切な圧迫力が加わるように固定する。次いで図7b、c、dに示すように、足底ベルト32をその固定側の側面から足底を通り他方の側面にまで延ばし、三叉に分岐した後側の面ファスナーベルト37を上方へほぼ垂直に延ばし、踝パッドカバー12、ステーカバー16上に面ファスナーで固着する。この面ファスナーベルト37はテーピング理論によるスターアップ機能を有する。また、三叉に分岐した中央の面ファスナーベルト38を上方へほぼ垂直もしくは下腿部に向かい斜め前方に延ばし、踝パッドカバー12、ステーカバー16上に面ファスナーで固着する。この面ファスナーベルト38はテーピング理論によるスターアップ機能を有し、後方の面ファスナーベルト37と合わせてスターアップ機能を強化している。また三叉に分岐した前側の面ファスナーベルト39を足背の上を通り下腿部に向かい斜め上に延ばし、本体1の他方の側面の踝パッドカバー11、ステーカバー15上に固着する。この場合、面ファスナーベルト39の自由端はベルトの長さ、ベルトの固定すべき傾斜角によって、踝パッドカバー11及びステーカバー15の両者に跨る場合と、踝パッドカバー11上にのみ位置する場合とがあり得る。この面ファスナーベルト39はテーピング理論によるフィギャアエイトの機能を有する。この際三叉の分岐位置はほぼ踝の下端に位置する。下腿ベルトについては図示されていないが、必要に応じ図2の装着方法に従い本体1上に固定することができる。 【0028】図6に示す本発明の装具の別の装着方法を図8について説明する。先ず図8aに示すように、図7に示す装着方法と同様に、本体1を面ファスナー5、6、7により下腿部から足部に亘る領域に適切な圧迫力が加わるように固定する。次いで図8b、c、dに示すように、足底ベルト32をその固定側の側面から足底を通り他方の側面にまで延ばし、三叉に分岐した後側の面ファスナーベルト37を後方踵上に延ばし、踝パッドカバー11、ステーカバー15上に面ファスナーで固着する。この面ファスナーベルト37はテーピング理論によるヒールロック機能を有する。また、三叉に分岐した中央の面ファスナーベルト38を上方へほぼ垂直もしくは下腿部に向かい斜め前方に延ばし、踝パッドカバー12、ステーカバー16上に面ファスナーで固着する。この面ファスナーベルト38はテーピング理論によるスターアップ機能を有する。更に三叉に分岐した前側の面ファスナーベルト39を足背の上を通り下腿部に向かい斜め上に延ばし、本体1の他方の側面の踝パッドカバー11、ステーカバー15上に固着する。この場合、後側の面ファスナーベルト37と前側の面ファスナーベルト39の各自由端はベルトの長さ、ベルトの固定すべき傾斜角によって、踝パッドカバー11及びステーカバー15の両者に跨る場合と、踝パッドカバー11上にのみ位置する場合とがあり得る。この面ファスナーベルト39はテーピング理論によるフィギュアエイト機能を有する。この際三叉の分岐位置はほぼ踝の下端に位置する。下腿ベルトについては図示されていないが、必要に応じ図2の装着方法に従い本体1上に固定することができる。 【0029】更に図6に示す本発明の装具の別の装着方法を図9について説明する。先ず図9aに示すように、図7に示す装着方法と同様に、本体1を面ファスナー5、6、7により下腿部から足部に亘る領域に適切な圧迫力が加わるように固定する。次いで図9b、c、dに示すように、足底ベルト32その固定側の側面から足底を通り他方の側面にまで延ばし、三叉に分岐した後側の面ファスナーベルト37を後方踵上に延ばし、踝パッドカバー11、ステーカバー15上に面ファスナーで固着する。この面ファスナーベルト37はテーピング理論によるヒールロック機能を有する。この場合、後方の面ファスナーベルト37の自由端はベルトの長さ、ベルトの固定すべき傾斜角によって、踝パッドカバー11及びステーカバー15の両者に跨る場合と、踝パッドカバー11上にのみ位置する場合とがあり得る。また、三叉に分岐した中央の面ファスナーベルト38を前側の面ファスナーベルト39と共に足背の上を通り反対側に延ばし、踝パッドカバー11、ステーカバー15上に面ファスナーで固着する。これら中央の面ファスナーベルト38及び前側の面ファスナーベルト39はテーピング理論によるフィギュアエイトの機能を有し、2つの面ファスナーベルトを使用することによりフィギュアエイトの機能を強化させている。この場合、前方の面ファスナーベルト39の自由端は踝パッドカバー11上に位置し、中央の面ファスナーベルト38の自由端はベルトの長さ、ベルトの固定すべき傾斜角によって、踝パッドカバー11及びステーカバー15の両者に跨る場合と、踝パッドカバー11上にのみ位置する場合とがあり得る。この際三叉の分岐位置はほぼ踝の下端に位置する。下腿ベルトについては図示されていないが、必要に応じ図2の装着方法に従い本体1上に固定することができる。 【0030】更に図6に示す本発明の装具の別の装着方法を図10について説明する。先ず図10aに示すように、図7に示す装着方法と同様に、本体1を面ファスナー5、6、7により下腿部から足部に亘る領域に適切な圧迫力が加わるように固定する。次いで図10b、c、dに示すように、足底ベルト32をその固定側の側面から足底を通り他方の側面にまで延ばし、三叉に分岐した後側の面ファスナーベルト37を後方踵上に延ばし、踝パッドカバー11、ステーカバー15上に面ファスナーで固着する。この場合、後側の面ファスナーベルト37の自由端はベルトの長さ、ベルトの固定すべき傾斜角によって、踝パッドカバー11及びステーカバー15の両者に跨る場合と、踝パッドカバー11上にのみ位置する場合とがあり得る。この面ファスナーベルト37はテーピング理論によるヒールロック機能を有する。また、三叉に分岐した前方の面ファスナーベルトベルト39及び中央の面ファスナーベルト38を上方へほぼ垂直に延ばし、踝パッドカバー12、ステーカバー16上に面ファスナーで固着する。この両面ファスナーベルト39、38はテーピング理論によるスターアップ機能を有し、2つのベルトを使用することによりスターアップ機能を強化する。下腿ベルトについては図示されていないが、必要に応じ図2の装着方法に従い本体1上に固定することができる。 【0031】図11は図6に示す本発明の装具の今一つ別の装着方法の説明図である。先ず図11aに示すように、図7に示す装着方法と同様に、本体1を面ファスナー5、6、7により下腿部から足部に亘る領域に適切な圧迫力が加わるように固定する。次いで図11b、c、dに示すように、足底ベルト32をその固定側の側面から足底を通り他方の側面にまで延ばし、三叉に分岐した3つの面ファスナーベルト37、38及び39をそのまま共に上方へほぼ垂直に延ばし、踝パッドカバー12、ステーカバー16上に面ファスナーで固着する。これら面ファスナーベルト37、38及び39はテーピング理論によるスターアップ機能を有し、3つのベルトを使用することによりスターアップ機能を強化する。下腿ベルトについては図示されていないが、同様に必要に応じ図2の装着方法に従い本体1上に固定することができる。 【0032】 【発明の効果】本発明によれば各構成要素が以下のような特長を有するものである。 (1) 本体の前面が閉じた構成になっており、背屈を妨げない。 (2) 足底ベルトの足底に当る部分が1本で幅を広くとることができ、重なり部分がないから、足底への食い込みがなく、端部が二股又は三叉に分岐しているためそれぞれ必要な走行路をとって所望の固定支持を行うことができ、二股又は三叉の部分の固定位置、その傾斜角を適宜選定することにより、テーピング理論に基づくスターアップ、ヒールロック、フィギュアエイト又はそれらの組合せの種々の形態に対応させることができる。 (3) 複数に分割した柔軟性で腰があり、非伸縮性の素材で構成された側方支持のためのステーを使用することにより、十分な支持面積と体に対する良好なフィット性を得ることができる。 (4) 柔軟性のドーナツ状の踝パッドを使用することにより、踝の全周がパッドにより囲まれ、パッド、本体のずれがなく、支持性を高め、またステー端部の踝への当たりを防止することができる。 (5) フロントカバーに結合したベルトで構成された下腿ベルトを使用することにより、ベルトと本体とが大きな面積で接触し、相互の位置関係が安定し、圧迫支持性を高め、本体の型崩れ、ベルトのずれ、ベルトの食い込みを防止することができる。その結果、本発明によれば、足関節の側方への支持性と運動制限のバランスを取ることができ、運動能力を低下させることなく、且つ過度の強固な固定を行うことなく、種々の症状に適応した固定性、安定性を持った足関節装具を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000151380 【氏名又は名称】アルケア株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年7月28日(2000.7.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075166 【弁理士】 【氏名又は名称】山口 巖
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| 【公開番号】 |
特開2001−170094(P2001−170094A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月26日(2001.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−228379(P2000−228379) |
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