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【発明の名称】 カイロ用粘着シート、その収容袋及びその使捨てカイロ
【発明者】 【氏名】山中 英治

【氏名】本田 誠

【要約】 【課題】1種のカイロにて素材や編成等の相違に対応でき、また貼り直しによる再接着の際にも良好な接着力を示し、従って素材や編成等の相違に対応した多種多様なカイロの品揃えの必要なく、よってそのカイロ毎の使い分けの必要もない使捨てカイロを形成できるカイロ用粘着シートの開発。

【解決手段】使捨てカイロの形成に用いる粘着シートであり、シート基材(1)の片面に厚さ方向に積層した2層以上の粘着層(21、22、23)を有してその各粘着層がセパレータ(31、32)を介し分離されたカイロ用粘着シート、その粘着層をセパレータにて仮着カバーした前記カイロ用粘着シートと通気性基材とを袋状に接着処理してなる収容袋及びその収容袋の内部に通気発熱性組成物を収容してなる使捨てカイロ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 使捨てカイロの形成に用いる粘着シートであり、シート基材の片面に厚さ方向に積層した2層以上の粘着層を有して、その各粘着層がセパレータを介し分離されていることを特徴とするカイロ用粘着シート。
【請求項2】 請求項1において、2層以上の粘着層が異種粘着剤による層又は接着力相違の層の組合せからなるカイロ用粘着シート。
【請求項3】 請求項1又は2において、高極性被着体に良接着性の粘着層を含むカイロ用粘着シート。
【請求項4】 粘着層の最表面をセパレータにて仮着カバーした請求項1〜3に記載のカイロ用粘着シートと通気性基材とを袋状に接着処理してなることを特徴とする収容袋。
【請求項5】 請求項4に記載の収容袋の内部に通気発熱性組成物を収容してなることを特徴とする使捨てカイロ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の技術分野】本発明は、下着等の衣類などに接着保持できるようにした使捨てカイロを形成するための接着多様性のカイロ用粘着シート及びその収容袋に関する。
【0002】
【従来の技術】通気発熱性組成物の収容袋に粘着シートを用いてその粘着層を介し下着等に接着して所望箇所を暖めうるようにした使捨てカイロが普及している。従来、その使捨てカイロとしては、1層の粘着層を設けたものが知られていた。しかしながら、暖め箇所を変えるために貼り直しする際などに粘着層に繊維が移着して接着力が低下し再接着が困難な問題、あるいは綿やナイロン、平織りや綾織りの如く素材や編成が相違すると接着力が相違して所期の貼り付けを達成できない場合があり、素材や編成の相違に対応した粘着層を設けたカイロの使い分けも不便で実用的ではないし、多種多様なカイロの品揃えも必要となる難点があった。
【0003】
【発明の技術的課題】本発明は、1種のカイロにて素材や編成等の相違に対応でき、また貼り直しによる再接着の際にも良好な接着力を示し、従って素材や編成等の相違に対応した多種多様なカイロの品揃えの必要なく、よってそのカイロ毎の使い分けの必要もない使捨てカイロを形成できるカイロ用粘着シートの開発を課題とする。
【0004】
【課題の解決手段】本発明は、使捨てカイロの形成に用いる粘着シートであり、シート基材の片面に厚さ方向に積層した2層以上の粘着層を有してその各粘着層がセパレータを介し分離されていることを特徴とするカイロ用粘着シート、及びその粘着層をセパレータにて仮着カバーした前記カイロ用粘着シートと通気性基材とを袋状に接着処理してなることを特徴とする収容袋、並びにその収容袋の内部に通気発熱性組成物を収容してなることを特徴とする使捨てカイロを提供するものである。
【0005】
【発明の効果】本発明によれば、多段に積層した粘着層が役割分担してその粘着面の使い分けにより素材や編成等の相違に対応した接着力を発揮させることができると共に、貼り直しによる再接着の際にも先の粘着層を剥離除去して新規な粘着層を露出させることによりその新たな粘着面を介して良好な接着力を発揮させることができ、その場合にセパレータを介した日捲り式による容易な剥離操作にて効率よく粘着面を選択することができる。
【0006】前記の結果、1種のカイロにて素材や編成等の相違に対応でき、また貼り直しにも対処できて使用開始時から発熱終了時まで衣類等に良好に接着保持させることができて剥離落下を生じにくい使捨てカイロを得ることができ、従って多種多様なカイロの品揃えやそのカイロ毎の使い分けの必要も回避することができる。
【0007】
【発明の実施形態】本発明によるカイロ用粘着シートは、シート基材の片面に厚さ方向に積層した2層以上の粘着層を有してその各粘着層がセパレータを介し分離されてなり、使捨てカイロの形成に用いるものである。その例を図1に示した。1がシート基材、21、22、23が粘着層、31、32、33がセパレータである。
【0008】シート基材としては、ポリマーフィルム、それと不織布や織布等のラミネート体などの適宜なものを用いうる。シート基材は、通気性を有してもよいし、有しなくてもよい。好ましく用いうるシート基材としては、例えば収容袋を形成するための通気性基材との接着面がヒートシール性の良好なフィルムからなり、裏面が粘着層と良接着性のフィルム等からなるものである。
【0009】前記した好ましく用いうるシート基材の具体例としては、図1の例の如くヒートシール層11とポリマーフィルムや不織布等からなるベース層12が少なくとも表裏面を形成するようにラミネートしたものなどがあげられる。かかるラミネート方式等による複合シート化は、前記表裏面でのヒートシール性や粘着層との密着性の達成に加えて、シート全体としての耐熱性や機械的強度の付与等の望ましい性能の付与にも有利である。
【0010】前記のヒートシール層やベース層の形成材については特に限定はなく、適宜なものを用いうる。ちなみにヒートシール層の形成材としては、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体やエチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・メタアクリレート共重合体や低密度ないし超低密度ポリエチレン、就中、直鎖状低密度ポリエチレンの1種又は2種以上の混合物などがあげられる。ヒートシール性や滑り性(作業の円滑性)、ブロッキング性や強度などの点より特に好ましく用いうるものは、メタロセン触媒を用いて重合処理してなるメタロセンポリエチレン、就中、その直鎖状低密度物ないし他の低密度物である。
【0011】ヒートシール層は、その層を介し多孔質フィルム等からなる通気性基材とヒートシールすることを目的とする。従って図1の例の如く、ヒートシール層11は通例、シート基材の外表面に配置される。ヒートシール層の厚さは、接着強度などに応じて適宜に決定しうるが一般には5〜100μm、就中10〜80μm、特に15〜60μmとされる。
【0012】一方、ベース層の形成材としては、例えば直鎖状若しくはその他の低密度ポリエチレンや中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンや超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン、又はエチレン・プロピレン共重合体やエチレン・プロピレン・ジエン共重合体の如きオレフィン系共重合体、オレフィン・エチルアクリレート共重合体の如きオレフィン・(メタ)アクリレート共重合体やオレフィン・メタクリル酸共重合体の如きオレフィン・(メタ)アクリル酸共重合体、オレフィン・酢酸ビニル共重合体等のエチレンやプロピレンの如きオレフィンと他の適宜なビニル系モノマーの1種又は2種以上とからなるオレフィン・ビニル系共重合体、あるいはそれらの2種以上を併用した混合物などのオレフィン系ポリマーが好ましく用いうる。なお例えばポリエステル等のポリオレフィンないしオレフィン・ビニル系共重合体以外のポリマーを併用したものであってもよい。
【0013】ヒートシールする際の予熱過程での皺付き等の熱変形や伸びによる皺付きの防止、収縮によるカールの防止などの点より好ましく用いうるオレフィン系ポリマーは、DSC(示差走査熱量計)による融点が135℃以上、特に140℃以上のものである。ベース層の厚さは、強度などに応じて適宜に決定しうるが、一般には5〜200μm、就中10〜100μm、特に15〜80μmとされる。
【0014】シート基材は、ヒートシール層とベース層の間に1層又は2層以上の付加層を有するものであってもよい。付加層は、補強や耐熱性の向上等の適宜な目的を有するものであってよく、その形成材としては、上記したベース層で例示したものなどがあげられる。付加層の厚さは、その付加目的などに応じて適宜に決定しうるが、一般には5〜200μm、就中10〜100μm、特に15〜80μmとされる。
【0015】シート基材を形成する上記したヒートシール層やベース層や必要に応じての付加層は、例えばキャスティング方式や溶融成形方式、カレンダー圧延方式や重ね塗り方式などの適宜な密着重畳方式にて形成することができる。製造効率等の点よりは、Tダイやインフレーションダイ等を介した押出成形方式などが好ましい。また内部歪の抑制の点よりは、Tダイを介した押出成形方式が特に好ましい。
【0016】シート基材の好ましい厚さは、300μm以下、就中150μm以下、特に10〜100μmである。その場合、ベース層の厚さは基材強度などの点より、シート基材の全厚の30〜95%、就中40〜85%、特に50〜80%とすることが好ましい。
【0017】シート基材、特にそのベース層や必要に応じての付加層は、必要に応じて電子線や紫外線等の放射線を照射する方式、形成材に架橋剤を配合して加熱又は/及び放射線照射により架橋処理する方式などの適宜な方式により架橋処理することもできる。架橋処理は、シート基材の強度や耐熱性等の向上に有効である。また前記の層には例えば無機充填剤ないし顔料や酸化防止剤、帯電防止剤や難燃剤、滑剤や軟化剤、抗菌剤などの適宜な添加剤を必要に応じて配合することができる。特にカイロを形成する通気発熱性組成物は黒色等の有色物であることより着色剤の配合などの適宜な方式で内部隠蔽性のシート基材とすることが望ましい。
【0018】シート基材の片面、通例そのベース層に設ける粘着層は、カイロを下着等の衣類などに接着して保持させるためのものであり、本発明においては図1の例の如く各粘着層21、22、23をセパレータ31、32を介し分離した状態で厚さ方向に2層以上積層してなる多段粘着層として形成される。これによりそのセパレータを介した日捲り式で容易に粘着面を選択でき、素材や編成等の相違に応じて役割分担する粘着層の使い分けや新規な粘着層を介した貼り直しを行うことができる。
【0019】多段の粘着層の組合せについては、特に限定はなく、例えば貼り直しを目的とした同種粘着層の組合せ、被着体を形成する素材の相違に対応することを目的とした異種粘着層の組合せ、布の編成の相違に対応することを目的とした厚さを変えた粘着層の組合せなどの使用目的に応じた適宜な組合せとすることができ、それらの全てに対処することを目的に3層以上の粘着層の組合せとすることもできる。
【0020】ちなみに前記において素材の相違による対応としては、例えばナイロンやポリエステル等の高極性繊維と綿等の低極性繊維とでは接着特性が相違して同じ粘着層ではそれら両種の繊維に対して満足できる接着保持力を持たせることが困難であることより、それら素材の特性に応じた異種組成の粘着層の組合せとすることが望まれる。従って一般には高極性被着体に良接着性の粘着層を含む多段構造とすることが好ましい。また同種の繊維による布においても平織りや綾織り等の編成の相違で同じ粘着層による接着力が相違することより、このような場合にはその編成に応じた接着力相違の粘着層の組合せとすることが望まれる。
【0021】粘着層の形成には、目的とする粘着層の組合せなどに応じて例えばアクリル系やゴム系、シリコーン系やポリビニルエーテル系、ホットメルト系などの適宜な粘着剤の1種又は2種以上を用いることができ、特に限定はない。無溶剤塗工性等の環境性や安全性などの点よりはホットメルト系粘着剤が好ましく用いうる。そのホットメルト系粘着剤についても特に限定はないが、一般には適宜なスチレン系ブロックポリマーの1種又は2種以上を用いてなるスチレン系のものが好ましく用いうる。
【0022】ちなみに前記スチレン系ブロックポリマーの例としては、スチレン−エチレン・ブチレン共重合体−スチレンやスチレン−エチレン・プロピレン共重合体−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレンやスチレン−イソプレン−スチレンの如きA−B−A型ブロックポリマーやその水添処理物、スチレン−エチレン・ブチレン共重合体やスチレン−エチレン・プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエンやスチレン−イソプレンの如きA−B型ブロックポリマーやその水添処理物などがあげられる。
【0023】粘着剤の調製に際しては、粘着特性、特に接着力の温度特性等の制御などを目的に必要に応じて例えばα−ピネンやβ−ピネン重合体、ジテルペン重合体やα−ピネン・フェノール共重合体等のテルペン系樹脂、脂肪族系や芳香族系、脂肪族・芳香族共重合体系等の炭化水素系樹脂、その他、ロジン系樹脂やクマロンインデン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂やキシレン系樹脂などの適宜な粘着付与剤を配合することができる。さらに例えば、液状ポリマーやパラフィン系オイルの如き軟化剤や充填剤、顔料や老化防止剤、安定剤などの適宜な添加剤も必要に応じて配合することができる。
【0024】粘着層の接着力は、使捨てカイロの寸法や被着体などに応じて適宜に決定することができる。接着固定したカイロを剥がす際に衣類等を破損するほどの接着力を発揮するものは好ましくないことより、一般にはステンレス板に対する接着力(180度ピール)に基づいて、10〜2000gf/20mm、就中50〜1500gf/20mm、特に100〜1200gf/20mmのものが好ましく用いられる。なお多段粘着層を形成する各粘着層は、例えば着色剤による色分け方式等の適宜な方式で被着体による使い分けを容易に行いうるようにすることもできる。
【0025】粘着層は、シート基材の片面における全面又は一部に設けることができる。その形成は、例えば粘着剤液をシート基材上に直接塗工する方式や、それに準じセパレータ上に塗工形成した粘着層をシート基材上に移着する方式などの適宜な方式で行うことができ、その塗工には粘着剤の押出し方式等によるホットメルト塗工方式なども適用することができる。多段の粘着層は、例えばセパレータを介した重ね塗り方式やセパレータ上に形成した粘着層をそのセパレータと共に積層する方式などの前記に準じた適宜な方式にて行うことができる。
【0026】セパレータの剥がし操作の容易性などの点より好ましい粘着層は、図1に例示した如く粘着層21、22、23の間に不連続部41、42、43を設けたものであり、その不連続部に相当するセパレータ部分に背割りやミシン目等による切込み51、52、53を入れたものはより好ましい。なお前記不連続部の幅は、適宜に決定しうるが、一般には60mm以下、就中5〜40mm、特に10〜20mmとされる。
【0027】前記の不連続部を有する粘着層の形成は、上記した粘着層の形成方式において粘着剤の塗布ないし吐出を間欠的に行う方式やその塗布ないし吐出を基材上等より所定の間隔で他の場所とする方式、パターンマスクを設けた基材上等に塗布ないし吐出す方式などの適宜な方式にて行うことができる。
【0028】なお粘着層は、ストライプ状やドット状や格子状などの適宜な状態にパターン塗工したものであってもよく、その場合に同じ面を形成する粘着層として異種組成の粘着剤による部分や接着力相違の部分を混在させてもよい。ちなみに1種類のスチレン系ホットメルト型粘着剤では、カイロの使用開始時から発熱終了までの温度変化で接着力が大きく相違して接着保持の目的を達成できない場合があり、接着力の温度特性が相違する2種又は3種以上のスチレン系ホットメルト型粘着剤を混合してなる粘着層にてもその温度変化に充分に対処できないときがあるため、そのような場合に前記した接着力の温度特性が相違する2種又は3種以上のスチレン系ホットメルト型粘着剤をパターン塗工した粘着層とすることが好ましい。
【0029】粘着層の厚さは、接着力などに応じて適宜に決定してよいが適宜に決定しうるが一般には1〜500μm以下、就中5〜200μm、特に10〜100μmとされる。なお粘着層を付設するシート基材面やセパレータ面に対しては、粘着層との密着力の向上等を目的に必要に応じて例えばコロナ処理やプラズマ処理、下塗り処理などの適宜な表面処理を施すことができる。かかるシート基材やセパレータと粘着層の密着力の向上は、カイロを衣類等より糊残りなく剥離する点などより好ましい。
【0030】なおスチレン系ホットメルト型粘着層の場合には、シート基材、特にそのベース層やセパレータにスチレン系エラストマーを含有させる方式にても粘着層との密着力を向上させることができる。前記のスチレン系エラストマーとしては、スチレンを成分とする適宜なものを用いることができ就中、シート基材、特にそのベース層を形成する成分とスチレンを含有する共重合体が粘着層との密着力などの点より好ましく用いうる。ちなみにその例としては、上記したスチレン系ブロックポリマーなどがあげられる。
【0031】図例の如く粘着層21と22、22と23の間に配置するセパレータ31、32は、上面の粘着層の支持固定及び下面の粘着層よりの容易な剥離を目的とする。従ってセパレータとしては、プラスチックフィルムやそれと紙とのラミネート体などの適宜な薄葉体の片面を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキルアクリレート系やフッ素系などの適宜な剥離剤で表面処理したものなどが好ましく用いられる。セパレータの厚さは、通例10〜200μm、就中20〜100μm程度である。セパレータには必要に応じ多段粘着層の使い分け方法などの印刷等を施すこともできる。
【0032】なお図1に例示の如く、多段粘着層の最表面の粘着層23に対しては必要に応じ、使捨てカイロを衣類等への接着に供するまでの間、粘着面が汚染されて接着力が低下することの防止などを目的に必要に応じセパレータ33が仮着被覆される。
【0033】本発明による使捨てカイロは、多段粘着層の最表面をセパレータにて仮着カバーしたカイロ用粘着シートと通気性基材とを袋状に接着処理してなる収容袋の内部に通気発熱性組成物を収容することにより形成することができる。その形成に際しては本発明によるカイロ用粘着シートを用いる点を除いて特に限定はなく、かかるカイロ用粘着シートを用いて従来に準じた適宜な方法にて使捨てカイロを形成することができる。
【0034】ちなみに前記方法の例としては、先ずカイロ形成単位を連設した本発明による長尺のカイロ用粘着シートとそれに対応した長尺の通気性基材をその巻取ロール等より連続供給しつつ一対の圧着ロール間に導入し、その圧着ロールの回転下に粘着シートのシート基材面と通気性基材の所定部分をヒートシールしつつ、そのシート基材と通気性基材との間の空隙内に所定量の通気発熱性組成物を供給し、その組成物を収容した状態で形成目的の収納袋における左右の側辺と上下の辺に相当する部分を接着して封入処理して、内部に通気発熱性組成物を封入した収容袋を順次形成し、それをカイロ単位に打抜き方式等の適宜な方式で切断する方法などがあげられる。
【0035】前記において通気性基材としては、例えば延伸処理や穿孔処理等の適宜な方式で多孔化した多孔質フィルム、不織布や織布等の通気性シート、あるいはその多孔質フィルムと通気性シートを不織布状の多孔性粘着層等の適宜な通気性接着層を介して積層したものなどの従来に準じた適宜なものを用いうる。
【0036】また収容袋内に収容する通気発熱性組成物としても、例えば鉄等の金属粉や水、塩類や活性炭等の保水剤や酸化促進剤などからなる、収納袋の通気性に基づいて取り込んだ酸素(空気)との接触で発熱するものなどの適宜なものを用いることができ、従来の使捨てカイロにおける通気発熱性組成物のいずれも用いうる。なお通気発熱性組成物の封入量は、最高発熱温度やその温度を持続すべき時間などにより適宜に決定される。
【0037】形成した使捨てカイロは、外袋中に封入されて実用に供するまで外気と遮断され、発熱反応が進行しないように措置される。使捨てカイロには、磁気効果による血行向上や肩こりの改善などを目的に磁石等の磁気物質を収容することもできる。
【0038】
【実施例】実施例1Tダイを介した2層押出し方式で、直鎖状低密度ポリエチレンからなる厚さ15μmのヒートシール層と、ポリプロピレンからなる厚さ50μmのベース層を有する2層構造のラミネートフィルムを得、そのベース層の外表面にセパレータ上に厚さ30μmのゴム系粘着層を形成してなる3種の粘着シートをセパレータと共に接着積層して縦120mm、横100mmのカイロ用粘着シートを得た。なお3層の粘着層は、接着力がベース層側より段階的に小さくなる構成とした。次にそのカイロ用粘着シートと、多孔質フィルムをラミネートした不織布とを対向配置し、その間に鉄粉系通気発熱性組成物を配置してその周囲をヒートシール処理し、使い捨てカイロを形成した。
【0039】実施例23層の粘着層を接着力がベース層側より段階的に大きくなる構成としたほかは実施例1に準じてカイロ用粘着シートを得、使い捨てカイロを形成した。
【0040】実施例33層構造の粘着層におけるベース層側の粘着層を高極性被着体に良接着するものに置換したほかは実施例1に準じてカイロ用粘着シートを得、使い捨てカイロを形成した。
【0041】実施例43層構造の粘着層における中間の粘着層を高極性被着体に良接着するものに置換したほかは実施例1に準じてカイロ用粘着シートを得、使い捨てカイロを形成した。
【0042】実施例53層構造の粘着層における最上層の粘着層を省略して2層構造の粘着層としたほかは実施例1に準じてカイロ用粘着シートを得、使い捨てカイロを形成した。
【0043】比較例13層構造の粘着層における最上層と中間層の粘着層を省略して単層構造の粘着層としたほかは実施例1に準じてカイロ用粘着シートを得、使い捨てカイロを形成した。
【0044】比較例23層構造の粘着層における最上層と最下層の粘着層を省略して単層構造の粘着層としたほかは実施例1に準じてカイロ用粘着シートを得、使い捨てカイロを形成した。
【0045】比較例33層構造の粘着層における中間層と最下層の粘着層を省略して単層構造の粘着層としたほかは実施例1に準じてカイロ用粘着シートを得、使い捨てカイロを形成した。
【0046】比較例43層構造の粘着層における最上層と中間層の粘着層を省略して単層構造の粘着層としたほかは実施例3に準じてカイロ用粘着シートを得、使い捨てカイロを形成した。
【0047】評価試験実施例、比較例で得た使い捨てカイロを下記の方法で実用に供して評価した。
実施例1最表面のセパレータを除去して露出粘着層を介し綿系下着に接着して1時間保持させた後、取り外し再接着を試みた。しかし接着力不足で移動の度に剥がれ落ちるため、その最上層の粘着層と共に次のセパレータを剥離して中間の粘着層を露出させその粘着面を介して再接着した。これにより問題のない接着保持状態を形成することができ、脱落を生じなかった。
【0048】実施例2最表面のセパレータを除去して露出粘着層を介し羊毛下着に接着保持させ、発熱終了後に取り外したところ高接着力タイプでは脱毛が著しくて下着の損傷が大きいため、別途のカイロを用いてその中間のセパレータを最上層の粘着層と共に剥離除去して中間の粘着層を露出させその粘着面を介し前記と同様に羊毛下着に接着保持させ、発熱終了後に取り外したところ少ない脱毛で殆ど損傷を生じなかった。
【0049】実施例3中間のセパレータを最上層の粘着層と共に剥離除去して中間の粘着層を露出させその粘着面を介しナイロン製下着に接着させたところ接着力不足で移動の度に剥がれ落ちるため、残るセパレータをその中間の粘着層と共に剥離して最下層の粘着層を露出させその粘着面を介して接着した。これにより問題のない接着保持状態を形成することができ、脱落を生じなかった。
【0050】実施例4最表面のセパレータを剥離して最上層の粘着層を露出させその粘着面を介しポリエステル製下着に接着させたところ接着力不足で移動の度に剥がれ落ちるため、次のセパレータを最上層の粘着層と共に剥離除去して中間の粘着層を露出させその粘着面を介しポリエステル製下着に接着した。これにより問題のない接着保持状態を形成することができ、脱落を生じなかった。
【0051】実施例5上側のセパレータを除去して露出粘着層を介し綿系下着に接着して1時間保持させた後、取り外し再接着を試みた。しかし接着力不足で移動の度に剥がれ落ちるため、下側のセパレータをその上側の粘着層と共に剥離除去して下側の粘着層を露出させその粘着面を介して再接着した。これにより問題のない接着保持状態を形成することができ、脱落を生じなかった。
【0052】比較例1セパレータを除去して露出粘着層を介し羊毛下着に接着保持させ、発熱終了後に取り外したところ高接着力タイプのため脱毛が著しくて下着の損傷が大きく、実用に不向きであった。
【0053】比較例2、比較例3セパレータを除去して露出粘着層を介し綿系下着に接着して1時間保持させた後、取り外し再接着を試みた。しかし比較例2では接着力不足で移動の度に剥がれ落ち、比較例3では比較例2の場合よりもより接着力が弱くて、再接着が困難であった。
【0054】比較例4セパレータを除去して露出粘着層を介し下着に接着保持させ、発熱終了後に取り外したところナイロンやポリエステルの生地では脱落もなく損傷も殆どなかったが、綿や絹の生地では非常に大きな接着力となり取り外した際に生地が非常に損傷した。
【出願人】 【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
【出願日】 平成11年11月22日(1999.11.22)
【代理人】 【識別番号】100088007
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 勉
【公開番号】 特開2001−145650(P2001−145650A)
【公開日】 平成13年5月29日(2001.5.29)
【出願番号】 特願平11−331206