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【発明の名称】 大人用軽失禁パッド
【発明者】 【氏名】杉山 勝彦

【氏名】▲桑▼原 理恵

【氏名】武末 聡美

【氏名】朝井 欣哉

【要約】 【課題】消臭効果に優れ、さらに吸収性能に優れた大人用軽失禁パッドを提供する。

【解決手段】液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置した吸収体とを有してなり、前記吸収体中および/または吸収体表面に消臭剤を含有するフラッフパルプ層を配置した大人用軽失禁パッド。
【特許請求の範囲】
【請求項1】液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置した吸収体とを有する大人用軽失禁パッドにおいて、前記吸収体中および/または吸収体表面に消臭剤を含有するフラッフパルプ層を配置したことを特徴とする大人用軽失禁パッド。
【請求項2】前記消臭剤を含有するフラッフパルプ層は、フラッフパルプ100重量部に対して消臭剤が10〜400重量部配合されていることを特徴とする請求項1記載の大人用軽失禁パッド。
【請求項3】前記消臭剤を含有するフラッフパルプ層は、坪量25〜500g/m2のシート状に形成されており、前記トップシートと吸収体の間に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の大人用軽失禁パッド。
【請求項4】前記消臭剤を含有するフラッフパルプ層は、さらに、フラッフパルプ100重量部に対して高吸収性ポリマーが10〜300重量部配合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の大人用軽失禁パッド。
【請求項5】前記消臭剤は、金属酸化物、活性炭、ゼオライト、粘土鉱物、ベタインから選ばれる少なくとも1種類からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の大人用軽失禁パッド。
【請求項6】液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置された吸収体とを有する大人用軽失禁パッドにおいて、前記吸収体は、消臭剤を含有する高吸収性シートにより形成されていることを特徴とする大人用軽失禁パッド。
【請求項7】前記吸収体は、前記消臭剤を含有する高吸収性シートを複数枚積層して形成されていることを特徴とする請求項6記載の大人用軽失禁パッド。
【請求項8】前記消臭剤を含有する高吸収性シートは、シート材料の少なくとも片面に高吸収性ポリマーと消臭剤とが配置され、熱可塑性樹脂からなるバインダーによって固定保持されていることを特徴とする請求項6または7に記載の大人用軽失禁パット。
【請求項9】前記消臭剤を含有する高吸収性シートは、シート材料の片面に、高吸収性ポリマーが10〜200g/m2、消臭剤が10〜200g/m2、及び熱可塑性樹脂からなるバインダーが3〜50g/m2とが配置されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の大人用軽失禁パッド。
【請求項10】前記消臭剤は、金属酸化物、活性炭、ゼオライト、粘土鉱物、ベタインから選ばれる少なくとも1種類からなることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の大人用軽失禁パッド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は尿失禁用として供される大人用軽失禁パッドに関する。さらに詳しくは、消臭効果、吸収性能共に優れた大人用軽失禁パッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の大人用軽失禁パッドは、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとこれら両シートの間に配置された吸収体で構成されている。吸収性物品、特に大人用軽失禁パッドに供されるものは排泄物が吸収された後も長時間に渡って装着されることもしばしばあり、この際に発生する排泄臭、体臭は大きな問題となっている。これらの体液の排泄による排泄臭や、長時間の装着によって発生する体臭などの臭気を防止する手段として、吸収体中に揮発性の香料を混合させ、使用時に芳香を漂わせることによって悪臭成分のマスキングを行う方法が知られている。
【0003】また、別のタイプの吸収性物品として、消臭剤を吸収体中に混合させて悪臭を抑制させたもの、高吸収性ポリマー内部に消臭剤を分散させたものもがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら吸収体中に揮発性の香料を混合させたタイプの使いすておむつでは、使用直後には香料によって感覚的に臭いの質を変化させるものの、依然として臭い物質は残存するため、消臭効果には限度があり、場合によっては悪臭と混合されることによって、さらに強度の強い不快臭になることもある。
【0005】特開平5-161671号公報に、消臭性繊維をオムツの吸収体に使用したもの、特告昭59−13244号に消臭剤単独で吸収体中に混合させて悪臭を抑制させようとしたものが開示されているが、消臭性能について満足できるようなものはほとんどなく、また、いずれの場合も消臭剤が、吸収体本来の吸収性能を阻害してしまうなど問題点があった。
【0006】また、特開平8-126661号公報に開示されている高吸収性ポリマー内部に消臭剤を分散させたものは、吸収性能は満足できるものの、消臭効果については通常の高吸収性ポリマーとほとんど変わりがなかった。
【0007】特開平9-238977号公報では消臭、殺菌作用のある蓬をパッド表面に転写または含有させたものが開示されており、その製造方法の一つとして、通常の長繊維パルプと共に混合して抄紙する方法を提示しているが、この方法だと消臭剤の脱落等の問題はなくなるものの、吸収性能については満足できるものではなかった。
【0008】本発明は上記従来の大人用軽失禁パッドの有する問題点を解消し、短時間はもちろん長時間にわたる装着においても、不快臭を発散させることのない、消臭効果の高い、吸収性能に優れた大人用軽失禁パッドを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の各発明を包含する。
(1)液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置した吸収体とを有する大人用軽失禁パッドにおいて、前記吸収体中および/または吸収体表面に消臭剤を含有するフラッフパルプ層を配置したことを特徴とする大人用軽失禁パッド。
【0010】(2)前記消臭剤を含有するフラッフパルプ層は、フラッフパルプ100重量部に対して消臭剤が10〜400重量部配合されている前項(1)記載の大人用軽失禁パッド。
【0011】(3)前記消臭剤を含有するフラッフパルプ層は、坪量25〜500g/ m2のシート状に形成されており、前記トップシートと吸収体の間に配置されている前項(1)または(2)記載の大人用軽失禁パッド。
【0012】(4)前記消臭剤を含有するフラッフパルプ層は、さらに、フラッフパルプ100重量部に対して高吸収性ポリマーが10〜300重量部配合されている前項(1)〜(3)のいずれかに記載の大人用軽失禁パッド。
【0013】(5)前記消臭剤は、金属酸化物、活性炭、ゼオライトおよび粘土鉱物およびベタインから選ばれる少なくとも1種類からなる前項(1)〜(4)のいずれかに記載の大人用軽失禁パッド。
【0014】(6)液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置された吸収体とを有する大人用軽失禁パッドにおいて、前記吸収体は、消臭剤を含有する高吸収性シートにより形成されていることを特徴とする大人用軽失禁パッド。
【0015】(7)前記吸収体は、前記消臭剤を含有する高吸収性シートを複数枚積層して形成されている前項(6)記載の大人用軽失禁パッド。
【0016】(8)前記消臭剤を含有する高吸収性シートは、シート材料の少なくとも片面に高吸収性ポリマーと消臭剤とが配置され、熱可塑性樹脂からなるバインダーによって固定保持されて形成されている前項(6)または(7)に記載の大人用軽失禁パット。
【0017】(9)前記消臭剤を含有する高吸収性シートは、シート材料の片面に、高吸収性ポリマーが10〜200g/m2、消臭剤が10〜200g/m2、及び熱可塑性樹脂からなるバインダーが3〜50g/m2とが配置されている前項(6)〜(8)のいずれかに記載の大人用軽失禁パッド。
【0018】(10)前記消臭剤は、金属酸化物、活性炭、ゼオライトおよび粘土鉱物およびベタインから選ばれる少なくとも1種類からなる前項(6)〜(9)のいずれかに記載の大人用軽失禁パッド。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の大人用軽失禁パッドにおける第一発明は、吸収体中および/または吸収体表面に消臭剤を含有するフラッフパルプ層を配置している。このような構成を有する本発明の大人用軽失禁パッドは排泄物を素早くフラッフパルプが吸収し、吸収した排泄物について、パルプ周囲の消臭剤が消臭効果を発揮するので、排泄臭などの悪臭に対して即効性がある。また、消臭剤を含有するフラッフパルプ層を吸収体中および/または吸収体表面に配置することによって、吸収した排泄物の近くに消臭剤が存在することになり、長時間にわたって効果が持続する。また、消臭剤を含有するフラッフパルプ層が吸収体表面に設置されている場合、吸収体から立ち上る臭気にも消臭効果を発揮することができる。また、消臭剤単独ではなく、フラッフパルプ中に高吸収性ポリマーが存在するために、素早く排泄物を吸収することができ、大人用軽失禁パッドの吸収性能を阻害することがない。以下、このタイプの大人用軽失禁パッドを「本発明の第一発明」と記す。
【0020】本発明の大人用軽失禁パッドにおける第二発明は、吸収体として消臭剤を含有する高吸収性シートを用いている。高吸収性シートは、シート材料の少なくとも片側に高吸収性ポリマーと消臭剤とが配置され、熱可塑性樹脂からなるバインダーによって固定保持されて形成されている。このような構成を有する本発明の大人用軽失禁パッドは、フラッフパルプを含む吸収体と比較して吸収スピードが遅いという欠点を有するものの、薄くて柔らかい風合いを有するので、排泄量が少ない、たとえば10cc以下の極軽度の失禁に好適である。以下、このタイプの大人用軽失禁パッドを「本発明の第二発明」と記す。
【0021】本発明において使用されるトップシートは、液透過性不織布が用いられ、不織布を形成する繊維としては、綿等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維またはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維繊維やあるいはそれら2種類以上を組み合わせた複合繊維が使用可能であり、特にはポリエステル/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましいが、特に制限を受けるものではない。
【0022】トップシートは単一のシートで構成される必要はなく、吸収体上面と側部フラップでシートを替えるなど複数枚のシートで構成しても良い。また、複数枚のシートでトップシートを構成する際、各シートは別の素材を使っても良いが、同一の素材でも良い。
【0023】本発明において、バックシートは、液不透過性のポリエチレンシートが用いられる。好ましくはムレを防止するために液体は透過させないが水蒸気は透過させる程度の多数の微孔を設けた通気性ポリエチレン製シートや、熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した透湿性のある液不透過性シート、あるいはこれらのシートの外側に不織布を貼り合わせた複合シートを用いると、おむつ内の余分な水分がおむつ外に放出されるため、むれやかぶれが起こりにくくなり、透湿性や肌触りなどの点でより快適なものとすることができる。
【0024】本発明において使用される消臭剤としては、排泄臭、体臭を消臭する消臭剤であり、フラッフパルプに含有可能な物であれば何れも使用可能であるが、本発明の第一発明に用いた場合、フラッフパルプに含有しやすく、あらゆる臭気に対して消臭性能が高く、安全性、使用後の処理にも問題のない、金属酸化物、活性炭、ゼオライト、粘土鉱物、ベタインなどの消臭剤が好ましい。消臭剤は単独で用いても、2種類以上のものを混合して用いてもよい。形態がいろいろあるベタインはそのままフラッフパルプに含浸させたり、その他の消臭剤に包摂させて用いてもよい。市販の物では、クラレケミカル(株)製、商品名:クラレコール等の活性炭、水澤化学工業製、商品名:ミズカナイト等の金属酸化物系消臭剤、シナネン(株)製商品名:ゼオミック、新エポリオン(株)製、商品名:エポリオン等のゼオライト系や粘土鉱物系の消臭剤を使用することができる。
【0025】消臭剤の粒径としては75〜780μmのものが好ましい。粒径が780μmを越えると、比表面積が小さくなり消臭性能が低下し、また装着した際に異物感を生じさせる可能性がある。また、75μm未満では粒径が細かいため、フラッフパルプ中に配合させる際に均一に混ざらなかったり、また製造時に消臭剤が飛散するという問題が生じる場合もある。
【0026】また、高吸収性ポリマーとしては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のものを採用することができる。具体的には、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−アクリルアミドグラフト共重合体のケン化物、アクリル酸(塩)重合体、アクリル酸で架橋されたポリエチレンオキサイド、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、ポリビニルアルコール−無水マレイン酸反応物の架橋物などであるが、ポリアクリル酸ナトリウム系のものが、その自重の20倍以上の尿や体液、及び水を吸収することから適当である。
【0027】本発明の第一発明において使用されるフラッフパルプは、化学パルプ、機械パルプ、あるいは化学機械パルプのシートを粉砕機で綿状にしたものである。パルプ原料としては針葉樹に限らず、広葉樹も使用できる。また、古紙パルプ、わら、竹、ケナフ等も使用することができる。このときフラッフパルプのサイズはJIS P−8207法によるパルプふるい分け組成の42メッシュ通過分が20%以下であることがフラッフパルプからの消臭剤の脱落を防止する意味で望ましい。
【0028】本発明の第一発明において、吸収体は前述のフラッフパルプと高吸収性ポリマーを混合してなる単層構造であっても良く、また、高吸収性ポリマー層の上にフラッフパルプ層を積層した構造であっても良く、あるいは、フラッフパルプ層の上に高吸収性ポリマーとフラッフパルプを混合してなる層を積層した構造であっても良い。フラッフパルプと高吸収ポリマーの配合割合はフラッフパルプ100重量部に対して高吸収性ポリマー10〜400重量部が好ましい。
【0029】本発明の第一発明において使用される消臭剤を含有するフラッフパルプ層は、フラッフパルプに消臭剤が均一に混合されてシート状に形成され、好ましくは坪量25〜500g/m2のシート状に形成される。坪量が25g/m2未満では体液の量が多い場合には、吸収能力及び消臭能力が不十分となり、また、500g/m2を越えて多くなると厚みが増して使用感が悪くなる。
【0030】本発明の第一発明において、消臭剤を含有するフラッフパルプ層には、フラッフパルプ100重量部に対して消臭剤が10〜400重量部配合されていることが好ましい。消臭剤の配合量が10重量部未満であると消臭効果がほとんど期待できない。また400重量部を越えて配合されると、消臭剤が脱落し易くなり好ましくない。
【0031】本発明の第一発明において、消臭剤を含有するフラッフパルプ層には、必要に応じて高吸収性ポリマーを配合することができる。高吸収性ポリマーはフラッフパルプ100重量部に対して10〜300重量部であることが望ましい。高吸収性ポリマーの配合量が10重量部未満であると高吸収性ポリマーの能力を発揮することが出来ず、吸収能力の向上が認められなくなる。また、300重量部を越えて多くなると、フラッフパルプ中に消臭剤を配合することが困難になり、消臭剤脱落の要因となる。さらに、消臭剤を含有するフラッフパルプ層には必要に応じて、フラッフパルプ100重量部に対して3〜60重量部の熱融着物質を配合することもできる。熱融着物質を配合し、これを熱圧着するとフラッフパルプ層の成形性が良好となる。
【0032】消臭剤を含有するフラッフパルプをシート状に形成する方法としては特公昭59-13244号公報に開示されている乾式パルプエヤーレイド方式を採用することが望ましい。この方法を採用することによって消臭剤をフラッフパルプ中に均一に分散させることが出来る。また熱融着繊維以外の固体の結合材を使用することがないので、消臭剤の活性を妨げることがない。
【0033】また、上述のような材料から構成された吸収体を圧縮成形する場合、密度が均一になるように表面を平滑に成形したり、あるいは尿や体液を長手方向および斜め方向に導くエンボス加工を施し、密度が部分的に異なるようにしても良い。
【0034】本発明の第二発明において使用される吸収体は、消臭剤を含有する高吸収性シートにより形成されている。高吸収性シートはシート材料の少なくとも片面に高吸収性ポリマーと消臭剤とが配置され、これを熱可塑性樹脂からなるバインダーによって固着保持されて形成される。
【0035】本発明の第二発明の高吸収性シートに用いられる熱可塑性樹脂からなるバインダーとしては、熱可塑性樹脂からなる繊維、パウダー、接着剤など、粉体を固定することが可能なものであれば任意に選択して用いることができるが、その中でも製造時の扱いやすさの点でホットメルト接着剤が有利に用いられる。
【0036】ホットメルト接着剤としては、いわゆるSBS系ホットメルトと呼ばれるスチレンーブタジエンースチレン系共重合体や、SIS系ホットメルトと呼ばれるスチレンーイソプレンースチレン系共重合体といった合成ゴム系、あるいはプロピレン―ブテン共重合体のようなオレフィン系を用いることができる。
【0037】熱可塑性の繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロンやポリプロピレン/ポリエチレン複合繊維、ポリプロピレン/ポリエステル複合繊維、ポリエチレン/ポリエステル複合繊維などが用いられる。また、熱可塑性パウダーとしてはポリエチレンパウダーが用いられる。熱可塑性の繊維およびパウダーは高吸収性ポリマーと消臭剤に混合してシート材料上に積層され、加熱されることで融けて高吸収性ポリマーと消臭剤を固定保持する。
【0038】バインダーとしてホットメルト接着剤を用いた場合に、高吸収性シートを製造する方法としては、シート材料上にタック性の高いホットメルト接着剤と塗布して、その上に高吸収性ポリマーと消臭剤を混合したものを積層して固定させる方法がある。この場合、高吸収性ポリマーや消臭剤の脱落を防止するために必要であればタック性の低いホットメルトを網目状にかぶせると効果的である。その他に、高吸収性ポリマーと消臭剤とホットメルト接着剤とを同時にシート材料に吹き付けて固定してもよい。
【0039】本発明の第二発明において高吸収性シートに用いられる熱可塑性樹脂からなるバインダーの使用量は、固定すべき高吸収性ポリマーや消臭剤の量に合わせて任意に決定することができるが3〜50g/m2の範囲で使用することが好ましい。バインダーの使用量が3g/m2未満では高吸収性ポリマーや消臭剤を固定することができなくなる。一方50g/m2を越えて多くなると高吸収性ポリマーや消臭剤のバインダー中に埋没する部分が多くなり、高吸収性シートの吸収性能や消臭性能が低下する。
【0040】本発明の第二発明において、高吸収性シートに用いられる高吸収性ポリマーの量は任意に決定することができるが、10〜200g/m2の範囲で使用することが好ましい。高吸収性ポリマーの使用量が10g/m2未満では十分な吸収性能が得られなくなる。一方、200g/m2をこえて多くなるとシート材料表面から高吸収ポリマーが脱落し易くなり、さらに、消臭剤を配置できなくなり、目的とする高吸収性シートの製造が不可能になる。
【0041】本発明の第二発明において、高吸収性シートに用いられる消臭剤の量は任意に決定することができるが、10〜200g/m2の範囲で使用することが好ましい。消臭剤の使用量が10g/m2未満では十分な消臭性能が得られなくなる。一方、200g/m2をこえて多くなるとシート材料表面から消臭剤が脱落し易くなり、さらに、高吸収性ポリマーを配置できなくなり、目的とする高吸収性シートの製造が不可能になる。
【0042】本発明の第二発明で用いられるシート材料としては、乾式不織布、湿式不織布、紙、フィルム等を用いることができ、その坪量は5〜100g/m2のものが用いられる。シート材料の坪量が5g/m2未満ではシート材料の強度が弱く、高吸収性シートの製造が困難である。一方、100g/m2を越えると高吸収性シートの柔軟性が損なわれるので好ましくない。本発明の第二発明において、上記の構成で作られた高吸収性シートは一枚で吸収体として用いてもよく、或いは複数枚重ねて吸収体としてもよい。
【0043】以下、図面を参照して本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等制限されるものではない。図1は本発明の第一発明の大人用軽失禁パッドを幅方向に切断した状態を示す横断面図である。図1において、大人用軽失禁パッド1は、トップシート2と、バックシート3と、これら両シートの間に配置された吸収体4と、吸収体4の表面および吸収体4中に配置された消臭剤を含有するフラッフパルプ層5から形成されている。なお、図1では吸収体4と消臭剤を含有するフラッフパルプ層5をトップシート2で包み込むような構造を示したが、トップシート2とバックシート3の間に吸収体4とフラッフパルプ層5を挟持し、トップシート2とバックシート3の両側縁を接合した構造であっても良い。また、消臭剤を含有するフラッフパルプ層5に、高吸収性ポリマーを混合しても良い。
【0044】図2は図1とは異なる例を示す、本発明の大人用軽失禁パッドを示す横断面図である。図2において、消臭剤を含有するフラッフパルプ層5は吸収体4の表面上に配置されている。図2では消臭剤を含有するフラッフパルプ層5を吸収体4の表面上に配置したが、消臭剤を含有するフラッフパルプ層5は吸収体4中に配置しても良い。また、図2では消臭剤を含有するパルプ層5の幅方向の長さを吸収体4と同じにしたが、幅方向の長さは吸収体4よりも長くてもよく、或いは短くても良い。また同様に長手方向の長さも吸収体4と同一にする必要はない。
【0045】図3は図1に示す大人用軽失禁パッド1の消臭剤を含有するフラッフパルプ層5をさらに詳しく説明する横断面図である。図3において、消臭剤を含有するフラッフパルプ層5は、フラッフパルプ6中に消臭剤8と高吸収性ポリマー9が配置されており、ティッシュ等の吸収性シート7の間に挟み込まれて形成されている。なお、図3では、消臭剤を含有するフラッフパルプ層5の中には消臭剤8と高吸収性ポリマー9が配置されている例を示したが消臭剤8のみを配置した構造であっても良い。更に高吸収性ポリマー9を併用する場合には、図3のように高吸収性ポリマー9は消臭剤を含有するフラッフパルプ層5の上層に配置しても良いが、フラッフパルプ6中に均一に分散させても良い。
【0046】図4は本発明の第二発明の大人用軽失禁パッドを幅方向に切断した状態を示す横断面図である。図4において、大人用軽失禁パッドは、トップシート2と、バックシート3とこれらのシート間に配置された消臭剤を含有する高吸収性シート10から形成されている。また、消臭剤を含有する高吸収性シート10は、シート材料11上に配置された消臭剤8と高吸収性ポリマー9が熱可塑性樹脂からなるバインダー12によって固定保持されて形成されている。
【0047】図5は図4とは異なる例を示す、本発明の第二発明の大人用軽失禁パッドを幅方向に切断した状態を示す横断面図である。図5において大人用軽失禁パッドは、図4で例示した消臭剤を含有する高吸収性シート10が2枚積層されて形成されている。さらに。消臭剤を含有する高吸収性シート10上の高吸収性ポリマー9と消臭剤8が固定された上からさらにノンタック性のホットメルト接着剤13が網目状になるように吹き付けられている。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明の大人用軽失禁パッドをより詳細に説明する。なお、各実施例および比較例について行った評価項目および評価方法は以下の通りである。
【0049】官能試験「消・脱臭技術の進歩と実務」の109〜111頁(西田耕之助 監修、総合技術センター、1991年1月31日発行)に記載されている方法に準じて行った。すなわち、健康な成人20名がパネラーとなり、各大人用軽失禁パッドに人尿50mlを注入したサンプルについて、24時間経過後にサンプルを鼻に3cmまで近づけ、臭気強度及び快・不快度について官能評価を行い、その平均点を算出した。
臭気強度:次の6段階で評価した0…無臭1…やっと感知できる臭い2…何の臭いであるか分かるが、弱い臭い3…楽に感知できる4…強い臭い5…強烈な臭い快・不快度:次の9段階で評価した4…極端に快3…非常に快2…快1…やや快0…快でも不快でもない−1…やや不快−2…不快−3…非常に不快−4…極端にに不快【0050】上記官能試験の結果を総合評価し、消臭効果を次の4段階で評価した。
◎…消臭効果が非常に良好である○…消臭効果が良好である△…消臭効果がやや劣る×…消臭効果が劣る【0051】吸収速度試料のトップシート中央部に直径1インチの穴の開いた約600gのステンレス板(10cm×10cm)を置き、この穴に人工尿50mlを注入し、これが吸収されまでに要する時間(秒)を計測した。ただし、後記する実施例6および比較例3は人工尿の注入量を10mlとした。なお、使用した人工尿の組成は次の通りである。
尿素 1.94%塩化ナトリウム 0.8 %硫酸マグネシウム 0.1 %塩化カルシウム 0.06%脱イオン水 97.1 %【0052】逆戻り量吸収速度を測定した試料を5分間放置した後、そのトップシート面に5cm×5cmの濾紙(東洋濾紙(株)製、アドバンテックNo.63)を10枚重ね、この上に5kgの荷重をかけて5分間放置した後、濾紙の増加重量を測定して逆戻り量(g)とした。
【0053】実施例1パルプふるい分け組成の42メッシュ通過分が20%以下であるフラッフパルプ100g/ m2、及び高吸収性ポリマー(商品名:アクアキープ、住友精化(株)製)100g/ m2を均一に混合して吸収体を形成し、この表面上に消臭剤として、粒径300〜770μmの活性炭(商品名:クラレコール 、クラレケミカル(株)製)150g/ m2とフラッフパルプ150g/m2を均一に混合して形成した消臭剤を含有するフラッフパルプ層を配置し、次いで吸収体とフラッフパルプ層の積層体の表面から側面を覆って、ポリプロピレン繊維からなる、目付量25g/m2、厚さ250μmの不織布によって形成されたトップシートを配置し、さらに、反対側の面に厚さ22μmのポリエチレンフィルムからなるバックシートを配置して、幅寸法80mm、長さ寸法240mmの図2に示す構造の本発明の第一発明の大人用軽失禁パッドを作製した。
【0054】実施例2消臭剤としてベタインを含有させた粒径75〜150μmのゼオライト150g/m2を用い、これとパルプふるい分けによる42メッシュ通過分が20%以下であるフラッフパルプ150g/m2を混合し、さらに、高吸収性ポリマー(商品名:アクアキープ、住友精化(株)製)150g/m2を配合し、両面を40g/m2の吸収性シート(商品名キノクロス、王子キノクロス(株)製)で被覆して図3に示す構造の消臭剤を含有するフラッフパルプ層をフラッフパルプ150g/m2と高吸収性ポリマー(同上)30g/m2を均一に混合して形成した吸収体の表面上に配置したのち、以下、実施例1と同様にして本発明の第一発明の大人用軽失禁パッドを作製した。
【0055】実施例3消臭剤としてベタインを含浸させた粒径75〜150μmのゼオライト150g/m2を用い、これをパルプふるい分けによる42メッシュ通過分が20%以下であるフラッフパルプ150g/m2を混合して消臭剤を含有するフラッフパルプ層を形成した。次いでこの消臭剤を含有するフラッフパルプ層を、フラッフパルプ150g/m2と高吸収性ポリマー(商品名:アクアキープ、住友精化(株)製)150g/m2からなる吸収体中に配置した後、以下、実施例1と同様にして本発明の第一発明の大人用軽失禁パッドを作製した。
【0056】実施例4消臭剤としてベタインを含浸させた粒径75〜150μmのゼオライト300g/m2を用い、これとパルプふるい分けによる42メッシュ通過分が20%以下であるフラッフパルプ150g/m2を混合し、さらに高吸収性ポリマー(商品名:アクアキープ、住友精化(株)製)150g/m2を配合して消臭剤を含有するフラッフパルプ層を形成した。次いで、この消臭剤を含有するフラッフパルプ層をフラッフパルプ100g/m2と高吸収性ポリマー(同上)50g/m2を均一に混合して形成した吸収体の表面上に配置した後、以下、実施例1と同様にして本発明の第一発明の大人用軽失禁パッドを作製した。
【0057】実施例5消臭剤として粒径300〜770μmの活性炭(商品名:クラレコール、クラレケミカル(株)製)75g/m2とパルプふるい分けによる42メッシュ通過分が20%以下であるフラッフパルプ75g/m2とを均一に混合して形成した消臭剤を含有するフラッフパルプ層を使用する以外は、実施例1と同様にして本発明の第一発明の大人用軽失禁パッドを作製した。
【0058】比較例1フラッフパルプ150g/m2と高吸収性ポリマー150g/m2とを混合して形成した吸収体表面上にフラッフパルプ150g/m2を、配置した以外は実施例1と同様にして大人用軽失禁パッドを作製した。
【0059】比較例2フラッフパルプ150g/m2と高吸収性ポリマー150g/m2とを混合して形成した吸収体表面上に消臭剤として粒径300〜770μmの活性炭(商品名:クラレコール、クラレケミカル(株)製)150g/m2を配置した以外は実施例1と同様にして大人用軽失禁パッドを作製した。
【0060】実施例6ポリプロピレン樹脂からなる目付量20g/m2のスパンボンド不織布上にスチレンーイソプレンースチレン系ホットメルト接着剤を30g/m2塗布し、その上に高吸収性ポリマー(商品名:アクアキープ、住友精化(株)製)50g/m2と消臭剤として(粒径300〜770μmの活性炭(商品名:クラレコール、クラレケミカル(株)製)50g/m2を散布して固定保持させ、消臭剤を含有する高吸収性シートを形成した。次いで、高吸収性シートの表面から側縁を覆って、ポリプロピレン繊維からなる、目付量25g/m2、厚さ250μmの不織布によって形成されたトップシートを配置し、さらに反対側の面に厚さ22μmのポリエチレンフィルムからなるバックシート配置し、幅寸法80mm、長さ寸法240mmの図4に示す本発明の第二発明の大人用軽失禁パッドを作製した。
【0061】比較例3高吸収性シートに消臭剤を配合しなかった以外は、実施例6と同様にして大人用軽失禁パッドを作製した。
【0062】上記実施例1〜6及び比較例1〜3で作製した大人用軽失禁パッドを用いて消臭性能及び吸収性能の評価を行った。結果を表1に示す。
【0063】
【表1】

【0064】表1から明らかなように、実施例1〜5に示す本発明の第一発明の大人用軽失禁パッドは消臭効果に優れ、且つ吸収性能が良好なのに対して、比較例1〜2のものは消臭効果或いは、吸収性能のいずれかが劣っており、本発明の効果が確認された。また、実施例6に示す本発明の第二発明の大人用軽失禁パッドでは比較例3に比べて消臭効果が発揮されていることが明瞭である。
【0065】
【発明の効果】以上本発明の第一発明における大人用軽失禁パッドでは、消臭剤を含有するフラッフパルプ層が吸収体中および/または吸収体表面に配置されているため、パルプによって素早く排泄物を吸収し、引き続いてその周囲の消臭剤が消臭効果を発揮するので、排泄臭などの悪臭に対して即効性があり、また、長時間にわたって排泄物の近くに消臭剤が存在することとなり、効果が持続する。また、排泄物による臭気のみならず、発汗に起因する体臭などの臭気も抑制することが出来る。
【0066】また、フラッフパルプ層中に消臭剤と共に高吸収性ポリマーを配合することにより消臭効果が高く、吸収性能に優れた大人用軽失禁パッドの提供が可能である。
【0067】さらに、本発明の第二発明における大人用軽失禁パッドでは、消臭効果を有すること加えて、フラッフパルプがないため薄型の大人用軽失禁パッドを提供することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子製紙株式会社
【出願日】 平成12年7月12日(2000.7.12)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−145648(P2001−145648A)
【公開日】 平成13年5月29日(2001.5.29)
【出願番号】 特願2000−211271(P2000−211271)